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[FT]米海軍、中国の領有権主張に対抗へ 南シナ海で

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2015/10/10 6:30
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 米国が南シナ海に軍艦を派遣し、中国の人工島の近くで航行させる態勢を整えている。この島の一帯を自国の領土・領海だとする中国の主張を米国は認めないというシグナルを送るためだ。

■中国が主張する海域へ軍艦派遣

米軍の対潜哨戒機P8が撮影したスプラトリー諸島近辺。黒い点は中国船とみられる(5月21日)=U.S. Navy・ロイター
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米軍の対潜哨戒機P8が撮影したスプラトリー諸島近辺。黒い点は中国船とみられる(5月21日)=U.S. Navy・ロイター

 米国の政府高官が本紙(フィナンシャル・タイムズ)に語ったところによれば、軍艦はスプラトリー(南沙)諸島に建設された複数の島の海岸線から12カイリ以内の、中国が自国の領海だと主張している海域に入るという。匿名を条件に取材に応じたこの高官は、この行動は今後2週間のうちに始まる見通しだと話した。

 大国間の緊張を高めることになりそうなこの行動は、複数の問題について両国が対立しているなか始まることになる。例えば米国は、中国がサイバー空間で産業スパイ活動を行っていると非難している。

 南シナ海における中国の活動はここ数年、強引さを増している。ここでの中国海軍の行動について、世界の貿易量の30%が通過する海域で航行の自由が脅かされていると米国は主張する。中国は過去2年間で海洋活動を拡充しており、太平洋での「戦力投射(パワープロジェクション)」能力(本国から遠く離れた場所に兵力を送ること)を強化するため、滑走路などの軍事施設用に埋め立てで数千エーカーの土地を造成してきた。

 軍事専門家によれば、人工島建設は、自国の沿岸から遠く離れたところ、特に南シナ海、東シナ海、および黄海を取り囲みながらこれらを太平洋と分け隔てるいわゆる「第一列島線」の外側で運用できる「外洋海軍」の構築という中国の目標の達成に資することを目指したものだ。

 先月には、米国のバラク・オバマ大統領が北極圏を訪れているときに、中国海軍の艦船5隻がアラスカ沖を航行するという出来事があった。招待を受けていない中国海軍の艦船が米国本土にここまで接近するのは初めてだ。

 米国のアシュトン・カーター国防長官は何カ月も前から、海洋活動を積極化させる許可を求めてきた。ホワイトハウスはこれに対し、南シナ海の係争海域で状況がエスカレートするとの懸念から反対していた。だが、習近平国家主席が先日ワシントンを訪問したときにも南シナ海問題で前進が見られなかったことから、ゴーサインを出した。

 先月の習氏との共同記者会見でオバマ氏は、「係争区域の埋め立て、施設建設、および軍事化への重大な懸念」を表明したと述べ、米国は「国際法で許されるあらゆる地域での航行、飛行、および活動を継続する」と強調した。

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