FIFAはこの日、「ブラッターFIFA会長と欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長にそれぞれ暫定で資格停止90日間という処分を科した」とも発表した。最も強力な次期会長候補と言われるプラティニ氏の先行きについてはさまざまな見通しが出ている。プラティニ氏はこのほど、ブラッター氏から200万スイスフラン(約2億4800万円)を受け取った疑いでスイス検察当局から聴取を受けた。FIFAはプラティニ氏の具体的な制裁理由については明らかにしていないが、サッカー関係者の間では、1通の手紙が発端で6年の資格停止処分を受けた鄭夢準氏と比較し、公平性に疑問を呈する声も上がっている。
プラティニ氏の今後について、英日刊紙ガーディアンは「今回の処分でプラティニ氏のFIFA会長になる夢も終わった」と報道した。しかし、プラティニ氏の資格停止が来年1月に終わることを考えれば、2月26日に行われる選挙に出馬するのは可能だという見方もある。AFP通信は「プラティニ氏は8日、次期FIFA会長選挙の立候補登録を終えた。FIFA倫理委員会の広報担当者は『会長選挙立候補資格は倫理委員会ではなく選挙管理委員会の所管だ。今後、選挙管理委員会でこの問題を話し合うだろう』と言った」と報じた。徹底してヨーロッパを中心に回っているFIFAが、プラティニ氏を何とかして生かそうとしているものだという見方もある。
今回の倫理委員会の制裁については、すべてブラッター氏によって行われたという「陰謀論」も出ている。ブラッター氏がプラティニ氏を含む有力候補者をすべて落馬させた後、自らが会長を続けるシナリオだというものだ。