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子どもの体力・運動能力 緩やかな向上傾向
10月12日 7時30分

子どもの体力・運動能力 緩やかな向上傾向
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小学生から高校生までの子どもの体力や運動能力は昭和60年ごろをピークに低迷していますが、ここ数年は緩やかな向上傾向にあることがスポーツ庁が行った調査で分かりました。
この調査は東京オリンピックが開かれた昭和39年度から国が毎年行っていて、昨年度は6歳から79歳までの6万5000人余りが対象となりました。
調査は握力やボール投げ、それに50メートル走などの種目で行われ、このうち中学2年生と高校2年生の合計点が男女ともにこの17年間で最も高くなるなど子どもの体力や運動能力はここ数年緩やかに向上する傾向にあることが分かりました。
具体的に見ますと、50メートル走は小学2年生の男子が10秒58、高校2年生の女子で8秒82と、ピークだった昭和60年頃に比べるとまだ遅いものの、この17年間では最も速くなっています。ただ、握力やボール投げは依然として低い水準にとどまっていて、高校2年生の女子の握力は平均で26.98キログラムと、ピークだった昭和56年度より3キロほど少ないほか、小学6年生男子のソフトボール投げは27メートル89センチと、ピークと比べて7メートル余り短くなっています。
スポーツ庁は「各地の学校が子どもの体力や運動能力を向上させようと進めてきた取り組みが徐々に効果をあげてきている。睡眠や食事も体力作りに重要なので、家庭での意識も高めてほしい」としています。

子どもの体力低下 背景は

スポーツ庁によりますと、子どもの体力や運動能力は昭和60年ごろがピークでした。
東京オリンピックが開かれた昭和39年前後から「スポーツ少年団」などが各地に作られ、子どものスポーツが推奨されたことが体力や運動能力の向上につながったとみられています。しかし、平成に入って低下傾向となり、スポーツ庁は、空き地など子どもの遊び場が減っていったこと、テレビゲームなど体を動かさない遊びが広まったこと、それに学習指導要領の改訂で体育の授業時間が年間で15時間ほど少なくなった時期があったことなどが背景にあるとみています。
子どもの体力向上に向け、文部科学省は平成13年度にスポーツ振興基本計画を策定し、教員の研修や中学校での運動部の活動に外部の指導者を導入することなどを呼びかけました。また、平成20年度からはすべての小学5年生と中学2年生を対象に新たな体力調査を始め、課題の洗い出しを行ってきました。各地の学校ではその課題を踏まえ、ゲーム感覚で楽しみながら体を動かしたり、休み時間を使って運動を習慣づけたりといった取り組みを進めています。

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