「中野剛志先生のよくわかるTPP解説」
この動画の書き起こしがありましたので、検証してみたいと思います。一部おさらいも含みます。
貿易の関税自由化がかなり急進的に自由化を目指すと。貿易もモノだけでなくて人とかサービスも含めて包括的なものになっていると聞いています。交渉参加にあたって、あらかじめ、例えばコメは例外ですよとかいう自由貿易の例外品目を提示して参加するのは認められない。
中野剛志先生のよくわかるTPP解説 | 書き起こし.com
まず、交渉参加にあたって、安倍首相と自民党は「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」と表明した上で、安倍首相は日米首脳会談で次のように確約を取り付けています。
① 日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在すること、
② 最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであること、
③ TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められないこと、
の三点について述べ、これらについてオバマ大統領との間で明示的に確認された
TPP協定に係る日米首脳会談(2月23日)の概要(北海道TPP協定対策本部)
この時点で中野氏のデマは確定したわけですが、交渉の結果が出てみないとわからないと言い訳することはできたでしょう。というわけで、その結果を確認してみましょう。
1 米:
米及び米粉等の国家貿易品目
① 現行の国家貿易制度を維持するとともに、
枠外税率(米の場合 341 円/kg)を維持。
・・・
2 麦:
(1) 小麦
① 現行の国家貿易制度を維持するとともに、
枠外税率(55 円/kg)を維持。
・・・
3 甘味資源作物:
(1) 砂糖
① 粗糖・精製糖等については、
現行の糖価調整制度(ブログ主注:関税と同じようなもの)を維持した上で、以下を措置。
・・・
4 牛肉:
(1) 関税撤廃を回避し、セーフガード付きで関税を削減。
・・・
5 豚肉:
(1) 差額関税制度を維持するとともに、分岐点価格(524 円/kg)を維持。
・・・
6 乳製品:
(1) 脱脂粉乳・バター
① 現行の国家貿易制度を維持するとともに、枠外税率(脱脂粉乳 21.3%+396 円/kg 等、バター29.8%+985 円/kg 等)を維持。
TPP農林水産物市場アクセス交渉の結果/農林水産省
見事に公約通り、聖域の関税撤廃は行ないませんでした。別枠を設けただけです。枠で課税非課税を分ける時点で関税撤廃ではありません。
ということで、彼が言っていたのは完全にデマだったわけです。
これについてはデマを言っていたと認めますよね?
もちろん、これだけではありません。彼がもたらしたかもしれない大きな損失は計り知れないものです。
まだまだ言い足りないので、つづきます。
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