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オオカミを放った国立公園で、20年後に「すごいこと」が起こった

アメリカのアイダホ・モンタナ・ワイオミングの3州にまたがる世界最古の国立公園「イエローストーン国立公園」は、世界でも有数の生態系が維持されている場として保護されている。

以下の動画では、公園内の生態系に生物の多様性を取り戻した意外な方法が紹介されている。オオカミだ。一度絶滅が確認されていたが、その影響か自然環境にも大きな変化が及んでいたようだ。

オオカミが生態系を取り戻した

元々イエローストーン国立公園内にはオオカミが生息していた。が、1926年を境に公園内からその姿が消えた。すると、オオカミが補食していたワピチというアメリカアカシカが激増した。

増えた鹿たちは公園内の草木を食べつくしてしまい、生態系バランスは崩れた。人間は、元ある自然を取り戻すための策としてオオカミの群れを公園内へと放つことにした。

動植物が増え
川の姿まで変わった

wolves-change-rivers1995年、公園内にオオカミが再導入されると、鹿の個体数が安定し始めた。しかも、その影響は動物だけに留まらなかった。

追われる存在となった鹿たちは、行動パターンを変えた。すると、自然環境にも変化が訪れた。草木が鹿たちに食べられることなく成長できるようになり、結果として森が生まれた。

森には鳥類が住むようになり、木が増えたことにより川にビーバーが住むようになった。ビーバーが川を整備すると、魚や両生動物など多くの動物が住むようになった。

草木が増え、土壌浸食は抑制された。川が蛇行しなくなり、緩やかに流れるようになった。その影響で川には野生動物が好む浅瀬がたくさん形成され、生息しやすい環境が整った。

そうしてオオカミを放ってから約20年が経ち、イエローストーン国立公園の自然環境や生態系は多様性を取り戻していった。

オオカミの絶滅は
人間のせい?

wolves-change-rivers2補食者と被捕食者の関係が段階的に生態系へと影響を与えることを「栄養カスケード(Trophic Cascade)」と呼ぶ。オオカミはイエローストーン国立公園の頂点捕食者だった。

公園内の狼が絶滅した理由は人間による駆除が原因とも言われている。が、家畜への影響や人間への直接的な接触が理由にあるため、再導入には反対の声も多い。

Reference:Sustainable Human

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