報道特集【党創建70周年の北朝鮮▽島の命を守る】 2015.10.10


朝鮮労働党創建70周年の記念式典。
キム・ジョンウン第一書記の左隣には、昨夜、友好的な雰囲気で会談を終えた中国共産党序列第5位の劉雲山政治局常務委員の姿。
キム第一書記がしきりに説明する様子がうかがえる。
そして、キム第一書記が演説に立った。
演説の最初から時間を割いて国民をたたえた。
党の指導力強化には国民の信頼を勝ち取ることが欠かせないとの狙いがうかがえる。
演説では、核やミサイルに対する直接的な表現を控えた。
中国側に配慮したと見られる。
党創建70年の70の飛行機編隊や慶祝70を表現した人文字。
一方、兵器などの軍事面では新型兵器が登場するのではないかと注目される。
中国最高指導部メンバーの訪朝を受け、中朝関係への配慮から北朝鮮は当面、事実上の長距離弾道ミサイルの発射は見送ったと見られる。
北朝鮮の動向に今日は注目が集まっています。
朝鮮労働党の創建を祝うというセレモニーですが、早速、ピョンヤンで取材中の日下部キャスターに聞きます。
金日成広場なんですけれども、今もパレードが続いています。
ご覧のように軍のパレードに変わって、市民たちのパレードが今、行われているところで、皆、マンセー、マンセー、万歳、万歳と叫んでいます。
午後3時に始まった軍事パレードですから既に2時間以上続いてることになります。
大体北朝鮮のパレードというのは午前中行われるんですけれども、今回はどうも、天候の回復を待って午後のパレードになったようです。
我々には何の説明もないまま、随分待たされたことになります。
今回の軍事パレードですけれども、キム・ジョンウン政権下で5回目ですけれども、規模、人ともに過去最大級、多分1万5000人以上が参加したものと見られています。
そしてひな壇の方ではキム・ジョンウン第一書記がこのパレードを今も見守っています。
その横にはぴったりと中国から来た劉雲山常務委員が座っています。
後ほどまた中継でお伝えします。
今日のニュースは上村アナウンサーとともにお伝えします。
広島市にある歓楽街にあるビルが全焼した火事によって常連客が2階の構造を密室だったと証言している。
警察や消防は死亡した3人が煙などに気づくのが遅れた可能性もあると見て調べている。
この火事ではビルに入居しているメイドカフェにいた男性客や従業員と見られる女性3人が死亡している。
3人は出火当時、ビルの2階にある同じスペースにいたと見られている。
複数の常連客などはJNNの取材に対してこのスペースはメイドカフェの客がマッサージなどのサービスを受けるためのエステルームで、細かく区切られていたため密室だったと証言している。
このため警察や消防は、3人は充満した煙に気づかず逃げ遅れた可能性もあると見ている。
一方、火元と見られる1階の物置付近では今日も現場検証が行われたが、火が出た原因については特定されていない。
ユネスコの世界記憶遺産に日本が申請していたシベリア抑留に関する資料などの登録が決まった。
また、中国からは南京大虐殺に関する資料の登録も決まり、日本政府が遺憾の意を示している。
登録が決まったのは、第二次世界大戦後にシベリアに抑留された日本人捕虜の日記や手紙、引き揚げ船名簿などの資料570点。
また、京都の東寺に伝えられた国宝、東寺百合文書の登録も決まった。
一方、中国が申請していた旧日本軍慰安婦に関する資料は登録されなかったが、南京大虐殺の文書の登録は決まった。
これに対し日本政府は、中国の一方的な主張に基づき申請されたものとしてユネスコを中立・公平であるべき国際機関として問題とし、極めて遺憾との外務報道官談話を発表した。
一方、中国国営テレビは世界記憶遺産登録のニュースをおよそ3分間にわたって報じ、日本が歴史の事実を改ざんし歪曲していると非難。
国営新華社通信も、南京大虐殺記念館の責任者の今回の判断は公正なもので南京大虐殺の歴史を守るために有利なものになるとのコメントを引用し、今回の遺産登録の事実を詳細に伝えている。
ユネスコの世界記憶遺産に登録が決まったことを受け、待ち望んだ地元の人たちには喜びが広がっている。
京都府舞鶴市が運営する舞鶴引揚記念館には市民や関係者らが集まり、午前2時過ぎに登録決定の一報がもたらされると大きな歓声が上がった。
また、同じく登録が決まった国宝の東寺百合文書は1000年にわたって東寺に伝わったもので、足利義満、織田信長から農民まで様々な身分の人たちが書いた文書が集められている。
資料館は今後さらに、史料の保存と周知に取り組みたいとしている。
茨城県常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなど大きな被害をもたらした関東・東北豪雨から今日で1カ月。
堤防が決壊した現場近くから中継。
私は今、鬼怒川の近くに来ています堤防が決壊した現場ではこのようにコンクリート製の真新しい仮堤防ができました。
しかし、濁流が押し寄せた方向を見ていただきますと、壊れて傾いたままの住宅が今もまだ並んでいて、辺りは被害のつめ跡が1カ月たった今も生々しく残っています。
先月の豪雨によって堤防が決壊するなどして茨城県内では3人が死亡、住宅が全半壊するなど7000棟以上の建物に被害が出た。
常総市によると、1カ月たった現在も市内を中心に11カ所の避難所で408人が避難生活を続けているとのこと。
今日昼には、石井啓一国土交通大臣が決壊現場の視察に訪れた。
一方、線路の土台が流されるなど大きな被害を受けた関東鉄道常総線は今日、全線で運転を再開。
列車の本数は通常の3割ほどだとのことだが、利用者からは、安堵の声が上がっていた。
市は、復旧に向けた歩みを徐々に進めているが、住民が以前の生活を完全に取り戻すにはまだまだ時間がかかりそう。
軽減税率の議論にどのような影響が出るのか、自民党の税調会長が交代。
自民党は消費税の負担軽減策など税制改正の取りまとめに当たる税制調査会長について、野田会長を交代させ、後任に宮沢前経済産業大臣を充てる方針を決めた。
軽減税率の導入に慎重な野田氏に対し、総理官邸などから財務省に近過ぎる野田氏を交代させるべきだとの意見が上がっていたことから、事実上の更迭と見られている。
たった今入ったニュースです。
トルコの首都アンカラにある鉄道の駅近くで10日爆発があり、多数の負傷者が出ている。
地元メディアによると当時現場近くではトルコ政府とクルド人との衝突に反対する平和集会が行われる予定だったが、その開始前に爆発が起きたとのこと。
これまでに20人が死亡したとの情報もある。
再びピョンヤンです。
この金日成広場ですけれども今ちょうど軍事パレードを含めたパレードが終わってまさにフィナーレを迎えようとしているところ。
ちょうどひな壇にキム・ジョンウン第一書記が姿を現して、市民がそれに熱狂しているという風景です。
今回のパレードには多くの市民が参加しました。
今日の特集ではこの市民に焦点を当てようと思います。
国際的な経済制裁と中国との関係悪化、北朝鮮は今、経済的に非常に厳しい立場に置かれていると我々は見ています。
では、実際のピョンヤンの人々の生活ぶりはどうなのでしょうか。
外国人に対してなかなか警戒心を解かないピョンヤンの人々の素顔を求めて、この街を歩いてみました。
飛行機を降りると、空港は様変わりしていた。
変わったのっていうのは、あそこにピョンヤンって書いてあるけれども、キム・イルソン主席とかキム・ジョンイル総書記の肖像画というのが空港のターミナルから消えたことですかね。
北朝鮮の玄関口、ピョンヤン国際空港。
今年7月にオープンしたばかりのターミナルを歩くと、新たな設備の数々に気づかされる。
ウェルカムというボードと、エスカレーターですね。
今まで空港には、こんなエスカレーターなんかなかった。
そのエスカレーターの先、明るく開放的な到着ロビーには売店が設けられていた。
売店の棚には海外のものと見られる菓子や飲み物が並ぶ。
カウンターにはシャンパンとマシュマロ。
お湯を提供するサービスもあるのか、日本製のカップ麺も。
その奥にあるのが…ここ、エクスチェンジっていうから両替所かと思ったら北朝鮮で使うための携帯を貸してくれる場所らしいです。
携帯の持ち込みはできるんですけど使用ができないので、こちらで北朝鮮で使える携帯を借りるというところですね。
新ターミナルをめぐっては、キム・ジョンウン第一書記が建設段階からたびたび現場を視察。
去年秋には、民族性が生かされていないとして、関係者を失跡し、設計の見直しを指示するなどこだわりを見せた。
この日、到着した国際線の飛行機は北京からの3便のみだった。
朝鮮労働党創建70年の祝賀行事に向けた準備が続けられるピョンヤン。
連日、多くの人が駆り出され日夜、練習が行われていた。
その一方で…おととし10月にオープンした遊泳場。
10以上のプールがピョンヤン市民の人気を集めているという。
最高気温が20度だったこの日も多くの客が訪れていた。
非常に不思議な光景を見てます。
街では10月10日に向けていろんな人がパレードの練習している一方で、こうやって、プールで水泳に興じている人たちもいる。
一体どういう人たちがこういう時間を使って水泳とかで遊べるのか、ちょっと我々には想像つかないですね。
この場所にはプール以外にも様々な施設がつくられている。
ここには美容室があって、泳いだ後にここで髪形を整えるということらしいですけれども。
いろいろな髪型が店内に貼ってあって、それぞれ今流行中の髪型みたいですね。
例えばこれはモルビョルヒョン、ウェーブ型、これはポルムタルヒョン、満月型、確かに丸いな。
お客さんはこれを見ながらこういうカットにしたいなみたいなことを注文するんだそうです。
ブドウ型にしました。
我が国ではブドウ型がはやっています。
女性の流行はブドウ型。
男性の間では、どのような髪型がはやっているのだろうか。
こういうスタイルが、特に好まれます。
染める人はいません。
子どもたちが水着姿のまま遊べるトランポリンや日本でも人気が高まっているスポーツクライミング、卓球台など、スポーツに関係する施設が多い。
さらに…アメリカ製と見られるランニングマシーンなど、近代的な設備が整うスポーツジムも男性を中心に人気だと言う。
これテドンガンですね、川。
奥が白いのがメーデースタジアムだ。
ピョンヤンの街を走っている感じなんだね。
国連などから経済制裁を受ける北朝鮮。
しかし、ピョンヤンではここ最近、自動車が増加し、渋滞が起きているドイツ製やアメリカ製など、海外の高級車も少なくない。
かつては高嶺の花と言われた自転車もピョンヤンでは市民の足として普及が進む。
ご覧のようにペンキで色分けした自転車の専用レーンというのがお目見えしました。
ピョンヤンはどこも道が非常に広いんで、こういったことをする必要があるかどうかというのはわかりませんけれども、これも最近の変化の1つです。
歩行者が巻き込まれる事故を減らすため、自転車専用レーンを導入したと見られる。
やっぱりね、レーンが終わったところで自転車降りなきゃいけないんですね。
レーンがあるところまでは自転車に乗れるけど、その後は自転車を押していますね。
ちゃんとルールがあるんだ。
こうしたピョンヤンの姿を、専門家は、どう見ているのか。
地方で、あるいは農村の人たちが見て、今ピョンヤンでこれだけの生活をしてるんで、いずれ自分たちもそういう生活ができるようになるんだという、そういうモデルを示している。
こちらの建物が、日本のニュースでもおなじみのKRT、朝鮮中央放送、ラジオとテレビ局です。
今回初めて報道スタジオに入れてもらえるというんで、やってきました。
ラジオとテレビ合わせて3000人が働く朝鮮中央放送。
報道フロアでは夜8時からのニュースに向けた準備が始まっていた。
ニュースを読むのは新人アナウンサー。
キャリアは1年にも満たないという。
衣装やメイクのチェックにも余念がない。
始まるかな。
収録後、話を聞くことができた。
緊張はしますが、すべての人民の信頼を受けて私がこの場に座っていると思えば、それも解消できます。
私も日本で放送に携わってスタジオにも出演しているんですけれども間違ったりしたりしたことはありますか?あなたも経験されていると思いますが、人には失敗もありますよね。
ピョンヤン市内で意外なほど多く目にするのが外国人観光客の姿。
北朝鮮が、完全に閉ざされた国ではないということが、こういった光景を見るとちょっと理解できるかもしれません。
大体夕方になると、大勢の欧米の観光客、これがホテルにやって来て、チェックインを待っているわけです。
北京経由で川を越えて北朝鮮に来たけど全く別の世界ですね。
ここは主に朝鮮の工芸品、美術品などをつくったり売ったりする場所なんですけれども、こうやって、かなり欧米系の観光客の姿も目立ちます。
ここは定番の観光コースとなっていて絵画や美術品を購入できる。
北朝鮮に来るのは4回目です。
私は芸術がとても好きなんですが、北朝鮮の芸術は、本当に独特ですね私たちはピョンヤン市内の学校を訪れた。
ここはピョンヤン第一中学校の校庭です。
そして、こちらが校舎になるんですけれども巧者の上にはキム・ジョンウン元帥様、ありがとうございますとあります。
そして今日、これだけ多くの外国メディアがこの中学校に取材に来ます。
さて、学生たちはどんな反応を示すんでしょうか。
私たちの訪問を生徒たちが歌で歓迎する。
ピョンヤン第一中学校は卒業生の多くが金日成総合大学などに進学するというエリート校。
午後のピョンヤン市内。
川辺は市民の憩いの場となっている。
ちょうどボートをこぐ人がいますけれども、これがポトンガンですね。
ピョンヤン市内を流れるポトンガンです。
そしてこういった河川敷を利用したスポーツ施設っていうのが今、ピョンヤンで増えていてこちらでも一般の人たち、男性、よく見てると結構うまいんですけれども、バレーボールをやっています。
特に人気があるスポーツはバレーボールとバスケットボールで、地区ごとにチームをつくって対抗試合も行うと言う。
うわー、すごーい、結構うまい、みんな。
以前は太っていたんですが、体にしっかり筋肉がついて、気分もいいし、ほら、こんな感じ。
すっごいレベル高いですね?いやあ、私たちは普通のレベルですよ。
褒めていただいて、ありがとうございます。
サーブ、あっ、うまい。
今、お仕事は何やっているんですか?みんな違う仕事してるのに、どうしてこうやって集まるんですか?迎えた式典当日の今日。
広場を埋め尽くす大勢の兵士たち。
背筋を伸ばし、足を交互に振り上げて一糸乱れぬ行進を披露した。
そして…登壇したキム・ジョンウン第一書記そのすぐ隣には、中国は共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員の姿が。
およそ25分間にわたって演説したキム・ジョンウン第一書記。
これは父親のキム・ジョンイル総書記の時代には見られなかった光景。
また、演説の後には軍事パレードが行われ、長距離弾道ミサイルも披露されたが、その形状からSLBN、潜水艦発射弾道ミサイルの可能性もある。
ここでピョンヤンで取材を続けています日下部キャスターに聞きます。
映像を見る限りですと、私たちとはまた想像の違った経済状況があったような印象もあったんですが、実際、取材をしてみるとどうなんでしょうか?金日成広場ですけれども、パレードが終わって今、市民たちが家路につくところですね。
大分静かになりましたし、今日のピョンヤン、大分冷え込んでいます。
先ほどご覧いただいたVTRですけれども改めて強調したいのは、ご覧いただいた市民たちの表情というのは我々が取材を許可されたものだけだということですね。
ただ、この5年間私は頻繁に北朝鮮を訪れていますけれども、経済制裁などの影響はなかなか感じられないというのが率直な印象です。
その理由についてはなかなかわからないんですけれども、1つ、非常に限られてはいますけれども個人に自由な経済活動が認められてきたことがこれが社会を活性化させていることにつながっているのではないか、何度もこの国に来てピョンヤンなど大都市にはもしかしたら、これまでの伝統的なエリート層とは違った、こういった言い方がいいのかどうかわかりませんけれども、ニューリッチとも言える富裕層が生まれてきて、これが経済制裁への緩衝材になっているのではないか、そんな感じもします。
中国とは関係改善の兆しはあるようですけれども、日朝関係は今後どのように進むとお考えですか?今日も軍事パレードの中では、中国から来た、共産党序列第5位の劉雲山氏とキム・ジョンウン第一書記の様子を見ていると非常に関係改善を印象づけるものでした。
また、韓国も月末には離散家族の再会が行われるということで、こういった中でどんどん日本の外交的優先順位は下がっているということです。
つまり、北朝鮮の方から積極的に関係改善を求めてくることはなかなかないんじゃないかと感じられます。
そうした中でこういった拉致問題などの懸案をどう解決していくのか、これは日本がもっともっと知恵を絞らなければならない状況、そういうところに来ているんだと思います。
島の住民の半数が65歳以上という超高齢化の島の1つ、香川県の豊島。
この島を舞台に1人の女性看護師が日夜奔走しています。
私たちは彼女に密着取材しました。
そこから見えてきたものは、病気や死と向き合う人たちの真摯な姿。
そして、僻地医療とは何かという根源的な問いでした。
瀬戸内海に浮かぶ香川県豊島。
港のすぐそばにある診療所。
週に5日、午前中だけ開く診療所は島の人が頼りにしている唯一の医療機関。
両方ともやったん?おいちゃん、かいたらいかんで〜。
虫に刺され足が腫れたと71歳、ひとり暮らしの男性が訪れた。
ノミやがな!ここにもおる。
ようけおるわ、おっちゃん、そりゃかゆいわ。
今、飛んだがな、思い切り。
お年寄りたちの中心にいるのは看護師の小澤詠子さん。
島のお年寄りからは、うたちゃん、うたさんと呼ばれ、親しまれている。
診療所の電話が鳴る。
緊急の手術が入ることもある。
診療所は医師1人と看護師3人、事務員1人の5人態勢。
限られた条件の中で、内科、外科、小児科とできる限りの医療を提供する。
お疲れさまでした。
お年寄りの命に寄りそう、うたさんもともと看護師志望ではなかった。
出身は大阪。
立命館大学で経営学、環境学を学んでいたという看護師としては異色の経歴。
豊島へは、大学時代に産業廃棄物の不法投棄問題を研究するため訪れたのが最初だった。
そのとき島で世話になった人たちが年老いていく姿を見て彼らを支えたいという思いから8年前に移住。
さらには、島の看護師がいなくなると聞き、一念発起して看護師資格を取った。
豊島に常勤の医師はいない。
週に5日、高松市にあるへき地医療支援センターから医師が派遣さている。
早めに抗生剤を点滴したりして様子を見てますね。
診療が終わり、午後になると島の中を回るのがうたさんの日課。
たまにこういうふうに様子を見がてら、お薬を切れないようにいつもフォローをするということで。
この家は夫婦2人暮らし。
子どもたちは島を出ていった。
サツ子さんお薬、全部空っぽかな?じゃあこれまた、今日からしましょうか。
胸の痛みはどうですか?痛みないですわ。
なくなりました、よかった。
じゃあ、冨二さん、自己紹介してあげてください。
三好冨二今年93歳です。
はよ死にたいんですか?もうコロッと死んだら、人間は一遍死んだら二遍も死なないからな。
もう思い残すことがないんですか?豊島で93年間生きてきた冨二さん。
衰弱が進んでいた。
支える妻のサツ子さんも87歳。
うたさんが普段から気にかけている夫婦。
ええことありますわ、あんたにほれますわ。
昔はね、いろいろ盆踊りもしたりしてね。
自分の好きな人と踊ったら化粧品のにおいがぷんとしてきてな、楽しかったですよ。
盆踊りの音頭歌ってあげてくださいな。
聞かせてあげて。
サツ子さんに言うとくことはないですか?うちのおかあちゃん、とってもステキなおかあちゃんですよ。
私がほれて、嫁にもろうたんです。
さっちゃん、さっちゃん言うて、豊島一のべっぴんやいって、みんなにほめてもらって。
何を言うんですか。
もう次、検査と入院するいうんは、もう嫌ですかね?ああ、もう嫌じゃな。
冨二さん、もうちょっと頑張りましょうか?はい、もっと頑張りますわ。
ありがとうございました。
楽しかった。
思ったより元気でよかったです、本当に。
超高齢化を迎えた香川県豊島。
今や島の半数を65歳以上の高齢者が占める。
若い世代の多くは隣の小豆島や岡山、大阪など島の外に出て行った島の世帯の2割はお年寄りのひとり暮らし。
うたさんが気にかけ訪問する家は島内に数多くある。
こんにちは。
さっぱり?さっぱり目が見えん。
今日はもういよいよじゃ。
こんだけの範囲しか見えん。
これ見える?あんたのは見える。
私の顔見える?イスに座ろうか?ここ数日で急に目が見えなくなったというひとり暮らしの敏さん。
うたさんは、すべての言葉に耳を傾ける。
これミルク。
まだ熱いと思う。
ここにあるんは見えるん?うん、それは見える。
今日、お昼は食べとらんの?食べとらん、朝パンと何も食べとらん。
今日の夜は何食べるん?晩は食べん。
これ飲んどくかなと思って、今。
今、95歳の敏さんが頼れるのは島に住む遠い親戚しかいない。
これからのことね、どうする言うて相談できたん?ああそう、ありがとう。
私はわかっとる、何でこんななのは、何かのたたり。
そんなん思いよん?みんな6月やね。
息子3人に次々に先立たれた敏さん。
島の外に住む2人の子どもに迷惑をかけたくないと言う。
目がもっと見えんくなってくるようやったらね、診療所に言うてね。
ありがとうございました。
じゃあ、また来ます。
ありがとう。
島で静かに老いてゆくお年寄りたち。
それぞれに悩み苦しみ、死と向き合う姿があった。
77歳の英子さんは、去年、夫に先立たれた。
ミカン一筋でやってきた人で。
寡黙な人でね、笑顔がとってもね。
豊島で59年連れ添った夫婦。
夫の利夫さんは肺炎で去年8月に亡くなった。
最期のときは、豊島ではなく、隣の小豆島の病院で迎えた。
それでもう一周回って、熱があるんだからもう帰ろうや言うてもきかないんですよ。
ずっと回って、ほれでそこまで帰ってきたから帰れると思ったら。
それであくる日に連れて行ったんです。
即入院で肺炎だから、即入院だと言われて、それからもうそれがしまいでした。
個室でね、1カ月ぐらいおってね。
去年亡くなった人の魂を迎え入れる初盆。
豊島ではこの10年で150人が亡くなった。
うたさんは、看護師としてこれまで多くの人たちを看取ってきた。
私も豊島に来始めの最初はあまりに頻繁にあるお葬式に戸惑うばかりだったんですけど、皆さんどうしてるのかなと思ったら。
抱き合うとか、泣き合うというのと同じ関係性で生き合ったりしてて、お互いに生きるということは感じやすいけど、死に合ってもいるっていう。
生き合って、死に合う。
うたさんが、多くのお年寄りたちと過ごし、看取って感じてきたこと。
死が日常にある豊島。
7月、冨二さんの容体が急変した。
冨二さん?自力での食事と排せつができなくなっていた。
随分とお世話になりました。
これで私も死ぬと思われますので。
冨二さん、もうね、もういく準備しよんですか?もうはよ死にたいです。
冨二さん、お葬式はね、まだほんのちょっとだけ先ですわ。
サツ子さんの準備ができるまでね、1人になる準備が要るでしょう。
はい、うれしいな、楽しいな、生きてるって素敵だな、ありがとう、ありがとう。
翌日、これ以上の自宅療養は無理と島の福祉施設へ移ることになった。
長年夫婦で暮らしてきた自宅を離れる。
8月、豊島の夏。
島の診療所は忙しくなる。
週に1度巡回する診療先に熱中症や栄養不良など多くの高齢者が不調を訴え訪れる。
高齢者が多く亡くなるのも、この時期。
良吉さん、ご飯は食べられてますか?食べてきたとこや。
まだここら辺におる。
じゃあ、横にならん方がええか。
ミノルさん、この前死にかけてよみがえったけどな。
盆を迎えた豊島。
地区に盆踊りの音頭が響き渡る。
数年前に録音されたあの冨二さんの声。
その冨二さん。
自宅から島の老人福祉施設に運ばれて1カ月がたっていた。
冨二さん。
先生来られてます。
元気になっとるやん。
ご飯食べれるよるかな。
自宅を離れた冨二さんは認知症が表れ始めていた。
豊島のナオミ荘って知っとるでしょ。
冨二さん、ナオミ荘に入ったんですよ。
誰と相談したいんですか?一番何といっても家内とです。
サツ子さん?またちょっと見に行こうかなと思って。
顔がやっぱし、施設に入ると何がどうじゃないんですけど、顔が変わるでしょう、人って。
そこの判断なんですよね。
島の命を守る診療所。
しかし、うたさんの口から思わぬ事実が語られる。
今、週5日設けている診療日。
それがこの先、週2日に減るかもしれないと言う。
背景には僻地医療が抱える深刻な問題があった。
巡回診療はすると思いますよ。
ただ、本当に週に2回、午後に2時間ずつ、月・金とかその程度になる可能性は十分ありますね。
だから、そのくらいしか出せないと思いますね。
だから、小豆島中央病院がいかにまっとうに動くかどうか、なんのかんの言うても3万人の医療がかかってるわけですよ。
豊島10人が600人、700人のことを考える余裕ないんですよ。
それ言われたら返す言葉がないんですよ。
何とかして島のお年寄りたちを支えていきたい、うたさん。
しかし、それも限界があると言う。
医療難民じゃないですけど、移動能力が落ちている方が、加齢とともにすごく増えてきているので、気持ちの中で、ここでは住めんのかな、住むなっていうことかなとか思われる人も増えてくるんじゃないかなと思うし、ただ、普通の暮らしをここでしたいなと思ってるにすぎないと思うので、取材に当たりましたRSK山陽放送の武田ディレクターです。
豊島というと、僕の世代などでは産業廃棄物が投棄されてゴミの島っていうことで、武田さんが所属しているRSKがそれを告発する継続的な報道をやっていたのを思い出すんですよ。
まさに小澤詠子さんがそれをきっかけにして豊島との関わりができたってことで、何かそれを考えると、非常に胸に込み上げてくるものがあるんですけどね。
島が一丸となって住民運動を行ってきた姿、我々も取材してきたんですが、その元気だった、力強く活動してきた人たちが今、10年、20年たって、このように高齢化して、次々に亡くなっているという事実なんですね。
今回はこの豊島がこれから日本が迎えるであろう超高齢化社会の現実を見たような気がしました。
その島の皆さんと、うたさんとのやりとり、とても温かいものがありましたけれども、その言葉の端々に、死というのがとても自然に入っていくような印象があったんですよね。
日常的な存在の死というのはちょっと驚きました。
実際にこの取材が終わってから1カ月半の間、新たに5人の方が島で亡くなられています。
またVTRに出ていた方もお1人、つい先日、亡くなっています。
まさに死が日常にあるという状況なんですね。
お年寄りの皆さんたちは、皆死への覚悟を決めている様子が感じ取れましたが、それはもしかしたら自分たちの受けられる医療も限界があると、既に悟っていらっしゃる裏返しかもしれないと思いました。
それにしてもへき地医療の過酷な現実を見たんですけれども、あの豊島の診療所というのはなくなってしまうおそれというのは?今、まさにそこを協議中なんですが将来的には、最悪の場合診療所がなくなるおそれも考えられます。
すべては端的に言えば医師不足というのが原因なのですが、話にもありましたように、この豊島だけでなく親病院のある人口3万人の小豆島でも医師の人手がいないと。
そこをこれからとうフォローできるか、現状の制度も含めて再検討する必要があるんじゃないかと思います。
これもし放っておいたらやはり地域の医療崩壊だけでなく地域から人が去ってしまって、やがて地域ごとなくなっていくことすら懸念されます。
この後はスポーツ、上村さんです。
まずはプロ野球です。
クライマックスシリーズのファーストステージが開幕。
デーゲームで行われたセ・リーグ、巨人×阪神戦です。
巨人は5回、阪神先発・藤浪からワンアウト2塁のチャンスをつくり、打席には9番・ピッチャーのマイコラス。
センターオーバーのタイムリーツーベースで巨人が先制する。
2点リードで迎えた7回、ワンアウト2塁・3塁のピンチで梅野にタイムリーを浴びるなどマイコラスがリードを守れず同点とされてしまう。
それでも延長10回、ワンアウト満塁とサヨナラの場面で代打・高橋。
押し出しサヨナラ。
巨人がファーストステージ突破に王手をかけた。
東京六大学野球。
ドラフト候補、明治大学のた高山が安打数で新記録達成。
127本のタイ記録で臨んだ東大戦の7回。
左中間を破り128本目。
大学の先輩、高田繁さんの記録を48年ぶりに更新した。
六大学野球の歴史にその名を刻んだ高山、運命のドラフトは22日。
春のセンバツにつながる東京大会1回戦。
注目の早稲田実業、清宮幸太郎が打席に入ると…都立小平の外野手はフェンスギリギリまで下がる大胆な清宮シフトをしく。
迎えた3回の第2打席。
清宮シフトも何のその。
外野手の頭上を越える高校通算22号ホームラン。
チームの2回戦進出に貢献した。
連日の大観衆が見つめる中、ジャパンオープンの準決勝に臨んだ錦織圭。
相手のペールは今年の全米オープンで屈辱の1回戦負けを喫した難敵。
そんな相手を前に第1セット。
錦織が隙のないテニスを見せる。
ペールの動きを冷静に読んだこのフォアハンド。
サーブも切れ味抜群。
3本のエースを決め、簡単に第1セットを奪う。
このままいけると誰もが思った第2セットは一進一退の攻防が続く。
しかし、攻めきれなかったと錦織。
大事な場面でミスが目立ち、まさかの逆転負け。
大会連覇の夢は準決勝でついえた。
続いては、障害者アスリートたちの挑戦です。
車いすバスケットボール、リオパラリンピックの予選が千葉で行われました。
男子は出場12チーム中上位3チーム、女子は参加3チームで優勝国のみがリオへの切符をつかむ車いすバスケットボールのアジアオセアニア選手権。
男子は初戦、タイを相手に圧倒的な強さを見せつける。
キャプテンの藤本怜央が持ち前のオフェンス力で得点を量産。
さらに、代表最年少、16歳の16歳の鳥海連志。
絶妙なテクニックと正確なシュートでチームに勢いをもたらす。
メンバー全員が出場した日本は、80−59で勝利。
リオパラリンピック出場へ幸先のよいスタートを切った。
今週はノーベル賞ウイークでした。
日本人2人の受賞で非常に日本全体が沸き上がりましたよね。
非常に喜ばしいことなんですけど、ただ文学賞と平和賞があって、日本人が逃したでしょう。
ああもういいやっていうんで、関係ないみたいになっちゃって、これ、例えば文学賞のスベトラーナ・アレクシエービッチさんはすごい小説。
2015/10/10(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【党創建70周年の北朝鮮▽島の命を守る】

あまたのニュースの中から、伝えるべき情報を厳選し、報道特集というフィルターを通して、責任をもって視聴者にお伝えします。

詳細情報
番組内容
【党創建70周年の北朝鮮】
10月10日に朝鮮労働党創建70周年の式典や軍事パレードを行う北朝鮮を日下部キャスターが取材。国際的な孤立、経済的な苦境も伝えられる中、金正恩政権はどんなメッセージを発するのか。

【島の命を守る】
約900人の住民の半数が65歳以上という香川県・豊島。一つだけある診療所で働く看護師への取材を通じ、病気や死と向き合う住民の姿、危機に瀕したへき地医療の現実を描く。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
上村彩子(TBSテレビアナウンサー)
関連URL
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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