[PR]

 外務省は10日未明、世界記憶遺産に「南京大虐殺の記録」が登録されたことに対し、「中国の一方的な主張に基づき申請されたもので、完全性や真正性に問題があることは明らか。登録されたことは、中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾」とする外務報道官談話を発表。「政治利用されることがないよう制度改革を求めていく」としている。

     ◇

 中国の国営新華社通信は10日、「南京大虐殺の記録」が世界記憶遺産に登録されたことを伝え、申請した資料は「疑う余地のない権威と真実性を備えている」とした。

 新華社によると、中国が申請した記録には、日本人を戦犯として裁いた南京軍事法廷の判決書や、生存者の証言、米国の牧師が撮影したフィルムなどが含まれている。南京軍事法廷の判決書には、南京事件の犠牲者は30万人以上と書かれている。

 新華社は、江蘇省南京にある「南京大虐殺記念館」の朱成山館長の「公正な結論だ。南京大虐殺の歴史をよりよく保護するのに役立つ」との談話も伝えた。(上海=金順姫)