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【日曜経済講座】TPPでの国益忘れた対米協調を憂う 空白30年の愚を繰り返すな! 田村秀男

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【日曜経済講座】
TPPでの国益忘れた対米協調を憂う 空白30年の愚を繰り返すな! 田村秀男

 米国のほうは日本など外国からの投資(米国にとっては負債)で株式市場が持ち直し、景気も好転していく。2000年代以降、ウォール街が世界の余剰資金を吸収して、中国など新興国などに再配分する米債務主導型グローバル金融を確立した。

 08年9月の「リーマン・ショック」で米金融は破綻したかのように見えたが、量的緩和政策でドル資金3兆ドルを増発すると、一部が海外に流れて2倍の6兆ドル以上の資金が米国に還流してくる。この債務モデルを一貫して支えてきたのが日本である。

 日本はデフレのために国内でカネが回らず、米国に回る。アベノミクスは本来、この余剰資金を国内で使って経済を再生する狙いだったが、昨年4月の消費税増税で内需は萎縮、マイナス成長に舞い戻った。対米協調は日本の基本路線には違いないが、自国優先の経済思想あってこそだ。国益を明確にして実現する強い意志がなければ、TPPは日本経済空白の30年をさらに延ばす。

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