【巨人】CS突破へ暗雲 練習なのにバント成功率50%
2015年10月9日6時0分 スポーツ報知
巨人は8日、東京Dでの全体練習で試合状況を想定した実戦形式のバント練習を行った。クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S=東京D)初戦、阪神先発は藤浪が濃厚。1点勝負のロースコアが予想され、バントの重要性は極めて高くなる。しかし、この日の練習ではミスが多発。CS突破へ暗雲が垂れ込めている。
打球を殺せない。フェアゾーンに転がせない。1軍練習に参加した育成の3投手を相手に、阿部を含めた各打者がバントを試みたが、ミスを量産した。もちろん、初球や2球目の失敗後、3ストライク以内に決めた打者もいたが、全48回のバントのうち、成功とみられるのは、わずか24回だった。
原監督が「先取点であったりね。野球の定石という部分は、非常に重要になってくる」と指摘するように、1プレーが試合の流れだけでなく、勝敗まで左右するのが短期決戦だ。今季、チームトップの36犠打をマークした片岡も「(バントするには)どんな球でも、というより、当てられる球。1球で決めた方が流れを作れる」と、初球で決めることの意味を強調する。“成功率”が50%では、攻撃のリズムを作るのは困難だろう。
今季、チームのバント成功率はリーグワーストの7割3厘。バントミスから攻撃が途絶えて落とした試合もあった。シーズン終了後、6日からの全体練習でナインは連日特訓してきたが、成果が出ているとはとても言えない。しかも、今度は緊張感の増すポストシーズンという舞台だ。533犠打の世界記録を持つ川相ヘッドは「試合で成功すればいいんじゃないですか」と自信ありげだったが、名人のその言葉だけが頼りだ。(尾形 圭亮)