「血界戦線」 第12話 「Hello,world!」の感想です。
希望を示されてきたレオが。
今度はホワイト&ブラックに希望を示す!
最終回はそういうストーリだったと感じました。
記事の前半では最終回の情報を整理し、作者のやりたかった事を感じ取ろうとするところから始まっています。
あと、記事がかなり長い(12000文字超)です。
「なるべく短く纏めたかったけど結局長くなってしまった。そうですね ?! ひそかさん!」
「はあい!」
「もしも読まれる場合、そのへん覚悟して欲しいってことですね?! ひそかさん!」
「はあい!」
(cv:グァバラじゃなくてひそか)
はじめに。一回の視聴ではよく分からなかった最終話
やっぱ3ケ月のブランクは大きいっスね。
自分が「血界戦線」第11話の感想や考察を書いたのは、7月第1週のことでした。
そこから約3ケ月が経過し、最終回の第12話を見ながら、面白く感じる部分と、あれ?! よく分かんない、という部分が入り混じったような気分がいたしました。簡単にいえば、ちょっと忘れ気味な状態で見てしまったというか。
しかしまあそうとばかりも言ってられないので。
ざっとアニメの第1話、第10話、第11話の要所やマンガの1巻などを見返し、そのあと第12話をもう一度、メモを取りながら再視聴しました。それでようやく理解出来てきた感じです。やっぱアレですよね。まずは、
制作サイドが何をやろうとし、どんなことを伝えたかったのか。
それを感じ取ることから始めよう。
そんなふうに思いました。
これは「蒼き鋼のアルペジオ」や他の作品で脚本や構成などをされている、上江洲誠さんがおっしゃっていた事でもあります。
ということでこの記事では、
- 「血界戦線」最終回の要点整理
- 「血界戦線」で作者のやりたかった事は?
- 最終回で面白かったところ
- 血界戦線の総括
大きく分けるとそんな形で話を進めていきたいと思います。
「血界戦線」最終回の要点を5つの点から整理してみる
私はこんなふうに話を理解しましたって感じで。
「血界戦線」第12話のストーリーを理解するための要点について、ざっと5つほど書いてみます。以下取り上げる内容は、
- 「結界」の流れ
- 絶望王について
- マクベス家について
- ロケーション(場所)について
- ブラックとホワイトの流れ
となります。
最終回の要点-「結界」の流れ
先に血界戦線主要キャラの、アイコン&キャストを表にしてみます。おもに記事前半で言及のあるキャラについてです。
名前 | アイコン | キャスト | |
---|---|---|---|
レオナルド・ウォッチ | 阪口大介 | ||
クラウス | 小山力也 | ||
ザップ・レンフロ | 中井和哉 | ||
ソニック | 内田遊馬 | ||
絶望王 | 釘宮理恵 | ||
堕落王フェムト | 石田彰 |
「血界戦線」第12話を画面で見る限り。
かつてのNY(ニューヨーク)=HL(ヘルサレムズ・ロット)の大崩落の進行を食い止めている結界の数は、全部で6つに見えました。
絶望王(cv;釘宮理恵)は、レオナルド・ウォッチ(cv:阪口大介)の持つ「神々の義眼」を使って結界を発見し、いったんは結界の大半を破壊することに成功したのだと思います。作中、濃霧が立ち込めている時間帯ですね。以下、結界に関する流れを簡単に書いてみると、
絶望王によって結界の5/6が破壊される(濃霧) → 1つだけかろうじて結界(マクベス家によって張られた結界)が残る → レオス(LHOS)の長老が破壊された5/6を修復する(霧が晴れる) → レオの活躍などにより、ブラックがマクベス家の結界を新しく張り直す → 結界が復活する
結界に関しては、おおよそそんな流れだったと思います。
絶望王について
第11話において。
絶望王は自己の存在についてこんなことを言っていました。
- 理(ことわり)を外れ、永久(とこしえ)に漂泊(ひょうはく)し続ける定め -
絶望王というのは、そんな定めの存在。
つまり古(いにしえ)から永久(とこしえ)へと。
ずうぅーっと悠久に存在し続ける存在なのかなぁと。
そういえば一瞬のカットでしたが。
絶望王の見てきたものとしてジーザス・クライスト(イエス・キリスト)やアドルフ・ヒトラーらしき人物も写っていましたね。
絶望王とはどんな存在なのか?
これについては堕落王フェムト(cv:石田彰)と絶望王の会話が分かりやすいかなと思います。
アニメでのセリフは、「絶望王 → フェムト」の順番でしたが、ここでは順番を入れ替え、「フェムト → 絶望王」の順番で書き出してみます。
堕落王フェムト:「フォーレン、ブルー、悪魔、絶望王、ウォッチマン etc……
ローマからこっち、ずっと “傍観者”(ぼうかんしゃ)だった君が、(NY)大崩落で足を止めた」
絶望王:「3年前もここ(教会の聖堂の事)で崩落(NY大崩落)にあったよ。
美しかった……
価値観や概念、感情すべてが覆される眺め、高揚、この先に望み(希望)があると確信した」
皮肉な話ですが……
人類が必死に大崩落を止めようとしているさなか、絶望王にとってはその先がもっと見たかったのに、という形になるのでしょう。
絶望王については。フェムトが形容した通り、
「傍観者」や「ウオッチマン;watchman」(見張り人)
そういう単語が一番絶望王を言い表しているかなと思います。
あとアニメでひとつ分からなかったのは。
結局絶望王は、大崩落で自主的に足を止めたのか、それとも足止めを食らってしまったのか、
その点が私には分かりませんでした。
しかし、本来「傍観者」や「ウオッチマン」である絶望王が積極的に結界の破壊へと突き進んだところを考えると。結界を破壊しない限り、絶望王は動きが取れない状態に陥っていた気がします。また、そこ(結界の破壊)に向けてブラックの潜在意識も介在していたように思います。
マクベス家について
せっかくなので。
BGM(劇判)つけながら書いてみようかなっ♪
マクベス家について。
特にホワイトについて触れるときはこの曲でしょうね。「血界戦線 オリジナルサウンドトラック」DISC2の15曲目。曲名は、
「White Gloves」
下は「White Gloves」の動画(止め絵)です。いい曲だぁ
記事が長くて読むのタイヘンでしょうから。
曲を楽しみながら読んで頂ければと思います。
マクベス家の家族構成とアイコン表です。
マクベス家
(父)ベンジャミン・マクベス(cv:木内秀信)
(母)エマ・マクベス(cv:ゆかな)
(兄)ウィリアム・マクベス=ブラック(cv:釘宮理恵)
(妹)メアリー・マクベス=ホワイト(cv:釘宮理恵)
名前 | アイコン | キャスト |
---|---|---|
ベンジャミン&エマ | 木内秀信、ゆかな | |
ブラック | 釘宮理恵 | |
ホワイト | 釘宮理恵 |
(画像はすべて、血界戦線公式H.Pより。
CHARACTER | TVアニメ『血界戦線』公式サイト)
3年前のNY大崩落時。
ホワイトは、「ほぼ死亡」したのだと思います。
しかしマクベス家の父母は自分たちの命を使い、ホワイトを死の寸前で一時停止するように、生命ごと結界に編み込んだ、という形になるのだと思います。だからホワイトは「幽霊」であり、生きているような死んでいるような、そんな宙ぶらりんな存在なのかなと。
また、絶望王によって破壊されず、かろうじて残った1つだけ残っていた結界(=マクベス家によって張られた結界;以下「マクベス結界」と略)がありました。この結界はいわばマクベス家3人による合作、
ベンジャミン、エマ、メアリー・マクベスの合作による結界だった、
といえるのでしょう。
あとブラックですが。
彼はホワイトの死の一時停止を再スタートさせてしまうとホワイトが消えてしまうことを当然知っており、ホワイトが消えてこの世からいなくなってしまうならば、いっそ世界ごと崩落してしまえ、という潜在意識をどこかに抱いていたのでしょう。そこに絶望王が入り込んだと。
絶望王は自分とブラックの関係について。
空中戦のさなか、クラウスに対してこんなことを言っていました。
「自分(絶望王)がブラックを選んだのではなく、ブラックが自分を受け入れた」
絶望王の行動には、どこかブラックの意思も混じっていたのだと思います。
マクベス家については、だいたいそんなふうに理解しました。
ロケーション(場所)について
最終回で私の頭がややこしくなった一因は「ロケーション」(場所)でした。
なんせ絶望王が場所を「シャッフル」してくれちゃいましたので。
よ… 余計なことを(汗)
いや、何か目的があったんでしょうけどね。よく分かりませんでした。
絶望王による「シャッフル」以前。
重要なロケーションといえる場所は、「2ケ所」だけだったと思います。その2か所とは、
「セントアラニアド中央病院内廃墓地」と「マクベス結界」
「マクベス結界」はシンボルカラーがイエローです。
黄色で描かれた網の様な描写が出てきたら、それらは全て「マクベス結界」だと思ってたぶんOK。
また「セントアラニアド中央病院内廃墓地」には。
赤い花びらの落ちる木、ホワイト初登場時の墓地、9.11アメリカ同時多発テロのグラウンドゼロを連想させる墓碑、さらに教会(教会内は「聖堂」と呼ばれる)、
などがあり、さらに廃墓地には、レオナルドが囚われていた地下などもあります。
作中、絶望王とレオナルドが距離を置いて向かい合う場面がありました。
積み上がった瓦礫の上、教会内聖堂の地上部分にいる「絶望王」
⇅
赤い木のそば、廃墓地に立つ「レオナルド」
という感じで。
そして両者の間にあるのが「マクベス結界」
血界戦線の最終話は、そういうロケーション(場所)になっていたかなと思います。
要所になったロケーションについて、それぞれA~Dの記号をふってみます。
A:レオナルドが囚われていた地下
B: 廃墓地
C: マクベス結界(黄色の結界)
D: 教会内聖堂地上部分
A・B・Dの場所はすべて、「セントアラニアド中央病院内廃墓地」になると思います。A~Dをふまえ「血界戦線」最終回について、時系列にそいながらレオの行動を簡単に書いてみます。
まずレオはA.(囚われていた地下)から「階段」を上り地上へ。
→ 地上でB.(廃墓地)に立ち、D.(教会内聖堂地上部分)にいる絶望王と向き合う
→ D.へ向かう途中、レオはC.(マクベス結界)を通過する
ざっとですけど。
「血界戦線」最終話のロケーションは、以上のような流れになっていたかなと思いました。
ブラックとホワイトの流れ
ブラックは一瞬でしたが絶望王とブラックが二重写しになった場面で。
「生きたい!」と答えていました。
それが終盤、レオのホワイトに対するセリフ、
「もうひとりの君(ブラック)は、まだあきらめてないっ!」
へとつながっていました。
一方のホワイト。
彼女は第11話「Paint It Black」で、絶望王に銃で撃たれたかのような描写が入りました。そして第12話のホワイトは、濃霧に紛れ、視認できない状態になっていたのだと思います。
最後にホワイトがレオの絶叫に答えて。
彼女が目を覚ます描写が入りました。
これはホワイトの時の一時停止状態が終わり、再び時が動き出したイメージの描写じゃないかと。理由は彼女が目を覚ますまでの描写が、一瞬でしたけど「走馬灯」のように見えたからです。
以下、画像を7枚貼りつつ書いてみます。
↓ たぶん3年前のNY大崩落時。のぞき込むブラック。
このときのホワイトは、実際には瀕死ぐらいなんでしょう。
↓ さらに過去の回想。両親と犬も映っています。
↓ 病院の天井
↓ 教会のそば、セントアラニアド中央病院内廃墓地
↓ 現在へ
↓ のぞきこむレオ
↓ 上の画像のロングカット
おそらくこのときすでに。
ホワイトが消えるまでのカウントダウンがスタートしている -
おおよそブラックとホワイトに関する流れは、こんな感じじゃないかと思いました。
うほぉっ
「血界戦線」最終回についてざっと情報を整理しようと思いましたが予想外に……
いや予想通りかもしれない。
長くなって参りました。
すでに3500文字オーバー。やっと全体の1/3まできました。
以前ならばこのあたりですでに、記事1本文の文字数です……
「血界戦線」最終話を書かれた他のブロガーさん
え~と……
多少は上記の事がみなさんの理解への参考になるのかなぁ。
なってるといいなー (願望)
なんせ私は最終回が最初よく分からなくて(*´σー`)
半分わかって半分わかんないような気分でした。
誰か詳しく&優しく「解説」してくんないかなー
そんなことを思い、他の方をググりました。以下、参考にさせて頂いた方々のリンクを4人ほど貼らせていただきます。
・「江戸紫外郎のブログ」さん
詳しい用語解説や、血界戦線のよかった点&よくなかった点が並列表記されています。
おかげさまで、初めて「ライブラ=天秤の事」だと知りました。
・「この夜が明けるまであと百万の祈り」さん
この方(よしきさん)も私と同様、やはり頭が混乱されたようです。
私と同じてつをふまないように、みなさんはぜひ11話までの復習をしっかりしてから12話に挑んでみてください。
同じてつふみましたっ! みたいな(笑)
また記事では、原作10巻と最終話のシンクロ具合などについて触れられております。
・「ミステリーをちゃんと読もう」さん
震災と関連付けた、アニメと現実のリンク内容が印象的でした。
3年という時間の経過。
それからビルが崩壊していく様子を見て胸がキュッと痛みました。
4年前の、東北大震災を思い出してしまったからです。
この方(みどりの小野さん)の記事を読み終えて……
血界戦線のオリジナル要素は、
大震災被災者に向けてのメッセージを、実際に意図的に込めていたのではないか?
そんなふうに思いました。
被災しボランティアを受けた方が、その恩返しをしようとまた別な土地でのボランティアへと向かう。以前TVでそんな話を聞いたのを思い出したからです。
希望を示されてきたレオが、今度はホワイト&ブラックに希望を示す。
血界戦線の話は、そのボランティアの話と似ているなぁと思いました。
・「宇宙、日本、練馬」さん
クラウスに手を引かれて救われた少年が、今度は誰かを引き上げる。希望を示されてきた彼が、今度は誰かに希望を示す。
「血界戦線」オリジナル要素の基本線は、この方(ねりまさん)のおっしゃる通りだと思いした。最終回について視聴後アレコレ考え、基本線はこんな感じだろうか?と考えたところでねりまさんの記事を読み、ああ、やはりそれでいいんだ、と思いました。
えっと、ヒントを求めて他の方を拝見したのですが……
驚いたのは上記リンクのお三方に。
「江戸紫外郎のブログ」さん、「この夜が明けるまであと百万の祈り」さん、「ミステリーをちゃんと読もう」さんに私の記事(11話記事)へのリンクが貼られていたことにビックリしちゃいました。
ありがとうございます! <(_ _)>
嬉しいのと同時に。
ストーリー展開について、自分と同様によく分からない部分の残った方も多かったのかなと。これは整理する必要があるのかなぁと思いました。
ではストーリーについての整理や他の方へのリンクを終えて。
次からは「血界戦線」(最終話)の、少し感想的な部分へと話を進めていきます。
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「血界戦線」で作者のやりたかった事は?
「作者」とは特に「血界戦線」監督の松本理恵さんをさしています。
あくまで私はこう思った、という話ですが作者のやりたかった事は、以下の3点に密接に関係してくると思います。
- 第1話でレオが出した手紙
- 第1話のクラウスのセリフ
- 第12話のレオのセリフ
以上の3点。
まず第1話でレオが出した手紙について。長くなりますが彼の手紙を引用してみます。
せっかくなのでここもBGM(劇判)つきでっ♪
第1話の手紙朗読場面でかかっている劇判は、「血界戦線 オリジナルサウンドトラック」の1曲目、
「Theme of Blood Blockade Battlefront」
になります。
直訳すれば「血界戦線のテーマ」って感じでしょうか。
動画(止め絵)はこちら ↓
レオの手紙の内容です↓
ハロー、ミシェーラ。
元気ですか?兄ちゃんは元気です。
兄ちゃんがこの街に来て、もう半年が過ぎた。この半年は、なんだかすごく長かったような短かったような。自分でも不思議な感じだ。今さら手紙なんて僕も照れくさいし、君も驚いているかもしれない。
別に何かあったわけじゃない。
ただ、君にどうしても伝えたい事があって、自然と筆をとった。
ここは相変わらずゴチャゴチャでドタバタで、異常が日常のせわしない街だ。
僕は何とか生きながらえて、サイテーでサイコーな日々を過ごしている。
1年前。
君と別れたとき、僕は自分の事を、世界にとってほとんど意味のない存在だと思っていた。無欲で、理想ばかり抱えた、どこにでもいるただのチビだってね。
今もたいして変わっちゃいないが、でもたまに少しだけ、そんなことないような気がする時もある。
今日は、僕がそんなふうに思えるようになるまでの話をしたい。僕がこの街で何を見て、何を思い、どんな人たちに出会ったか。それを君に伝えたい。
少し長くなるかもしれないけどどうか最後まで聞いてほしい。これは僕と、僕に希望を示してくれた、ある人たちの物語。
基本的に血界戦線の最終回は特に手紙の最後の一行、「これは僕と、僕に希望を示してくれた、ある人たちの物語」に関係が深いと思います。血界戦線オリジナル要素の骨格は、
- ライブラメンバーによって希望を示されたレオが、
今度はホワイトやブラックに希望を示す物語 -
それがオリジナル要素の基本線で、また作者のやりたかった事のメインではないか、と思いました。
手紙に続いて次に。
レオの心の支えになったものについて。
作中でレオは「受け売り」だと言ってましたが、レオの心の支えになったのが第1話におけるクラウス・V・ラインヘルツ(cv:小山力也)のセリフになると思います。
アニメ「血界戦線」の第1話「魔封街結社」
Bパートでレオはクラウスに自身の後悔を語り涙しました。
少し具体的に書くと。
レオの妹ミシェーラ・ウォッチ(cv:水樹奈々)は、何者かに自身の眼を差し出して犠牲になり、レオはその結果「神々の眼」という名の「光」(サンシャイン)を持つことになりました。レオはクラウスに対し、そんな過去のいきさつを語ったあと、
「僕は卑怯者。その場で一歩も動けなかった」
と言いながら号泣。
そんなレオに対しクラウスは、いきさつを知ってなお「互いに協力しよう」と。
以下、クラウスの語ったセリフです。
「あらためてようこそ、ライブラへ。
それと……
ひとつだけ認識を改めたまえレオナルド君。
君は卑怯者ではない。
なぜなら。
君はまだあきらめきれずに、そこに “立って” いるからだ。
光に向かって一歩でも進もうとしている限り。
人間の魂が真に敗北することなど…… 」
(シャキーン☆)
「断じてないっ!」
「ブレングリード流血闘術。おしてまいる。
11式 -
旋回式連突!
征け! 手始めに。
世界を救うのだ!」
え~と……
だいたいクラウスのセリフはこんな感じでした。
アニメのセリフでクラウス役の小山力也さんは、「そこに“立って”いるからだ」の「立って」を強調されています。OP映像でも最終回でも、レオが“立って”いるカットって印象的なんですけど、アニメの方でも最初の第1話から、レオが「立って」いる、というのは強調したかったのでしょう。
レオがそこに“立って”いる。
あきらめきれずにそこに“立って”いる。
このビジュアルイメージは、血界戦線における「キービジュアル」のひとつなんだと思います。
(画像はOP動画より)
ではクラウスのセリフに続いて最後に。
彼の言葉を引用しながら、レオがホワイトに向かって叫びをあげる場面のセリフを書いてみます。
のぼる朝日をバックに。
瓦礫の上にレオが “立って” 叫ぶ場面のセリフです。
「ホワイトォォォッ!
君がっ!
光に向かって一歩でも進もうとしている限り!
君の魂が真に敗北することなど……
断じてないっ !!
もうひとりの君(ブラック)は、まだあきらめてないっ!
なのにっ!!
君があきらめていいのか ?!」
絶叫するレオ。
彼が叫びながら広げた開いた大きな口は、画面から飛び出しそうなサイズで描かれています。
再視聴しながらコマ送りでいきつ戻りつしつつ……
なんて力の入ったシーンだっ!
と感動しました。
すっげー力の入れようだよ、おぉぉっ!(感涙)
まさに「全力」を感じさせてくれる絵コンテや構図でした。やはり作者にとって、力を入れたいシーンだったのでしょうね。
ほかには上記3点を終えてのラストシーン近く。
全てを終えてレオが号泣するきっかけを作ったのもクラウスのセリフでした。以下、クラウスがレオに向かって語ったセリフです。
「今回の件。
彼らを救ったのは君という一人の人間だ。
胸を張りたまえ、レオナルド・ウォッチ。
私は君を誇りに思う」
クラウスのセリフでこらえきれずに号泣しはじまるレオ。
そのご主人の姿をパチリ!
ソニック(cv:内田遊馬)が写真に収めました。
血界戦線最終話は、写真を撮る!
そんな予想を以前立てた気がしますが……
てっきり写真は、レオがホワイトを撮ってあげるもんだとばかり。第11話は、写真に対するホワイトのこだわりを強く描いていましたのでね。ところがところが……
まさかソニックがご主人さま(レオ)の写真を撮るとは(*´∀`*)ゞ
ソニックよ……
君は器用なお猿さんですなあ。
ということで「血界戦線」で作者のやりたかった事。
これを流れとしてざっと書いてみると、
第1話アバンのレオの手紙&クラウスのセリフ
→ 第12話でクラウスのセリフを引用しながらレオが叫ぶ
→ レオの行動をクラウスが「誇りに思う」
→ 号泣するレオをソニックがパチリ
そんな流れになるかと思います。
また別の言い方で、ねりまさんの表現を借りながら書くならば。
クラウスに手を引かれて救われたレオが。
今度はホワイト&ブラックを引き上げる。
希望を示されてきたレオが。
今度はホワイト&ブラックに希望を示す。
こういうものが「血界戦線」で作者のやりたかった事じゃないか、と感じました。王道ですね。監督の松本理恵さんは、別な作品(京騒戯画)のインタビューで王道をやりたかった、みたいに答えていましたが、「血界戦線」でやりたかったことも、まさに王道展開だったと思います。
王道展開とは -
多くの方がそうなって欲しいと願う展開の事だと思います。
じゃあこのパートの最後に。
レオが妹のミシェーラにあてて書いた手紙を書き出してみます。
ハロー、ミシェーラ。元気ですか?
兄ちゃんは元気です。
手紙を書いたのは、僕なりに考えたけじめのつもりだ。
どうか怒らずに、兄貴のためと思って持っていて欲しい。ミシェーラ、僕は元気だ。
君のいない街で、君の光を頼りに、今日も何とか生き延びている。
会えるのはもう少し先になるだろう。
でもいつか。
きっと直接伝えるよ、僕の見てきた世界の話。僕と、僕に希望を示してくれたある人たちの物語
最終話の感想的な話。印象的だったシーンなど
「血界戦線」第12話(最終話)で良かった点のひとつ。
それはライブラメンバーそれぞれに見せ場があったことです。
下は、まだ取り上げていなかったライブラメンバーのアイコン・キャスト表です。
名前 | アイコン | キャスト |
---|---|---|
ツェッド | 緑川光 | |
チェイン | 小林ゆうですなう | |
スティーブン | 宮本充 | |
K・K | 折笠愛 | |
ギルベルト | 銀河万丈 | |
エイブラムス | 大塚明夫 | |
ドグ・ハマー | 宮野真守 | |
ブローディ | |
藤原啓治 |
パトリック | 石塚運昇 | |
ニーカ | 上田麗奈 |
最終話での印象点について。
以下、5点ほどあげてみます。
1. エイブラムスに笑った
細かいシーンですけど、笑った場面がありました。
え~とあれはエイブラムスだったかパトリックだったか。レオナルドを見つけた!となったシーンのあとです。
エイブラムスやレオの周囲に、多数の燃えさかる隕石が次々に落下してきたシーンがありました。
エイブラムスは「豪運」(ごううん)と呼ばれ、たしかに本人は無事(豪運)なんですけど、そのかわり、周囲には多大な被害を及ぼす男だという設定を覚えていらっしゃるでしょうか?
次々に落下してくる隕石群。これって……
絶対コイツ(エイブラムス)のせいだろ !?
そう思って爆笑しました。
ま、自分の勘違いじゃなければの話ですが。
エピソードとしては第4話、「BLOOD LINE FEVER」でふれられていたエイブラムスの「豪運」ぶりです。
2. チェインの死亡フラグゼリフ&ツエッドの「君の普通は……」
あ、先ほどチェインのキャストを「小林ゆうですなう」って書きましたけど、当然正確には「小林ゆう」さんですのであしからずですなう。小林ゆうさんは自身のツイッターでいつも、「小林ゆうですなう」みたいにかいているのでつい。
ドグ・ハマー(cv:宮野真守)&ブローディ(cv: 藤原啓治)の「全力ハンマースロー」で絶望王に向かって放り投げられたレオ。彼のことをチェインが空中でキャッチしました。しかし、チェインは空中から巨大な瓦礫が落下して向かってくるのを発見。彼女はレオに向かいこう言ってその場を去りました。
「私は消えるからいいけど……
最後に会えて良かった♡」
おいっ!w
まるでレオの死亡フラグゼリフ。
まあレオの事は、ツエッド(cv:緑川光)が「シナトベ・風編み」でふわっとフォローしてくれました。
その後ツエッドはレオを評し、いい事を言いました。
「(レオ君は)無自覚でしょうが。
君の普通は世間一般において。
『勇敢』や『高潔』とよばれるものです」
さすが一番長い日(第8話&第9話、「Zの一番長い日」 前編・後編)を過して来た半魚人の方。だてに半透明ではありません。
3. ザップの登場シーン
「シャッフル!」
パリーン……
「終わった…… 」
レオがそうなったシーンの次の話です。
場所はレオが記事のずいぶん上に書いたC.のマクベス結界(黄色の結界)に到達したあとだったかな。
シャッフルというのは視界シャッフルで、自身を取り囲むグールにそれで対抗するハズが左目が割れてしまった、という流れだと思います。そんなレオの窮地にザップが颯爽と登場。
「なあに死にかけてやがる!」
例によってBGM(劇判)を。
ザップ登場場面でかかったのは、サントラ1枚目の3曲目でした。曲のタイトルは、
「Sidewinder」(サイドワインダー)
「Sidewinder」の動画(止め絵)↓です。
ずっと気づかなかったんですけど。
「Sidewinder」という曲がザップのテーマ曲だったようですね。第9話でも、パラッパッパッ、パ~ラッ♪、っとザップのセリフに合わせて印象的に使われていましたので。
珍しくカッコいいザップの姿でした。
「終わった」
「なあに死にかけてやがる!」(パラッパッパッ、パ~ラッ♪)
七獄!
ジッポをパチーン♪
「決まったぁ」
「じゃねえよおおおっ!」
(本気のツッコミ)
ザップ:(ぶっへっ…… ぶっへっ…… ぶっへっ……)
細かいとこですけど、ザップのぶっへっにエコー処理してあったところに笑いました。やはり最後は、ザップにオチをつけるのね。
4. 「Hello,world!」
上記シーンの直後ですが、血界戦線OP曲「Hello,world!」がかかりました。鳥肌ものの使い方ですね。
こちらも動画を貼ってみます。
BUMP OF CHICKENの「Hello,world!」
ショートバージョンのミュージックビデオ↓です。
場面とセリフを書いてみると。
ザップが義眼の割れたレオに対し、
「たかが(眼は)道具だ。てめえが折れなきゃ何とかなるっ!
それ(根性)があるから、お前もライブラなんだろ?!」
キキーッ!とギルベルトが車で登場。
♪とびーらーひらーけば~
とつながる場面でした。
5.「逆光」演出の連発
また演出(構図)面に着目してみると「Hello,world!」のかかる場面。
車のライトを使った「逆光」演出がカッコイイ構図だなと思いました。
さらに先ほどザップが登場し「なあに死にかけてやがる!」とか「決まった」とやった場面などでも、燃えさかる炎を使ってザップを「逆光」で描いていましたし、レオが絶望王に対し呼びかける場面や、ホワイトに対して絶叫する場面などもすべて「逆光」で描かれていました。
血界戦線最終回。
演出的には「逆光」の連発が印象に残りました。
逆光のザップ、ヘッドライトの逆光、サンライズ逆光のレオ、さらにトドメとして。
サンライズ逆光で光るレオの眼というカット
いやあ力入ってますよね~
監督の松本理恵さんは、持てるもの全てをブチ込んで絵コンテを書き上げていったんじゃないかと。素晴らしい構図と演出群だったと思います。
「逆光」の使い方がカッコ良かった血界戦線の最終回でした。
「血界戦線」の総括
うわーっ
記事がとうとう1万文字を越えた(汗
長くて申し訳ない。
読んでくれる方がいるならお疲れさまです。記事の作業時間も、12時間を超えました。
そういえばラストカット。
絶望王やフェムトがピーンとよく弾いていたコインを拾った人物がいました。
この場面。
もしもアニメ「血界戦線」の2期がある場合、伏線としてつなぐシーンのようにも思えました。コインを拾った人物が、絶望王と同じ「口笛」のメロディーを吹いていましたので。
最後に「血界戦線」全体に対する印象などを。
作品の「総括」として軽く書いてみます。
私が「血界戦線」で最も愛する部分。
それは作品に込められた「熱量」になります。
作品に込められた「愛情」と言いかえてもいいかもしれない。
たしかに「血界戦線」の放映は、当初の放送予定から遅れに遅れました。
がしかし。
「血界戦線」に対して込められた製作スタッフの「熱量」は、比類なきエネルギーだった
そう感じました。
「熱量」を込めすぎて、ハッキリ言って空回りを起こしていると思ったほど。
原作パート+オリジナル要素と情報量も多すぎて、一回じゃ理解出来ないほどなんですよね。アニメ2本分に近い情報量かな。
シリーズ全体を1話の最初から見返すという再視聴で、ようやくその「熱量」を痛感するつくりになっていました。
まあだからこそ……
その空回りを起こすほどの「熱量」が私は好きというか……
計算をはるかに超えたものを感じました。
「血界戦線」という作品に対する自分のイメージは。
だいたいそんな感じになります。
よく分かんなかったと思う方は、ぜひ再視聴して頂きたい。
何かしら感じる部分が必ずあると信じます。
最後に
ということで。
2015年の4月から始まり。
夏アニメが終わり、秋アニメも始まってからついに完結を迎えた「血界戦線」の全12話でした。
制作に携わった方々、お疲れ様でした!
OP&EDの絵コンテ、多大な情報量、センス良くカッコいいカット群などから、比類なき「熱量」を感じた作品でした。
ありがとうございます。
アニメを最後までご覧になった方もお疲れ様でした。
私のつたない感想を読んでくれた方々、ツイッターでお世話になった方々。
ほんとにありがとうございます。
それではまたの機会に! (・ω・)ノ
最後に貼る動画はこれかなぁ。
「UNISON SQUARE GARDEN」の「シュガーソングとビターステップ」
ショートバージョンの動画↓です。
「血界戦線」 全12話
原作:内藤泰弘(集英社/ジャンプ・コミックス刊)
監督: 松本理恵
シリーズ構成:古家和尚
アニメーション制作:ボンズ
レオナルド・ウォッチ:阪口大介
クラウス・V・ラインヘルツ:小山力也
ザップ・レンフロ:中井和哉
ツェッド・オブライエン:緑川光
スティーブン・A・スターフェイズ:宮本充
K・K:折笠愛
チェイン・皇(すめらぎ):小林ゆう
ギルベルト・F・アルトシュタイン:銀河万丈
ドグ・ハマー:宮野真守
デルドロ・ブローディ:藤原啓治
ブリッジ・T・エイブラムス:大塚明夫
パトリック:石塚運昇
ニーカ:上田麗奈
ソニック:内田遊馬
ホワイト/ブラック/絶望王:釘宮理恵
ベンジャミン・マクベス:木内秀信
エマ・マクベス:ゆかな
堕落王フェムト:石田彰
偏執王アリギュラ:こおろぎさとみ
ビビアン:沢城みゆき
マスター:各務立基
グァバラ:西村知道
ミシェーラ・ウォッチ:水樹奈々
裸獣汁外衛賤厳(らじゅう じゅうげえ しずよし):柴田秀勝
ヴァルクェル・ロッゾ・ヴァルクトヴォ・エル・ギリカ:能登麻美子
オズマルド:立木文彦
アマグラナフ・ルォーゾンタム・ウーヴ・リ・ネジ:大谷育江
ヤハビオ&シボロバ&ウデシウボ:山路和弘&後藤哲夫
ドン・アルルエル・エルカ・フルグルシュ:飯塚昭三
ウルツェンコ:三上哲
トーニオ:置鮎龍太郎
ロジャー&マーティン:塩屋浩三&梶裕樹
オープニング曲
「BUMP OF CHICKEN / Hello,world!」
エンディング曲
「UNISON SQUARE GARDEN / シュガーソングとビターステップ」
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