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仙台市若林区荒浜。現地再建を希望する住民たちでつくる「荒浜再生を願う会」の定例会が開かれた。仙台市はここを災害危険区域に指定し、住民たちに集団移転を迫っている。異を唱える住民たちは毎月第2日曜日に、現地で定例会を開いている。この日は、ボランテイアの手も借りて貞山堀浄化のための、有用微生物を利用した「土団子」作りをしたあと、今後の活動について話し合った。 写真は作業のあと、おにぎりやピザなどを一緒に食べて交流するグループ。 新しい提案があった。災害危険区域で居住が認められない荒浜に、「海辺の図書館」を作ろうというものだ。提案したのは、会の中心メンバーの一人の長男、庄子隆弘さん(40)だ。これまで会合には姿を見せなかった。第2世代、若い世代に属する。 両親や祖母と一緒に暮らしていた荒浜の自宅は津波で流された。今は親とともに仮設住宅に暮らす。大手書店の社員で、図書館司書でもある庄子さんは、津波で打撃を受けたふるさとの再生に、図書館が何かの働きができないかを考えてきた。一方、時間が経つにつれ日本社会全体としてみれば、震災の記憶は徐々にうすらぎ、風化しつつあるという危機感も感じていた。 そこで気付いたことは、図書館は単に蔵書を貸し出す施設ではなく、人々が出会い、語り合う場でもあるということだったという。故郷、荒浜にそうした出会いの場を作りたいと考えた。仮にその場を「海辺の図書館」と名付けた。 写真上、有用微生物利用の「土団子」つくり。下、庄子隆弘さん。 先月、ウエブサイト「海辺の図書館」(http;//umibe.org/)を立ち上げた。サイトではねらいをこう述べる。 『私の故郷(荒浜)をプラットフォームにして、東日本大震災に潰されない生き方を”図書館”を一つのテーマとして模索していける場(リアル、ヴァーチャルの区別なく)をつくるのが目的です。』 自宅跡にどんな施設を作るのか、親とも相談しているがまだ決まっていない。欧米の街角で見かける「フリーライブラリー」。公衆電話ボックス程度の大きさで、蔵書を何冊か置き住民が自由に借りていく施設なども視野にあるという。 「蔵書と言ったが、すでに出版されている刊行物だけがねらいではない」。 庄子さんはこう説明する。 「地域に根差したもの、荒浜という地域自体のコンテンツ。これらを掘り起こし、記録し、未来へ伝えていくのが図書館の目指すものだ」。 趣旨に賛同するメンバー、100人を集めたいというが、メンバーはいまのところ15人。しかし、庄子さんとほぼ同年代の若い世代が中心だ。今後ワークショップを重ね、構想を具体化したいという。 『ほとんど「夢」みたいなことですが〜〜』サイトで正直に述べている。サイト自体がまだ書きかけだ。「海辺の図書館」がどんな姿で実現するかまだ見通せない。しかし、被災した地域再生に若い世代が目を向けたというのは特筆すべきことだ。 被災地の多くでこんなことが語られる。「家庭内の合意形成が難しい」とか、「世代間の断絶」である。被災したふるさとへ愛着を持つ第一世代に対して、第二世代以下はそれが薄い。子育て世代であれば、大津波への恐怖感をぬぐい去れず内陸への移転を強く希望する。二世代同居がごく当たり前だった海辺の暮らしが、高齢世代だけが残る結果となりつつある。 一方、行政は防災集団移転事業を急ぐあまり、地域住民の合意を軽視してきた。地域再生の芽をつんできたのが”復興”行政と言っていい。 確かにまだ“夢”の段階なのかも知れない。しかし、未来をになう世代が地域の再生を模索し始めたことは貴重である。期待したい。(了) |
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逃げない人々 begin
(40 逃げない人々 begin) 40 逃げない人々 二〇一一年三月十一日東北 ...続きを見る |
哲学はなぜ間違うのか? 2014/07/19 21:05 |
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