これでわかった!世界のいま▽動き出す世界経済地図・期待や焦り?よくわかるTPP 2015.10.11


この間、交渉が大筋合意に至ったのは…。
あー、そうそう、それそれ。
TPP環太平洋パートナーシップ協定。
とは、言うけどモー。
そうなの、いまさら聞けない。
誰か、私に、教えて!こんばんは。
これでわかった!世界のいまです。
きょうのゲストはタレントのパックンです。
よろしくお願いします。
俳優って言ったほうがいいですか。
いろいろやらせていただいてますけれども、聞きづらいというお話がありましたが、私も聞きたいんですが観覧車ってなんなんですか。
スタッフが人力で回しています。
TPP環太平洋パートナーシップ協定、先週大筋合意したばかりですが早くも動きが出ているんです。
TPPの大筋合意から僅か3日。
今、午前9時前です。
1台のバスが到着しました。
降りてきたのは。
爆買いではありません。
ベトナム、シンガポールマレーシアなどから、あるものを視察しに来た人たちです。
それが眼鏡!ここは、福井県鯖江市。
国内の眼鏡フレームの9割近くが作られているんです。
軽いですね。
商品について説明するメーカーの社長は、この表情。
なにやらにぎやかな様子ですがそれもそのはず。
参加者の1人真っ赤な眼鏡のこの女性。
ベトナムで販売業を営むアシュリーさんです。
彼女の眼鏡は中国製。
ベトナムと中国との間には強い経済交流がありますが最近、日本製の眼鏡フレームに関心が高まっています。
TPPが発効されればベトナムでは関税が10%撤廃されるため日本の高額な眼鏡を輸出するチャンスが広がります。
さらにメーカーを喜ばせたのはベトナム人が、日本の高級品に関心を示しているということです。
1個5万円以上するものも人気が出てきているというのです。
3日間でこんなに大きな動きがあるなんて、びっくりしたんですけど、TPPってそんなすごいことなんですか。
そこを詳しく聞いていきましょう。
きょうの先生はこの人です。
経済部、豊永博隆デスク。
ニューヨーク駐在時にはウォール街からIT企業まで全米を駆け回った。
何?TPPの解説?経済のことなら俺に任せてくれ。
あなたの知らないTPPの世界に案内しよう。
経済部、豊永デスクです。
こんばんは。
よろしくお願いします。
アクションスターみたいでしたね。
一瞬おさらいさせてください。
TPPは太平洋を取り囲むこの12の国です。
この経済圏、人口は7億7000万人。
もし実現すれば世界のGDPの4割を占める世界最大規模の経済圏ということになります。
規模だけではないんですよね。
TPPの特徴は水準の高さなんです。
過去、日本が提携したことがある経済連携協定、過去最高はフィリピンとオーストラリアで88%、今回のTPPで関税がゼロになるのは95%かなり高い水準なんです。
関税がゼロになる品目の割合です。
これだけではありません。
貿易のルールも決めているんです。
過去の貿易交渉では出たことがないようなインターネットの取り引き、模倣品対策、環境問題、働き方などいろんなことを決めているのがTPPです。
それだけにまとめるのに時間がかかったんです。
各国強みがあります。
メキシコは豚肉、カナダは林業。
日本が工業製品でベトナムが繊維です。
千里さんは気になるところありますか。
シンガポール。
さすが、チリですね。
シンガポールと言いました。
チリがこのTPPに大きな期待をしていまして取材をしました。
千里子さん、南米チリです。
千里子さんはチリに来たことありますか?チリはTPPにとっても期待しているんです。
チリは人口1700万人。
市場の規模が限られているため、国家戦略に掲げているのは外国との貿易です。
これまで輸出の柱は銅でしたが、銅だけで、この先、安定して豊かになることはできないと踏んでいます。
そこで、農水産物を輸出の主軸にしようとしています。
サーモンやワインに加え、今、輸出拡大をねらっているのがフルーツです。
南半球一の生産量を誇るブルーベリーやぶどうの輸出を加速させたい考えです。
チリが力を入れるのは農業だけではありません。
千里子さん、こちらチリ政府が力をいれるその名もチリコンバレー。
皆さん、起業家なんです。
アメリカのシリコンバレーのようなITを駆使した新しいビジネスの一大拠点を作ろうと、若手起業家を支援する取り組みです。
ビジネスの立ち上げに必要な資金や場所を政府が提供しています。
TPPはモノの輸出入だけでなく、国境を越えたヒトやカネの流れをより活発化させます。
ここで育った企業が今後、世界中の人材や投資を呼び込んでくれることに期待しているのです。
こんなにいっぱいチリ情報初めて知りました。
ちなみにシンガポールは金融が強みです。
千里子さんが出ているからチリを選んだというわけではありません。
チリという国は、とても商売上手な国なんです。
その動きを見るとTPPをどう使えばいいか見えてきます。
ヨーソロー。
豊永デスクの言うとおりだ。
TPPでどんなにおいしいことがあるのかチリを見ると予想がつくんだ。
スーパーで当たり前のように見かけるチリ産のサーモンとかチリワイン。
でもこれ、意外に最近のことなんだ。
ワインはどこの売り場に行ってもチリ産が飛ぶように売れているんだが、そこには秘密があったんだ。
日本とチリは2007年、約束をした。
12年かけてワインの関税をゼロにってな。
でも、このままじゃ、知名度の低いチリワインは売れやしない。
そこでチリが仕掛けた超地球的な裏技。
関税がまだ2%も下がっていないうちから、日本の業者に13年後に大もうけしたいなら、今でしょ、ってささやいた。
輸入量が爆発的に増えたのさ。
そしたら、売り場をとられたスペインやイタリアなどのワインもそれを追っかけるように値下げせざるをえなくなってワイン全体が安くなっていったんだ。
だから、今度のTPPでは、鶏肉とかえびとか400以上の品目でいずれ関税をゼロにしていくって話だから、チリの裏技に学べば、世界中の食べ物が安く手に入るようになるかもな。
すごい。
チリは商売上手だね。
南半球だからちょうどシーズンが逆になって、日本でできていないものが向こうでできて入ってくるというのもありますよね、作物とか。
いろいろいいことありそうなんですがTPPは日本とアメリカは大きな経済圏をつくって中国をけん制しようという動きから始まったんじゃないかと。
TPPの2番目のねらいはそこにあるんです。
オバマ大統領は会見でこう言っています。
意識してますね。
中国は経済の減速懸念のニュースが飛び交っていますがそれでも高い成長、政治的な影響力強いですね。
中国は自国を中心とした経済圏を作ろうとしているんです。
これも経済圏です。
中でもAIIBアジアインフラ投資銀行を作ってヨーロッパ諸国70か国を呼び込んでアメリカが得意としてきた分野に手を突っ込んできている状況なんです。
これに対してアメリカが得意としているのは自分たちでルールを作ることです。
今、グローバルなビジネスの共通言語は英語ですよね。
文書も英語ですよね。
オフコース。
飛行機もアメリカの認可がないと、世界で事実上飛べないと。
ぼんやりしているとアジア太平洋地域でこうしたルールが中国に変えられてしまうんじゃないかという危機感がアメリカにはあったんです。
だからアメリカは急いでTPPというルールを作ったんです。
経済規模の大きな中国が将来TPPに加わってくれることは歓迎なんだけれども、入るのであれば俺たちが作ったルールに従ってくれ、ということなんです。
ルールは具体的にどういう内容なんですか。
こんなルールです。
海賊版のDVDはだめ、技術移転を強要してはだめ、国有企業を優遇してはだめ、こういったルールがTPPの中に入っています。
これは全部中国を意識して設定されています。
国有企業はあのエリアで断トツ1位ですよね。
確かにこれは中国は穏やかじゃないよね。
戦後アメリカが築いてきた金融秩序にAIIBで鼻を明かしたところで、そこで貿易ルールで日本とアメリカが先を行ったわけなので中国としては複雑な心境なんじゃないかなと。
中国がどう思っているか気になりますよね。
ペルーで中国の高官に直撃取材しました。
こちらです。
なぜペルーかといいますと先ほどまで、経済問題を話し合う国際会議が開かれていまして中国の高官も出席していたんです。
この方です。
しかし回答はありませんでした。
ここで取材にあたった中国経済担当の井村記者と中継がつながっています。
中国の高官、かなり嫌がっていましたね。
そうなんですよね。
中国は公式にはTPP合意を歓迎すると冷静な反応です。
でも内心は複雑な思いでこのTPPを見ています。
中国はアジアとヨーロッパをつなぐ一帯一路と呼ばれる巨大な経済圏づくりを呼びかけていましてアジアを中国主導の経済圏にしたがっているんです。
日米とりわけアメリカ主導でアジアのルールが作られることはやっぱりおもしろくないんです。
取材の応対ぶりを見ましても、この問題、本音では神経質になっている様子がうかがえました。
中国はTPPに入ろうとするんですか。
それともやっぱり中国主導の経済圏でやっていこうとするんですか。
まさにそこですね。
中国も将来はTPPのような自由貿易の枠組みに入らないと、各国との貿易で不利になりますしアメリカのマネーを呼び込むこともままならないとそういう自覚はしています。
でも今すぐに入ろうとすれば国内で相当大きな改革が必要です。
とりわけ国有企業です。
いろんな業種で大きな影響力を持っていますので今の構造を変えるのはとても困難です。
さらに偽物やコピー商品が今もはびこっている中国ですので知的財産も高いハードルになります。
中国としては当面はTPPに入らず自分たちのできる範囲内で各国との貿易や投資の協定作りを急ぐ構えです。
それと同時に巨大な経済力にものを言わせて、鉄道や道路などの建設に深く関わる、つまり各国が喜ぶようなインフラ整備でアジアでの発言権を広げようとするものとみられます。
ペルーのリマから井村記者でした。
TPP、中国とくればもう1つ世界に大きな経済圏がありますよね。
ヨーロッパですか。
EUです。
千里子さん、毎日フランスの高級シャンパンで乾杯しているんですよね。
そういうイメージですよ千里子さん。
何1つないです。
TPPが発効するとそういうヨーロッパ製品にも影響するかもしれません。
さらに安くなる可能性があるんですか。
TPPの大筋合意、EUはプラス捉えているようです。
ブリュッセルから長尾支局長と中継がつながっています。
EUはTPPをどう捉えているんですか。
EUとしては、いよいよ腕まくりというところです。
EUはこれまで域内28か国の市場統合が最優先だったんですが、これからの戦略は域外で稼ぐ。
照準を合わせるのはアジアと北米です。
つまりTPPと重なる地域です。
EUが売り込みたいものの中にはワインや農産物、自動車関連製品などTPP加盟国と競合する品目が多いです。
なのでTPPの合意を受けてTPPと同じレベル、またはそれ以上の条件を日本や各国に求めていくとみられます。
一方で、早く交渉を進めないとTPP加盟国にシェアを奪われてしまうという焦りの声も、産業界から上がっていまして本腰を入れた交渉に迫られそうです。
竹田記者が取材しました。
ヨーロッパといえばやっぱり、ワインですよね。
その中でも、ここイタリアは最大の生産国。
今後予想されるのがTPP加盟各国との競争です。
業界団体の責任者は、高級ワインでは影響は大きくないと自信を見せながらも手ごろな価格のもので競争が激しくなると警戒しています。
こちら、パリの市場です。
小麦や肉を輸出する農業大国のフランスでも、TPPで後れを取ることへの懸念が出ています。
フランスの豚肉はあまりなじみがないかもしれませんが、品質の高い商品がレストラン向けなどとして日本に入ってきています。
日本は質が高く価格も高い商品が売れる重要な市場なんです。
しかし、これからはアメリカやカナダの商品に押されるおそれがあり、生産者たちは素早い対応が必要だと感じています。
長尾さん、パックンです。
いろんな圧力がかかっていると思うんですがEUは経済圏としてTPPとか中国とは一線を引いて独自でやっていくんですか。
EUならではの戦略があります。
EUの最重要課題はアメリカとアジアの経済パワーがせめぎ合う中でどのように競争力を維持してメインステージに残れるかです。
切り札は世界の成長市場、アジアです。
このうちこれまで最も関係が深かったのは中国なんですが、そろそろ景気減速が心配になってきました。
そこで中国依存からの脱却が大きな課題となっていまして、そのためにもほかのアジアの国にぜひともパートナーを増やしたいと思っています。
日本はもちろん、TPP加盟国との貿易交渉に今後、積極的に乗り出してくるのは間違いありません。
世界経済のナンバーワンにはなれなくても、確実に影響力を保つために特定の国や地域に肩入れすることなく、したたかにバランス外交を展開するのがヨーロッパの強みといえます。
ブリュッセルから長尾支局長でした。
ありがとうございました。
日本とEUは経済連携協定の貿易の交渉をやっているんですがこれまではTPPを横にらみで見ていたのであまり進める状況ではなかったんですがTPPが大筋合意したことでギアが入って一気に前に進む可能性もあります。
TPPに入ると、バラ色みたいなイメージですがそれはどうなんですか。
いいことばかりではないんです。
問題は重たい課題もたくさんあります。
それは大事なことなので後ほど説明します。
自由貿易の恩恵を受けるなら早いほうがお得だということです。
関税は時間をかけて撤廃していくのでスタート地点が早ければ早いほどメリットが大きいんです。
実際にここにきて加盟を検討し始めた国があります。
それが韓国です。
アメリカと日本が主導するTPPが、ついに妥結。
政府は加盟を目指す方向となりました。
韓国メディアは連日、TPPについて大きく取り上げています。
こちらの記事は、国内の産業への影響を懸念しています。
TPP加盟を急ぐべきだと訴える社説も出ています。
もともと韓国は自由貿易協定を各国と個別に結ぶ通商政策を進めてきました。
これまでに協定を結んだのは、アメリカやEUなど11の国や地域に上ります。
また、最大の貿易相手国、中国が当初TPPに批判的だったこともあり、様子見を決め込んでいたのです。
しかし、大筋合意が伝えられる中、その経済圏の大きさに危機感が強まっています。
こちらでは、政府の主催でTPPに入った場合のメリットとデメリットを分析するフォーラムが開かれています。
出席者から聞かれたのは韓国が出遅れてしまったのではないかという懸念の声でした。
こうした声を受けて韓国政府も前のめりになっています。
今になって入りたいって言って、アメリカとか日本はウェルカムなんですか。
あとから入ることもできますし、関税撤廃などのメリットも享受できるんです。
ただルール作りには加われない。
あとから入る国は今合意したこの内容、このルールに従うしかないんです。
今から交渉はできないんです。
日本は最後の参加国だったんですがルール作りに加わることができました。
気がかりなことがあります。
基本合意したアメリカ国内で反発の声が上がっています。
大統領選挙で注目の2人、民主党のクリントン前国務長官、TPPについて現時点では支持できない、一方、共和党のトランプ候補もツイッターでひどい合意だと批判しています。
パックンどう思いますか。
この2人は選挙のために大きなことを言っていますが結局投票することはないんです。
選挙にたつ前に全部、決まっちゃうんです。
批准するなら、4か月前に批准されるはずなので大きなことを言っても影響力はないんじゃないかなと思います。
万が一、アメリカが抜けたらどうなるんですか。
アメリカが抜けるとどうなるかというと止まります。
TPPが成立しなくなってしまいます。
TPPが発効するには条件があって全加盟国の議会が承認するかGDP85%を持つ国、6か国以上集まるという承認をとる必要がある、これが絶対条件です。
アメリカだけで60%ありますから、アメリカがだめになってしまえばTPPは成立しません。
アメリカの存在というのはほんとに大きいですね。
日本も同じぐらいですか。
日本は18%ぐらいです。
国内の農業とかは大丈夫なんですか。
TPPはいいことばかりではないんです。
当然、痛手を被る産業もあります。
代表が農業だと思います。
痛みを被る産業には手を差し伸べることも必要です。
日本政府も対策本部を立ち上げています。
メニューを検討しています。
競争力強化につながるような助成金など、消費者にとっては、外国産を含めて、いろんな商品が得られるというのが大事だと思うんですが国産のものが食べられなくなってしまったら心配ですよね。
日本で作られたものが食べたいという人もいますもんね。
支援の在り方ですが、税金をばらまくだけではだめだと思います。
かつてGATTウルグアイラウンドに加盟したときに日本政府は6兆円を超える対策費を投入したんですが、有効に使われなかったという指摘もあるんです。
よかれと思ってやったけど効果がなかったんじゃないかという指摘がたくさん出ていて、税金からお金を出す以上、農業も創意工夫を促して競争力アップにつながるようなそういうプランを練らなければいけません。
これは日本政府の知恵の出しどころだと思います。
大変になる人がいるって分かっているのにそれでもTPPを進める意義はあるんですか。
長期的に考えなければいけないんですが日本の将来の話だと思います。
今、人口が減っていて市場が小さくなってしまうリスクにさらされています。
今は円安で、たくさんの外国人の方が日本を訪れてお金を落としてくれますが将来的に日本にヒト、モノ、カネ、情報が集まって栄えていけるかというと市場を大きくするTPPは1つの手段としては有効だと思います。
今まで高い関税を払って経済的に鎖国をしていたような状況なんですが、TPPによって大きく一歩を踏み出したのでこれをどう活用していくのか。
その使い方が大事なんじゃないかなと思います。
2015/10/11(日) 18:10〜18:42
NHK総合1・神戸
これでわかった!世界のいま▽動き出す世界経済地図・期待や焦り?よくわかるTPP[字]

TPP交渉大筋合意。協定発効すると世界最大規模の自由貿易圏が誕生することに。各国の期待や焦りは何?いまさら聞けないTPPの基本から徹底解説!【ゲスト】パックン

詳細情報
番組内容
【ゲスト】パックン,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴
出演者
【ゲスト】パックン,【キャスター】坂下千里子,井上裕貴

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