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「シベリア抑留」なども記憶遺産に 日本が申請
10月10日 2時54分

「シベリア抑留」なども記憶遺産に 日本が申請
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世界各地に伝わる古文書などを保護するユネスコの「記憶遺産」に、京都府舞鶴市のいわゆるシベリア抑留などに関する資料と、京都の東寺に伝わっていた国宝の古文書が登録されることが決まりました。
「記憶遺産」は、世界各地に伝わる重要な古文書や貴重な映像などを人類の財産として保護しようとユネスコが登録するもので、その登録を決めるユネスコの国際諮問委員会が今月4日からアラブ首長国連邦のアブダビで開かれました。
その結果、日本が申請していた京都府舞鶴市のいわゆるシベリア抑留や、戦後、旧満州などから引き揚げた人たちに関する資料と、京都の東寺に伝わっていた、国宝の「東寺百合文書」が登録されることが決まりました。
このうち、いわゆるシベリア抑留などに関する資料は、旧ソビエト軍に連行されシベリアなどに抑留された人や、戦後、旧満州などから引き揚げた人、合わせておよそ66万人が京都府舞鶴市の舞鶴港に到着する船で帰国を果たしたことから舞鶴市が記念館を設けて保管しているものです。抑留中の体験を書き残した日記やスケッチのほか、帰還を待つ家族の手紙や引き揚げ船の乗船名簿など570点に上ります。
また、「東寺百合文書」は1000年以上前のおよそ2万5000通に及ぶ古文書で中世の日本各地の文化や暮らしなどを伝える貴重な資料として知られています。日本ではこれまでに、江戸時代に『慶長遣欧使節』がヨーロッパから持ち帰った関係資料などが「記憶遺産」に登録されていて、今回で合わせて5件になります。

「平和の願い世界に届くよう取り組む」

京都府舞鶴市が運営し、いわゆるシベリア抑留や引き揚げに関する資料を所蔵している舞鶴引揚記念館には、登録に向けた活動を支援してきた市民など60人余りが集まりました。午前2時すぎにユネスコのホームページで記憶遺産の登録決定を確認すると大きな歓声が上がり記念館のロビーでくす玉を割って、喜びを分かち合っていました。
記者会見した舞鶴市の多々見良三市長は「貴重な資料を寄贈していただいた抑留や引き揚げの体験者の皆さんによい報告ができて感無量です。平和への願いを世界へ、未来へと届けられるよう取り組んでいきます」と述べました。

「資料価値さらに評価された」

「東寺百合文書」を所蔵している、京都市にある京都府立総合資料館の金谷浩志館長は、「記憶遺産への登録決定で資料的な価値がさらに評価されたと受け止めています。国際的な注目を集めるので、ウェブサイトの充実や展覧会、講演会の開催などの取り組みを進めていきたいと考えています」とコメントしています。

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