政治資金虚偽記載:小渕議員元秘書に有罪判決 東京地裁
毎日新聞 2015年10月09日 16時02分(最終更新 10月09日 18時45分)
小渕優子衆院議員(41)=群馬5区=の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地裁は9日、同法違反(虚偽記載)に問われた元秘書で前群馬県中之条町長の折田謙一郎被告(67)に禁錮2年、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)、元秘書の加辺守喜(かべ・もりよし)被告(62)に禁錮1年、執行猶予3年(同・禁錮1年)の判決を言い渡した。
園原敏彦裁判長は「政治活動に対する国民の監視と批判の機会をないがしろにしており悪質だ」と指摘。「違法な手段を使っても国民の疑惑を回避できればよいとする、法の目的とは正反対の姿勢が垣間見える」と非難した。
判決によると、折田前町長は2009〜13年、資金管理団体「未来産業研究会」から「小渕優子後援会」など2団体に計5600万円を寄付したと政治資金収支報告書に虚偽の記載をした。また女性支援者向けに開いた後援会主催の観劇会を巡り、参加者からの会費収入を約1億2600万円少なく、会場の明治座への支出も約5300万円少なく、それぞれ後援会の収支報告書に虚偽記載するなどした。加辺元秘書は一部で共謀した。
検察側は、未来研が以前から慶弔費などの支出を収支報告書に記載してこなかったため、実際の残高と収支報告書の繰越金の間に生じたズレを解消するため、虚偽記載を図ったと指摘していた。
判決を受け、小渕議員の事務所は「多大な心配と迷惑をかけ改めておわび申し上げる。近く提出される第三者委員会の報告を踏まえ、説明したい」とのコメントを出した。【山下俊輔】