一民間人である14歳の少年ユアンは、ある日、地球軍の輸送機が墜落する現場に居合わせる。
輸送機を撃墜した惑星連合軍に発見された彼は、機の中にあった見たこともない軍用ローダーに乗り込み難を逃れた。
その直後「広報部隊」と名乗る地球軍の部隊が到着。
ユアンの乗るローダーは広報部隊宛てに送られた「ブルーフロウ」という名の最新鋭機なのだという。ユアンは機を返そうとするが、乗員登録の済んだローダーは他人の操作を受けつけない。登録を解除できるベースキャンプまで機を操縦してほしいと言う広報部隊隊長・クロウディアの頼みをしぶしぶ引き受ける。
ベースキャンプへ向かう途中、緊急指令でユアンも戦闘に狩りだされるが、隊員達が驚くほど見事にブルーフロウを乗りこなしてみせる。
ベースキャンプ到着目前、ユアン達はこのまま軍に残るか故郷に帰るかの選択を迫られる。ただし軍の機密を知ってしまった以上、故郷に帰っても向こう二十年は監視の目が向けられるという。ユアンとジョーカーは軍に残る事に決め、戦争を認めない黒帯は故郷に帰る事を選んだ。
謝意を伝えるクロウディアは突然、ユアンの目の前で意識を失ってしまう。オペレーターの白瀬が言うには持病の発作らしい。意識を取り戻したクロウディアは、この事を他の隊員に伝えないようユアンに頼む。
直後、地球軍は惑星連合の要塞攻略を決定し、広報部隊もベースキャンプをジャングルへ移し戦闘行動を開始。惑星連合の大攻勢も退け、要塞攻略に成功する。
しかし要塞の陥落によって惑星連合軍でクーデターが発生。更迭されていたバルバトス大将が復帰し、ユアン達の故郷は毒ガス攻撃に晒される事となる。
地球軍は次の目標を惑星連合の宇宙港と定め、広報部隊もベースキャンプを宇宙港に最も近い海上プラントへと移す。
そこには黒帯が待っていた。故郷が被害を受けた事で戦う決心がつき、白瀬の秘書として広報部隊に戻ってきたのだという。
敵宇宙港攻略の折、広報部隊に緊急招集がかかった。
宇宙港攻略という大目標を離脱してまで指令された「民間施設掃討作戦」に、クロウディアは何かを予感し言葉を詰まらせる。
そしてクロウディアは作戦中に施設へ駆け入り、中から自身と同じ瞳・髪の色を持つ少女を連れ出した。この少女「カナ」は軍にとって特別な存在らしいが、広報部隊はカナを隊で匿うことに決める。しかしその理由はユアン達には語られなかった。
研究施設からの帰路、宿敵ジェリドの追撃隊に追われるクロウディアを再び発作が襲う。
そのときカナは初めて口を開き、意識不明のクロウディアに代わりローダーを操縦し始めるが、ジェリドらの必殺技さえも回避する技量にユアン達は驚嘆する。
ジェリドの追跡を逃れベースキャンプに戻った後。先ほどのカナの変わりようが信じられないユアン達は、クロウディアの口止めを破り、白瀬にその正体を訪ねてしまう。
白瀬は誰にも言わないことを条件にカナの正体を語り始めた。カナは最先端の遺伝子技術によって、戦争のために作られた強化人間。もしカナが軍に引き渡されれば、別の研究機関に預けられ戦場に送り込まれるだろうと。
ユアンは隊員達がそれを知っていて匿ったのだと知るが、そのとき黒帯は白瀬の正体を疑い始めていた。
その後広報部隊は再び宇宙港攻略戦に復帰。
数々の激戦をこなし、着々と目標に近づいていく。
そして最終決戦前夜。
クロウディアはユアンを湖畔に呼び出すと、ネクタル戦役の真実と自らのすべてを粛々と語り始めた。カナが強化人間である事、そして自分もカナと同じ強化人間という事……「兵器として利用される人間」を作り出した地球軍に激昂するユアン。カナにだけは普通の人生を歩んで欲しいと語るクロウディアに、ユアンはそうしてみせると誓う。
そしてクロウディアは、すでに戦闘に耐えられる体ではなく今度の作戦を最後に退役すると続け、いつかユアンの故郷の湖を見に行くと約束する。
最後の作戦が始まった。
宇宙港・司令部へと向かう広報部隊にジェリドから通信が入る。その内容は宇宙協定違反である強化人間研究を黙っている代わりにカナを引き渡せという、脅迫そのものであった。
万事休すの広報部隊に、突然白瀬が割って入る。彼女はジェリドの脅迫をうまく退けたが、この時初めて隊員は今までの事がすべて監視されていたことを知る。上層部はクロウディアがユアンと出会ってから「強化人間」として不可解な行動を取り続ける理由を知りたがっており、作戦遂行とカナの引き渡しを要求する。
敵と味方の両方に追われる立場となった広報部隊。隊員達はこの戦いを終わせなければ何も始まらないと、司令部への突入を決意する。
司令部にはジェリドの隊が待ち構えていた。
広報部隊は死闘の末にこれを撃破するが、燃えさかる戦場から脱出する最中、クロウディアが激しく咳き込み動きを止める。突然の異変に駆け寄ったユアンはそこで初めて、強化人間が戦闘で命を縮める事を聞かされる。寿命が来た事を必死に否定するユアンに、クロウディアは最期の願いだと後部座席のカナを託す。
「ごめんね……約束、守れなくて」
そして勢いを増した業火が、クロウディアの機体を包み込んだ。
宇宙港を奪取された惑星連合軍は程なくしてネクタルから撤退。
地球軍も別の地域へと移動し、まもなく両者間で停戦協定が締結された。
クロウディアを亡くした第177広報部隊は解散。
隊員は他の部隊に吸収され、また一部は新生広報部隊のメンバーとして活躍している。
ユアン達は退役したジェリドに助けられながら、カナと共に両軍の追跡から逃れる生活を送っている。
宇宙港攻略戦後に脱出を果たせたのは白瀬の手引きがあったからだが、それを知るのは黒帯と一部隊員のみ。
ユアンは今でも想う。
「もしクロウディアが生きていたら、どんなに幸せだったろうか」と。