2015-10-09 19:10:00

間違いだらけの近藤誠さんの記事 文藝春秋はこのクオリティで載せて良いのですか 川島なお美さんの件

テーマ:がん放置療法への「まった」
直前の記事で取り上げた文藝春秋11月号をさっそく購入して読みました。


私は一専門家として反論するために買わなくてはいけないのですが、皆さんは極力買わないようにしてください。


と言うのは、近藤さんの記事のおかげで売上が伸びると出版社が評価し、また原稿を頼むことになるからです。


不買が最高の対処策です。


文藝春秋はしばしば患者さんの枕元やテーブルにもあります。


たくさんの人が読むものに、こんな誤った内容のものを載せて良いのかと驚きますが、ざっと見ていきましょう。


ただ何か新事実や、すごいことが書いてあるわけではないので、皆さんは購入して読む必要はありません。


ツイッターで普段から精力的に近藤さんのことについて情報を発信してくださっている祭谷一斗さんのツイッター投稿も参考になりますので、ツイッターアカウントをお持ちの方はご覧になると良いでしょう。


祭谷一斗さんのツイッター


さて前回のブログ記事にも書きましたが、再掲します。


近藤さんは「法律上、亡くなった方は医師の守秘義務の対象ではなくなります」と同号の文章で述べていますが、医師の守秘義務は刑法第134条であり、その条文には患者さんが亡くなった時に云々という記載がなく、グレーな領域だと思います。

少なくとも「なくなります」と言い切れるほど明白なものではありません。

一般的には守秘義務は患者さんの亡くなった後も継続すると考えられており、例えば世界医師会のリスボン宣言という患者さんの権利を示したものにも、このようにあります(拡大して見て頂ければ幸いです)。





ご本人、すなわち川島さんの同意を得ていたとは思えず、少なくとも倫理的には大変問題があると考えます。


インターネット上で指摘している方もいましたが、有名人の皆さんは近藤さんのセカンドオピニオンに行かれると、言ってもいないことを言ったように書かれかねない(※)ので気をつけてください。


※のように書いたのは理由があって、その片鱗が今回の記事にも表れているからです。


それでは見ていきます。なお専門的知識がなくても、話の筋が通らないので、皆さんでもおかしさはすぐに理解できます。



近藤さんは後段で「胆管がんは膵臓がんなどと並び予後のきわめて悪いがんです」(p191)と自ら語っています。


しかし・・・(申し訳ありません、以後全ての画像は適宜拡大してご覧ください)





”このまま放っておいても一年で死ぬことはありません。一年以内に死ぬとしたら手術や抗がん剤治療を受けた場合だけです”(p190)


・・・根拠は? と首をかしげざるを得ません。1年以内に死亡するのは手術や抗がん剤治療を受けた場合「だけ」というのが、妙な意見です(なお後述しますが、川島さんは手術後1年半以上生きられました)。


がんは多様性があり、中には極めて進行が速いがんも存在し、発見から1年以内に原病で亡くなってしまうこともあります。予後のきわめて悪い、と自分で言っているのに、なぜこの場合は1年で亡くなることはないと断言できるのでしょうか?



次を見てみましょう。






川島さんは「切除手術も抗がん剤治療も受けたくない」とおっしゃる(p192)とあります。


しかし下を見てください。





赤線のところ、「手術をしてしまおうかとも思いましたが」(p191)、年内のハードな仕事を優先させ、それが終わったら「切るなり焼くなり」(同)と話しています。


「切るなり」と書いているので、手術も念頭にあったことは明白です。


その言葉を青線の部分のように、「切除手術以外の治療法はないか、必死で模索していたようです」とあり、手術”以外”と読者を誘導しています。


あるいが川島さんが仰っている意味を自己流に解釈してしまうのが、近藤さんの認識と言えるかもしれません。


川島さんは手術も考えておられたことが普通に文章を読めば理解できます。しかしそれを”「切除手術も抗がん剤治療も受けたくない」とおっしゃっ”ていた(p192)と書かれてしまう。


要するに、※で記したように、言ってもいないこと、考えてもいない意図を勝手に「故人の意思」として紹介されてしまう危険が、このセカンドオピニオンにはあります。


次はここです。





まず「ステージは末期のⅣ」(p191)と、ステージⅣを末期と呼称する医学の基本知識の間違い。


さらに、川島さんは「転移はありませんでした」(p191)と書いたのちに、”いずれ”転移巣が出てくる可能性が高いのでそうすると「ステージⅣは末期」だから、という論旨です。


皆さんおわかりのように、ステージⅣではない方を、しかも転移がない方を、勝手に「ステージⅣになってしまいそうだから」と判断して、その結論を導くのです。


後半のほうの赤線もすごいです。


「切除手術を受けた場合、何もしなければ少なくとも一年は元気に生きられたはずの人が、合併症も含めてバタバタと亡くなっていくことになります」(p191)


何もしなければ少なくとも一年は元気に生きる、というのが根拠が怪しいことを先述しました。


それが切除手術を受けた場合は、一年は生きられたはずの人がバタバタと亡くなるのだそうです。


川島なお美さんは2014年1月に手術を受けられたと報じられていますが、今年の9月まで生きられました。1年半以上頑張られました。


どうも根拠が怪しいと皆さんも思いませんか?



そして私が個人的に許容しがたいと思ったのは、最後に取り上げるこの文章です。





人は誰でも終末期には悪液質になり得ます。


悪液質になれば、川島さんのように痩せてしまいます。これはがんからが主因です。


それを手術と結びつけることは、何の根拠もないことです。


ご本人の手術をするという決断のために痩せたと、避け得ぬ悪液質で痩せたのにレッテル貼りをし、本人のせいにすることは、怒りを禁じえません。


許容できないことは他にもあります。それが今回、いつもよりも強い表現でこの文藝春秋の記事に対応している理由です。


それは、痩せたのはがんが進行したからであって、もし近藤さんが放っておいて良いなどと適当なことを言わなければ、まっとうなことを勧めていれば、もしかしたら早い段階で手術を受けて完治することができ、従って痩せて亡くなることもなかったのではないかと思うことからの憤りなのです。


そして川島さんは「お一人で来られました」(p189)とあるように鎧塚さんはこの経緯を知らないのです。


最愛の奥様が亡くなって今が大変なお気持ちであろうと察せられるところに、「切除手術をしなければ痩せなかっただろう」などと文藝春秋上で述べることと、それを掲載する媒体への憤りなのです。


本当に、亡き川島さんやご主人のお気持ちが察せられます。


人としての正しさが、各所で少しでも回復されることを強く願います。



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