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チェックしておきたい脆弱性情報<2015.10.13>

2015/10/13
寺田 真敏=Hitachi Incident Response Team (筆者執筆記事一覧

Hitach Incident Response Team

 9月27日までに明らかになった脆弱性情報のうち、気になるものを紹介します。それぞれ、ベンダーが提供する情報などを参考に対処してください。

Struts 2.3.24.1リリース(2015/09/24)

 WebアプリケーションフレームワークStrutsのバージョン2.3.24.1がリリースされました。バージョン2.3.24.1では、内部オブジェクトを不正に操作される脆弱性(CVE-2015-5209)を解決しています。この問題の影響を受けるStruts 2.0.0~Struts Struts 2.3.24は、除外指定のパラメーターフィルターを適用するか、バージョン2.3.24.1にアップデートする必要があります。

米シスコIOSに複数の脆弱性(2015/09/23)

 Cisco IOS関連で、3件のセキュリティアドバイザリーが公開され、4件のセキュリティ問題が解決されています。脆弱性による影響はサービス拒否攻撃、ユーザー認証機構の迂回です。

■cisco-sa-20150923-fhs
 Cisco IOSおよびCisco IOS XEのIPv6ファーストホップセキュリティ機能のIPv6スヌーピングパケット処理には、サービス拒否攻撃を許してしまう脆弱性(CVE-2015-6278、CVE-2015-6279)が存在します。不正なIPv6 Neighbor Discoveryパケットを受信した場合に、機器のリロードが発生する可能性があります。ファーストホップセキュリティ機能は、インタフェースまたはVLANに適用できる一連のIPv6セキュリティ機能を提供しています。

■cisco-sa-20150923-sshpk
 Cisco IOSおよびCisco IOS XEのSSHバージョン2の実装には、RSAベースのユーザー認証機構の迂回を許してしまう脆弱性(CVE-2015-6280)が存在します。

■cisco-sa-20150923-iosxe
 Cisco IOS XEのネットワークアドレス変換(NAT)ならびに、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)のIPv4パケット処理には、サービス拒否攻撃を許してしまう脆弱性(CVE-2015-6282)が存在します。NATとMPLSサービスを利用する不正なIPv4パケットを受信した場合に、機器のリロードが発生する可能性があります。

米アドビ システムズ Adobe Flash Player 19.0.0.185リリース:APSB15-23(2015/09/24)

 Adobe Flash Player 19.0.0.185では、型の取り違え(type confusion:CWE-843)、メモリーの解放後使用(use-after-free:CWE-416)、メモリー破損、バッファオーバーフローに起因して任意のコード実行を許してしまう問題18件(CVE-2015-5567、CVE-2015-5570、CVE-2015-5572~CVE-2015-5575、CVE-2015-5577~CVE-2015-5582、CVE-2015-5584、CVE-2015-5587、CVE-2015-5588、CVE-2015-6676~CVE-2015-6679、CVE-2015-6682)、情報漏洩を許してしまう脆弱性2件など、計23件を解決しています(図1)。脆弱性を悪用された場合、攻撃者に対象システムを制御されてしまう可能性があります。また、これらの問題を解決したデスクトップランタイムWindows/Mac版Adobe AIR 19.0.0.190がリリースされました。

図1●Adobe Flash Playerの脆弱性対策件数

Firefox 41.0、ESR 38.3リリース(2015/09/22)

 Firefox 41.0では、任意のコード実行を許してしまう脆弱性、サービス拒否攻撃、情報漏洩、セキュリティ機構の迂回を許してしまう脆弱性など、19件のセキュリティアドバイザリーに含まれる計27件の脆弱性を解決しています。

Red Hat Enterprise Linux Server(v.6)(2015/09/22)

 Red Hat Enterprise Linux Serverに搭載されているFirefox、仮想化環境を提供するqemu-kvmのセキュリティアップデート(RHSA-2015:1834、RHSA-2015:1833)がリリースされました。

 Firefoxは、Firefox ESR 38.3で解決した脆弱性に対応しています。qemu-kvmでは、ネットワークドライバーRTL8139のエミュレーションに存在する情報漏洩を許してしまう脆弱性(CVE-2015-5165)を解決しています。この問題を悪用された場合、QEMUメニューのヒープメモリーを参照されてしまう可能性があります。

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