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右派論壇誌“ヘイトスピーチ”広告の20年間を検証! 彼らは敵の設定と愛国話法をどう変化させてきたのか

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2015.10.11
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左・『憎悪の広告 右派系オピニオン誌「愛国」「嫌韓・嫌中」の系譜」(合同出版)/右・1938年刊行、講談社の絵本『日本よい国』大日本雄弁会講談社(『神国日本のトンデモ決戦生活』合同出版より)


「本当に日本人として誇りに思います」

 日本時間10月5日、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授の記者会見中、電話口からそう喋りかけたのはご存知、安倍晋三首相。翌6日にも梶田隆章・東京大学宇宙線研究所長にノーベル物理学賞が贈られ、連日の日本人受賞のニュースに、テレビが伝える町の声もネット上も、こんな言葉で溢れかえっている。

「ノーベル賞すげえw日本人の底力を感じるなw」「日本人の誇りですよね」「日本人は凄いなぁ」「日本人の模範やモデルとなる」

 ちなみに最後のセリフは辞任した下村博文元文科相による一言だが、気がかりなのはこんな見出しのマスコミ記事まで登場していることだ。

〈【ソウルからヨボセヨ】ノーベル賞でもため息の連続…「日本人は何人受賞したのか?」〉

 産経新聞が6日付ウェブ版で配信した外信コラムのタイトルである。ノーベル賞の話題ですら韓国に対する優越感に結びつけるその性根が差別意識と紙一重なのは、産経新聞社刊行の保守論壇誌「正論」の見出しを一目すればおわかりだろう。

〈韓国よ、いいかげんにせんか!〉(12年10月)
〈総力特集 韓国という厄災〉〈韓国は叩け、さもなければつけ上がる〉(12年11月号)
〈特集 韓国につける薬はあるのか〉(13年10月号)

 こうしたヘイトまがいの悪辣な韓国バッシングを新聞広告や電車の中吊りで目にするようになってから久しいが、しかし、右派による“嫌韓キャンペーン”の濃度はずっと均一だったわけではない。むしろ時代とともに、彼らが設定する“敵の姿形”や“愛国の話法”は微妙に変容してきた。

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