10月8日午前から始まったCG児童ポルノ裁判の第7回公判。弁護団からは、被告人に対し供述調書の信憑性を問う質問が相次いでなされ、捜査当局が、被告の反論を無視する形で調書を「創作」していた可能性が明らかになってきた。
■第5回公判 詳報
http://otapol.jp/2015/10/post-4201.html
■第6回公判 詳報
http://otapol.jp/2015/10/post-4221.html
この日の公判では、昨日から引き続き山口貴士弁護士による捜査当局が素材とする画像とCGの関連性を問うた。それに引き続き、質問に立った壇俊光弁護士は、供述調書の内容について質問。この中で、被告人は「取調中に作成過程を説明しても“よくわからない”と言われた」「写真集に記載されている素材だとする被写体の少女の年齢を書かされた」「抵抗しているといつまでも出られないと言われた」などと述べ、供述調書の内容をほぼ否定した。質問では、昨日のメロンブックス元社員の証言にも触れられ被告は「昨日の証人は、メロンブックスが私に“児童ポルノではないか”とメールを送り私が返信したと話していたが、そのような事実はない」と述べた。
こうした過程から見えてくるのは、警察当局がCGの制作過程を理解する意志もなく、最初から「トレースしたに違いない」という予断のままに都合よく供述調書を「創作」したのではないかという疑惑だ。ともすれば、昨日のメロンブックス元社員は「あなたも共犯者になる恐れがある」などの言葉によって検察側の証人となっている可能性すら想像できる。
裁判は、いよいよ一つの山場を迎えてきたようだ。
【CG児童ポルノ裁判・第7回公判 詳報】
※録音・録画禁止のため、取材時のメモ書きなどをもとに作成しております。一部不明確な箇所がある場合がございます。ご了承ください。
<この日も午前9時30分から傍聴券配布。15分ほど前に到着。ビラを撒く中核派やら公安警察やらで騒がしい門前を抜けて整理券配布場所に行ってみると、誰もおらず。時間ギリギリになり18人ほどが集まる>
<午前10時開廷。昨日に引き続き山口弁護士から『聖少女伝説2』について「少女に見えるか」「このレイヤーはなんに利用したのか」などの質問が、画像一枚ごとに繰り返される。なにかを期待していたような傍聴マニアと思しき人は、次々と退出。残った傍聴者も睡魔と戦い敗れている人が……>
<午前11時5分。壇弁護士に交代。供述調書に対しての被告人に対する質問が始まる。供述調書は複数存在し、似たような記載もあるため同じような質問と回答も続く。そのため、ここではある程度整理して記す>
壇「あなたは自身の作品をメロンブックスのダウンロード販売サイトに登録しましたね」
被告「はい」
壇「描いたものを、そのまま販売しようとしたのですか」
被告「いいえ」
壇「どうしました」
被告「陰部にモザイクをかけました」