負の世界遺産=ユネスコ…第二幕が開く南京歴史戦

南京捏造館の維持費に日本人の税金が充てられる…狂気の登録決定を主導したユネスコ事務局長は反日軍事パレードにも参加。教育詐欺機関に対しては分担金凍結以上の強硬策が必要だ。

南京城砦は明の時代に整えられたもので、その周囲約34qに渡って高さ20m程の堅牢な城壁が築かれている。中世ヨーロッパの城郭都市と同じ構造。いわば檻に囲まれた街である。

例え話をしよう。大きな檻の中に居る大量の毒蛇を殺処分する場合、最善の方法は何か? 檻に油を掛けて火を放つのが簡単で、処分担当者の安全も確保できる。
▽我が軍に包囲された南京城砦

わざわざ担当者が檻の中に入り、毒蛇を一匹ずつ殺す方法は、自身に重大な危険が及ぶ。しかし、中共の捏造設定によると、我が軍がそのような常識はずれの作戦を取ったのだという。

南京に進撃した我が軍が、もし城壁内の戦闘員・住民を殺戮したいのであれば、兵糧攻めにし、城外から砲撃すれば良かった。わざわざ危険な城内に侵入し、歩兵銃で立ち向かう必要などない。
▽上海から南京を目指す我が軍S12年末

慰安婦と同じく、反日捏造史の特徴は、最初に壮大な矛盾をスルーすることだ。南京プロパガンダでは、最初から「事件」として位置付けられた。出発点から大きな嘘が幅を利かせている。

昭和12年12月に起きたのは、首都攻略戦だ。近代戦で外国の軍勢が敵国の首都に攻め込んだ事例は、ソ連のベルリン侵攻など限られている。パリ陥落のように事前に雌雄が決しているケースが多いのだ。
▽粛々と入城する我が軍S12年12月17日

決戦である。中華民国にとっては国家の命運を賭けた戦いだった。それを「事件」と呼称することが誤りで、戦史的にも「南京攻略戦」が正しい。

反日陣営は、局地戦・紛争の連続でしかなった支那事変を“日中戦争”あるいは“15年戦争”と決めつける。その一方で、首都攻略戦だけを「事件」と呼ぶ。非常に矛盾した態度だ。
▽孤児に食事配る皇軍兵士

最初に嘘がある。それが“南京大虐殺”の正体である。

【支那版アンネは長寿で子沢山】

程瑞芳という支那人女を何人の日本人が知っているだろうか…およそ百科事典の類にも紹介されていない無名の支那人女がアンネ・フランクに比肩する「歴史的人物」たり得るのか。

ユネスコ世界記憶遺産の登録が決まった「南京大虐殺文書」の中に“程瑞芳日記”が含まれていることが判った。程瑞芳は当時、南京城砦内の安全区で衛生班長を務めていたとされる女だ。
▽天寿全うした程瑞芳(右2)と孫ら

中共は近年になって、この程瑞芳を“重要な目撃者”としてクローズアップするが、その名前はアイリス・チャンの捏造本には登場しない。当然である。

“程瑞芳日記”が南京の金陵女子文理学院で偶然発見されたのは、今世紀に入ってからのことだった。しかも、当初は誰の日記が判別不明で、後に中共が筆記者を程瑞芳と割り出したというシロモノだ。
▽南京時代の程瑞芳(前列右4)は丸顔

我が国では捏造派のアカ教師が紹介している程度で、世界的にも全くの無名と言っていい。その事実だけでも図書館に必ずある『アンネの日記』と大きな格差があることが分かる。

そもそも中共がユネスコを政治利用して南京捏造話の世界記憶遺産化を思いついたのは、2009年の『アンネの日記』登録だったという。そして突如、無名の謎日記を“支那版アンネ”として売り出し始める。
▽後で筆記者を認定した程瑞芳日記

参照:人民網2014年12月8日『中国版アンネの日記 国家公文書局が南京大虐殺動画をネット配信』

更に、記憶遺産として登録されたのは、米国人牧師が撮影した有名な「マギー・フィルム」と「南京軍事法廷の判決書」だった。いずれも大虐殺の物証にはならない。
▽オリジナル映像の殆どは病院内シーン

「マギー・フィルム」編集版は、以前から批判が多い通り、信憑性云々どころか虐殺の爪跡すら映っていない。字幕解説で恐怖を煽っただけのプロパガンダ映画である。

また「判決書」も戦勝国が敗軍の将校を裁いた一方的な文書でしかない。罪刑法定主義に反するこうした裁判は、大戦以降行われなくなった。勝者が独断で処刑を実行するという前近代的行為だ。
▽南京軍事法廷と題された人民裁判

それらにお墨付きを与えたことは、ユネスコにとって生涯の汚点・致命傷になると断言できる。

【反論資料はどこに消えたのか】

「日本軍と戦う中国国民党が日本軍の残虐性と非道さを描くためのプロパガンダとして捏造した事実で創作したものだ」

7月末、藤岡信勝教授ら真実派有志がユネスコに反論書簡を送り、登録審査前に史実を精査することを求めた。書簡は、登録を勧告するIAC(国際諮問委員会)の委員14人に送ったという。

書簡には、反論の根拠となる参考資料や反対署名の名簿も添えられていたが、判断が覆ることは出来なかった。残念ながら、IAC委員は資料に目を通さず、ゴミ箱に叩き捨てたに違いない。
▽緊急会見する藤岡教授ら10月7日(産経)
もっともIAC委員には歴史の専門家が含まれず、資料を精査する能力がないという。そして審査の過程も非公開で、申請された資料もアウトラインしか判らない。

日本政府は、南京関連の申請が明らかになってから複数回に渡って提出資料の開示を求めてきたが、中共側の拒否で認められなかった。審査過程で公に出来ないものが世界の遺産となる…呆れた話だ。
▽会見するIAC委員10月4日(ANN)

全くの門外漢が“歴史”をジャッジして勧告し、ユネスコ事務局長が追認する。完全な密室で歴史が認定されるという歪んだシステム。その仕組みに関して日本政府の関係者は、こう語る。

「記憶遺産はそもそも戦争や災害で紛失の危機にある文書などを保存し、後世に残していく為の制度で、政治的に利用されることを想定していない」

この説明に従えば、中共は自国のプロパガンダ拡散目的で制度を悪用したことになる。ユネスコを政治宣伝の代理店に仕立て上げたのだ。しかし、委員らが利用された事実に気付かないことが有り得るのか…
▽IAC委員によるヤラセ審査10月5日(共同)

反論資料を棚上げして憚らないIAC側の態度から、申請受け付け時点から結論ありきの出来レースだったと考えるのが自然だ。

【軍事パレード観閲した女ボス】

9月3日に北京で開かれた反日お笑いイベントには、意外な人物が参加していた。ユネスコ事務局長のイリナ・ボコバだ。 中継カメラが熱心に見守るボコバを捕らえていた。
▽天安門楼上のボコバ事務局長9月3日(CCTV)

笑顔で軍事パレードを観閲する姿は衝撃的でもある。大量の兵器と兵員が並ぶ行進が、どう世界の文化・教育向上に繋がるのか…ユネスコの精神や役割とも明らかに相反する。

ユネスコ事務局長と軍事パレードの組み合わせは異様だ。ボコバは中共政権と近しい関係にあるとされるが、操り人形と呼んだほうがピッタリだろう。ユネスコの内情に詳しい関係者は、こう指摘する。

「ボコバ事務局長は事業促進のため資金拠出を働きかけており、中韓は様々な形で要請に応じている。事実上のロビー活動だ」
▽式典で記念撮影するボコバ(左2)9月3日(新華社)

北京入りしたボコバは、中共軍の少将でもある習近平の妻と会談。中共のアフリカ教育支援に感謝の弁を述べたという。一方で最大のユネスコ分担金を支払う我が国は完全無視だ。

関係者が明かす資金提供を見返りにした要請の中に、今回の世界記憶遺産ゴリ推しが含まれていることは確実。カネで登録を買うというユネスコの薄汚い内情を浮き彫りにしたに等しい。
▽近平妻と会談するボコバ9月4日(新華社)
登録を勧告したIACの委員は、ユネスコ事務局長が人事権を握り、任命のプロセスも不透明だ。ボコバが一存で中共の意向を汲む人物で委員を揃えることなど容易い。

【反日捏造館に血税が流れ込む】

「日中両国が関係改善のために努力する必要がある時期に、中国がユネスコの場を政治的に利用している」

UAEで諮問委員会開かれる直前の10月2日、菅義偉官房長官は会見で、そう語った。これは中共に向けた牽制発言だったが、同時に政府はユネスコに対し、審議の透明化など抜本改革を要求していた。
▽外務省は報道官談話を発表(FNN)

「日本の分担金はトップクラス。日本からの申し入れに真剣に耳を傾けることに期待したい」

外務省首脳によれば、登録決定の場合には拠出金の凍結も有り得ると警告したという。従来なかった強い姿勢だ。それでも出来レースの諮問委員会がブレることはなかった。

「断固たる措置を取る」

登録決定の一報を受けて政府筋からは、力強い声も発せられた。断固たる措置とは、警告済みのスポンサー料支払い凍結だ。当然の報復措置と言えるが、それではまだ手ぬるい。
▽パリのユネスコ本部(AP)

南京捏造史に関するヤラセ審査がスタートしたのは、昨年6月。関係者の給与・報酬の一部は、我が国が負担していたのだ。カネを支払った末にインチキ商品を掴まされたようなものである。

我が国は、今年度分を含めた過去2年間の分担金・拠出金の全額返還を速やかに要求すべきだ。税金経由で負担した日本国民にとって、詐欺以外のなにものでもない。
▽ユネスコ本部で演説する習近平'14年3月

ユネスコ分担金の一部は「文書保存基金」に充てられる。今回記憶遺産に登録された南京関連の文書は、マギー・フィルムも含め、南京の反日捏造館が所蔵している。

即ち、日本国民の血税が、あの忌々しい反日施設の維持費としてユネスコ経由で流れ込むのだ。世界の文化・教育に資する為のカネが、反日プロパガンダに利用される…狂気としか言いようがない。
▽南京の反日捏造館8月(産経)

分担金の即時凍結は無論、重ねて詐取された分の返金要求も欠かせない。ユネスコへの報復について、中共支持の反日勢力は猛批判するだろう。それでも第2派を防ぐ為に、強硬策を講じるべきである。

国民は今年7月の世界遺産に続いて、ユネスコの邪悪な素顔を目撃してしまった。長年に渡って巨額の資金を捧げても、顔面に泥を塗り付けてくる組織。これぞ、負の世界遺産と呼ぶに相応しい。

私たち日本人は、UN本体など多くの国際機関が、決して善意から出発しているのではないという事実を知る必要がある。




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関連エントリ:
H24年3月2日『本当にあった南京大屠殺…シナ残虐史のリメイク』

参照:
文科省HP『ユネスコ記憶遺産事業ガイドライン』

参考記事:
□産経新聞10月10日『ユネスコ拠出金見直しへ 「断固たる措置取る」日本政府』
□産経新聞10月11日『日本は無効狙い反論へ 政治利用許したずさんなユネスコ…門外漢の委員、抗日行事参加の親中の事務局長』
□産経新聞10月10日『審査非公開、反論機会なく…問われる密室性 透明性確保の必要も』
□産経新聞10月10日『「南京事件」登録…学校現場への「偏向教育」拍車懸念も』
□産経新聞10月10日『外務省「極めて遺憾」「南京大虐殺」登録で報道官談話』
□時事通信10月10日『日本の制止実らず=中国申請の「南京」認定−ユネスコ記憶遺産』
□共同通信10月5日『記憶遺産、審議2日目 南京大虐殺など申請』

□共同通信10月2日『政府、ユネスコに抜本改正要求 記憶遺産は「密室審議』
□産経新聞7月10日『「捏造された資料」 ユネスコに反論書簡 日本の民間団体「南京」「慰安婦」中国の記憶遺産申請に異議』
□産経新聞9月10日『「南京大虐殺文書」「慰安婦関連資料」を中国が記憶遺産に申請 登録されれば「虚構の歴史」が定着する可能性も…』

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