さわやか自然百景「神奈川 小網代の森」 2015.10.11


(テーマ音楽)青い海と住宅地に囲まれた深い緑。
神奈川県三浦半島小網代の森です。
森に降った雨は川をつくり出しそのまま海へと注ぎます。
水辺で息づくたくさんの生き物たち。
特に大繁栄を遂げたのが50種を超えるカニの仲間です。
夏の夜に繰り広げられる一大ドラマ。
初夏から秋海と森をつなぐ小さな生き物の営みを見つめました。
神奈川県三浦半島。
東京から僅か70キロほど。
人家や道路に囲まれた緑生い茂る一帯があります。
小網代の森です。
広さはおよそ70ヘクタール。
森の中には1本の川が流れています。
森はこの川の源流から河口そして海まで続いています。
1つの流域が丸ごと自然のまま残されているのです。
こうした環境は首都圏には唯一と言われ大変貴重です。
森には狭い範囲に多様な環境がギュッと詰まっています。
ここは上流。
濃い緑のシダが茂ります。
中流では森は徐々に開けハンノキが多く見られます。
河口にはアシやオギの茂る湿地が広がり干潟や海へとつながります。
ここは地元の自治体とNPOの人たちによって守られてきました。
2,000種の生き物でにぎわう自然の宝庫です。
中でも繁栄を遂げているのが50種を超えるカニの仲間。
6月特に活動が盛んになる時期を迎えています。
河口のアシ原のほとり。
この辺りを住みかとしているのが…アシなどを食べています。
こちらフタバカクガニは草なども食べる雑食のカニです。
森の養分が流れ込む干潟。
ここも多くのカニが生息する場所です。
ハクセンシオマネキは全国的に減少しているカニ。
この干潟では環境の変化に敏感なカニも生きていけます。
こちらには小さなカニがたくさん。
甲羅の幅は1センチほど。
今は求愛の時期。
オスはハサミを振りメスを誘ったり縄張りをアピールしたりしています。
こちらは砂の干潟。
砂だんごがあちらこちらに転がっています。
このだんごを作ったのは…ハサミで砂を口に運びます。
栄養をこし取った砂がたまると…切り落としてだんごが出来ました。
砂についた有機物やプランクトンを食べているのです。
コメツキガニも求愛の時期。
ハサミをゆっくり上げる独特の動きでメスを誘っています。
50種以上いるカニの中でこの森の自然を象徴するものがいます。
そのカニは森に潜んでいます。
茂みの中に赤いハサミが見えます。
甲羅の幅は3センチほど。
水辺から離れないカニが多い中で海から1キロ離れた場所でも暮らす事ができます。
こちらでは木の上にも登っています。
アリを食べました。
アカテガニは最も陸上に適応したカニの一つです。
しかしアカテガニも生まれてすぐは海で育ちます。
森と海が一体になった小網代はアカテガニが暮らすのに格好の環境がそろっているのです。
8月真夏の小網代です。
干潟では相変わらずカニたちが食事や求愛に励んでいます。
彩りに満ちる森。
鮮やかなオレンジ色のハマカンゾウが一斉に咲き始めました。
緑の木々の中白い花を咲かせているのは…その周りには大きなチョウも集まり一層にぎやかさを増します。
昆虫たちにとってもここは掛けがえのない森です。
川の上流。
横たわる朽ち木にコシボソヤンマが卵を産み付けています。
卵からかえった子供は水中で成長するため産卵場所の近くには水が必要です。
水辺が豊富にある小網代の森はトンボが命をつなぐのにうってつけの場所です。
森の中でアカテガニのメスを見つけました。
おなかの黒い固まり卵です。
夏は新しい命が続々と誕生する季節なのです。
大潮の日。
日没が近づいています。
海岸沿いに姿を現したのはアカテガニです。
子供を海に放つため森から下りてきたメスたち。
大潮の夜は海岸に数千匹のカニが集まる特別な時です。
1匹が海に入りました。
子供を放ちます。
体を震わす振動で一瞬のうちに卵がかえり一度におよそ4万匹もの子供が生まれます。
そこに魚が集まってきました。
ボラの稚魚です。
この時を待っていたかのように一斉に群がり子供を次々と飲み込んでいきます。
こちらでも子供を放とうとするメス。
危ない!抱えている卵を狙われました。
場所を変えて…。
残念。
魚につつかれて放てません。
いくら敵が多くても子供が食べ尽くされる事はありません。
一晩に数千匹ものメスが子供を放てば生き残る確率が高まるのです。
夏の大潮の夜だけに起こる一大ドラマです。
アカテガニの子供が海へ旅立ってから1か月ほど。
日に日に秋めいてきた小網代の森。
川の水が流れ込む場所に大人のアカテガニがいました。
甲羅の表面が浮いています。
脱皮をするのです。
繁殖のために使われていた栄養が今度は体の成長に使われるようになりました。
およそ20分で脱皮は成功。
これからたくさんの栄養を蓄えこの先の冬眠に備えます。
海のそばの真水の流れる岸辺。
岩の陰にとても小さなカニがいました。
大きさは僅か4ミリ。
1か月間小網代の海を漂って育った子供が陸に上がっていたのです。
これから森への旅が始まります。
この夏に生まれた子供は早ければ次の夏森から海へ下りてくるはずです。
神奈川県三浦半島に広がる小網代の森。
首都圏に残された貴重な自然の中で小さな生き物たちは懸命に命をつないでいました。
今年の夏休み。
2015/10/11(日) 07:45〜08:00
NHK総合1・神戸
さわやか自然百景「神奈川 小網代の森」[字]

神奈川県三浦半島にある小網代の森は、降った雨水が河口に流れ着くまで1つの森で完結する特異な場所。アカテガニが夏の大潮の夜に干潟へ下り、一斉に子どもを海へ放つ。

詳細情報
番組内容
神奈川県三浦半島に、「小網代(こあじろ)の森」と呼ばれる自然が凝縮された森がある。降った雨水が集まり、河口に流れ着くまで、1つの森で完結する特異な場所だ。長さ1.2kmの浦の川には、2000種にのぼる多様な動植物が息づく。特にカニ類は多く、60種に及ぶ。アカテガニは、夏の大潮の夜に干潟へ下り、一斉に子どもを海へ放つ。首都圏に残された貴重な森で繰り広げられる生きものたちの命の営みを見つめる。
出演者
【語り】中村慶子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:11987(0x2ED3)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: