カイロ=翁長忠雄
2015年10月12日21時11分
国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」は10日、シリアでロシア製の新型のクラスター爆弾が使われたと発表した。シリアに軍事介入したロシア軍が使用したのか、ロシアから武器を供与されたシリア軍が使用したのかは確認できないとしている。
HRWによると、シリア北部のアレッポ南西部で、今月4日にクラスター爆弾が使用されたという。反アサド政権の地元メディアが撮影した写真で特定した。この時の使用では死傷者は出ていないとみられる。
HRWの中東担当幹部は「ロシアもシリアもクラスター爆弾を使用すべきではない。両国とも国際的な禁止条約にすぐに加盟すべきだ」と述べた。
HRWはこれまで、シリア内戦では2012年半ばからアサド政権軍がクラスター爆弾を使い始めたと報告。過激派組織「イスラム国」(IS)も14年後半に同爆弾を使ったという。(カイロ=翁長忠雄)
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〈クラスター爆弾〉 クラスターとは「集束」や「房」の意味。一つの大きな爆弾の中に、無数の「子弾」を詰めて投下し、子弾をばらまく。それらは不発弾として地上に残るケースが少なくない。野球のボールや空き缶ほどの大きさで、子どもが触って爆死する被害が後を絶たず、「第二の地雷」とも呼ばれる。2010年、クラスター爆弾禁止条約が発効したが、保有するロシアや米国などは加盟していない。
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朝日新聞国際報道部
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