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 埼玉県所沢市が福利厚生のため市職員に販売した「西武園ゆうえんち」のチケットが、個人売買サイトに出品されていたことが朝日新聞の取材でわかった。チケットは第三者への譲渡や転売が禁止されている。取材に対して、市は「職員が関与したと思われる」と認め、転売防止策の検討を始めた。

 問題のチケットは、1日分の入園とアトラクションを自由に利用できる「法人フリーパス」。1枚500円で、一般の1日券(中学生以上、3300円)よりも安い。出品者はサイトで2枚4500円の値を付けていた。

 チケットには「所沢市職員福利厚生委員会」の押印と通し番号があり、市は福利厚生特典として同委員会が職員に販売したものと認めた。チケットごとの購入者記録はなく、購入職員の特定はできないという。

 チケットは同委員会が西武レクリエーションから年間約6700枚を購入。市から同委員会には年間1600万円の交付金が出ており、チケットの財源の一部は公金だ。問題を受け、市は今月、職員向けにメールで注意喚起をした。今後はチケットの番号と購入者を記録する方針という。

 西武園ゆうえんちの利用規約でも、法人フリーパスの第三者への転売は禁止されている。西武レクリエーションは「市に注意喚起をした」と話している。(戸谷明裕)