韓国セメント業界首位の双竜洋灰が来年初めにも売却される見通しとなった。韓国産業銀行は8日、債権団が保有する双竜洋灰の株式46.14%を売却するため、12日に売却公告を出すことを明らかにした。同行関係者は「29日まで買収候補者から意向書を受け付け、12月に優先交渉対象者を決定し、来年1-2月にも売却を完了する計画だ」と語った。双竜洋灰は2000年代に入り資金難に直面。日本の太平洋セメントが双竜洋灰の株式32.36%を取得した。2005年に双竜洋灰は債権団主導の経営再建(ワークアウト)を卒業し、債権団は債務の出資転換を行った。債権団は同時に太平洋セメントに双竜洋灰の経営権を委託し、未保有株式を優先的に取得できる優先買収請求権を太平洋セメントに認めた。
債権団は昨年11月から太平洋セメントへの株式売却に向けた交渉を行ったが、今年6月までに価格面での折り合いが付かず、交渉は決裂した。産業銀関係者は「太平洋セメントは交渉継続を希望したが、買収意思がないものと判断した」と説明した。
債権団によると、双竜洋灰の売却先としては、同業の韓一セメント・アジアセメント陣営、グレンウッド・ラファージュ漢拏、翰林建設が有力視されている。投資ファンドのハン・アンド・カンパニー、最近流通大手ホームプラスを買収したMBKも候補の一角に挙がっている。セメント業界の好況で双竜洋灰の2014年12月期の純利益は前期比1.3倍の1030億ウォン(約107億円)だった。