CD・DVDときどきコンサート
CD/DVD/BRの視聴記、あと、ときどきオペラ/バレエ等のコンサート鑑賞記です。また、音楽ネタがないときは、写真や花、鉄道や旅行記など、ジャンル外が続くこともありますのでご了承のほどを……
新国立劇場 ラインの黄金 2015年10月10日
新国立劇場も2015-2016シーズンが始まって
しばらくご無沙汰だったこのブログもボチボチ再開
ザックス今シーズンの最初は「ラインの黄金」
新制作となっていますがヘルシンキからの借り物
しかも15年も前に亡くなったフリードリヒの20世紀の演出ですから
果たして新制作と言えるのか?
舞台は基本抽象的と言うか何もない
ただし、ニーベルハイムだけはゴテゴテ
まあ神々の国には何もないってことか
それにこの舞台では神々がやけに軽薄
その上、悪辣な面がかなり前面に出ている気が
ヴォータンがアルベリヒから指環を取り上げるとき
ためらいなく手首から切り落とすし
そうかと思えばフライアがファーゾルトに
一瞬、なびきそうな表情を見せたりするのは
愛の神様ってことか
結局、なんだかんだ言って
神様がいちばん欲深いし偽善的だし
ただそれをなんだかんだへりくつ並べて正当化してるだけ
それに対して巨人も小人も自分の欲望は隠さない
よいに付け悪いに付け正直と言えます
こんな舞台だから
ラジライネンの軽いヴォータンはピッタリ
ザックスの好みから言えば
分別くさく重々しく嘘つくヴォータンの方が好きですが……
シュレーダーのフリッカだってどこにでもいそうな欲の深いオバさん
次作でヴォータンをやり込めるアクの強さは
その片鱗も見えません
この舞台でいちばん活躍したのはローゲのグールド
歌に演技に大活躍でこっちが主役に見えます
まあ「ラインの黄金」自体、誰が主役かと問われると
一瞬迷うザックスですが……
(一応、ヴォータンなんでしょうけど)
そもそもグールドはワーグナーの主役を歌ってる人だと思いますが
声もいいし結構軽妙にキャラクター役をこなしてます
次いでアルベリヒのガゼリもアクの強さは今一だけど
よく歌ってます
飯守さんの指揮は舞台に合わせて?
どちらかと言うと軽量級
ザックスの好みからすれば
もう少しどっしりと重い方がワーグナーらしい気がしますが
これはこれでひとつの方向性としては納得
新国の指環の新シリーズ
これからどうなっていきますか楽しみではあります
ワーグナー 楽劇《ラインの黄金》全曲
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
照明:キンモ・ルスケラ
演出補:イェレ・エルッキラ
ヴォータン:ユッカ・ラジライネン
ドンナー:黒田博
フロー:片寄純也
ローゲ:ステファン・グールド
ファーゾルト:妻屋秀和
ファフナー:クリスティアン・ヒューブナー
アルベリヒ:トーマス・ガゼリ
ミーメ:アンドレアス・コンラッド
フリッカ:シモーネ・シュレーダー
フライア:安藤赴美子
エルダ:クリスタ・マイアー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ:池田香織
フロスヒルデ:清水華澄
東京フィルハーモニー交響楽団
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セイジ・オザワ松本フェスティヴァル ベアトリスとベネディクト 8月29日
今日は
「ベアトリスとベネディクト」
さて、今年の松本はサイトウ・キネンからセイジ・オザワに冠が変わって
装いも新たに出発したわけですが
小澤さんが骨折とかでオペラから撤退
ついでにザックスが観た29日はベアトリスのヴェレーズも体調不良とかで降板
最初からドタバタして事務局はさぞかし大変だったことと思います
冠が変わって何が変わったって
一番目に付いたのは記念グッズが高級になったこと
(要は値段が高くなったってことなんですけれど)
Tシャツ1枚4,800円って
そんな高級なTシャツ、貧乏人のザックスはおそれ多くて着られません
それでもそんな高級品が飛ぶように売れているのだから
世の中景気は良くなっているんでしょう
で、変わらなかったものは……
オケの名前は相変わらずサイトウ・キネンなんですね
臨時編成のオケだからついでに変えてもよかった気もしますが
まあメンバーは大多数がいつものメンツだし
オケの名前としてはサイトウの方が知名度高いし
今更セイジ・オザワってわけにもいかないか
このオペラ、舞台を観るのは初めてだし
CDだってC.デイヴィス指揮のロンドン響のを聴いただけ
なので本来の舞台がどんなものかもよく分からないけど
観ていて分かりやすい舞台なので
たぶんかなりト書き通り
これはって目を見張るような場面はありませんが
安心して観て音楽に浸れます
で、出音楽の方は主役の二人が何か没個性
ルノルマンは余裕なくてやっと楽譜を歌ってるって感じだし
まあ代役じゃしょうがないか
気に入ったのはエローのトレシャー
ローズの指揮は歌手の呼吸によく合わせて
劇場に慣れてる人なのかなって感じだけどそこまで
特に個性も感じられないし
ベルリオーズの音楽の美しさなどなどを表現するには至らず
かえすがえすも小澤さんが指揮を降りたのが残念
ベルリオーズ 歌劇《ベアトリスとベネディクト》全曲
指揮:ギル・ローズ
演出:コム・ドゥ・ベルシーズ
装置:シゴレーヌ・ドゥ・シャシィ
衣装:コロンブ・ロリオ=プレヴォ
照明:トマ・コステール
映像:イシュラン・シルギジアン
ベアトリス:マリー・ルノルマン
ベネディクト:ジャン=フランソワ・ボラス
エロー:リデョア・トイシャー
クラウディオ:エドウィン・クロスリー=マーサー
ドン・ペドロ:ポール・ガイ
ソマローネ:ジャン・フィリップ=ラフォン
ウルスル:キャレン・カーギル
レオナート:クリスチャン・ゴノン
伝令・公証人:ヴァンサン・ジョンケ
サイトウ・キネン・オーケストラ
OMF合唱団
新国立劇場 バレエ《白鳥の湖》 2015年6月13日夜
久しぶりに新国の「白鳥の湖」観てきました
6月13日(土)夜の公演です
新国の夜の公演に行くのも久しぶり
昼と夜では何となく雰囲気違います
新国の「白鳥」を観たのはたぶん2009年以来
日程が合わなかったのも理由のひとつですが
予定をこじ開けても観たいと思う舞台ではなかった
と言うのも理由のひとつ
新国最初の舞台はト書き通りの古典舞台
2006年に今の舞台になってどこが変わったかって
ド素人のザックスに分かるのは
冒頭にオデットがロートバルトに拉致られる場面が加わったことくらいで
あとは変わりばえしないように感じること
ザックスは前の舞台が結構好きだったので
これなら何もわざわざ金かけて改訂する必要なかったのに
って思えてしまいます
そうは言ってもあまり極端な読み替えも
拒絶反応起こすんですけれどね
今回行ったのも小野さんのオデット/オディールが目当て
さすがに上手いしきれいです
どちらかと言うとオディールのときの方が合っている気はしましたが
群舞もきれいだし新国のバレエ団もレベル上がりました
最初のころは体操観ているような錯覚に陥ることも
しばしばだったんですけれど
ザックスにとってはもう一つの楽しみの音楽の方も
ここのところいい音楽を聴かせてくれる指揮者に
恵まれてきた気がします
たぶん振付の要請だと思いますが
ところどころ極端にテンポを落とすところがあって
特に管が苦労しているように聞こえるところが
なきにしもあらずですが
これにて今シーズンの新国での鑑賞予定はすべて終了
次の予定は10月の「ラインの黄金」までありません
チャイコフスキー バレエ《白鳥の湖》全曲
振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
演出・改訂振付:牧阿佐美
装置・衣装:ピーター・カザレット
照明:沢田祐二
オデット/オディール:小野絢子
ジークフリート王子:福岡雄大
ロートバルト:輪島拓也
王妃:楠本郁子
道化:福田圭吾
ほか、新国立劇場バレエ団
指揮:アレクセイ・バクラン
東京フィルハーモニー交響楽団
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