【巨人】阿部、復調2安打も得点圏は沈黙「やるしかない」
2015年10月12日6時0分 スポーツ報知
◆セ・クライマックスシリーズ第1S ▽第2戦 巨人2─4阪神(11日・東京ドーム)
試合終了の瞬間を、阿部はネクストから無表情で見届けた。勝負は第3戦へ。「やるしかない」。短い言葉に力を込めた。
復活への手応えと、課題が残る一戦だった。10日の初戦は5打数無安打だったが、この日は初回2死から外角直球を右前にはじき返し、3回2死一塁ではアウトローへのカーブを中前に転がした。今季の対戦打率4割1分7厘のメッセンジャーを、データ通りに粉砕したかにみえた。
だが、勝負どころでのわずかな力みが、判断とバットコントロールを狂わせた。3点ビハインドの5回2死一、二塁で、2ボールから低めのボール球に手を出して三邪飛。「点が入るところで打たないと意味がない。あそこで打てていれば、流れが変わっていた」。7回2死一塁ではカーブを狙い打つも、右翼フェンス手前で失速した。
今年は打席ごとに、フォームに細かな変化を加えてきた。「自分を変えることを恐れて、去年は失敗した。進化するためには、どんどん変化することも必要」。このCSでも、グリップエンドが小さく、指をかけやすいバットを練習で使用するなど、良いと思えるものは迷わず試している。
この2試合、得点圏では3打数無安打と沈黙。今こそ、修正能力を見せる時。4番としてチームを勝利に導くことができない悔しさは、第3戦で晴らす。(尾形 圭亮)