ソウル=東岡徹
2015年10月12日11時51分
ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界記憶遺産に、中国が申請していた慰安婦に関する資料は登録されなかった。しかし、韓国では元慰安婦の支援団体が中心になって登録をめざしている。こうした動きを韓国政府も支援しており、今後は日韓間で火種になるおそれがある。
韓国女性家族省や文化財庁によると、元慰安婦の女性たちが共同生活を送る「ナヌムの家」など民間団体が中心になって登録をめざしている。韓国政府は今年5月、日本の植民地支配からの解放70周年を記念する事業の一つに世界記憶遺産への登録を盛り込んだが、政府はあくまでも民間の活動を支援する立場だという。現在は、来年3月の申請に向けて資料や文献の整理をしているという。
記憶遺産への登録をめざすのは慰安婦問題を国際社会に訴え、日本政府から対応を引き出すねらいもある。ただ、日本側の反発を生み、関係悪化につながりかねない。韓国外交省報道官は6日の記者会見で、登録は「民間レベルの努力の一環」と強調し、「両国関係に影響を及ぼすとは考えていない」と述べた。
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朝日新聞国際報道部
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