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巨人 福田投手が野球賭博に関与と発表
10月5日 16時49分

巨人 福田投手が野球賭博に関与と発表
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プロ野球・巨人は、チームに所属する福田聡志投手が巨人の試合を含むプロ野球の試合などで野球賭博を行っていたと発表しました。
これは、巨人の久保博社長が東京千代田区で開いた記者会見で明らかにしました。
福田投手は知り合いの男性に誘われて、ことしの8月から9月上旬にかけて、プロ野球や高校野球、それに大リーグの試合を対象に野球賭博を行ったということです。プロ野球の試合には、所属する巨人の試合も3試合から4試合含まれていたということです。
また、巨人によりますと、福田投手が賭博を行った試合で八百長などの不正が行われた形跡は今のところないということです。
賭博は、試合の勝ち負けを予想するもので、男性からは各試合ごとにハンデをつけた一覧がメールで送られ、福田投手は最初、5万円から10万円を賭けていたということです。しかし負けが続いたため賭け金を増やしていった結果、最終的には、100万円以上に負けが膨らんだということです。現金のやり取りはなかったということですが、福田投手が賭博をやめようと男性のメールに応じなくなったことから取り立てが始まり、先月30日に男性が川崎市のジャイアンツ球場を訪れて精算を要求したことから野球賭博が発覚したということです。
野球協約は選手が野球賭博を行うことを禁じており、福田投手は場合によっては無期の失格処分となります。
巨人は、福田投手を近く熊崎勝彦コミッショナー宛てに告発することにしています。また、賭博罪に当たる疑いもあり、警察への届け出も検討しているということです。
また、巨人によりますと、福田投手を野球賭博に誘った男性は、チームの後輩の笠原将生投手が去年、紹介したということです。男性は笠原投手とマージャン仲間で、笠原投手は野球賭博の誘いを受けたものの断っていたということです。
巨人は笠原投手についても、この男性との交際が「野球賭博常習者」との交際を禁止する野球協約に違反する可能性もあるとみて、コミッショナーに報告するとともに福田投手と笠原投手を当面、謹慎としました。

今シーズンは一軍登板なし

巨人の発表によりますと、福田投手はことし春ごろに税理士法人勤務と名乗る男性から野球の試合で賭けをしないかと誘われ、一度は断ったものの、ことし8月に再び誘われ、高校野球の複数の試合で賭けを行ったということです。その後、プロ野球と大リーグの試合でも賭けを行うようになり、先月初旬まで、プロ野球と大リーグでそれぞれ10試合ずつ賭けを行ったということです。
福田投手はプロ10年目の32歳、2005年秋に行われたドラフト会議で希望入団枠で東北福祉大学から巨人に入団しました。
今シーズンは一軍での登板はありませんでしたが、昨シーズンまでは先発や中継ぎなどとして通算151試合に登板し、通算22勝15敗防御率4.15の成績を残しています。
一方、笠原将生投手はプロ7年目の24歳、平成21年にドラフト5位で福岡工大城東高校から巨人に入団しました。中継ぎとして、ことしは20試合に登板し、勝ち負けやセーブはありませんでした。通算では80試合に登板して、7勝1敗1セーブ、防御率4.34の成績を残しています。

熊崎コミッショナー「軽視できない」

プロ野球の熊崎勝彦コミッショナーは午後5時30分から都内で記者会見し、「先週の木曜日の10月1日に、巨人から福田投手が賭けに関与した疑いがあるという一報を受けた。その時点では細かいことは把握できていないということだった」と説明しました。
そして、熊崎コミッショナーは「きょうの午前中に、巨人から詳しい報告を受けた。報告の内容としては、福田投手の賭け行為について、高校野球、プロ野球の巨人戦も含まれているという内容だった」と説明しました。そのうえで、この事案は軽視できないとして、調査委員会に調査を委嘱し迅速に調査を進める意向を明らかにしています。
また、福田投手に野球賭博を持ちかけた男性について、「反社会的勢力であるという意味合いの報告は現時点ではありません」と説明しました。そのうえで熊崎コミッショナーは、野球協約では選手と野球賭博常習者の交際を禁じていることから、「この男性が野球賭博の常習者であるのかないのか、はっきりしておく必要がある」と述べました。

文科相「考えられないこと」

下村文部科学大臣は文部科学省で記者団に対し、「考えられないことだ。スポーツ議員連盟が『スポーツ振興』くじの対象にプロ野球を入れるかという話もあったが、こういう問題があれば当然、対象にはならないし、大きなダメージだ」と述べました。
そのうえで、下村大臣は「事実関係を確認しながら、どう改善を図るのか、プロ野球として二度とこのようなことがないよう対処してほしい」と述べました。

野球協約では永久失格処分規定も

プロ野球に関わるさまざまな規定を定めた野球協約では、選手の試合での賭け行為や八百長行為などを禁じて、協約に反する行為については厳しい処分規定を定めています。
野球協約の第177条では「選手、監督、コーチなどが次の不正行為をした場合、コミッショナーは該当する者を永久失格処分とする」としていて、所属チームの試合で故意に敗れるなどの敗退行為をする、いわゆる八百長行為や報酬として、ほかの球団の選手、監督、コーチに金品を与えること、さらに今回のケースのように所属球団が直接関与する試合で賭けをすることなどと定めています。
また、第180条では野球賭博の常習者と交際したり、所属球団が直接関与しない試合や出場しない試合についても、賭けをすることを禁止していて、該当者は1年間の失格処分、または無期の失格処分とすることと定めています。

「ファンを裏切る行為だ」

プロ野球・巨人の福田聡志投手が野球賭博を行っていたことについて、東京・渋谷では「ファンを裏切る行為だ」などと話す声が相次ぎました。
59歳の男性は「プロの野球選手みずから賭博をするなんて信じられない。『巨人軍は紳士たれ』と言われてきたのに残念だ」と話していました。またプロ野球をよく見るという21歳の男性は「こういう話を聞くと関わっていたのは1人だけなのかと感じる。選手が関わっているなら目の前の試合も手を抜いてやっているんじゃないかと疑って見てしまう」と話していました。85歳の男性は「巨人は子どもたちにもファンが多いのに選手が不正に手を染めることは子どもたちを裏切ることになり、その罪は大きいと思う」と話していました。

過去の主な野球賭博

過去の主な野球賭博としては、昭和44年に発覚したいわゆる「黒い霧事件」があります。当時の西鉄ライオンズの選手が暴力団が関係した野球賭博に関わり、自分のチームが負けるようにプレーする「八百長」を行っていたことが発覚したのをきっかけに、複数の選手がプロ野球界からの永久追放処分を受けました。
5年前には、当時大阪に本拠を置く独立リーグの球団に所属していた選手8人がプロ野球を対象に野球賭博をしていたとして解雇され、その後、元選手の1人がチームメートを誘って賭けさせ、掛け金の集金などをしていたとして警察に逮捕されました。
また、同じ年には多数の大相撲の力士が野球賭博に関与していたことが明らかになり、日本相撲協会は当時の親方や力士を解雇処分としたほか、野球賭博を主催して賭けをさせたとして元幕下力士らが警視庁に逮捕されました。

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