2014年10月8日03時00分
松山市の秋祭り「松山地方祭」は7日、市内各地で最高潮を迎えた。伊予鉄道道後温泉駅前(同市道後町1丁目)には早朝、近くの伊佐爾波(いさにわ)神社と湯神社の計8体の神輿(みこし)が集結。神輿をぶつけ合う「鉢合わせ」があった。昨年、秋祭り直前の火事で神輿を焼失した溝辺(みぞのべ)地区も、新調した神輿で勇壮な姿を披露した。
火事があったのは、昨年9月22日早朝。厳島神社(同市溝辺町)の拝殿が全焼し、なかにあった「町の宝」である神輿も焼けた。他の地区から神輿を借りて祭りに参加するという話もあったが、大頭取の松本敏幸さん(48)は「他よりも大きく重厚感がある溝辺の神輿はみんなの誇り。他の神輿では意味がない」。大正時代に作られた先代の神輿をつっぱり棒で補強して参加した。
祭りには参加できたものの、古い神輿は鉢合わせの衝撃に耐えられず、屋根には穴があいた。神輿を新調するため、関係者らは5月から地区内約1200軒を回って寄付を募った。寄付は地元住民だけでなくかき手の知り合いなど市内から700万円以上集まり、先月、新しい神輿ができあがった。
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