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トルコ「ロシアのシリア空爆で難民急増も」
10月10日 6時09分

トルコ「ロシアのシリア空爆で難民急増も」
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トルコ政府は、内戦が続く隣国シリアでロシアが続ける軍事作戦の対象は反政府勢力だという見方を示したうえで、空爆によって今後、多くの難民がトルコに流入する可能性があるとして懸念を表明しました。
内戦が続くシリアではロシア軍が先月から北部や中部などで空爆を続け、アサド政権の軍も大規模な軍事作戦を展開しています。
トルコ外務省のビルギチ報道官は9日の会見で「ロシアの空爆の対象は大半が反政府勢力だ」と述べ、攻撃の対象はIS=イスラミックステートなど過激派組織だとするロシアの主張に反論しました。
そのうえで、「ロシアの空爆でシリアの人々の間に不安が広がっている。トルコに難民の波が押し寄せる可能性があり、懸念している」と述べ、今後さらに難民が流入することに強い警戒感を示しました。
トルコには、すでに200万人を超える難民がシリアから逃れ、キャンプの整備や食糧支援といった受け入れ態勢が追いついていません。
トルコの地元メディアは、トルコとEUが、トルコ国内にEUの資金で新たに6か所の難民キャンプを設けるとともに、ヨーロッパに向かう難民の監視を強化することなどで合意したと伝えていますが、ロシアの空爆から逃れてトルコに向かう人が急増すれば、各国はさらなる対応を迫られることになります。

ロシア ISの拠点60か所破壊と発表

一方、内戦が続くシリアで空爆を続けているロシア軍の参謀本部は、8日から9日にかけて、大規模な空爆を行い、過激派組織IS=イスラミックステートの拠点60か所を破壊したと発表しました。
発表によりますと、ロシア軍が空爆したのは、ISの首都とされる北部のラッカをはじめ、アレッポや、北西部のイドリブ、中部のハマと広い範囲におよび、無線などを傍受した結果、ISの野戦司令官2人を含む、メンバーおよそ300人が死亡したとしています。
アメリカは、ロシアがISよりもアサド政権に抵抗する反政府勢力を空爆していると批判していますが、ロシア軍は、軍事衛星による情報収集のほかにシリア上空に無人偵察機を飛ばして、ISの拠点の正確な位置を割り出して空爆していると主張しています。

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