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【世界記憶遺産】
「日本人は歴史修正主義」「訪日“爆買い”は許せない」 ネットにあふれる反日コメント、上海で次なる遺産申請も準備
【上海=河崎真澄】中国版ツイッター「微博(ウェイボ)」や中国紙のサイトは10日、旧日本軍によるいわゆる「南京事件」資料のユネスコ世界記憶遺産登録を日本政府が批判したことに対して、「日本人はユネスコに反対する歴史修正主義者だ」「日本製品の不買運動を始めるべきで、中国人の訪日“爆買い”観光は許せない」などと感情的な書き込みであふれた。
共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は同日、「全人類が日本軍国主義の野蛮な行為を歴史の恥辱を示す柱にクギづけにする」などと論じ、今回の登録を政治利用する意向をむき出しにした。
南京事件が起きたとされる12月13日は例年、江蘇省南京市の「南京大虐殺記念館」で追悼式典が行われている。昨年は初めて習近平国家主席が出席して演説を行ったが、今年は一段と反日色を強める恐れがある。
中国はさらに、戦前に上海に逃れてきた3万人近いユダヤ難民資料を世界記憶遺産としてユネスコに申請する準備を進めている。
ユダヤ難民は旧日本軍が上海の日本人居留区で保護した経緯があるが、中国はこうした事実をほぼ封印し、中国がユダヤ難民の保護に貢献したかのようにアピールする考えとみられる。