300万円で示談を持ち掛けてきた
翌朝、一気飲みを何度もさせられて意識を失っていた友人が、目を覚ますのを待ってAさんは2人でマンションを出た。
Aさんは友人にレイプされたことを告白。妊娠を恐れて婦人科に行き、アフターピルをもらい、迷った末、年上の知人男性に相談、弁護士を紹介してもらったうえで、その日のうちに麻布署に駆け込んだ。
調べは深夜にまで及んだ。
そうした処理の速さと、DNA鑑定でXの性行為が裏付けられたこと、Aさんの言動にブレがなく、「300万円で示談に応じないか」というXの弁護士からのメールに返信もしなかった意志の強さもあって、告訴を受理して捜査していた麻布署は、9月初旬までにXを東京地検に書類送検した。
私が、Aさんからの訴えを受けて、最初に話を聞いたのは5月中旬だった。
事件は、起業して会社を大きく育てる使命感も意欲もなく、株式の公開で創業者利得を得るのが目的の「上場ゴール」という言葉に代表される、浮ついたITベンチャーブームの底の浅さを表しているように思い、強い関心を持った。
ただ、取材は控えた。
レイプ事件は加害者が「和姦」を訴えるのが常で、捜査当局は必ずしも積極的には取り組まない。だが、この事件は、5月中旬の段階で、Aさんの事情聴取を繰り返し、人形を使ったレイプ事件の再現、さらにはXの取り調べまで行っており、刑事事件化は間違いないと思えたからだ。
つまり、取材が捜査に影響を及ぼすのを避けた、ということだ。事実、性行為そのものを否定することのできなかったXは、今後、書類や証拠物の送致を受けた検察によって、起訴するか否かの判断が下され、起訴されて刑事被告人になれば、「社長」という今の社会的地位は抹殺されよう。
では、事件を再確認してみよう。
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