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【経済インサイド】
「曲がる太陽電池」で日本メーカーが中国勢に反転攻勢 数年後の世界市場が一変する可能性も
シリコン系の太陽電池は半導体同様、製造装置があれば技術があまりなくても作れる。このため、人件費の差で勝負がつくケースが少なくない。
人件費で分が悪い日本や欧米のメーカーは、次々に事業継続を断念。シャープは大半を外部調達に切り替え、Qセルズは昨年倒産した後、韓国のハンファグループに吸収されている。
一方、日本では、2012年に導入された再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)が追い風となり、太陽光発電が急速に普及。メガソーラーバブルともいえる状況になったが、これによって一部電力会社で系統電力の負荷が増大。昨年秋には九州電力が送電網への接続を保留する事態となり、バブルは一気に弾けた。
一方、買い取り価格が引き下げられて、安さが重視されるようになり、アジア製品が流入。日本メーカーは軒並み業績を悪化させ、自国市場すら失おうとしている。
IHSテクノロジーの大山聡主席アナリストは「価格競争力で劣る日本メーカーが巻き返すのは難しい」と予測する。
まさに正念場だが、活路はある。