まるで北朝鮮
〈中国遼寧省と浙江省で5月、「スパイ行為」にかかわった疑いで日本人男性2人が相次いで中国当局に拘束されたことがわかった。スパイ行為の疑いで日本人が中国で拘束されたことが明らかになるのは極めて異例……〉
朝日新聞が9月30日に報じたスクープ記事に日本中が騒然となった。
菅義偉官房長官は同日夕刻の記者会見で、事実を認めた。中国外交部の洪磊報道官も同日午後の会見で、「スパイ行為の嫌疑で日本人2人を逮捕し、日本側にも通知している」と述べた。
今回拘束されたと報じられたうち一人は、中朝国境の町である遼寧省丹東で、もう一人は東シナ海に面した浙江省温州だった。
日本政府関係者が憤って語る。
「実はもう一人、70歳の日本人男性が、6月に北京で捕まっている。これら3人のうち日本政府が送り込んだスパイなど、一人もいない。すべては中国側のでっち上げなのに、日本政府が交渉しても釈放しない」
中国は昨年11月、習近平主席の「鶴の一声」で、「反スパイ法」を制定した。今回はこの反スパイ法を適用したものと思われる。反スパイ法は、全39条からなり、以下のような恐ろしい条文が満載だ。
第3条 すべての社会団体や企業などは、スパイ行為を防止・制止する義務を負う。
第6条 外国機関、組織、個人が中国でスパイ行為を行えば、必ず法律の追及を受ける。
第8条 国家安全機関は反スパイ活動を捜査中に、偵察、拘留、逮捕その他の権限を持つ。
第22条 国家安全機関がスパイ行為の調査中は、どんな組織・個人も必要なものを提供し、拒絶してはならない。
このように、習近平政権はまるで北朝鮮のような法律を定めたのである。実際、中国のネット上では、こうした現状を「西朝鮮」(朝鮮の西にある中国の意)と自虐的に呼んでいる。
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