◇スタンレー ・レディス<第2日>
▽10日、静岡県裾野市・東名CC(6583ヤード、パー72)▽曇り、気温19・1度、風速1・8メートル▽賞金総額9000万円、優勝1620万円▽108選手(うちアマ8人)▽観衆6179人
前日4位の木戸愛(めぐみ、25)=ゼンリン=が4バーディー、ノーボギーで2日連続の68をマーク。通算8アンダーとして首位と1打差の2位に前進した。2012年7月のツアー初優勝からはや3年3カ月。悲願の2勝目を射止めることはできるか。9アンダー首位は若林舞衣子(27)=ヨネックス=、木戸と並ぶ2位にイ・ボミ(韓国)、7アンダー4位に大江香織(25)=アルパイン=が続いている。
勝ちたい。その気持ちは誰にも負けないくらい大きく膨らんでいる。「その強い思いを胸の奥にしまって、最後まで目の前の1打だけを見つめて戦いたい」。木戸は「私は欲を出してうまくいくタイプじゃないので」という。5月のサイバーエージェントレディス以来5カ月ぶりの最終日最終組。1打差2位から「ベストを尽くします」と決意を語った。
「ノーボギーだったのがよかった」。4バーディーのうち3つは、パー5で第3打を1メートル半、1メートル半、5メートルに寄せてのもの。4つめの17番は残り102ヤードを48度ウェッジでピンそば50センチにピタリと貼り付けた。「パッティングもパターの芯でしっかりと打ててる」と、8月のCATレディース最終日以来となるボギーなしラウンドを振り返った。
「(師匠の)芹澤信雄さんに、スタート前練習をチェックしていただいた。アプローチに関してライの見極め、その状況に応じた打ち方のアドバイスをもらって…」
スコアメイクに直結させた。「(芝が)順目の時はクラブフェースを開かず、ノーコックで打つ」。実践したのは6番グリーン手前からのアプローチ。「逆目のアプローチはちょっと開いてコックを使い、大きく振って」寄せたのは8番パー5、グリーン右ラフからの第3打。これはバーディーにつながった。
「次に勝つことで、あの(12年サマンサタバサレディース)初優勝の価値を自分で決めたい。まぐれじゃなかったって思いたいんです」。そう言って元日から始動したプロ8年目。夏場に成績が落ち込み、悩みもがいている時、芹澤師匠に「カッコつけんじゃないよ。たった1回勝っただけだろう? 生意気言うんじゃない」と喝を入れられ目が覚めた。
自分のやるべきこと、できることは1打に集中することだけ。だから今日もそれをやり抜く。勝利がその先にあることを信じて。 (月橋文美)
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