マロン&スクイレルの偽穴部分に、何の前触れもなく、抜けた陰毛が刺さることがあるの。
深く刺さるととても痛むわ……そうね、咄嗟に「なんじゃこれ針金!?」と叫びそうになる、といえば理解できるかしら?
最悪なのは、今日みたいに外出先でジーンズを履いている日に刺さることね。
一歩踏み出すたびにマロンがこう叫ぶわ。「俺は棘を取り戻すんだ、お前はその犠牲になるんだ」ってね。
ジーンズの股間部分の布が加担して、偽穴に陰毛をグイグイ押し込んでくる。
姿勢や足の位置を微妙に調節してみても無駄。かえって悪化したわ。
ベンチに座って尻肉をモソモソ擦り合わせてみることもあるけど、効果はなかった。
密着感のある厚い布の強烈なプッシュに、偽穴はなす術もない……。
神はいないと思ったわ。世界は陰毛に支配された、そんな気持ちよ……。
え?公衆トイレに行けって?悪いけど、そんな恵まれた地方に住んでいないの。
こうなるともう闘いよ。そう、陰毛との。
それから、股間なんてない、股間なんてない、そう唱えるの。
股を開いた。見えたわ、戦場が……。
偽穴から少しだけ顔を出した陰毛。こうなればもうこっちのものよ。
私は容赦なくそのサタンの尻尾を摘んで、引っ張り出してやったわ。
そのうち2センチ余りが邪悪なマロンに力を与え、愛しいスクイレルを蹂躙していたのね。
気分いいわね。一番いいワインを開けようかしら。
いいえ、その前にすることがある。