2015年10月10日21時37分
11月22日投開票の大阪府知事、大阪市長のダブル選挙で、地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹市長)と、市長選に立候補する自民党の柳本顕(あきら)市議(41)が10日、大阪市内でそれぞれ公約を発表した。5月に大阪都構想の住民投票で激突した両者が再び対決する構図で、決戦に向けた動きが本格的に始まった。
大阪維新は、再選を目指して知事選に立候補する松井一郎幹事長(51)と市長選に立候補する吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)らが会見し、マニフェストを発表した。都構想廃案からまもない点を意識し、「副首都“大阪”の確立」「二重行政の根絶」などのテーマを先に掲げ、都構想は手段に過ぎないと強調する作りだ。
「大阪会議で良いのか、大阪都構想が必要なのか?」というフレーズは橋下氏が指示した。自民党が都構想の対案として提唱した大阪戦略調整会議が紛糾しており、「大阪会議という話し合いでは、二重行政を全く解決できない」(松井氏)と強調する狙いだ。
一方、柳本氏は会見で「大阪の行く末を左右する戦い。人生をかけたい」と意気込んだ。大阪維新の都構想復活について「振り出しに戻すのか」と批判し、住民投票で廃止を免れた大阪市への省庁誘致など、首都機能の分散化を図ると宣言。大阪市を、リニア中央新幹線などの交通網整備で近畿圏を飛躍させる「近畿メガリージョン」の中核に位置づける構想を示した。
橋下市政の4年間は「市がなくなる前提で、未来につながる施策が何一つなかった」と総括。政治手法を「敵を作ってはたたきのケンカだ」とし、「対立より協調を」と訴えた。市営地下鉄・バスの敬老パスに導入された利用者負担の緩和や、校長公募制度といった「橋下色」が強い政策の抜本的見直しも盛り込んだ。
知事選には自民党の栗原貴子府議(53)、大阪市長選には元北区長の中川暢三(ちょうぞう)氏(59)が立候補を表明している。
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞官邸クラブ
PR比べてお得!