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トルコ史上最悪のテロ事件に 95人死亡
10月11日 10時59分

トルコ史上最悪のテロ事件に 95人死亡
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トルコの首都アンカラで10日に起きた2度の爆発は死者が少なくとも95人、けが人も240人以上に上り、トルコ史上最悪のテロ事件となりました。トルコ政府は、2人の実行犯による自爆テロとみて、背後関係について捜査を進めています。
トルコの首都アンカラの中心部にあるアンカラ駅の近くで10日、2度に渡って大きな爆発がありました。トルコの首相府によりますとこれまでに少なくとも95人が死亡、けが人も246人に上り、地元メディアはトルコ史上最悪のテロ事件だと伝えています。現地の日本大使館によりますと、これまでに日本人が巻き込まれたという情報はないということです。
トルコの政府軍は、ことし7月以降、クルド人武装組織に対して大規模な軍事作戦を行っており、今回の現場ではこの軍事作戦に抗議して、和平を訴えるデモを行おうと、多くの人が集まっていました。記者会見したダウトオール首相は、「2人の実行犯による自爆テロだという証拠がある」と明らかにしました。
トルコでは、7月に隣国シリアとの国境近くで過激派組織IS=イスラミックステートとつながりのある男による自爆テロがあり、30人以上が死亡しています。今回の爆発ではこれまでのところ犯行声明などは出されておらず、治安当局は、ISと関わりがあるのか、それとも、ほかの組織の犯行なのか、背後関係について捜査を進めています。

爆発は広場の2か所

爆発が起きた現場はアンカラ駅と駅前にある多目的施設アンカラ・アリーナとの間の広場です。広場は爆発の直後に始まる予定だったデモに参加する人々の集合場所となっていて多くの人が詰めかけていました。地元メディアによりますと、1か所で大きな爆発があり5秒から10秒後、30メートルほど離れた場所で再び、大きな爆発があったということです。

安倍首相「テロを断固非難」

安倍総理大臣は、今回のテロ事件を受けて、トルコのエルドアン大統領にメッセージを送りました。この中で、安倍総理大臣は、「アンカラにおけるテロ事件で、多数の死者および負傷者が発生したことに関し、強い衝撃と憤りを覚えます。ご遺族に対し、心からの哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々にお見舞いを申し上げます」としています。その上で、安倍総理大臣は「テロはいかなる理由においても正当化できず、日本はあらゆる形態のテロ行為を断固として非難します。このテロ事件に際し、トルコ政府およびトルコ国民に対し連帯の意を表します」としています。

アメリカが声明「強く非難」

トルコの首都アンカラの中心部で起きた爆発事件について、アメリカのホワイトハウスは、強く非難する声明を出しました。
ホワイトハウス、国家安全保障会議のプライス報道官は10日、声明を出し、「恐ろしいテロ行為を強く非難する」としています。そして、「平和的な集会を前に、今回の事件が発生したという事実は、犯行の背後にいる者たちの悪質さを浮き彫りにするとともにこの地域で、安全に対する脅威に立ち向かう必要性を示している」としています。そのうえで、アメリカ政府は、トルコ政府とともに、引き続きテロの脅威に立ち向かっていくと強調しています。

ロシアは対テロで連携呼びかけ

トルコの首都アンカラで起きた爆発について、ロシアのプーチン大統領は、10日、国営テレビのインタビューで、「テロとの戦いで力を合わせることが必要だ」と述べました。
トルコの隣国シリアのアサド政権に対しては欧米とトルコなどが退陣を求めていますが、プーチン大統領はアサド政権も含めた各国の連携で、過激派組織IS=イスラミックステートなどのテロ組織に対抗すべきだと主張しており、「反テロ連合」の結成を呼びかけています。今回の事件の直後、プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領に哀悼の意を伝えており、ロシアによるシリアでの空爆を巡ってぎくしゃくするトルコとの関係を修復したい思惑があるものと受け止められています。
ロシア軍は、9日から10日にかけてもシリアで大規模な空爆を続け、ISの拠点55か所を破壊したと発表し、テロとの戦いに取り組んでいるとアピールしています。

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