NGO

2015年10月10日 (土)

世界で最も愚劣な帝国

Dmitry Orlov
2015年10月6日

過去数週間でこの帝国は極端に愚劣になったと認識せずにはいられない。余りに愚劣で、世界で最も愚劣な帝国の肩書きに相応しいと私は確信している。これまでも十分愚劣だったと思えるが、最近の進展は、愚劣さの水準の飛躍的進歩を示唆しているように見える。

上院委員会で、アメリカ合州国中央軍司令官、ロイド・J・オースティンIII陸軍大将が、アメリカ合州国が訓練した、実に少人数のシリア人戦士、おそらく5人程度が戦闘に残っていると語って、この極端な愚劣さの片鱗が最初に表面化した。彼らを訓練し、装備を与える経費は、5億ドルだった。戦士一人あたり1億ドルになるが、軍事契約企業が代金を貰える限り、かまわないのだ。後に、この僅かな戦士すら、シリアで、ISIS/アルカイダ(連中が自分のことを何と呼んでいようが)によってカージャックされ、車両と武器を奪われたことが後に判明し、一層事態の愚劣さは増した。

オースティン大将役を先に演じたのは、ティム・バートンの映画『マーズ・アタック!』のケイシー将軍だ。実に愚劣な役だったが、彼の今の役は、経歴の上でも、愚劣さの水準の上でも、決定的に役立つだろう。

次の愚劣な瞬間は、ニューヨークの国連総会で、オバマが、与えられた15分ではなく、30分も続けて(愚劣大統領は時計の見方を知っているのだろうか?)全ての時間を費やして、誰かにとって何か意味あることは絶対に何も語らなかったものだ。

しかし、下手な介入で中東を血まみれにしたアメリカを叱りつけ、帝国の愚劣さを、全員にわかるように説明したのはプーチンの演説だった。良く繰り返されている引用は“自分が何をしでかしたか、分かっていますか?”だが、これは決して正確ではない。ロシア語の“Вы хоть понимаете теперь、чего вы натворили?”というのは、より正確に翻訳すれば“どれほど面倒な事態なのか、一体どうしてまだ理解できないのだ?”言葉は重要だ。これは世界の指導者達の集会を前に、超大国に対して語るべき言葉ではない。これはバカで言うことを聞かない子供を叱りつける言い方だ。全世界から見て、この帝国が愚劣に見えてくる。

次に起きたのは、ロシアによる、シリア国内のあらゆるテロリストに対する爆撃作戦開始(そして、おそらくはイラクも。イラクの要求は、プーチンの未処理書類入れに入っている)開始発表だ。この爆撃作戦で注目すべきは、それが完全に合法であることだ。正当な、選挙で選ばれたシリア政府が、ロシアに支援を求めたのだ。作戦は、ロシア議会で承認された。一方、アメリカがシリアで行っている爆撃作戦は全く違法だ。他国の領土を合法的に爆撃するには、正確には二つのやり方がある。1. その国の政府から依頼されている、そして 2. 国連安全保障理事会の決議だ。アメリカはいずれも得ていない。

一体なぜこれが重要なのだろう? 安全保障理事会を備えた国連は、あらゆる類の国際的な経済的・政治的な悪影響なしに、各国がお互いに交戦するのを困難にし、戦争を防ぐ機関だからだ。第二次世界大戦後、戦争は、いやなものと見なされ、戦争を防ぐべく、何かしなければならない。しかし、アメリカは、こういうものは不要だと感じたのだ。ロシア人特派員(RTのガヤーネ・チチャキャン)が、ホワイト・ハウス報道官に、一体いかなる法的権限で、アメリカはシリアを爆撃するのか質問すると、彼は当初、質問の意味がわからないふりをし、それから支離滅裂なことをぶつぶつ述べて、愚劣に見えた。ごらんの通りだ。アメリカは戦争をしたがる(というよりは、それが連中の金儲けの方法で、しかも戦争が、アメリカ政府の中でも大きな部分になっているので、アメリカの軍事契約企業が戦争をしたがるためだ)。しかし、アメリカはいずれの戦争にも勝利できず、それゆえ戦争への取り組み全てが、むしろ愚劣なものになっている(残忍なやり方で)。

アメリカの反抗にもかかわらず、国連は実際、戦争を防いでいる。最近国連は、アメリカが“厚かましい化学兵器使用に対応して、アサド政権に対し限定的攻撃を行うのを防いだ”(オバマは国連での演説でそう述べた)。これは手際良いロシア外交に支援され、その過程で、シリアは自発的に化学兵器備蓄を放棄した。外交で阻止されることなく、アメリカはシリアの方向に数発の巡航ミサイルを発射したが、ロシアはすぐさま撃墜し、それがペンタゴンでの大幅見直しのきっかけとなり、もちろん、アメリカを更に愚劣に見せた。

だが一度物笑いのたねになってしまったら、止める理由があるだろうか? 実際、オバマは止めようとする意図を見せなかった。国連総会の聴衆全員が、シリア政府の自国民に対する化学兵器攻撃など決してなかったことを知っていたのだ。化学兵器は、サウジアラビアが供給したもので、シリア反政府派が、うっかり、自分たちに使用したのだ。全員が、あなたがウソをついているのを知っていて、自分自身、自分がウソをついているのを知っていて、ウソをつくこと、これ以上愚劣なことがあるだろうか?

そう愚かな介入によって、地域全体を混乱に陥れておいて、中東で“自由と民主主義”について延々しゃべり続けるのはどうだろう? アメリカにおける唯一の理性の声は、サダム・フセイン、ムアマル・カダフィや、バッシャール・アル・アサド支配下の方が、中東はより安定していたと最近述べたドナルド・トランプのものだけのようだ。実際そうだったのだ。アメリカに残された唯一愚劣でない政治家が、あの長々とおおげさに語る金持ちのトランプだという事実が、国全体の愚劣さのハードルを高く設定してしまった。

地域全体が数千年にわたり部族社会で、更に数千年間は部族社会でありつづけるのだから、中東で“自由と民主主義”についてまくしたてるのも愚劣だ。それぞれの地域で、どれかの部族が頂点にいる。もし、そうした地域を、主権のある領土単位に切り分けようと考えれば(そのいずれも多様な国民がいるので、どれも国家とは見なせない)ので、それぞれの領土単位は、いずれかの部族によって支配されることになり、他部族は不平を言う。連中の不平につけこみ、“政権転覆”を引き起こし、その場全体が必ず燃え落ちる。

ここでの話題はイスラエルだ。イスラエルには最高の地位にある部族、ユダヤ人がおり、彼らは誰であれ、何のおとがめもなく、銃撃なり爆撃なりすることが可能なのだ。イスラエルは、 ユダヤ人は投票をするので“民主的”と見なされており、それはユダヤ人にとっては結構なことだ。シリアのアラウィ派も投票をする。そしてバッシャール・アル・アサドに投票する。もうこれで十分ではないか? アメリカの偽善と二重基準のおかげだ。

徹頭徹尾そういうことのようだ。サウジアラビアは、たった一つの部族、サウド王室によって所有されており、それ以外の全員が権利を剥奪されている。イラクはかつて、サダム・フセインの部族のスンナ派によって支配されていたが、アメリカが連中を追い出したので、今や残されたイラクの部分は、南部からきたシーア派に支配されており、スンナ派は逃亡し、ISISに加わった。これは全て、実に単純なことに思えるのだが、世界は、アメリカのイメージにあわせて、作りなおさなければならないと命じる連中のイデオロギーに反することになるので、アメリカにとってはそうではないのだ。そこで連中は、これをしようとし続け、(あるいは、連中の軍事契約企業が代金を貰っている限り、結果などどうでも良いのだから、し続けるふりをしているのだ) 、それで、自分たちが大いに愚劣に見えることを全く気にしていないようだ。

だから、典型的なパターンはこうだ。アメリカは、ある国を爆撃して、粉々にし、地上軍で侵略し、傀儡政権を樹立し、すぐさま、あるいは、そうすぐにではなく撤退する。傀儡政権が崩壊すると、統治しようのない混乱になるか、なんらかの新たな、とりわけひどい形の独裁制、あるいは、リビアやイエメンや、アフガニスタン、イラクやシリアなどの国のような破綻国家になる。こういう結果になっても、大して問題ではなく(軍事契約企業が代金を貰っている限りは)アメリカのモットーは、"愚劣になって、先に進もう"というもののようで、国を破壊し、次の爆撃作戦に向かうのだ。

しかし、ここで連中は完全に愚劣になる。シリアでは、連中は、それすら達成できていない。アメリカはISISを一年間爆撃してきた。一方、ISISは更に強大化し、更なる領土を占領した。だが連中も、アサド打倒に動き回ってはいない。そうではなく、ISISの連中は、黒い頭巾を被り、白いバスケットボール靴を履いて砂漠中を飛び回り、自撮りをし、考古学遺跡を爆破し、女性を奴隷にし、気に入らない連中の首をはねるのに忙しいのだ。

だが今や、アメリカが一年かけてできなかったことを、ロシアは五日間の爆撃で実現し、ISISの連中はヨルダンに逃亡したように見える。他の連中は、ドイツにいって、亡命を求めようとしている。これでアメリカは激怒した。アメリカが採用し、武器を与え、訓練した“自分の”テロリストをロシアが爆撃したからだ。愚劣だが、事実だ。ロシアはそうではない。ロシアのやり方は、もしテロリストのように見えて、テロリストのような動きをすれば、それはテロリストだから爆撃するというものなのだ。

だが、このやり方が、アメリカに不人気なのは理解できる。彼らは、ここで入念に兵器や機器をたっぷり注ぎ込み、そうしたもののどれも決して吹き飛ばさないよう、周辺を注意深く爆撃していたのに、ロシアが入り込み全てを吹き飛ばしているのだ! サウジアラビアは、その大半に資金提供したのだから、もう徹底的に激怒している。更に、テロリスト連中は、彼ら自身のワッハブ派-タクフィール主義の同胞で、自分たちの気にくわない様々な他のイスラム教徒のことを、自分たちのシャリア法に直接違反する不信心者と呼びたがる連中なのだ。読者はこれで誰かを思い起こされるだろうか? 誰か愚劣な人物を?

だが、ISISを捕まえ、詰め物をし剥製にしようとしているロシアや中国や、ロシアが爆撃任務で、ISISが集積したあらゆる軍需物資を破壊した後に行進して、ISIS残滓を掃討する用意ができているイランやヒズボラ戦士を止めるために、アメリカが何かができるようには見えない。だから今や、アメリカにとって、民間人死傷者を生み出したと言ってロシアを非難する情報戦を始める頃合いというわけだ。

もちろん、アメリカ人なので、連中は、この情報戦を、できる限り最も愚劣な方法で遂行する必要がある。まずロシアが全く作戦出撃もしないうちに、民間人死傷者がでた、という主張を持ち出すのだ。ウワー! それから、ジョージ・ソロスの負担で、事前に制作された、ホワイトヘルメッツの俳優連中と負傷した子供たちのエセ画像をソーシャル・メディアに公開する。そして、証拠を要求されると、いかなるものの提出も拒否する。

今のところ順調だが、もっと愚劣になるだろう。ロシアが民間人死傷者をもたらしていると大声で叫んですぐ、アメリカは、爆撃前にも、その最中にも、位置を知らされていたにもかかわらず、国境なき医師団が運営しているアフガニスタンの病院を爆撃した。“こんな形で民間人を殺害するな!” これ以上愚劣になれようか? もちろん、なれない。アメリカは、出来事について、厚顔にも、あからさまなウソを言いだすことができるのだ。“病院にはタリバン戦士が隠れていた!”いや、いなかった。“アフガニスタン人があの病院を爆撃してくれと我々に言った!”いや連中は要求していない。あの病院の爆撃は、実際、戦争犯罪だと国連は言っている。ロシアが戦犯からの批判に耳を傾けようとするだろうか? バカを言うな!

良くはわからないが、今や何でもありうるように思える。例えば、アメリカには、もはや外交政策は無いように見える。ホワイト・ハウスがあることを言うと、国務省は違うことを言い、ペンタゴンは更に違うことを言、サマンサ・パワーは、国連で、ツイッターを使って、彼女の外交政策を推進し、ジョン・マケイン上院議員は、シリア反政府派に武器を与えて、ロシア戦闘機を撃墜させたがっている。(五つ全てを? ジョン、馬鹿をいってはいけない!) もはや、ワシントンの神経中枢が明瞭な信号を送っていないため、この全ての混乱に対応して、欧州連合のアメリカ政治傀儡は、抑えきれずに痙攣し始め、台本にないことを言いだしている。

これは一体どのような結末になるのだろう? そう、どうせ我々は皆愚劣なのだから、私は控えめな提案をさせて頂きたいと思う。アメリカは、ワシントン政府中心部のあらゆるものと、バージニア州のいくつかの郡を爆撃すべきだ。これは極端に愚劣でありつづけるアメリカの能力を大きく弱めるに違いない。そして、もしそれでも効果がなかったら、だからどうだというのだろう? 結局、結果などどうでも良いのは明らかだ。軍事契約企業が代金を支払われている限りは、実に結構なのだ。

ドミトリー・オルロフは、ロシア系アメリカ人のエンジニアで、彼が“永遠の危機”と呼ぶ"アメリカ合州国の経済的、生態学的、政治的衰退と崩壊の可能性"について書いている。http://cluborlov.blogspot.com

記事原文のurl:http://cluborlov.blogspot.jp/2015/10/the-worlds-silliest-empire.html

----------

「世界で最も愚劣な属国」の民としては、ひとごとでない記事。連日のTPP洗脳報道を見るたびに悲しくなる。

民放も、あの元外交官氏を呼んで、TPPの虚報・洗脳宣伝。音声を消しているので何をいっているのかわからないが、「関税の話」だけに見える。もう一つの民放も同じ。そしてロシアのシリア作戦の悪魔化。全てが、本当に電気洗脳箱。TPPの狙いは関税ではない。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ、文学賞受賞
日本では講談にもなっている『チェルノブイリの祈り』随分前に購入したまま未読だが、読む気力を失った。

彼女についてのWikiPedia記事冒頭はこうだ。

ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ。父親が第二次世界大戦後に軍隊を除隊すると、ベラルーシ・ソビエト社会主義共和国に移住し、両親は教師となった。
ベラルーシ大学でジャーナリズムを専攻

ネットで彼女の記事をいくつか読むと、かなり反ロシア的な人のよう。ベラルーシは、ウクライナとは違い、さほど反ロシア的雰囲気はないように思うが、母親がウクライナ人であるためだろうか。

『不思議の国ベラルーシ―ナショナリズムから遠く離れて』 服部倫卓著しか読んだことがない素人には、断定不可能。

『死に魅入られた人びと―ソ連崩壊と自殺者の記録』という著書も彼女にはある。
これも読んだことはないが、
『死に魅入られた人びと―日本崩壊と自殺者の記録』と読み替えたくなった。

TPP祝賀、強制収容所に向かうのが分かっている列車中で、酒盛りを強いられている気分。

「チュジニアの人権運動」ノーベル平和賞で、オバマ受賞を思い出した。そして下記記事を。

ウオール街占拠運動と"アメリカの秋":これは"カラー革命だろうか"?第一部

 

2015年8月 5日 (水)

ロシアと中国内のワシントン第五列

Paul Craig Roberts
2015年8月3日

ロシアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。

ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。

プーチンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけなのだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。

だが、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米は、自分をかなり粉砕している。

金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。

中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。

ロシアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきことだ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。

だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/

ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082

こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119

我々アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマリアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対する覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。

この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。

もし、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?

もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。

ワシントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/
----------
Russia Todayで、ロシアで、著名アメリカNGOの活動を規制する記事をみたばかり。

この国では、第5列は誰だろう?
資金は提供いただかず、国民の税金でまかなっているのだろうか?

悩まずとも、電気洗脳箱のスイッチをいれるだけで尊顔を拝見できそう。

新・100年予測 ヨーロッパ炎上
冒頭で、I ヨーロッパ例外主義 という見出しをみて 「アメリカ」の間違いではといぶかったのだが、最後の方に、近未来日本の状況を示す文があった。

邦題、英語とかなり違うのではないだろうか。Flashpoints The Emerging Crisis in Europe

396ページ

イギリスに危機が訪れるとしたら、それはEUからではないだろう。危機はアメリカから訪れる。ヨーロッパでの地位を保つために利用しているはずのアメリカが危機の原因になるのだ。イギリスはヨーロッパ内の大国の一つにすぎないが、アメリカは世界の超大国である。イギリスはヨーロッパとアメリカとを天秤にかけているが、イギリスはアメリカにとって地域の一部分にすぎない。にもかかわらず、一定の影響力を持てたのは、アメリカにとって「有用」だからだ。今後もその影響力を失いたくないと思えば、アメリカが何か紛争に関わる度にそれに追随しなくてはならない。自らの身を守るために積極的にどこかの紛争に関与する、イギリスはそんな世にも珍しい国家になっている。

397ページ

イギリスにとっての紛争の火種は、世界中のどこになるかはわからない。歴史をみればそれは当然のこととも言えるが、今のイギリスが特殊なのは、紛争に巻き込まれる場合には選択の余地なく巻き込まれてしまうということだ。

イギリスを、日本に、ヨーロッパを、アジアに、変えれば、ぴったり?

小林恭子の英国メディア・ウオッチ
【安保関連法案】「反対の声が将来に歯止めをかける」ー孫崎享氏に聞く

にも、上記イギリスとアメリカの軍事活動に似た質疑応答がある。

ー日本として海外派兵ができ、アメリカと一緒になってやることができるようになる状態というのは、これはいいことなのだろうか。

 いや、非常に悪い。

 一番簡単なことは、行く理由がないからだ。

2015年7月24日 (金)

神話、樽爆弾と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ

ポール・ラルディ

2015年7月21日
"Counterpunch"

ヒューマン・ライツ・ウォッチや、欧米の主流マスコミを読んでいると、シリア政府軍は、特に、“樽爆弾”の使用によって、シリア民間人に、多数の死傷者をもたらしている。何千発もの爆弾が投下され、何千人もの死傷者をもたらしている。

だが、ちょっとお待ち願いたい。これは爆弾一発で死傷者一名を暗示しているのではなかろうか?

説得力があり信頼できる事実と数値を得るのは極めて困難であることが有名だが、ヒューマン・ライツ・ウォッチが、果敢にも天使も足を踏み入れるのを恐れる場所に踏み込んだ。2014年2月から、2015年1月までの特定期間における死傷者数と、爆弾の数の両方を報じているのは、彼らだけだ。彼等によれば、1,450発以上の爆弾、大半は“樽”爆弾が、報告の対象のダラーとアレッポ地域に投下された。HRWは、同じ時期、同じ場所での、空爆による3,185人の民間人死傷者も報告している。すると、爆弾一発につき、約2人の死傷者で、“民間人”の多くは実際には戦士であることを認めたにせよ、HRWとその情報源は、とうてい公平とは言えまい。

これは確かに大量の爆弾で、大量の死傷者だが、“樽”爆弾が、世界で大半の空軍武器庫にある、重力で落ちるだけで、目標誘導されない通常の爆弾より、遥かに致命的であったり、無差別であったりする兆候は皆無だ。戦闘機や爆撃機には、高度な照準装置が搭載されているかも知れないが、飛行機は時速何百キロもの速度で移動する。“樽”爆弾を投下するヘリコプターには、静止した位置から投下するという利点がある。“樽”爆弾は、残虐な爆弾かも知れないが、重力で落ちるだけで、目標に誘導されない通常の爆弾より多くの死傷者をもたらしているという証拠はない。

すると、シリアでの大量の死者数は一体どういうわけだろう? シリア軍が人命を見境なく軽視していることを示しているのではあるまいか?

国連は、シリア戦争で、これまでに220,000人が死亡したと推計している。しかし、ほぼ半数は、シリア軍兵士か同盟する現地民兵戦士、そして、反政府派を戦士として数えれば三分の二は戦闘員だ。 いずれにせよ、反政府派も民間人に、死傷者を引き起こしていることを考えれば、民間人と軍人の死傷者の比率は、およそ1:2だ。これを、イラクにおけるアメリカの戦争時の約3:1や、2008-9年のイスラエル・ガザ攻撃時の4:1と比較されたい。(パレスチナ人と、イスラエル人死傷者の比率は、天文学的な100:1だ。)

イスラエルは 、骨から肉を剥離させ、微細な金属粒子を犠牲者の体に貫通させる高密度不活性金属爆薬(DIME)弾も使用している。しかも彼等は、極めて熱くなって、金属や肉に食い込み、体内でさえ、消火はほとんど不可能な白燐も利用している。戦闘が終わりつつあることを知りながら、2006年戦争の最後の72時間に、イスラエルが南レバノン中に振りまいた400万発のクラスター爆弾を忘れてはならない。こうしたお別れのプレゼントによって、今後長年に亘り、レバノンの農民や子供達が、殺害されたり、ひどい障害を負わされたりするのは確実だ。

シリアはこうした汚らわしい兵器はまったく使ってないのに、実際は、あらゆる空軍の武器庫にある通常の弾薬と変わりない現地製兵器を使用しているかどで非難されている。もちろん、重力で落ちるだけで、目標に誘導されない通常の爆弾でさえ、人口密集地に対して使用されれば、驚くほど多数の死傷者をもたらす。重要なのは、その様な出来事は極めてまれで、集計されたり、認められたりすることは少ないことだ(例えば、ウィキペディアで)。逆に、シリア軍は非難されてきた。地域を包囲し、住民を兵糧攻めにし、残る武装勢力を一掃する為の“樽爆弾”使用だ。

シリア国軍を中傷する為に、シリア軍に戦略的利点があるわけでなく、オバマ大統領による介入の脅し以前には、使用は記録されても、報道されてもおらず、脅しの後に報道されただけであることからして見え透いたいかさまのサリン・ガス使用の濡れ衣をシリアに着せることが必要だった。実際、明らかな利点もなしに、そのようなリスクをおかす連中などいるだろうか?

シリア軍は、膨大な助成を得て、湾岸君主諸国から給料を貰い、アメリカによって訓練された多数の傭兵を含め、著しく外国人流入の多い連中から、自国と家を防衛しようとする忠実な兵士に依存している。大変な犠牲が要求されているにもかかわらず、自分達は、家族や最愛の人を犠牲にするのではなく、守るのだということを知っていればこそ、兵士は忠実なのだ。シリアを気遣っている他の国々の人々は、兵士達がそのような犠牲を払わずとも済むよう行動することが第一歩だろう。

ポール・ラルディは、シリア連帯運動運営委員会の委員である。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/07/21/mythology-barrel-bombs-and-human-rights-watch/
----------

この組織に直接言及する記事として、例えば下記がある。

帝国の為の“人権”戦士 2012年2月26日

マスコミも支配している支配者、自分に好都合な情報しか流さない、という外国の一例。

ロシアがクリミアに核爆撃機を配備すると、番犬(万犬)虚に吠える。
ウクライナの政権転覆自体、宗主国の画策であったこと、それに対抗して、ロシアは防衛的に対策をとらざるを得なかったことは、決して触れない、大本営広報部のインチキ。
宗主国が、対イラン配備として、東欧諸国にミサイル基地を配備したことは問わない。
対イラン配備のわけなどないだろう。

十日か一週間前だか、大本営広報部の「ウクライナ報道のゆがみ」を報じる番組、「ロシアの報道がウクライナを敵視するものばかり」というのを見てしまった。
一方で、ウクライナ放送局には、危険をおかしてもロシアの意見を反映する放送局があると紹介していた。(この属国には、危険をおかしても、宗主国に反対する放送局はない。)

今朝の大本営広報部論説に、またしても驚いた。
「TPP、日本が率先してまとめよ」という。ジャーナリズムではなく、無責任企業。
小選挙区制をあおったり、ねじれをあらため自民党に投票しろをあおったりしたと同じ所業。

様々な国の学生が暮らす日本の学生寮で「闇鍋」をする場合、日本人が鍋奉行をしろというならわかる。

しかし、ことは、全く情報が隠された「条約」なるものだ。

正気の人間なら、危険だから吟味してから考えようというだろう。

わかるまで、くってはいけないというだろう。

家が火事だという御仁と同じ最高の知的レベル。

一度入ったらぬけられない世界最大テロ国家が主宰する搾取闇鍋同盟TPP。一気飲みさせられて、潰される。お前、この条件を知って、コンパに参加するといったじゃないか、と。

「属国は拒否などできない」ことはわかる。進んで収奪されるだけの奴隷では悲しい。

岩波新書で「戦後」をよむ』を購入した。収録されている本、読んだことがあるものが多い。

日高六郎『一九六〇年五月二十一日』は、70年安保反対運動を無くすための全共闘運動?が一世を風靡する中で読んだと記憶している。

「「事態はわかんないけど、安保条約は「ゼッタイいい」もので、これにたいする民衆の阻止運動は「ゼッタイよくない」ときめつける態度」に「ファッショ化の先兵をつとめる無法者たちの観念の特性がよくあらわれている」

現状そのままの記述ではないか。

今は、痴の巨人が大きな影響力を持っていた60年、70年の不思議な学生運動と違って、痴の巨人と無縁な学生や、市民が主力のようでなにより。

「反対運動をしている学生は民青、過激派、在日、チンピラの連合軍」、「デモはプロ市民」という不思議な発言をしている与党政治家がいる。

小生も何度か参加しているが、プロ市民とは一体なんだろう。

不思議なCDを発行しておられる。小生には、そのタイトル、下記のように読める。

『日本を醜く!/地獄に向かって!』ゼニトラレル・レコード

2015年7月16日 (木)

今や我々全員ギリシャ人

2015年7月12日

Chris Hedges

  金曜日、アテネ中央部での反緊縮政策集会で、ギリシャ国旗を振る抗議行動参加者。(Petros Karadjias / AP)

アメリカ合州国の貧者と労働者階級の人々は、ギリシャ人であることが何を意味するかを知っている。不完全雇用と失業を彼等は知っている。年金のない生活を彼等は知っている。一日数ドルでの暮らしを彼等は知っている。料金を支払えない為に、ガスや電気が止められるのを彼等は知っている。借金の壊滅的な重みを彼等は知っている。病気になっても、医者にかかれないことを知っている。国が、彼らのわずかばかりの資産を没収するのを彼等は知っている。アメリカ合州国で“国民財産没収”として知られるものにより、アメリカの警察が、30億ドル以上の現金や資産を没収することを認めている。学校、図書館、近隣の診療所、デイケア・サービス、道路、橋、公共の建物や支援プログラムが、放置されたり、停止されたりした際の深い絶望と放棄の感覚を彼等は知っている。金融エリートが、民主的組織をハイジャックし、緊縮策の名の下で、広範に、窮乏を押しつけるのを彼等は知っている。彼等は、ギリシャ人同様、見捨てられるのがどういうことかを知っている。

いずれも同じ体制、大企業資本主義に襲われている為に、ギリシャとアメリカの低収入労働者達は同じ貧困に苦しめられている。大企業資本主義には内在的制限は皆無だ。そして、ごくわずかあった外的抑制は取り除かれてしまった。Euro集団、世界銀行、国際通貨基金や、連邦準備金制度理事会を含む、世界で最も強力な金融組織を操っている大企業資本主義が、それがそうするように作られた事を実行する。人類や自然世界を含め、あらゆるものを、枯渇あるいは崩壊するまで搾取する商品へと変えるのだ。搾取過程で、労働組合は破壊され、監督官庁は骨抜きにされ、不正行為を合法化させ、世界的独占企業を権限強化する為、大企業ロビイストによって、法律が作成され、公益事業は私営化される。草案文書を見た議員達ですら、それについて語ることを許されない秘密貿易協定が、大企業オリガルヒが、さらなる権限を寄せ集め、労働者を犠牲にして、より多くの利益をかき集められるようにする。利益を増やす為、大企業資本主義は、個人、都市、州や政府を略奪し、抑圧し、破産に追い込む。大企業資本主義は、資本主義を可能にする構造や市場すら、最終的には破壊する。だが、それとて、その悪に苦しめられている人々にとって何の慰めにもならない。大企業資本主義が自らをあやめる頃には、後に、計り知れない悲惨な状態の人々を残すだろう。

もしユーロ圏に残れば、国際金融体制が、1973年に、チリで、サルバドール・アジェンデの社会主義政権にしたことを、ギリシャに対して行うことを知っているので、ギリシャ政権は、ヨーロッパの銀行家達に跪いて、慈悲を求めている。連中は、リチャード・ニクソンが、チリで、そうすると約束した通り、“経済に悲鳴をあげさせる”のだ。銀行家達がギリシャを破壊するのだ。ギリシャは、ヨーロッパの医薬品市場に、10億ユーロ借りがあるが、もし、これがギリシャ人が医薬品をもはや入手できないことを意味するのであれば、それでよい。ギリシャは、食料品を毎年、ヨーロッパから何千トンも輸入しているが、もしこれが、食料品不足を意味するのであれば、それでよい。ギリシャは石油とガスの99パーセントを輸入しているが、もしこれが石油とガス不足を意味するのであれば、それでよい。現在のギリシャ政権が地位を追われ、大企業の政治傀儡が権力を掌握するまで、銀行家連中は、経済戦争を遂行するのだ。

大企業資本主義者にとって、人の生活など全くどうでも良い。ギリシャ人の苦難は、普通のアメリカ国民の苦難と同様、ゴールドマン・サックス等の金融機関の利鞘にとって素晴らしいことだ。結局は、サブプライム住宅ローンを、ローンを決して返済できないと連中に分かっている家族に無理やり背負い込ませ、サブプライム住宅ローンを、投資として、年金基金に売り込み、更に、それが儲からない方に賭けたゴールドマン・サックスの仕業だったのだ。画策されたギリシャとの複雑な金融協定の多くは秘密だ。こうした協定が、ギリシャの債務をデリバティブ取り引きによって倍増させ、以前のギリシャ政権が、借り続ける為に、本当の債務をごまかすのを許していたのだ。ギリシャが崩壊すると、ゴールドマン・サックスは、金が詰まったスーツケースを持ってドアから顔を突き出したのだ。

自由な資本主義体制は、最も脆弱な連中から無情に金を搾り取り、それを上位の支配層に注ぎ込むように作られている。これは、市や州の予算の不足を穴埋めするために利用されている増大する罰金と手数料で見てとれる。大企業資本主義は、教育から、諜報情報収集に到る行政サービスのあらゆる部門を民営化することを狙っている。アメリカ郵便公社が次の標的のようだ。両親は既に、公立学校に通う子供達が、スクール・バスに乗り、音楽や絵のクラスに通い、スポーツや他の活動に参加できるようにする為、何百ドルも払わなければならない。消防署、救急、国立公園制度等、全てが、大企業の利益の餌食になる予定だ。これは市民社会の死だ。

刑事司法は、正義や更生よりも何よりも、主として、アメリカ合州国の市や州政府の収入源だ。ミズーリ州ファーガソンでも、どこでも、貧者は、ささいなことで逮捕され、罰金を科される。芝生を刈らないかどで、ニューヨーク市の地下鉄車輛に足を載せたかどで。もし罰金を払えないと、実際多くが払えないが、連中は刑務所行きになる。刑務所では、彼等は、部屋代と食事代を課されることが多い。そして、もしこの請求が払えないと、彼等は再度刑務所行きになる。循環する、果てしない、貧者からの強奪ゲームだ。未払いの罰金は利子までつけられ、逮捕状が出されることになる。貧しい人々は、駐車違反や、交通違反で、何千ドルもの罰金を負わされる結果になることが多い。

ファシストや共産主義者の銃殺隊は、時に、死刑で使用した銃弾の経費を犠牲者の家族に請求していた。大企業資本主義でも、虐待者は支払いを要求する。金は保護観察や、刑務所管理をする私企業の懐に入ることが多い。スタンガンで撃たれる経費(26ドル)あるいは、保護観察(月に35ドルから、100ドル)あるいは、電子足輪(月に11ドル)が貧者の懐から絞り取られる。しかも、こうした全てが、いつの日か懐かしい昔と見なされるであろう今の時期に起きている。金融という砂上の楼閣が再度崩壊するまでお待ち願いたい。中国で起きていることは良い兆しではないが、ウオール街は逃げ場所を求めている。アメリカは、ステロイド剤を使ったギリシャになるだろう。

“アメリカは、福祉制度を、刑事制度に変えた国だ”と、カレン・ドランと、ジョディ・L・カーが、“貧者は監獄に行く”と題する政策研究所の報告書に書いている。“余りに貧しくて住む所が無い人々の、生きる為の活動を、我々は犯罪扱いしている。アメリカは、世界中の他のどの国より多数の人々を投獄している。アメリカでは、事実上、服役をつとめあげた後、社会参加させずに、彼等を一生、牢獄に閉じ込める政策を制度化している。債務者刑務所の復活を我々は認めてしまったのだ。貧しい子供達や、黒人やラテン系の子供達に対して、二流の公教育制度を作り上げ、彼らの行為を不均衡なほどに、犯罪者として扱い、早くから、彼等に支援や機会をあたえずに、投獄への道を辿らせる。”

大企業による市民社会解体が、ギリシャでは、ほとんど完了した。アメリカ合州国では、それより遥かに進んでいる。我々は、ギリシャ人同様、世界中のオリガルヒがしかけている政治戦争をしかけられているのだ。誰も彼等を選挙したわけではない。連中は世論を無視する。ギリシャでと同様、もしある政府が国際金融界に逆らえば、その政権は死刑対象となる。銀行は民主主義のルールに則って活動してはいないのだ。

アメリカの政治家は大企業従業員だ。万一、読者が、アメリカに初めての女性大統領が出現する可能性で涙にぬれているような場合には、1994年の北米自由貿易協定で、製造業雇用を破壊し、更には福祉を破壊した 1996年の個人責任及び雇用機会調和法、連邦の現金支援プログラムを停止し、期限付きの、制限の強い包括的補助金を課したのがヒラリー・クリントンの夫であったことを想起しよう。ビル・クリントン大統領の下で、大半の生活保護受給者や、それを受けていた人々の子供達の70パーセントが、リストから外された。檻の中に閉じ込められた囚人一人につき年間40,000ドル以上の遊休労働という剰余金を私企業が飲み込んで、刑務所-産業複合体の規模は激増した。クリントンの下で、連邦と州監獄の囚人数合計は、673,000人増大した。彼はロナルド・レーガン同様に、アメリカ合州国をギリシャ化する基盤を築いたのだ。

巨大銀行や金融企業による、ギリシャの破壊は、アメリカの破壊同様、銀行家が主張する、緊縮政策や、合理的な支出の押しつけや、均衡予算の問題ではない。責任ある、あるいは良い政府という問題ではない。これは、たちの悪い形の階級戦争なのだ。これは大いに反民主主義的だ。貧困化し、権利を奪われた奴隷と、人類史上、最も高度な治安・監視システムと、武器を持たない国民を銃撃する軍隊化した無茶苦茶にな奔放な警察に支援された、大企業オリガルヒという強欲な支配層なる全権力を握っている連中による国々を形成するきいう問題なのだ。貧者に押しつける法や規則は、バーバラ・エーレンライクが書いている通り、“組織的サディズム”と大差ない。

大企業の利益こそが神だ。誰が苦しもうとかまわない。ギリシャでは、40パーセントの子供達が貧困生活を送っており、失業率は、25パーセントで、15歳から、24歳の人々の失業数値は約50パーセント。しかも、これはひたすら悪化するばかりだ。

人の組織的な振る舞いは、グローバル市場の指示によって決定されるべきだと、我々を説得しようとする経済的、政治的イデオロギーは、詐欺だ。我々はカモだったのだ。トリクル・ダウン経済と自由市場で約束された繁栄は、極少数への富の集中となり、労働者や中流階級を、民主主義のあらゆる名残と共に破壊した。腐敗した政府は、公共の利益や、支配される人々の同意を無視し、この略奪を幇助したのだ。化石燃料産業は、惜しみない政府助成金を貰いながら、生態系を破壊することを認められ、人類生存の可能性を脅かしている。こうしたことの何一つ意味をなさない。

この体制を維持している官僚連中は、現代の危機に対して合理的に対処することはできなん。彼等は、今の搾取体制を機能させるようにしか訓練されていないのだ。連中は、飽くことを知らない強欲と、インフレ抑制、公有資産民営化と、貿易障壁排除が唯一の経済的優先項目だとするネオリベラル・イデオロギーで目がくらんでいるのだ。彼等は我々を断崖に追い込んでいる。

こうした世界的投機家連中の権力を剥奪するまで、我々は理性的な経済や、民主主義を回復できない。そういうことは、ヨーロッパとアメリカ合州国の大都市の街頭が集団抗議行動で動揺させられない限り決して起こらない。こうした金融支配者による暴政は限界を知らない。彼等は、我々が完全服従するか、反乱するまでは、益々ひどい苦難と抑圧を押しつけるのだ。私は後者を望む。しかしさほど時間はない。

記事原文のurl:http://www.truthdig.com/report/item/we_are_all_greeks_now_20150712
----------
60日ルールによる属国戦争法案詐欺的成立を狙った計画的策略。予想通りの話。

料金を強制徴収される大本営広報、肝心な項目、政府意見しか報じないので、洗脳ニュース決してみない。

一方、民放、驚くほど、良い報道をすることがあり敬服する。カンパをしたいくらい。

罪もないだろう元有名スケート選手さえ憎悪したくなる様な番組を流す売国放送。そもそも強硬採決を放映しない。100%わかっているがゆえに。

時論なるもの、当然ながら、中国の株価暴落。憲法破壊の方がはるかに重要だろう。いくらトップがごますりでも、現場では、簡単にデタラメ弁護はできないだろう。

中国株式市場のいんちきさを批判する自由は、この属国にもある。戦争法案を強硬成立させる支配層についても、ヨイショする自由がしっかり保証されている。自由民主な属国、万歳!

小選挙区制導入の時や、秘密法案には、官報も民放も、全員一斉にころんだが。民放、完全にころんではいないのかも知れない。
とはいえ、TPPの完全報道管制を考えると、諸手をあげて信頼はできない。
一方、週刊誌で、首相の意に反する報道してきた編集長は更迭された。
有名作家氏の言うように、広告費をしぼる必要は皆無。
人事スイッチを押すだけですむ。

同じ仕組みで、70年間の植民地体制で、官庁も企業も、宗主国のご意向に逆らうような人材は絶対に出世しない制度が完成している。その総仕上げが、今日の採決。

宗主国の理不尽な侵略戦争に、とりあえずは兵站から参戦する。
始めは処女の如く、後は脱兎の如し。

兵站、戦争の最も重要な部分ゆえ、どのような攻撃を受けるか想像は容易。本格的参戦。
これまでは武器弾薬やら、こっそりの兵員輸送という、見えにくい婉曲参戦だったので、宗主国の片棒をかついでいる罪、見えにくかった。
これで晴れて堂々理不尽な侵略属国であることを名乗ったわけ。傀儡連中さぞ良い気分だろう。
某中近東に出張した際、技術者につめよられたのを、いまさらながら思い出す。「原爆を二発落とされたのに、日本はどうしてついてゆくのだ」と。

「国民の命と幸せな生活を破壊しつくす」精神・知的に異常な傀儡政治家連中の暴挙。
理解する国民がいれば、精神に問題があるだろう。
暴挙は暴挙で、理解不可能。
所詮、犬は犬と思えば行動の意味は理解できる。連中、正常な人間ではない。

青年劇場「動員挿話」「骸骨の舞跳」を見た。
同じ劇団の次の出しもの、『真珠の首飾り』。

「動員挿話」は岸田國士「骸骨の舞跳」は秋田雨雀。
戦争法案が成立した以上、「動員挿話」、芝居でなく現実のものになる。
将校や馬丁という身分の違いは別として。

「骸骨の舞跳」関東大震災時の朝鮮人虐殺がテーマ。
不思議な方々が、この芝居に触れた著名政治家・評論家を悪罵している。
雑誌「演劇新潮」に発表。本作品を掲載した為「演劇新潮」風俗壊乱のかどにより発売禁止となった。

「骸骨の舞跳」自警団の末裔が、戦争法案を、TPPを原発を推進している。

2015年6月30日 (火)

親欧米NGOと、アルメニア騒乱と、ロシア不安定化

公開日時: 2015年6月25日 12:33


2015年6月22日、アルメニア、エレバンでの最近の公共電気料金値上げ決定に反対する集会に集まった抗議行動参加者達。(ロイター/Hrant Khachatryan/PAN Photo)

アルメニア国内の多数の親欧米NGOは、政治過程の支援や、外国の選挙監視までを含む様々な機能を演じている。電気料金値上げ反対抗議行動が続く中 、こうした団体は、再検討されつつある。

8月1日に発効する予定の17パーセント電気料金値上げ取り消しを要求する抗議行動参加者達は、アルメニア首都の街頭でもう一晩過ごした。抗議行動参加者達は、先週金曜日に始まった街頭での座り込みを続けることを選んで、不満を語る為に、セルジ・サルキシャン大統領と会談することを拒否した。

こうした抗議行動の中、そしてウクライナ政治危機が、依然としてロシアの戸口でくすぶり続ける中、アルメニアで活動している一部の非政府組織が注目されつつある。これらNGOの多くは、1991年のソ連崩壊後、アルメニアが独立投票をして以来、アメリカ合州国によって資金援助されてきた。

例えば、全面的にワシントンから資金援助されている“チョイス・イズ・ユアーズ(皆で選ぼう?)”は、実際、アルメニア外部での選挙過程で活躍している。2004年12月、ウクライナ大統領選挙の第三回投票の際、例えば、アルメニアからの100人以上の独立した監視員が、選挙を監視する為、ウクライナの州に送り込まれた。2010年に、ウクライナ選挙が行われる頃には、このアメリカが資金提供をする団体からの多数のアルメニア選挙監視員は、三倍以上になった。

“チョイス・イズ・ユアーズ”NGOのある幹部は、Armenpressに、“450人の短期監視員が、ウクライナ大統領選挙の国際監視ミッションに 参加した”と語っている。

だが、ワシントンが、政治や、社会政治的部門で、アメリカ権益の為に、ロビー活動しているNGOに直接資金供給していることを証明するのは“事実上、不可能だ”とスサナ・ペトロシャンは、ヴェストニク・カフカザに書いている。“アルメニアの財政当局は、資金調達に関する情報を持っているが、公表しようとしない。”

一方、反ロシア偏見のある"ウクライナ支援委員会"の様な他のNGOは、短期間に、雑草の様に出現するので、司法省に登録されていないと、ペトロシャンは言う。

更に読む
抗議行動が平和的である限り動かないと誓うアルメニア警官隊

ユーラシア協調発展基金理事長のムヘル・シモニャンは、親欧米NGOの数は、アルメニアが、ロシアが率いるユーラシア関税同盟と、ユーラシア経済連合に参加して以来、激増したと考えている。

“アルメニアの、ロシアや親ロシア派公的団体は、欧米の競争相手に大きく後れをとっています。アルメニアには、5-10の有力なロシア派組織と、約200欧米派組織があります”とシモニャンは言う。

一方、現在のアルメニアの混乱と、最終に、民主的に選出された指導者を無理やり追い出した、ウクライナ、キエフでの昨年のマイダン抗議行動時に起きた暴力的激変とを関連付けることに慎重な専門家達もいる。

"もしアメリカのNGOが、アルメニアの混乱に直接的に関与していれば、ワシントンが支援する政治家に対する別表現に過ぎない'良い統治' の必要性を語る、沢山の下品なスローガンがあったはずです"と、モスクワを本拠とする政治評論家ドミトリー・バビッチは、RTに語った。"抗議行動参加者達は全員が経済的公正を要求する手作りプラカードを掲げている様子で、ロシアを公然と非難してはいません。"

"ロシアが、彼等の問題の根源ではないことを、アルメニア人は理解しています"とバビッチは言う。

外国による干渉のおかげで、アルメニアでの騒乱を実際に予想していた元経済政策担当アメリカ財務次官補のポール・クレイグ・ロバーツ博士も、NGOの役割と、彼等が地政学の領域で、良い結果をもたらすとはいえない目的に利用されかねないことに関する彼の考えを、RTに語ってくれた。

RT:一体どうしてこういうことになったとお思いでしょう。大半の人々はびっくりしているように見えますが?

ポール・クレイグ・ロバーツ: ロシア不安定化の一環です。ワシントンのネオコンが実現したがっている政権転覆の一環です。ですから、アルメニアがこうした類の対象になるのは明らかでした。

更に読む
アルメニア抗議行動は、ウクライナのマイダン・クーデター・シナリオに似ている -ロシア国会議員

さて、この抗議行動は、素朴なものかもしれません。正当な抗議行動かも知れません。しかし、かりにそうであっても、ワシントンはそれ以上のものにしようとつとめるでしょう。そして、同じことがキルギスタン、アゼルバイジャンでも起きようとしています。もし可能なら、ワシントンは、カザフスタンを不安定化するでしょう。そうすれば、中国にも圧力をかけることができるようになりますから、連中は喜んでそうするでしょう。

RT: あなたの疑念からして、この騒乱はどのように展開すると思われますか?

PCR: これは疑念ではなく、事実です。全米民主主義基金は、1983年に、ソ連東欧内部で、政治的不和を引き起こすという明白な目標のために設立されました。そして、それは、旧ソ連の共和国だった全ての国々に存在して、活動しているこれらの非政府組織の主要資金源なのです。実際、ロシア自身の国内にも何百もあります。こうしたものは、ワシントンが作り出したもので、ロシア政府はとうとう、連中を意識するようになり、何らかの制約を課していますが、連中はい続けています。そして、もちろん、連中は、アルメニアにも、キルギスタンにもいます。そうした連中は、香港では、中国に対して利用されています。連中はいたるところにいて、ワシントンから自立した外交政策を行おうとする国々に圧力をかけようとするのに利用されます。

RT: こうした抗議行動は、エネルギー価格値上げ問題に見合ったものだと思われますか?

PCR: 人々がとうて払えないような大幅な電気料金値上げをしない限り、そうではないでしょう。抗議をしなければならないほど特別なこととは思えません。

しかし、それがたとえ正当な抗議行動だとしても、ワシントンが、それに飛びついて、自分達の狙いに利用しないということにはなりません。ワシントンが抗議行動を引き起こす場合もあれば、抗議行動が起きるのを待つ場合もあります。そこで、ワシントンは、NGOや、買収した様々な現地政治家連中を、まとめて投入するのです。我々は、この典型例を、ウクライナで目にしました。ジョージアでも起きました。こうした、いわゆるカラー革命は全て、そうした国々における、全米民主主義基金によるNGOに対する資金提供の産物です。そして、資金は、ウクライナの現首相の様に、ワシントンに同調する政治家連中に金を渡すのにも利用される。

RT: アルメニア国民の雰囲気を和らげるために、当局は一体何をすべきでしょう?

PCR: 今回の状況について、十分承知しているわけではありませんが、ロシアの周辺や、ソ連の元の一部だった国々、あるいはロシア自身のあらゆる当局は、自分達が混乱の対象にされていることを理解する必要があります。それが、ロシアに圧力をかけるという、ワシントンの政策の一環なのですから。それが今起きていることで、人々は、これを意識すしている必要があります。彼等は何をすべきでしょう。こうしたNGOの規制でしょうか、彼等を監視することでしょうか、それとも、外国に資金提供をやめさせることでしょうか? 私にはわかりませんが、人々はそうした組織が、一体何に使われているのかを認識しておく必要があります。こうした組織がそこにあるのは、民主主義や人権や女性の権利を教えるためではありません。連中は、ワシントンの第五列として、そこに存在しているのです。

更に聞く。

本コラムの主張、見解や意見は 、もっぱら筆者の ものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:http://rt.com/op-edge/269566-armenia-protests-energy-ngos/

----------

たまたま、国営BS放送で、アフガニスタンに域外派遣されたドイツ軍に関する番組『域外派兵で何がおきたのか』再放送を見た。二度目。与党議員のよいしょ質問国会論議をみるより遥かに役に立つだろう。国営放送が流す番組とは信じがたいほど。

「戦闘に派兵されたわけではない」というが、爆撃による民間人巻き添え、路肩爆弾爆発と銃撃、若くしての戦死や、帰国してもPTSDに悩む女性兵士。戦争法案成立後の日本そのまま。

非自由反民主集団や、不明カルト集団、異神、過去世代の支持者を合計すると、本当に40数パーセントになるのだろうか?自分で滅亡を選ぶ心境、いくら考えてもわからない。それほど多数が自滅を望むなら、自滅以外の可能性はないだろう。

ウクライナ2.0』を購入した。『ウクライナ・ゲート』続編。大本営広報部による『ウクライナ・ゲート』書評記事、記憶にない。

アメリカが画策したマイダン・クーデター部分を飛ばし、プーチンによる、クリミア併合は悪である、というお話から始めるお約束の大本営広報部、自分の虚報犯罪がばれてしまう事実を描く本を紹介するわけには行かない。

『ウクライナ・ゲート』は完売ということで、未読の方は図書館で読むしかなさそうで残念。

新刊『ウクライナ2.0』冒頭部分は、下記で読める。この本も早く購入しないと売り切れるはず。

ちきゅう座 鳩山発言「多くの日本国民は間違った情報のもとに洗脳されている」は正しい指摘である塩原俊彦:高知大学大学院准教授

2015年5月24日 (日)

マケドニアのカラー革命

Paul Craig Roberts
2015年5月22日

冷戦中、ワシントンは、共産主義者が、街頭抗議行動を醸成し、新政権引き受ける出番を待つ政治家連中を育てておいて、革命に転じて、ソ連帝国を拡張しかねないと懸念していた。現在、これこそ、まさにワシントンが行っているものだ。

我々は最近、この作戦をウクライナで目撃したが、今はそれがマケドニアで行われているように見える。

全米民主主義基金は1983年に設立された。公式な目的は、外国で民主主義を広めることだ。本当の目的は、旧ソ連圏東ヨーロッパで、紛争を作り出すことなのだ。現在、NEDは、我々の税金を、ワシントンに同調しない政権を打倒するために使っている。

NEDは、ワシントンが政治的不安定化の標的にした国々の非政府組織(NGO)に資金提供する。これらのNGOは“民主主義”と“人権”を教える等の旗印の下で活動している。NGOは、理想主義的な大学生達や、不満を抱いた政治家で構成される中核集団を作り出し、ワシントンとしては、その独立を潰したい既存政権に向かって、けしかける。

理想主義的な大学生達はただのでくのぼうで、不満を抱いた政治家連中は、ただ権力の座が欲しいだけなので、それを得るため、ワシントンの言う通りにする。

ビクトリア・ヌーランド国務次官補によれば、政治家達を育て、ワシントンの第五列役とのNGOを作り出すのに、ワシントンは、ウクライナで、50億ドル使った。ウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が、ウクライナを、ワシントンの権益に同調するのを拒否すると、ワシントンは第五列を解き放ち、ヤヌコーヴィチ政権は暴力で打倒された。ワシントンは民主主義について語るが、ヤヌコーヴィチ政権が民主的に選出されていたことや、新たな選挙が、わずか数ヶ月後に予定されていた事実があっても、ワシントンは、ヤヌコーヴィチ打倒をやめなかった。

今、同じ運命が、アルメニア、アゼルバイジャン、キルギスタンと、マケドニアに迫っているようだ。大半のアメリカ人は、こうした国々が一体どこにあるかを知らない。アルメニアとアゼルバイジャンは、カスピ海の東側にある旧ソ連共和国だった国だ。キルギスタンは、中国と国境を接する旧ソ連共和国だ。アレキサンダー大王生誕の地、マケドニアは、北部ギリシャの一部なのだが、二十世紀に、ユーゴスラビアの一部になる前に、マケドニアの一部がブルガリア、セルビアとアルバニアの一部となった。ワシントンがユーゴスラビアを破壊した際、マケドニアは、人口200万人の独立共和国となった。マケドニアは、内陸国で、南はギリシャ、東はブルガリア、西はアルバニア、北はセルビアと、ワシントンが作り出したコソボに囲まれている。

ワシントンはマケドニアを支配することで一体何をしようとしているのだろう?

マケドニア政府は、ワシントンの対ロシア経済制裁に加わることを拒み、ロシア天然ガスを、トルコ経由、ギリシャ国境からヨーロッパに送るロシア・トルコ・ストリーム天然ガス・パイプラインを支持している。

ギリシャは、欧州連合、IMFと、ドイツとオランダの銀行によって略奪されつつある。結果として、ロシアの支援が、EUがギリシャ国民に押しつけている壊滅的な緊縮政策に対する、ギリシャにとって唯一の代案なので、ギリシャはロシアの両腕の中に押しやられつつある。ギリシャとセルビアの間にあるマケドニアは、ワシントンとNATOの侵略によるセルビア分割の結果、ワシントンやEUとは不仲の国だ。ワシントンは、ワシントンが自分では支配できないロシア・エネルギーの流れが、ヨーロッパにおけるロシア同盟諸国経由で、自らのヨーロッパの傀儡諸国に入ることを恐れているのだ。

もしワシントンがマケドニアを乗っ取れれば、ワシントンは、ギリシャとセルビアの間にわって入り、恐らくギリシャをワシントンに同調するよう説得できるだろう。アゼルバイジャンからヨーロッパに供給する天然ガス・パイプラインを支持させ、ヨーロッパにおける、ロシアの影響力を低下させるのだ。

マケドニアには、少数派のアルバニア人がいる。アルバニアはワシントンの属国で、NATO加盟国だ。ワシントン反政府派のアルバニア人と手を組み、抗議行動参加者達が街路に繰り出し、マケドニア政府は、ウクライナ政府同様、腐敗で非難され、アメリカ国務省は、ワシントンが画策したマケドニア政治危機に懸念を表明している。

ワシントンは、民主主義と人権について永遠に語り続けるが、どちらも尊重していないのだ。ワシントンは、ワシントンが打倒しようとしている政権には、この二つが欠如しているという主張として二つの言葉を並べているに過ぎない。

ロシア政府は展開中の出来事を理解している。ロシア政府が、ウクライナ政府が打倒されつつある時に傍観していたことの教訓を学んだのかどうかは、これからを見ないとわからない。

アメリカ国民の視点からすれば、ワシントンの見方とは対照的に、問題はアメリカ覇権の無謀な追求がロシアと中国との戦争というリスクに値するかどうかだ。アメリカ外交政策をがっちり掌握するネオコンは、覇権は、いかなるリスクをもおかす価値があると思い込んでいる。だが、ごく少数のネオコンが覇権を世界に振り回した結果、身代わりで核戦争のリスクを引き受けるアメリカ国民は、それで十分な喜びを得られるのだろうか?

ワシントンがロシアに対して示している、むき出しの攻撃は、アメリカ人のみならず、世界中が警戒すべきなのだ。戦争は作られつつある。ロシアとの戦争は、中国との戦争も意味している。これは、ワシントンと、その諸属国や人々が勝てる戦争ではない。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/05/22/color-revolution-macedonia-paul-craig-roberts/

----------

同じ話題では、以前、下記記事を翻訳した。

スコピエで、キエフ・バージョン2.0を企んだヌーランド

米上院、TPA法案を可決 TPP協議に追い風

下院での審議は休暇明けの6月からになる。2年ごとに選挙にさらされる下院では、議員らが支持基盤の意向の影響をより大きく受けるためにTPA法案への反対も強くなるとみられ、審議の難航も予想される。

どこの国の大政翼賛会?大本営広報部といつも書くが、宗主国大本営広報部と書くのが煩雑なので、略しているに過ぎない。敗戦後、大本営中枢は、霞が関から、ワシントンに移ったまま。

日本国民の視点からすれば、霞が関の見方とは対照的に、難航大いに結構。

大相撲、優勝決定は千秋楽に持ち越された。絵に描いたような「理想的展開」。今回、まさか切符は手に入らないだろうと思っていたのが入手でき、楽しませていただいた。夢はかなうこともある。

アジア力の世紀─どう生き抜くのか』進藤榮一著をまた思いだした。
70ページの「アメリカン・グローバリズムの外交戦略」

『国家の殺し方 オーストラリアがアメリカと結んだ破滅的な貿易協定』書評 の末尾で引用をご紹介したので、そちらをお読み願いたい。

アメリカン・フットボール─アメフトと略称される米国の国技だ。対する日本の国技は、相撲である。この二つの国技の違いに、両国の外交文化の差が集約されている。

そもそも、第3章 「TTPから人間安全保障共同体へ」 だ。
帯にも、「憂国の書 TPPと中国脅威論のウソを暴く」とある。

104ページにこうある。

いま伝統的な国家安全保障から非伝統的な人間安全保障へと転換し始めている。

戦争法案を徹底追求するはずもない大本営広報部紙媒体、電気洗脳箱ではなく、相撲ファンでなくとも、こういう本をお読みいただきたいもの。

2015年3月28日 (土)

マニュファクチャリング・ディセント(反対派をでっち上げる)

Paul Craig Roberts
2015年3月26日

ここは皆様のサイトだ。皆様のご支援が必要だ。

ミシェル・チョスドフスキー教授は多数の重要な本を書いている。最新刊は、The Globalization of War: America’s Long War Against Humanity(戦争のグローバル化:人類に対する、アメリカの長き戦い)。チョスドフスキー教授は、ワシントンがアメリカ大統領を、ノーベル平和賞を獲得した世界の平和推進者として描きながら、戦争をグローバル化させたことを示している。ワシントンは軍隊を、150ヶ国に配備し、世界を6つのアメリカ軍司令管区に区分けし、宇宙作戦も含むグローバル攻撃計画をもっている。核兵器はグローバル攻撃計画の一環で、先制第一撃で使用するよう格上げされたが、冷戦における役割からの危険な逸脱だ。

アメリカの軍事化には、アメリカ国民に対し、そして、アメリカ経済帝国主義に成り代わって、主権国家の軍事的強制に使うための、地方警察向けの軍用兵器も含まれる。

一つの結果は、核戦争の可能性だ。もう一つの結果は、アメリカ外交政策の犯罪化だ。戦争犯罪が、その結果だ。こうしたものは、個々の、ならずもの連中による戦争犯罪ではなく、確立した指針や手順で制度化された戦争犯罪だ。“ブッシュ政権と、オバマ政権との違いは”チョスドフスキーは書いている“is強制収容所、標的暗殺と拷問部屋が、いまやあからさまに、‘グローバル対テロ戦争’を維持し、‘欧米民主主義’の流布を支援する”ための介入用の正当手段と見なされている。

チョスドフスキーは、自分の国が軍国主義的警察国家に変貌することに対し、アメリカ国民が、抗議し、抵抗する能力は限られていると指摘している。ワシントンや従順な財団が、今や反対派の運動を支配するために資金提供している。彼はノーム・チョムスキーとエドワード・S・ハーマンの『マニュファクチャリング・コンセント』を引用している。彼は、エリートが、反対派に資金提供をすることで、草の根コミュニティー指導部が取り込まれる結果になっている様子を、ポール・キヴェル説明させている。同じことが環境保護団体でも起きている。黒人も、役職や報酬を与えられる、エリートの金と能力で、指導者を奪われてしまった。

チョスドフスキーは、進歩派、左翼や反戦団体が“対テロ戦争”を支持し、9/11事件の公式説明を無批判に受け入れたことが、ワシントンによる戦争の基盤となっていると指摘している。

ウソを受け入れたことで、抗議する基盤も失われた。それで、抗議が存在しないのだ。

スティーブン・コーエン教授が指摘している通り、アメリカの外交政策論議から、反対意見は消滅したのだ。反対意見のかわりに存在しているのは、更なる戦争への激励だ。その好例は、今日の(2015年3月26日) ジョージ・W・ブッシュ政権時代にアメリカ国連大使だったネオコン、ジョン・R・ボルトンによるニューヨーク・タイムズ論説だ。http://www.nytimes.com/2015/03/26/opinion/to-stop-irans-bomb-bomb-iran.html?_r=0

ボルトンは、イラン爆撃を呼びかけている。イランへの軍事攻撃以外の方法は“非現実的雰囲気”しかなく、サウジアラビア、エジプトやトルコも、イランから自らを守る為、核兵器を開発することを確実にするだろうとボルトンは言う。ボルトンによれば、イスラエルとアメリカの核兵器備蓄は脅威ではないが、イランの核兵器備蓄は脅威になるのだ。

もちろん、イランが核兵器計画を持っている証拠は皆無だが、ボルトンは、ともあれ、そう断言している。しかも、イランと取り付けた、核兵器に必要なレベルよりずっと低いイランの核濃縮計画をやめる協定を、ボルトンは巧みに見過ごしている。イランは、もし原子力発電を許されれば、核兵器計画を隠しおおせるだろうというボルトンの考えは根拠がない。信じ難い主張にすぎないのだ。

ネオコンは戦争推進ロビーだ。ある戦争がうまくゆかないと、連中は次の戦争をやりたがるのだ。連中は、戦争リストを拡張し続けている。ネオコンは、イラク戦争は、わずか3週間の“朝飯前”で、経費700億ドルで、イラクの石油収入でまかなえる、と我々に約束した連中であることを想起願いたい。8年もの戦争の経費は、少なくとも3億ドルで、アメリカ人納税者が支払っており、アメリカはあきらめ、撤退した。現在、聖戦戦士は、シリアとイラクの一部から新しい国を切り分けつつある。

ネオコン・ブッシュ政権のイラク戦争が、他のあらゆるネオコン戦争や、現在のロシアやイランとの戦争衝動と同様に、全くのウソに基づいていたことは周知の事実だ。ウソと失敗の実績にもかかわらず、いまだにネオコンはアメリカ外交政策を支配し、ネオコンのヌーランドは、旧ソ連共和国のアルメニア、キルギスタンやウズベキスタンにおける“カラー革命”やクーデターの醸成に勤しんでいる。

ニューヨーク・タイムズの応援がなければ、ネオコンは、イラク戦争を続けることはできなかったろう。現在、ネオコンには誠実だが、アメリカ国民には誠実ではないニューヨーク・タイムズは、ネオコンがイランとロシアとの戦争を推進するのを幇助している。

友人として、いまだ、ニューヨーク・タイムズを読み、信じている大学学長が何人かいる。ニューヨーク・タイムズがあおっているイランやロシアとの戦争は、イラクやアフガニスタンとの戦争より遥かに危険だ。人類はそうした戦争で生き残れないかもしれない。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/03/26/manufacturing-dissent-paul-craig-roberts/
----------

映画『A2-B-C』急遽上映中止にという記事を見て驚いた。
その昔『愛のコリーダ』という映画が、ワイセツということか、日本では全部はみられず、宗主国、具体的には、ハワイにまで、大挙して見にゆく(ポルノ)ファンがいたという。
例え全編上映されても見たい監督の作品ではないので見ていない。永久に見ないだろう。

『A2-B-C』、公式発表とは全く違う内容に驚いた。どうして、こういう良い映画が広まらないのか不思議に思った。

映画の内容が間違っているのであれば、具体的に批判すれば済むことだろう。
真っ赤なウソであれば、それぞれ指摘すれば良いだろう。

まさか上映中止になると思っていなかったので、一度見たきりだ。

『A2-B-C』ハワイは絶対にパスだが、釜山やソウルや台北で見られるなら、ゆきたいものだと思う。申し訳ないが、貧しくいやしいメタボ・オヤジ、食事と観光が主目的。

ドイツ航空機墜落事件、フランス警察発表、素直に信じる気分にはなれない。

一年前の英文記事がある。「旅客機の乗っ取り方:9/11から、MH370まで」
How to Steal an Airplane: From 9/11 to MH370
Flight Termination System(直訳すれば、飛行終了装置。衛星打ち上げロケットや無人機が、制御不能になったり、おかしな方向に飛び始めたりした場合、リモート・コントロールで、地上に安全な形で、自爆なり、墜落なりさせる装置か)に触れている。憶測・妄想と言い切れるだろうか?

それはさておき、精神的に問題があった副操縦士が暴走し、ドアをロックし、乗客を道連れにした可能性、という事件、この放置国家の現状と近未来、そのままの描写に思える。

仮にリモート・コントロールで墜落させられたのであれば、それこそ100%日本の現実。

かつての上野動物園お猿の電車。列車の先頭車輛で操縦をしているふりをしているお猿は飾り物。外から係員の方が操作していた。子供の小生、猿が本当に運転していると信じ、乗車が楽しみだった。

暴走した連中が支配し、乗客がいくらノックしても一切耳をかさず、原発を再開し、世界一のならずもの宗主国に、教育制度も、健康保険も、地方自治体の調達も、インターネットの自由も、全て大政奉還し、侵略戦争に日本軍を捧げ(首相が使ったので周知の事実)この国を壊滅させる、信じられないほど異常な墜落操作をしている実態を。

メタボ老年には墜落か沈没確実なお猿の飛行機・空母に乗っていること自体が恐怖。

乗員(国民、そして未来世代)全員死亡惨事を避けるには、自称パイロットという狂人連中排除と、リモート・コントロールFlight Termination System体制からの離脱しかない。

マニュファクチャリング・ディセント(反対派をでっち上げる)という題名で、思い出したのは、原発をやめると猿になるの痴の巨人氏。反核運動もこき下ろした。オウム麻原を絶賛した。福島原発事故後、原発をやめると猿になると発言した。世界で最も地震発生度が高い日本で原発を推進すれば、猿どころではない。絶滅ではないか。

支離滅裂としか思われない学生運動活動家諸氏に、神様のように崇められていた。

末期は、新自由主義を無制限に称賛した。無制限な宗主国礼賛とどう違うだろう。

高価かつ大部の全集や講演集が現在刊行されている。国営大本営広報部電気洗脳局では「痴の巨人」番組特集が流されさる。フランケンシュタインのよみがえりを見ているようだ。誰が痴の巨人全集を購入するのだろう。誰が電気洗脳番組を見るのだろう。全集、講演集の財源、機密費ではと邪推する。電気洗脳番組、お仲間がトップなのだから何の不思議もない。

18歳から、選挙権という流れを傀儡政権は推進中。

思い出すのは、全共闘運動、リクルートされた連中に18歳、19歳の若者が多かったこと。リクルート対象に若者が多かったというのは、オウムにも言えそう。体制破壊を目指すという触れ込みで、実は体制強化をもたらすでっち上げ反対派としか思えなかった。元気にゲバ棒をふり、投石をした皆様、今何をしているのだろう。ネットで、彼らは、与党やエセ野党を積極的に支持しているという記事を見た。

保守化する老人…学生運動の“闘士”が右傾化した理由

学生運動が、本当の反体制運動であったなら、彼らは「転向」したことになるが、当時の本人達の思いはさておき、実質的に、大本営広報(マスコミ)がほめそやした学生運動が、反体制運動を装っていても、実質体制支持運動であったなら、本家帰りをしているだけで、何も驚くべきことはない。「いちご白書をもう一度」。

というわけで、突如の「痴の巨人」リバイバル、若者を利用し、憲法破壊なり、他の様々な属国永久化推進策なりを一気に進める、当局の「自滅推進派デッチアゲ」策ではと妄想している。

大手書店で「痴の巨人の可能性をどう引き継ぐか」という催し看板を見て驚いた。さすが「満員御礼」の札はなかったが。(「痴の巨人」の部分には、固有名詞が入る。)

大学教授が一体なぜカルト宣伝をしているのか?と不思議に思う。

論じられるべきは「痴の巨人の欺瞞ををどう批判するか」だろう。

そういう不思議な雰囲気の中、痴呆選挙は着々進行中。

2015年3月26日 (木)

ワシントンはロシアとの戦争を意図しているのか:ザ・セイカーによるPCRインタビュー

2015年3月23日

四半期毎の寄付のお願い:ここは皆様のサイトだ。ご支持をお願いする。

ザ・セイカーによる、ポール・クレイグ・ロバーツ氏インタビュー

ポール・クレイグ・ロバーツ氏にインタビューしたいと、長らく待ち続けていた。長年、彼の記事やインタビューを読んできたが、彼の主張を読む毎に、いつの日か、彼にアメリカの国家内国家と帝国の本質について、インタビューする機会に恵まれることを願っていた。最近、彼に電子メールを送り、そのようなインタビューをお願いしたところ、快く承諾頂いた。機会を与えてくれた彼に大いに感謝している。

ザ・セイカー

---

ザ・セイカー:大半とは言えなくとも、多くの人々にとって、アメリカは、民主主義や共和国ではなく、むしろ“1%”とも呼ばれている少数のエリートが支配する金権政治であることが明らかになっています。“国家内国家”という人々もいます。そこで、私の最初の質問はこういうものです。下記の組織を、それぞれ個別に、その影響力と権力を評価していただけますか。特に、それぞれが、本当の権力構造中、意思決定上で“最高の”地位にあるのか、意思実施上の“中位”の位置にあるのかを具体的に言っていただけますか(リストの順序に特に意味はない)

連邦準備金制度理事会
大手銀行
ビルダーバーグ
外交問題評議会
スカル & ボーンズ
CIA
ゴールドマン・サックスと主要銀行
“上位百家族” (ロスチャイルド、ロックフェラー、オランダ王室、イギリス王室、等々)
イスラエル・ロビー
フリーメーソンとロッジ
大企業:Big Oil、軍産複合体、等々
上記リストにない他の人々や組織?
現在のアメリカ政治機構で、実際に権力の頂点にあるのは、誰、どの集団、どの組織だと思われますか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:アメリカは、私的権益集団と、歴史が、自らの意思を世界に押しつける権利と責任がある“例外的で、必要欠くべからざる”国として、アメリカを選んだのだというネオコン・イデオロギーで支配されています。

私の考えでは、最も強力な私的権益集団は下記です。
軍安保複合体
“大き過ぎて潰せない”巨大銀行4ないし5行と、ウオール街
イスラエル・ロビー
アグリビジネス
採掘産業(石油、採鉱、製材)

こうした利益集団の権益は、ネオコンのそれと一致します。ネオコン・イデオロギーは、アメリカの、金融、軍事-政治的帝国主義や、覇権を支持しています。

アメリカでは、自立した印刷・TVメディアは皆無です。クリントン政権末期に、90%の印刷と、TVメディアは、6社の超巨大企業に集約されました。ブッシュ政権時代、ナショナル・パブリック・ラジオは独立を失いました。ですから、マスコミはプロパガンダ省として機能しています。

共和党も民主党も、いずれも選挙資金で、同じ私的利益集団に依存していますから、両党は、同じご主人の言いなりに行動しているのです。雇用の海外移転は、製造業や産業の組合を破壊し、民主党から、労働組合からの政治献金を奪ってしまった。昔は、民主党は労働者を代表し、共和党は大企業を代表していました。

連邦準備金制度理事会は、主として巨大銀行の為に存在しています。連邦準備金制度理事会は、銀行が取り付け騒ぎ、つまり預金引き出しの為に潰れるのを防ぐ為の、最後の貸し手として創設されました。金融介入を行うニューヨーク連邦準備金制度理事会には、巨大銀行の幹部達で構成される重役会がある。最近の三人の連邦準備金制度理事会理事長は、ユダヤ人でしたし、現在の副理事長は、元イスラエル中央銀行総裁です。例えば、ゴールドマン・サックスの様に、ユダヤ人は、金融分野で傑出しています。近年、アメリカの財務長官や、金融監督機関のトップは、主として、詐欺や、前回の金融危機の引き金になった過剰な債務レバレッジの責任がある銀行幹部。

21世紀、連邦準備金制度理事会と財務省は、大銀行の権益の為にのみ仕えています。これは経済と国民を犠牲にして行われています。例えば、退職者は、金融機関がコスト・ゼロで借りられて、金儲けができるようにする為、8年間、金利収入は皆無です。

特定の家族がいくら大金持ちであっても、軍安保複合体や、ウオール街や、銀行等の強力な利益団体にはかないません。長年にわたって蓄えられた富は、その利益に配慮をすることが可能で、ロックフェラー家等の様に、全米民主主義基金と協力して動く可能性が高い活動家の財団を所有して、ウクライナで起きたように、アメリカが影響力を及ぼしたり、打倒したりしたい国々で、様々な親アメリカ派非政府組織(NGO)に資金提供し、奨励しているものもあります。NGOは基本的に、アメリカの第五列で、“人権”や“民主主義”云々の名目で活動しています。ある中国人教授が、ロックフェラー財団が、アメリカの大学を中国に設立し、様々な反政府派中国人を組織するのに利用していると教えてくれました。ある時点では、恐らく今でもそうでしょうが、ロシアには、アメリカやドイツが資金提供する何百ものNGO、ひょっとすると、1,000もが存在していました。

ビルダーバーグ会議が同じことをしているのかどうかは知りません。彼らは単に非常に裕福な連中で、彼らの権益を守ろうとする手先が政府内部にいるのかも知れません。ビルダーバーグや、フリーメーソンや、ロスチャイルド家が、議会や行政府の決定に影響しているという兆候は見たことがありません。

一方、外交問題評議会は影響力があります。外交問題評議会は、元政府の政策幹部や、外交政策や国際関係に関与している学者で構成されています。外交問題評議会の刊行物『フォーリン・アフェアーズ』は、第一級の外交政策フォーラムです。何人かジャーナリストのメンバーもいます。1980年に、私をメンバーにする提案がされた時は、反対投票されました。

スカル & ボーンズは、イェール大学の秘密社交クラブです。多くの大学に、そうした秘密社交クラブがあります。例えば、バージニア大学にも一つ、ジョージア大学にも。こうした秘密社交クラブには、秘密の政府の陰謀や、支配力はありません。彼らの影響力は、メンバーは名家の子弟である場合が多いのですが、その個人的影響力に限定されるでしょう。こうした秘密社交クラブは、メンバーに、エリートの地位を付与するためにあるのだろうと私は思います。こうした組織には、戦略的な機能はありません。

ザ・セイカー:個人はどうでしょう? あなたのお考えでは、現在のアメリカで、誰が、最も有力な人物ですか? 一体誰が、最終的に、最高位の戦略的決定をするのでしょう?

ポール・クレイグ・ロバーツ:自身だけで有力な人物というものは存在しません。有力な人々というのは、強力な権益集団が背後にある人々です。1991年に、ウィリアム・ペリー国防長官が、軍の非常に大きな部分を民営化して以来、軍安保複合体は、極端に強力となり、その力は、政治活動に資金提供できる能力と、多くの州で、軍が雇用源であるという事実によって、更に強化されています。本質的に、ペンタゴンの支出は、防衛契約業者に支配されているのです。

ザ・セイカー:国際的な意味で、NATO、EUや他のあらゆる組織は、おかざりに過ぎず、世界を支配している本当の同盟は、ECHELON参加国、つまり、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアと、ニュージーランド、別名“AUSCANNZUKUS”(この国々は“アングロスフィア”あるいは“Five Eyes”とも呼ばれている)だ。そこで、アメリカとイギリスは上級パートナーで、カナダ、オーストラリアとニュージーランドは下級パートナーだと、常に考えてきました。このモデルはあっていますか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:NATOは、ヨーロッパを、ソ連侵略から守るという口実で、アメリカが生み出したものです。その目的は、1991年に終わったのです。現在、NATOは、アメリカ侵略の隠れ蓑となっており、アメリカ帝国に、傭兵軍を提供しています。イギリス、カナダ、オーストラリアは、ドイツ、フランス、イタリア、日本や他の国々同様に、単なるアメリカ属国です。パートナーなど存在しません。属国に過ぎません。これはワシントンの帝国であり、他の誰のものでもありません。

個々の国々を支配するよりも支配が容易なので、アメリカは、EUを好んでいます。

ザ・セイカー:イスラエルがアメリカを支配していると良く言われます。チョムスキーや他の人々は、イスラエルを支配しているのはアメリカだと言っています。イスラエルとアメリカの関係をどのように見ておられますか - 犬が尻尾を振っているのでしょうか、尻尾が犬を振っているのでしょうか? イスラエル・ロビーは、アメリカを完全に支配しているのでしょうか、それとも、イスラエル・ロビーに対して“ノー”と言え、自らの方針を押しつけられる様な他の勢力が、まだあるのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:アメリカがイスラエルを支配しているという証拠は何も見たことがありません。全ての証拠が、中東政策だけですが、イスラエルがアメリカを支配しています。近年、イスラエルやイスラエル・ロビーは、アメリカで、イスラエルに批判的と見なされている教授の、役職任命や、終身地位保証を支配したり、阻止したりできるようになっています。イスラエルは、カトリック系と州立大学にまでまんまと手を回し、終身地位保証や、任命を阻止できるようになっています。イスラエルは、一部の理事長任命を阻止することも可能で、印刷・TVマスコミに対して強力な影響力があります。イスラエル・ロビーは、政治運動資金として膨大な金も持っていて、イスラエルに批判的と見なされるアメリカの下院議員や上院議員を確実に落選させてきました。イスラエル・ロビーは、黒人女性シンシア・マッキニーの下院選挙区に手を突っ込んで、彼女の再選を妨げました。海軍作戦部長や統合参謀議長を経験したトーマス・モーラー海軍大将はこう言っています。“イスラエルに抵抗できるアメリカ大統領はいない”モーラー海軍大将は、1967年のイスラエルによるアメリカ艦船リバティー号への破壊的攻撃に関する公式調査さえできませんでした。

イスラエルの政策を、たとえ役に立つ形であっても、批判する人は、誰でも“反ユダヤ主義”というレッテルを貼られます。

アメリカの政治、マスコミと、大学では、これは致命的打撃です。ヘルファイア・ミサイルに見舞われるも同然です。

ザ・セイカー:私がリストに挙げた12の組織のうち一体どれが、9/11“偽装”作戦の計画と実行で、主要な役割を演じたと思われますか? 結局、G・W・ブッシュの就任から、9月11日までの間に、これが計画され、準備されたとは到底考えがたいので、クリントン政権時代に準備されていたに違いありません。オクラホマシティ爆破は、9/11のリハーサルだったというのは本当でしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:私の考えでは、9/11は、ディック・チェイニーとイスラエルの様に、イスラエルと同盟関係にあるユダヤ人が多いネオコンの産物です。狙いは、ネオコンが、中東で征服戦争を始める為に必要だと言った“新たな真珠湾”を生み出すことでした。一体どれほど昔に計画されたのかは知りませんが、シルバースタインは、明らかに一枚かんでいます。9/11直前に、WTCのリース権を得たのですし。

オクラホマシティ・マラー連邦政府ビル爆破事件については、空軍の武器弾薬専門家のパーチン・アメリカ空軍准将が、ビルは内側から外へと爆破されたもので、トラック爆弾はカモフラージュであることを、疑いの余地なく証明する専門家報告を作成しました。議会もマスコミも彼の報告書を無視しました。カモのマクベイがお膳立てされていて、彼の話だけが公認されたのです。

ザ・セイカー:現在、アメリカを動かしている人々は、自分達が、このままではロシアと衝突し、熱核戦争になりかねないことを自覚していると思われますか? もしそうであれば、連中は一体なぜそれほどの危険をおかすのでしょう? 彼らは本当に、最後の時点で、ロシアが“まばたきして”引き下がると信じているのでしょうか、あるいは、彼らは、本当に、核戦争に勝てると信じているのでしょうか? 権力や、命さえ含め、持っているものを全て失うであろうロシアとの核戦争を彼らは恐れていないのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:私もあなた同様に戸惑っています。ワシントンは、傲慢さと、うぬぼれにふけっており、多かれ少なかれ正気を失っているのです。アメリカは、ロシアとの核戦争に勝てるという信念もあります。『フォーリン・アフェアーズ』誌に、2005年か2006年頃、この結論に達した記事が掲載されました。核戦争に勝てるという信念は、弾道弾迎撃ミサイル防衛への信頼によって強化されています。アメリカは、最初の先制攻撃で、ロシアを非常に激しく攻撃できるので、ロシアは第二攻撃を恐れ、報復できないだろうという論法です。

ザ・セイカー:帝国の現在の健康状態をどのように評価されますか? 我々は長年、衰退の明らかな兆候を見てきましたが、まだ崩壊が目に見えるようにはなっていません。その様な崩壊は不可避だと考えておられますか。そして、もしそうでなければ、どうすれば防げるのでしょう? アメリカ・ドルが突然紙切れになる日が来るのでしょうか、それとも 何か他の仕組みが、この帝国の崩壊を促進するのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:アメリカ経済は空洞化しています。何十年も、本当の平均家計所得の伸びがありません。アラン・グリーンスパンは連邦準備制度理事会議長として、消費者所得が伸びない代用として、消費者信用の拡大を利用しましたが、今や国民は余りに借金漬けで、これ以上借金できません。ですから、経済を推進するものは何もないのです。非常に多くの製造業や、海外に移転可能な、ソフトウエア・エンジニアリングの様な専門サービス雇用は、外国に移転されてしまい、中産階級は縮小しました。大卒者は、自立した生活を支えられるような仕事に就けません。それで、家庭は営めず、家も、家電も、家具も買えません。政府は、インフレを測定しないことで、低いインフレを、失業を測定しないことで、低い失業率を作り出しています。金融市場は不正操作されており、金は、先物市場で、手配なしの空売りをすることで、需要が増大しているのに、価格が押し下げられています。存続可能だと私が思っていた期間より長く建っている砂上の楼閣なのです。どうやら、砂上の楼閣は、アメリカ以外の国々が、アメリカ・ドルを準備通貨として保有するのをやめるまで、建っていられるようです。

ヨーロッパをロシアとの紛争に巻き込むことで、帝国が、ヨーロッパに負荷をかけ過ぎている可能性があります。例えば、もしドイツが、NATOから離脱するようなことがあれば、帝国は崩壊するでしょう。あるいは、もしロシアが、ユーロとEUを離脱するのと引き換えに、ギリシャ、イタリアとスペインに融資する名案を思いつければ、帝国は致命的打撃を味わうことになるでしょう。

あるいは、ロシアは、ヨーロッパが、アメリカの対ロシア戦争実施に参加したのだから、ロシアとしては、ヨーロッパ各国の首都を核兵器の標的にするしかないとヨーロッパに告げることも可能です。

ザ・セイカー:ロシアと中国は、歴史上、実に独特なことを実行し、両国は同盟の伝統的モデルを越えてしまいました。両国は相互に依存し合うことに合意したのです。両国は共生関係に同意したのだと言うこともできます。帝国で権力を行使している連中が、今まさに起こったばかりの地殻変動的変化を理解していると思われますか。それとも、単純に現実が余りに恐ろしい為、彼らは強い否認状態になっているのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:スティーブン・コーエンは、外交政策議論は皆無だと言っています。討論は皆無なのです。帝国は、ロシアと中国を不安定化することができると思っていて、それが、ワシントンが、アルメニア、キルギスタンやウズベキスタンで、カラー革命を起こさせようとしている一つの理由だと思います。ワシントンは他の大国の勃興を阻止すると固く決めていて、傲慢さと、うぬぼれにふけっており、恐らく、ワシントンは、成功すると信じているのでしょう。結局、歴史がワシントンを選んだのだからと。

ザ・セイカー:今でも、大統領選挙が、何か違いをもたらせると思っておられますか。もしそうであれば、2016年で、一番良い結果は何でしょう? 私は個人的に、ヒラリー・クリントンを非常に恐れています。彼女は並外れて危険で、全くの悪の権化だと思いますが、共和党内部で、ネオコンが威力を振るっている現在、非ネオコン候補が共和党指名を勝ち取れると実際に期待できるのでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:大統領選挙が違いをもたらせる唯一の可能性は、選ばれた大統領の背後に、強力な運動がある場合だけでしょう。そうした運動がなければ、大統領には、独自の権力を持てず、彼の命令を実行する人物を任命することもできません。大統領は捕らわれの身となります。レーガンには、ウオール街の反対にもかかわらず、スタグフレーションをおさめられ、CIAと軍安保複合体の反対にもかかわらず、冷戦を終わらせることができるのに十分なだけの運動があったのです。しかも、レーガンはかなり高齢で、ずっと古い世代でした。彼は強力な大統領となり、その様に行動したのです。

ザ・セイカー:国軍については、どうでしょう? 統合参謀本部議長が“いいえ、大統領閣下、それは狂っています。我々はそういうことはしません”というのを想像できるでしょうか、あるいは、大将達が、対ロシア核戦争開始を含めあらゆる命令に従うと思われるでしょうか? アメリカ軍が介入して、ホワイト・ハウスや議会で現在権力を握っている“常軌を逸した連中”を止められるという希望はお持ちでしょうか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:アメリカ軍は兵器産業が生み出したものです。大将を作り出す狙いは、“防衛”産業の顧問や、“防衛”契約業者の幹部になったり、役員会に入ったりする適格者にする為なのです。軍隊は、大将達が大金を稼げる退職後の出世を生み出す源として機能しているのです。アメリカ軍は完全に腐敗しています。アンドリュー・コバーンの著書、Kill Chainをお読みください。

ザ・セイカー:もしアメリカが本当に、意図的に、ロシアとの戦争への道を進んでいるのであれば - ロシアは一体何をすべきでしょう?ロシアは引き下がって、熱核戦争に対する好ましい代案として、従属させられることを受け入れるべきなのでしょうか。それとも、ロシアは抵抗して、熱核戦争の可能性を受け入れるべきなのでしょうか? ロシア側による極めて意図的な激しい力の誇示で、アメリカの攻撃を思いとどまらせることが可能だと思われますか?

ポール・クレイグ・ロバーツ:これについては良く考えることがあります。私には良くわかりません。プーチンは、世界を破壊する一環となるよりは、降伏する方が良いと考える十分人間味があるだろうと思いますが、プーチンは、ロシア国内の他の人々に応えなければなりませんが、民族主義者が降伏に賛成するだろうとは思えません。

プーチンは、ヨーロッパに注力し、ロシアは、アメリカの攻撃を予想していて、反撃でヨーロッパを絶滅する以外の選択肢がないことを、ヨーロッパに自覚させるべきだと私は思いますです。プーチンは、第三次世界大戦を防ぐ為、NATOから離脱するよう、ヨーロッパに奨励すべきです。

プーチンは、中国も、アメリカにとっては、ロシアと同様の脅威とみなされており、両国は団結する必要があることを、中国にも、しっかり理解させるべきです。恐らく、もしロシアと中国が、両国の軍隊に、核攻撃警戒態勢、最高度の警戒態勢ではなく、アメリカの脅威を認識していることを告げる、高度警戒態勢を維持させ、この脅威を世界に知らしめれば、アメリカを孤立化できるかも知れません。

多分、もしインドのマスコミ、日本のマスコミ、フランスとドイツのマスコミ、イギリスのマスコミ、中国とロシアのマスコミが、ロシアと中国が、もし両国がワシントンから先制核攻撃をされるかも知れないと感じれば、攻撃を阻止する結果になるかも知れないと報じ始めれば。

私自身の多数のロシア・マスコミとのインタビューから理解する限り、ロシアにはウォルフォウィッツ・ドクトリンの認識が全くありません。ロシア人は、ロシアの意図について、何らかの誤解があると考えているのです。ロシアのマスコミは、ロシアがアメリカ属国ではないので、ロシアは許してもらえないのだ、ということを理解していないのです。ロシア人は、欧米の“自由と民主主義”に関する、あらゆるたわごとを信じており、自分達は、“自由と民主主義”が不十分だが、向上しつつあると考えています。言い換えれば、ロシア人は、自分達が破壊の対象になっていることを全く分かっていないのです。

ザ・セイカー:非常に多くのアメリカ人エリートが、ロシアを憎悪している原因は何だと思われますか? 冷戦のなごりなのでしょうか、それとも、ほぼ例外ないほどの、アメリカ人エリートのロシア嫌いには、何か他の理由があるのでしょうか? 冷戦中でさえ、アメリカ人は、反共産主義なのか、反ロシアなのかはっきりしていませんでした? ロシア文化、国民や、文明に、そうした敵意を引き起こす何かがあるのでしょうか。もしそうであれば、それは一体何でしょう?

ポール・クレイグ・ロバーツ:ロシアに対する敵意は、ウォルフォウィッツ・ドクトリンにさかのぼります。

“我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の場所であれ、かつてソ連が引き起こしていた規模の脅威をもたらす新たなライバルの再登場を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の根底にある主要な考え方であり、統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々は尽力しなければならない。”

アメリカが中東戦争に注力していた間に、プーチンはロシアを復活させ、ワシントンが計画していたシリア侵略とイラン爆撃を阻止した。ネオコン・ドクトリンの“最初の目標”は破綻してしまいました。ロシアに同調させねばならない。それがワシントンのロシア攻撃の根源です。従属して、捕らわれの身にあるアメリカとヨーロッパのマスコミは、“ロシアの脅威”を、無頓着で、無知な国民に向けて、おうむ返しにしするだけです。

ロシア文化への攻撃もあります。キリスト教道徳、法律、人道、強要ではなく外交の尊重、社会的道徳観。しかし、そういうものは背景です。ロシア (と中国)が、ワシントンという一方的な、唯一の覇権国に対する抑止力であるがゆえに、ロシアは憎悪されているのです。この抑止力が戦争をもたらそうとしているのです。

ロシアと中国がワシントンの先制核攻撃を予想せずにいれば、両国は破壊されるでしょう。

http://thesaker.is/the-saker-interviews-paul-craig-roberts/

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/03/23/washington-intend-war-russia-pcr-interviewed-saker/
----------

米軍沖縄上陸から70周年。凄惨な過去の歴史があるのを知りながら、いまだに、沖縄に負担をおしつける人でなし本土政府。

WTCのリース権を、シルバースタインが取得したのは7月末。
WTCが崩壊したのは、それから間もない9/11。 実に不思議なタイミング。

不思議なタイミングは最近も多々ある。

2013年7月12日、元マレーシア首相のマハティール氏、ブログで、TPPを徹底批判した。
2014年3月8日、マレーシア航空のボーイング777型旅客機が行方不明になった。
2014年7月17日、TPP批判から約一年後、マレーシア航空17便がウクライナで撃墜された。

ドイツやフランスが、アジア・インフラ投資銀行参加を表明した。日本も考えるそぶり?
2015年3月25日、ジャーマンウイングス旅客機がフランス南部アルプス山中に墜落。

辺野古基地や、原発推進や、憲法破壊、集団的自衛権という属国から宗主国への傭兵提供、今日の朝刊にあった「安易な解雇」懸念 金銭解決制度、労組反発も 解決金水準も焦点、つまり金を払えば首にできる制度導入をする、日本の支配層こそ、そして彼らの背後の宗主国支配層こそ、中国やロシアや韓国やISより、遥かに恐ろしいと、つくづく思う。

アメリカ経済の空洞化、ウクライナ問題や、「安易な解雇」まで、マルクスとウェーバーの理論によって一気にわかる?本を再読している。

大学生に語る資本主義の200年』的場昭弘著 祥伝社新書

79ページには、何と「マレーシア航空機を落としたのは、誰か」という小見出しがある。

一方、258ページには、「TPP問題の本当の論点」で、TPPに猪突猛進している不思議な属国で、TPP実現のあかつきに、どれほど素晴らしい目にあえるか説明してくださっている。保険制度の問題と教育の問題だ。こういう先生の講義をうけてみたいもの。

このTPPが狙う、保険制度と教育の問題、『街の弁護士日記』でも扱っておられる。

2014年6月20日 (金)
壊れていないモノを直すな  混合診療拡大の帰結

2014年12月23日 (火)
世紀の愚策 世界一うまくいっている日本の教育を壊す大学入試改革に反対する
 

2015年3月 7日 (土)

アメリカのカラー革命支援の歴史を書き換えるケリー国務長官

Wayne MADSEN | 06.03.2015 | 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカのジョン・ケリー国務長官は、過去15年間のアメリカ外交政策に対して盲点がなければ、ジュネーブで、とんでもない大ぼらは言えなかったろう。ケリー国務長官は、ウクライナにおけるアメリカの行動を定義して、“我々[アメリカ合州国]は、複数のカラー革命”に関与していないと述べたのだ。ケリー国務長官の様な立場の人物はもっとよく考えるべきだろう。結局、彼はアメリカ合州国の外交政策最高幹部であるのみならず、2009年から2013年まで、上院外交委員会の委員長をつとめて、セルビア大統領スロボダン・ミロシェビッチを打倒した、2000年10月5日革命から始まるアメリカの“テーマ”あるいは“カラー”革命のそもそもの発端から上院外交委員会のメンバーだったのだ。

ロシア安全保障理事会理事長、ニコライ・パトルーシェフが、アメリカ合州国は、ロシアの反政府集団に資金提供しており、ウクライナを巡る経済制裁を利用して、市民社会の不満を醸成し、ロシアでカラー革命をおこそうとしていると指摘したのは正しい。世界中のカラー革命をアメリカが支援している憂慮すべき実績が、全てを物語っている。

ケリーが、様々な政権の打倒を目指すアメリカの工作を否定していて、なにより腹が立つのは、1987年から、1989年、ニカラグアのサンディニスタ政権を打倒するための秘密の中央情報局(CIA)戦争に関する一連の上院外交委員会聴聞会の委員長をしていたのが彼に他ならないことだ。25年間で、ケリーは、CIAクーデターや不安定化工作に対する過激な反対者から、こうした活動に対する完璧な隠蔽専門家へと変身したのだ。

街頭抗議行動から転じた革命で、2000年に、ミロシェビッチを打倒した後、寸分のすきもない、ジーン・シャープ/CIAマニュアルが作られ、あらゆるNGO抗議行動集団の元祖、OTPOR!の支援をうけて、約20のテーマ革命が矢継ぎ早に続いた。これにはチュニジア、エジプト、リビア、シリアやイエメンでの“アラブの春”テーマ革命が続いた。ソロスと彼のNGOの指紋は、ホンジュラスから、モルジブまでのより小規模の革命の企みでも発見されている。OTPOR工作員は、アメリカ国際開発庁(USAID)や、全米民主主義基金 (NED)のご厚意により、反乱の醸成を支援する為に、こうした国のいくつかに派遣までされていた。

ケリー国務長官は、ワシントンは“複数のカラー革命”に関与していないと言う。彼ら一体なぜ“複数のカラー革命”という表現を使うのだろう?下記のリストで分かるように、複数のカラー革命を、アメリカが何度となく支援してきたからだ。

アメリカ合州国は、グルジアのバラ革命、ウクライナのオレンジ革命、レバノンのスギ革命、パレスチナのオリーブの木革命(これで、ハマースが権力を掌握し、効果的に、パレスチナ独立運動を分裂させた)、キルギスタンのチューリップ革命、イラクのパープル革命(シーア派支配のイランに友好的な政府が権力を掌握し、統一したイラク国家の終焉を告げることになった)、クウェートのブルー革命、ビルマのサフラン革命(軍隊によって壊滅された)、チベットのクリムゾン革命(中国治安部隊に鎮圧された)、そして、失敗に終わったイランのグリーン革命を支援した。モルドバ (ブドウ革命)、モンゴル (部分的に成功したキイロ革命)、ウズベキスタン(綿革命)、バシコルトスタン・ロシア自治共和国(オレンジ革命)、エクアドル (警察革命)、ボリビア (4つの分離主義の天然ガス生産諸州でのガス革命)や、ベラルーシ(デニム革命)等の未遂のテーマ革命もあった。

オレンジ民主運動の指導者、ライラ・オディンガが連立政権で首相になるまでに、数千人が殺害された、ケニヤのオレンジ民主運動反乱も見落とすわけにはゆかない。これらのカラー革命に続いたのが、アメリカとソロスが支援するチュニジアのジャスミン革命、エジプトのロータス(蓮)革命、シリアのツィッター革命や、イエメンでの反乱だ。中東から、革命策略家連中は、モルジブ(キイロ革命)、インドネシア (失敗した“サンダル革命”)や“ベネズエラのナベ・フライパン革命というクーデターの企みにうってでた。ソロスの "キイロ革命" モルジブ政権は、副大統領と警察による反クーデターで打倒された。

民主的に選出されたホンジュラス大統領のマヌエル・セラヤに対して、CIAが画策した2009年のクーデターの後、軍が支援したクーデター政権は、裕福なエリートから支持され、エリート連中は、クーデター政権を支持して街路を行進し、軍が据えつけたロベルト・ミチェレッティ大統領を支持して、「白」を利用した。当時のケリー上院議員は一体なんと言っていただろう。オバマ政権によって遂行されたこのテーマ・クーデターについて、セラヤは民主的に選出されたホンジュラス大統領なので、ケリーは、権力の座に復帰するというセラヤの目標を支持していたのだ。現在、ケリーは、彼も民主的に選出され、違憲な形だ追い出されたにもかかわらず、ウクライナ大統領ヴィクトル・ヤヌコーヴィチがキエフで権力の座に復帰することを支持していない。連邦議会法律図書館が、セラヤ排除は違憲だと結論を出した際、所見を変更するよう要求したのはケリー上院議員だった。確かに、ケリー国務長官は、イェールと、ボストン・カレッジに通学していた間に“偽善者”という言葉の意味を学んだに違いない。

アメリカのテーマ革命支援の歴史は、アラブの春の後も続いている。ヤヌーコビッチ大統領に対する第二次ウクライナ・テーマ革命、いわゆる “ユーロマイダン革命”後、ロシア(“青バケツ革命”) やマケドニアでも、テーマを謳った反乱の企みがあった。

ケリー国務長官はどうやっても、アメリカが資金援助している反乱のテーマ・カラーという特徴を否定しようなどないだろう。2004年に、絶対にソロスとCIAが資金提供した革命である、キエフで初めて見られたオレンジ革命では、大統領選挙勝者ヤヌーコヴィッチが大統領になるのを止めて、親アメリカ派のヴィクトル・ユシチェンコと、腐敗したユリア・ティモシェンコを権力の座につけ、旗とオレンジのバナーを、キエフの中央広場にずらりと並べていた。アメリカのヨーロッパ専門家でパン配給の達人、ビクトリア・ヌーランドが明らかにした様に、最近のウクライナ“ユーロマイダン”革命では、アメリカ納税者に、50億ドルを負担させ、工場から出荷したての赤と黒のウクライナ武装反抗勢力軍(UPA)の旗を、マイダン広場と改名されたキエフの中央広場や、キエフ中にあふれさせたのだ。

NEDやUSAIDが資金提供するリビアとシリアのテーマ革命では、工場から出荷されたばかりの旧政権の旗、リビアのイドリース国王政権と、植民地後、フランス後の“シリア共和国”の旗が、それぞれ、文字通り、一夜にして、ベンガジやトリポリや、アレッポ、ホムスや、ダマスカスの街路に現れた。かつてのリビア王国国王旗が、今や、トリポリと、トブルクの対抗する政権に分裂して機能不全の "リビア共和国"国旗なのだ。シリアの場合、アサド前の旗が、今やサラフィストと連携する自由シリア軍によって使用され、アメリカ合州国、NATOと欧州連合によって、シリア国旗として認められている。

中国とて、アメリカ・カラー革命から免れてはいない。そうした工作に対する中国による防衛は、最初の実験は、チベットで、つい最近では、香港だ。ソロスの娘、アンドレア・ソロス・コロンベルは、トレース財団創設者で理事長であり、夫とともに、ツァドラ財団の共同創設者だ。両方の組織は、亡命チベット政府を直接支援しており、両者の指紋は、2008年チベットでの残虐な反乱にもあった。ソロスのOSIビルマ・プロジェクト/東南アジアも、ビルマでの2007年仏教僧反乱、いわゆるサフラン革命に指紋を残しており、同じテーマが2008年のチベット反乱でも使われた。2011年、アメリカを基地とする中国語ウェブサイトBoxun.comから、ジャスミン革命の呼びかけだなされた。

カラー革命の概念は、アルベルタ州カルガリーで、保守派のイスラム教徒ナヒード・ネンシ、が市長の座につくという、いわゆる“パープル革命”にも現れている。クーデターではないが、ネンシの市長就任は、外国人嫌いの人種差別政党でありながら、偉大な“多文化”の成功としてもてはやされている。ネンシは、キーストンXLパイプラインの支持と、先住民部族領とオタワの関係を支配するファースト・ネーションズ協定への軽蔑の念をあからさまにしている。ネンシと、保守派連中は、ファースト・ネーションズとの協定を廃止し、彼らの炭化水素資源を手にいれようとしているが、これはある種、部族主権に対するクーデターの様なものだ。

2009年以来、ケリーの国務省幹部全員が、オバマ政権のR2P (保護する社会的責任)という旗印の下、カラー革命を支援してきた。ヌーランドや、部下で人権責任者のトーマス・メリアや、ジェフリー・フェルトマン(長国務省で、アラブの春の主要責任者をつとめた後、国連事務総長潘基文の下、政治担当国連事務次)を含む介入主義者の多くは、信用を落としたジョージ・W・ブッシュ政権の留任者か、有名ネオコン連中だ。連中に、更に“ネオリベラル”なR2P設計者連中、特に注目すべき顔ぶれとして、国家安全保障顧問スーザン・ライスや、国連大使サマンサ・パワー等が加わっている。

ジョン・ケリー国務長官は、複数のカラー革命に対するアメリカの支援はなかったと主張している。ケリー国務長官には、ベオグラードでの10月5日革命以来、少なくともそれだけの数の、アメリカ合州国が生み出したか、計画したカラー革命があったことを思い出させる為に、クレオラ社クレヨンの64色セットを送りつけるべきだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/03/06/kerry-re-writes-history-of-us-support-for-color-revolutions.html
---------
例外的な、選ばれた国は、思うがまま、自由に歴史を書き換える権利を持っている。
属国が書き換えようとすると、間髪をいれずに文句を言う。文句だけですまないだろう。

ミシェル・チョスドフスキー教授の記事を以前訳してある。

他のカラー革命や、クーデターと比較して、ホンジュラスでの暴挙、セラヤ追放のクーデター、日本の大本営広報部は全くと言って良いほど報じなかった。仕方がないので、自分でいくつかの記事を訳した。下記はその一例。

上の記事にある様に、米軍基地問題がからんでいたので、日本でも、より穏健な姿で追い出されるようになるのではと想像した。杞憂ではない結果になった。

2015年2月26日 (木)

核戦争の脅威を復活させたワシントン

Paul Craig Roberts

2015年2月24日

「フォーリン・アフェアーズ」は、自らをアメリカ外交政策の守護者、形成者とみなす元、現政府幹部、学者、大企業、金融業幹部等特権階級の外交問題評議会による刊行物だ。外交問題評議会の刊行物は、非常に権威がある。そういう雑誌にユーモアはないものだが、2月5人のオンライン版で、アレクサンドル・J・モチリの『グッドバイ、プーチン:大統領の命脈が限られているのはなぜか』という記事を読みながら爆笑してしまった。

ワシントンの反プーチン・プロパガンダの巧みなパロディーを読んでいるのかと思ってしまった。たわごとに続くたわごと。お笑い番組コルベールよる良いくらいだった。笑いが止まらなかった。

ところが、その全くのざれ言が、ワシントン・プロパガンダのパロディーでなかったのに気づいて当惑した。熱心なウクライナ民族主義者モチリは、ラトガース大教授であり、プーチンが、450億ドルくすね、ソ連帝国を復活させようとしていて、ウクライナに軍隊と戦車を送り込んで、ウクライナで戦争を始め、プーチン政権は“極めて脆弱”な独裁主義で、プーチンに昔、高い石油価格収入で買収された人々や、“モスクワでのオレンジ革命”によるか、ウクライナと同様に、アメリカが資金提供するNGOによるワシントンが画策したデモで打倒されるか、あるいは、プーチンのエリート護衛によるクーデターで、プーチンは、いつでも打倒できると書いているのは冗談ではないのだ。そして、もしこのどれもが、プーチンを葬れなければ、北カフカス、チェチェン、イングーシ共和国、ダゲスタンや、クリミア・タタールが制御不能になり、プーチンを退かせ、ワシントンの意思を実現してくれる。ウクライナ、ベラルーシとカザフスタンと欧米の友好的な関係のみが“プーチンの破滅的な破壊の伝統から世界を”保護してくれるのだ。

尊敬すべき刊行物とされる雑誌で、この低水準の無知なたわごとと出くわすのは、欧米の政治、マスコミ・エリートの劣化を経験させられていることになる。たわごとと論争するのは無意味だ。

ここで、モチリに見られるものは、軍安保複合体の世話になっている、フォックス“ニューズ”や、シーン・ハニティー、ネオコン戦争商売人、ホワイト・ハウスや、行政府や、議員の面々からの絶えず流れだすいつもの見え透いたウソ・プロパガンダの純粋な表現だ。

ヘンリー・キッシンジャーにとってさえ絶えがたいほどのウソだ。

益々激化する反ロシア・プロパガンダを実証している、スティーブン・レンドマンは、率直に述べている。“アメリカの対世界戦争が猛威を振るっている。人類にとって最大の課題は、この怪物が全員を破壊する前に、止めることだ。”

何と馬鹿馬鹿しいことだろう! もしロシアが戦車と軍隊をウクライナに入れることになれば、ロシアは十分な量を送り込むだろうことは愚か者すら知っている。戦争は数時間ではないにせよ、数日間で終わる。プーチン自身が何カ月か前に言った通り、もしロシア軍がウクライナに入れば、ニュースは、ドネツクやマウリポリの話題でなく、キエフやリビウ陥落になろう。

2月11日、ナショナル・プレス・クラブでの講演で、元駐ソ連アメリカ大使(1987-91)のジャック・マトロックは、ロシアに対する気が触れたようなプロパガンダ攻撃に対し警告している。マトロックは、ロシアを、強力なアメリカ軍にとって、ほとんど重要ではない単なる“地域大国”としてかたづけることに驚嘆している。様々な、精確で、可動型のICBMを保有する国が地域大国とされることなどないとマトロックは言う。これは、世界の破壊を招く、ある種の思い上がった誤算だ。

マトロックはまた、ウクライナ全体が、クリミア同様、何世紀も、ロシアの一部であり、ワシントンもNATOも、ウクライナに出る幕はないと述べている。

彼はNATOを東に拡張しないというロシアに対する約束違反も指摘しており、あれやこれやのアメリカによる対ロシア攻勢行為が、二大列強に、レーガンが見事に克服した信頼の欠如を再現させたのだ。

ソ連指導部に対するレーガンの礼儀正しさや、協力の時代に生み出された、差異を擬人化するようなことをしない習慣を、レーガン後継者の阿呆どもが投げ捨て、レーガンとゴルバチョフが終わらせた核戦争の脅威を再開したのだ。

マトロックは、ワシントン外交政策は、社会的相互関係の障害、コミュニケーション不善と、限定された反復行動として提起される自閉症的なものだと述べている。

マトロックを読むにはこちら。http://www.larouchepub.com/eiw/public/2015/2015_1-9/2015-08/pdf/10-14_4208.pdf

全くの阿呆モチリに時間を費やすにはおよばないが。http://www.foreignaffairs.com/articles/142840/alexander-j-motyl/goodbye-putin

----------

これは皆様のウェブサイトだ。皆様に支持を頂ける限りは継続する。

寄付のためのページ

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/02/24/washington-resurrected-threat-nuclear-war-paul-craig-roberts/

----------

数日前だったか、キオスクで勇ましい見出しを見た。この国でも政府を正面から批判できるのだと驚いた。

【痛快!テキサス親父】成熟した民主主義国ではない…ケント・ギルバート氏と対談で意気投合

よく見ると、主語が「韓国は」だった。それで言いたい放題可能なのだ。購入しなかった。

一流外交評論誌も、「宗主国口論」、「無芸夏冬」レベルに劣化?

日本の外交政策は、社会的相互関係の障害、コミュニケーション不善と、限定された反復行動として提起される自閉症的なものだと述べている、人がいても不思議はないだろう。

下手な細工をした宣言より、例えば、「ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1」を各国首脳に各国語に翻訳してさしあげた方がよほどよいように思える。

国際交流基金の資金援助で、アラビア語版「はだしのゲン」が2000部、刊行されたという。極力多くの言語に翻訳し、各国図書館に寄贈すればよい。首相外交より効果てきめん。

中東の平和を願って 『はだしのゲン』アラビア語版が出版

有識者とされている方々には、理不尽なイラク参戦を無条件に「よいしょ」した皆様が多い。反省し、家にこもるべき人々が最前線で指揮をするのでは危なくてやっていられない。「ゴーマニズム宣言SPECIAL 新戦争論1」で、そうした人々見事にやり玉にあがっている。

「ゆゆしき者」

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

お勧め

  • IWJ
    岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

ブックマーク

無料ブログはココログ