アフィリエイト収入はマイナンバーで会社や税務署にバレますか?
「マイナンバー制度がはじまるとアフィリエイト収入がバレるって聞いたけど、本当なの?」
マイナンバーで副業の収入が丸裸になると、雑誌などでは特集が組まれることもありますが、実際には、雑誌を買ってもらうために、わざと「あおった」タイトルをつけているものがほとんどです。
また、ネット上ではアフィリエイト収入がマイナンバーでバレるという情報もありますが、この記事で説明するように、ほとんどの場合、マイナンバーでバレやすくなることはありません。
まず、アフィリエイト収入が「バレる」と言ったとき、バレる相手は2つあります。
1つは会社などの勤め先(副業の場合)、もう1つは税務署です。
この記事の目次
マイナンバーで「会社」にバレるの?
副業をしている方の場合、気になるところですね。
これは誤解が多いのですが、会社はマイナンバーで勝手にあなたの情報を見ることはできません。
マイナンバーのせいで会社に副業がバレる、ということはまず考えられないわけですね。
しかし、マイナンバーがなくても、「個人住民税」で会社にバレることはあります。
このことについては、次の記事に書いていますので、気になる方はどうぞ。
関連記事
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マイナンバーで「税務署」にバレるの?
マイナンバーがなくても税務署にはバレる
税務署については、今でも税務署がASPに調査(反面調査)をすれば、アフィリエイト収入は分かります。
不特定多数のお客さんから現金で売上を受け取るラーメン屋と違って、アフィリエイトは必ず特定のASPを通じて銀行口座に報酬が振り込まれるので、そのASPをつっつけば、隠しようがありません。
外部記事|税理士ドットコム
ネットで手軽に稼げる「アフィリエイト」で申告漏れ――なぜ税務署にバレてしまうのか
「副業のアフィリエイトで年間200~250万円を稼いでいた東京都内の50代の男性宅に突然、税務調査が入った」例も、ASP経由のようです。
たとえば、アフィリエイトを配信しているアフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)に税務調査が入れば、どのアフィリエイターに、いくらを支払っているのかという情報を取得して帰ります。またASPからの支払いは必ず振込ですので、複数年さかのぼって確認されると考えたほうがいいでしょう。
したがって、マイナンバーがあろうがなかろうが、「ASP」を税務署がつっつけばバレるのです。
支払調書をASPが出していると税務署は楽ができる
さて、そもそもマイナンバーが導入されると、何が起こるのでしょうか?
影響を受けるのは、「支払調書」と呼ばれる書類です。
この支払調書は、税務署に対して「うちの会社(=ASP)はXさんに〇〇万円支払いましたよ」という証明となります。
そうすると、税務署は、「Xさん」は「○○万円の収入」がある、という情報を得ることができます。
わざわざASPに調査に行かなくても、ASPが教えてくれるわけですから、税務署としてはありがたいわけですね。
この支払調書の中に、マイナンバーを書く箇所が平成28年からできます。
支払調書にマイナンバーが書いてあると税務署はもっと楽ができる
例えばその人が、本業で「給与」をもらっていて、さらに副業で「別の収入」を得ていたら、マイナンバー1つでその2つの情報がひもづけられます。
副業の「別の収入」も含めて確定申告をしていないことが、マイナンバーで簡単にバレるようになるわけです。
マイナンバー導入前
ASPから税務署に対して支払調書が提出される
↓
支払調書をもとにちゃんと確定申告をしているか手作業で探す
↓
バレる
マイナンバー導入後
ASPから税務署に対して支払調書が提出される
↓
支払調書のマイナンバーをもとにちゃんと確定申告をしているか機械的に探す
↓
速攻でバレる
・・・とのことように、明らかに、税務署としては楽になります。
実際は、ほとんどのASPは支払調書を出さない!
しかし、支払調書を出さないASPの方がほとんどなので、こんなことは起こりません。
支払調書を出さないASP
A8netの場合
日本最大級のASPであるA8netでは、次のようにハッキリと、出さない、と書いています。
アフィリエイトで得た成果報酬については源泉徴収の義務がございませんので、弊社から税務署への申告は行っておりません。
必要な場合は、AS会員様ご自身で申請を行って頂くことになります。
また、法令に基づき税務署から情報提出の要求があった場合は、正式書面入手の上、先方指定の情報を提出する場合があります。
出典:アフィリエイトで得た成果報酬については税務署に申告されますか?また、される場合個人情報の提示が行われますか?
他のASPも同じような対応をしているので、源泉徴収もなければ支払調書もなく、ASPから税務署にあなたの収入の情報がいくことは、まずないわけです。
その結果、マイナンバー導入前後は、こうなります。
マイナンバー導入前
税務署がASPを調査して高額な収入を得ている人をピックアップする
↓
その情報をもとに確定申告していない人を手作業で探す
↓
バレる
マイナンバー導入後
税務署がASPを調査して高額な収入を得ている人をピックアップする
↓
その情報をもとに確定申告していない人を手作業で探す(マイナンバーは使えない)
↓
バレる
支払調書がなければ、マイナンバーは意味がない
いかがでしょうか?
「支払調書」というものが存在しないと、実は、マイナンバーというのは全く意味がないのです。
したがって、マイナンバーが導入されても、やることは導入前と同じです。
手作業で見つけるわけですから、効率的にやるためには、高い収入をもらっているのにちゃんと確定申告をしていない人を優先的に狙うことになります。
支払調書を出すASP
さて、ASPの中には、支払調書を税務署に提出するところもあります。
DMMアフィリエイト
DMMアフィリエイトでは、「外交員等に支払う報酬・料金」に準拠し成果報酬に対する源泉徴収をしております。
個人の方で、月間の報酬金額が12万円以上の方が対象となります。
振込口座登録情報にある口座名義(個人口座・法人口座)のご確認をお願いいたします。例:月間の報酬金額が20万円の場合
(20万円 - 12万円) × 10% = 8千円
源泉徴収される金額は8千円となります。
その根拠としては、「外交員等に支払う報酬・料金」という区分にアフィリエイトは該当するため、とありますが、とっても無理矢理で、他のASPに比べると保守的な考え方と言えます。
アフィリエイター=外交員等??
外交員って言えば、「生命保険の外交員」が主な対象者だったりしますが、アフィリエイターは・・・違うんじゃないかなあ。
ちなみに、「外交員等」とは、「外交員、集金人又は電力量計の検針人」です。
う~ん。
そもそもこの源泉徴収の仕組み自体は、「昭和」から全然変わっていません。
大体、アフィリエイトを含めたネットビジネスに無理矢理当てはめること自体がおかしくて、本来は、ちゃんと税制度を今の時代に合ったものに改めるべきなのです。
(まあ、改めないことによって一部の人にとっては収入がバレていないわけですが)
A8netなど、他のASPが源泉徴収をしていないのも、うなづけます。
アフィリエイトはFXの二の舞になる可能性はアリ
というわけで、マイナンバーがあってもなくても、ほとんどのASPからの収入は支払調書がないので、影響なし、というのが今回の結論です。
でも、ASPに直接税務署が調査してバレたり、個人住民税とかで会社にバレるのは、マイナンバーに関係なく、起こりうることですので、確定申告の方法を工夫しましょうね。
ただ、今は関係ないのですが、支払調書が途中から義務づけられたものとして、「FX取引」があります。
専業主婦が何億円もの利益を出したのに、確定申告をちゃんとしていなくて脱税して、大問題になったことなどをきっかけにして、「支払調書」が導入されました。
当時は「くりっく365」だけ、支払調書を税務署に出していたので、いわゆる「店頭取引」のFXの申告漏れがあまりに多かったため、平成21年からすべてのFX取引について、支払調書の提出が義務づけられました。
アフィリエイトも、年々、アフィリエイター自身の売上が増えています。
今や月7桁は珍しくなく、月8桁という人(あるいは会社)も増えています。
FXに比べると、納税意識が高く、確定申告をちゃんとやっているのかな、と思いますが、
外部記事|ネタフル
ブログの広告で8,300万円を得た主婦に3,600万円の追徴課税 → きちんと確定申告しましょう、というお話。
「自身のブログに衣料品や化粧品などの広告を掲載し、約8300万円を得ていた」けど、ちゃんと確定申告してなかったとか、こういう話が増えてくると、支払調書の必要性が出てくるでしょう。
基本的には、「確定申告をしていな人」は税務署にとってはかっこうの「カモ」なので、アフィリエイトにも支払調書導入、なんて時代がそう遠くない未来に来るかもしれません。
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