| 001 |
修哉 |
「…ん。非通知…?誰からだろ」(携帯電話に出る) |
| 002 |
真帆 |
「あの…もしもし…」 |
| 003 |
修哉 |
「はい」 |
| 004 |
真帆 |
「あのさ…」 |
| 005 |
修哉 |
「はい」(相手が誰か気付き、知らないフリする) |
| 006 |
真帆 |
「えーと」 |
| 007 |
修哉 |
「はい、こちら安心安全まごころ込めてに挑戦するほっとウィルカンパニーでございます」(事務的に) |
| 008 |
真帆 |
「へ?」 |
| 009 |
修哉 |
「本日はどういった内容のご用件でしょうか。インターネット回線、電話機の故障、契約内容の変更、サポートサービ…」 |
| 010 |
真帆 |
「あぁぁぁぁ、スミマセン。スミマセン!かけ間違いました!ごめんなさいっ!」(焦って早口でまくし立て慌てて切る) |
| 011 |
修哉 |
「あ…切れた」(携帯の画面見る) |
| 012 |
真帆 |
「はぁはぁはぁ…間違えた…。番号押し間違えた…あー恥ずかしい…。何?ほっとウィルカンパニーって…」(胸に手を当て息整える) |
| 013 |
修哉 |
「明日大学で会うのに何で電話掛けてくるんだろ…」 |
| 014 |
真帆 |
「これだから電話は嫌いなんだ…ボタン一つで恥をさらす……ん?」(携帯画面を見直して眉を寄せる) |
| 015 |
修哉 |
「つか、携帯電話の使い方知ってたんだ」(再び真帆からかかってくる) |
| 016 |
真帆 |
「おいっ」(繋がった瞬間怒鳴る) |
| 017 |
修哉 |
「はい、こちら美味しさと完全とけん…」 |
| 018 |
真帆 |
「柴田ッ」 |
| 019 |
修哉 |
「はい、柴田です。只今留守にしております。電話の方はそのままご用件をピーという音の後にファクシミリの方はそのまま送信して下さい」(留守番コールっぽく) |
| 020 |
真帆 |
「柴田、ふざけるな。そこにいるのは分かっている!あの…だな…」 |
| 021 |
修哉 |
「あのな、電話ってのはな。初めに用件言う前に名前を言うもんだぞ」(呆れたように) |
| 022 |
真帆 |
「あぁ…すまん。森本真帆だ、うん。真帆」 |
| 023 |
修哉 |
「はいはい、森本さんね。ご用件は何でござんしょーか?」 |
| 024 |
真帆 |
「いあ、その…何だ…うん」(沈黙) |
| 025 |
修哉 |
「だからなんだ?」 |
| 026 |
真帆 |
「あのだな…」 |
| 027 |
修哉 |
「うん」 |
| 028 |
真帆 |
「えーとだな…」 |
| 029 |
修哉 |
「あのね、森本。通話時間って君、見えてる?こうしている間に通話料金ってかかってるんだよ?」 |
| 030 |
真帆 |
「あぁあぁあぁ、そのあのこの…そう、週末…休日時間あるかっ。うん、時間。そう、時間!」 |
| 031 |
修哉 |
「勝手に自己完結されても困るけど、何?」 |
| 032 |
真帆 |
「少し付き合って欲しいんだっ!」 |
| 048 |
真帆 |
「…今までずっと親が服買ってきたから服とか買いに行ったことなくて…」 |
| 049 |
修哉 |
「まぁ、俺も高校の時まで学生服だったからな。大学入学の際、困ったのは私服だったしなぁ…」 |
| 050 |
真帆 |
「さて…まず何から買うとするかな」 |
| 051 |
修哉 |
「上から決めていくか」 |
| 052 |
真帆 |
「おぉ、帽子か」 |
| 053 |
修哉 |
「それは最後だ。まずは服だろうが」 |
| 054 |
真帆 |
「む…服か…。よし、かかってこいっ!」(武道のように構える) |
| 055 |
修哉 |
「服は襲いかかってきませんっ」(断言) |
| 056 |
真帆 |
「うむ、よろしい」(満足そうに頷き元の体勢に戻る) |
| 057 |
修哉 |
「全然意味分かんないけど。とにかく気に入った服を選んでみな」 |
| 058 |
真帆 |
「お…おーん」(眉を寄せ、真剣に服を見始める) |
| 059 |
修哉 |
「森本と二人で服の買い物とかって…デートみたいだな…」(ふと気付き、呟く) |
| 060 |
真帆 |
「柴田ッ、メイド服が売ってないぞ」 |
| 061 |
修哉 |
「……」(真帆を見て沈黙) |
| 062 |
真帆 |
「チャイナとかも売ってないもんなんだな…」 |
| 063 |
修哉 |
「お前ね、服屋とかより同人ショップ行った方がいいだろ」 |
| 064 |
真帆 |
「えーと…これなんかどうだ?フリフリのレース」(白のワンピースを取る) |
| 065 |
修哉 |
「気に入ったんだったらいいと思うよ」 |
| 066 |
真帆 |
「じょ、冗談だ。こんなもん着るわけないだろ、似合わんのに!」(慌てて戻す) |
| 067 |
修哉 |
「俺、向こうの方いるから決まったら呼んで…」 |
| 068 |
真帆 |
「あ、おい!柴田…」 |
| 069 |
修哉 |
「ったく、付き合いきれんよ、奴のおふざけに構ってられるか」 |
| 070 |
真帆 |
「たたた大変だ、柴田っ」(服の値札を指差しながら走って来る) |
| 071 |
修哉 |
「何だ、森本」 |
| 072 |
真帆 |
「1っちょ万円する!」 |
| 073 |
修哉 |
「うん」 |
| 074 |
真帆 |
「た、高いぞ!」 |
| 075 |
修哉 |
「いや、服はそんなもんだぞ、フツー」 |
| 076 |
真帆 |
「へ?」 |
| 077 |
修哉 |
「それに皆で買いに行く時は駅前なんだろ?あっちだと2〜3万はするぞ」 |
| 078 |
真帆 |
「え…」 |
| 079 |
修哉 |
「服なんて気に入った物買ってなんぼのもんじゃん」 |
| 080 |
真帆 |
「そう…なのか」 |
| 081 |
修哉 |
「そんなこと言ってると中学生の時の服とかジャージとかしか着れなくなるぞ?」 |
| 082 |
真帆 |
「そうするか…」 |
| 083 |
修哉 |
「いや、ダメだろ。女の子として…」 |
| 084 |
修哉 |
「気に入った服はちゃんと着れるか試着しないと大変なんだぞ」 |
| 085 |
真帆 |
「めんどくさいんだな服選びって」 |
| 086 |
修哉 |
「時間かかるけど、めんどくさがっちゃダメなところだろ」 |
| 087 |
真帆 |
「わかったわかった着ればいいんだろ?着れば」 |
| 088 |
修哉 |
「小さくて困るのは森本だろ…」(呆れる) |
| 089 |
真帆 |
「あ…下着も買わなきゃっ」 |
| 090 |
修哉 |
「勝手にしろ…」 |
| 091 |
真帆 |
「って、あれ?柴田、サイズはどれを選べばいいんだ?」 |
| 092 |
修哉 |
「だぁぁぁぁぁっ!俺に訊くな!!お前の下着のことなんか分かるかッ」 |
| 093 |
真帆 |
「何故下着に試着がない?ないと大きさが分からないではないか」 |
| 094 |
修哉 |
「当たり前だろうが!服は下着とか着ているから試着していいけど生はダメだろ!」 |
| 095 |
真帆 |
「生!」 |
| 096 |
修哉 |
「諦めて…って、今穿いてるのを見ろよ」 |
| 097 |
真帆 |
「おぉ…そうか。えーと…」(修哉の目の前で見ようとする) |
| 098 |
修哉 |
「バカッ!中で見ろ!!アホッ!!」(慌てて試着室に押し込む) |