岡田匠
2015年10月11日07時52分
7万を超す全国の寺院のうち、別の寺の僧侶が住職を兼ねていたり、住職がいなかったりして、常駐する住職のいない寺が、1万2千カ所にのぼることが、朝日新聞の調べでわかった。過疎・高齢化による檀家(だんか)の減少や住職の後継者不足などが要因で、今後「寺の消滅」が加速する可能性がある。
文化庁の宗教年鑑(2014年版)によると、全国の仏教系宗教法人の寺院は7万5900。今回、全国の寺の約8割を占める主要10宗派(曹洞宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、浄土宗、日蓮宗、高野山真言宗、臨済宗妙心寺派、天台宗、真言宗智山(ちさん)派、真言宗豊山(ぶざん)派)に今年2月時点でこの10年間の所属寺の状況を尋ね、日蓮宗以外の9宗派から回答を得た(高野山真言宗は09年以降)。
専従の住職がおらず、別の寺の僧侶が住職を兼ねる「兼務寺」は1万496、住職がいない「無住寺」は1569で計1万2065カ所(全体の約16%)。10年前の調査や記録がない真宗大谷派と高野山真言宗を除く7宗派では、10年前の計9104から803増えた。宗派別では曹洞宗、浄土宗、真宗大谷派の順に多く、真言宗の智山(ちさん)・豊山(ぶざん)両派、臨済宗妙心寺派は所属寺の3分の1にのぼる。
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朝日新聞社会部
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