広島市繁華街火災 個室の「エステルーム」に被害が集中
フジテレビ系(FNN) 10月12日(月)18時38分配信
メイドカフェの従業員など、6人が死傷した広島のビル火災。被害が集中していたのは、「エステルーム」と呼ばれる、メイドカフェの個室だった。FNNが入手した、火災のあった雑居ビル2階の写真。
右手に写っているのは、女性従業員が着ている浴衣。
その後ろに続く廊下には、非常ベルのほか、消火器が置かれている。
そして、避難誘導灯も見えている。
8日、広島市中区の繁華街で、メイドカフェの女性従業員ら3人が死亡、3人が重軽傷を負ったビル火災。
出火当時の状況が、新たにわかってきた。
死傷者の多くがいたとみられているのは、「黒猫メイド魔法カフェ」。
出火当時、店には、1階と2階に、客や従業員が、あわせて22人ほどいたという。
この中で、被害が集中したのは、2階にあるエステルーム。
メイドカフェの元従業員は、「(エステルームとは?)個室なんですけど、そこで簡単なエステというか、マッサージをやっていました」と話した。
女性従業員が、客にマッサージを行っていたという部屋。
FNNの取材によると、このエステルームは、待合室のほか、板で仕切られた10のスペースがあり、室内は、複雑な構造だったという。
メイドカフェの元従業員は、「急に『ワァ!』と騒いだり、大暴れしたりする客がいるから、『ドン』といっても、またお客さんが騒いでいるなと...」と話した。
周囲の音も聞こえにくかったという、エステルーム。
この部屋にいた人以外は、全員逃げて無事だった。
火災が起きた雑居ビルは、1948年に建てられた木造2階建てで、スプリンクラーは、ついていなかった。
消防が、2007年と2011年に、立ち入り検査を行った際、避難訓練や消火訓練を行うように、5回にわたって指導していたが、改善されていなかったという。
火事は、防げなかったのか。
現場検証の結果、火元は、ビル1階にある道路に面した物置スペースである可能性が高いとみられていて、積んであった段ボールが燃えていたという。
周囲には、火の手が上がるものはないことから、警察は、放火と失火の両面で調べを進めている。
最終更新:10月12日(月)20時32分