人間が嫌いだ
学生時代はそうではなかった。多少の人見知りはあっても、必要であればコミュニケーションを取るのは吝かではなかったし
友達もコミュニティーの中で10人位はいた。中、高、大とそれぞれ切り分けて付き合いをしてきたので、過去の友人は今は全く疎遠になっているが。
入社して、現場について三日目に、「なんでやってないんだよ」とキレられた。
特殊な現場ではあった。基本的に二人体制で、俺の先輩は俺が入社してすぐにバックレた。つまり、俺は何も知らないまま現場に一人投げ出されたのだ。
その後、プロジェクトが終わる半年後まで誰も補充されないまま、俺は上司に怒鳴られ続けた。
何も教えられていないのだ。何をすればいいかさえわからない。
先程も言ったが特殊な現場だ。資料をエクセルでまとめといて、とかこれを参考にデータを打ち込んでおいて、とかそういうことは一切ない。
そういう状態で、散々怒鳴られ続けて完全に切れた。
就業時間にまともに仕事をせずに、定時後にようやく動き出すような会社があった。
これも特殊な環境ではあった。時間外労働がどいつもこいつも100時間を楽に超えるような奴らばかりで
なんでこんなに効率の悪い仕事をしているのか不思議でなかった。
常時雑談をしているので社員の管理もできていなかった。俺はすぐに手持ち無沙汰になり、何度も声をかけることになった。
全体の仕事はたくさんあるのに効率よく回そうとせず、結果全体の就業時間が伸びていることに腹がたった。終電で帰ることすらままならなかった。
その上、定期的な飲み会を強制的に開き、クラブを借り切って何時間も騒いだり、社員の誕生日を祝うために手を止めさせてケーキを渡し、歌を歌い、コメントを取るだの
子供の遊びのような会社運営をしていた。仕事のボトルネックになっていた上司が、俺に対して効率が悪いよと言った時に俺は切れた。
俺が効率よく回せないのは、お前が情報を下ろさずにふらふらしてたせいだろうが。何度俺が声をかけたと思ってるんだ。
なんで時間が決まっているのに、早いうちに準備を終わらせずに、締め切り一時間前に急かすんだ。チェックをする事すら馬鹿にされるような意識で速度重視とはよく言ったものだ。アホだと思った。
会社とはそういうものだと、社会とはそういうものだと理解するようになった。
社員になると、なんの条件もなく依存対象になるのだ。何も知らされず、まともな受け入れもなく勝手に依存され
依存されたくない。依存されたくない。そんな事を考えていたら、満員電車の中で司会が不明瞭になり、しゃがみこんでいた。
そんな考えじゃ社会で通用しないぞと耳にすることがある。
いや、違う。この依存体質を受け入れてくれなければ、今の社会は通用しなくなってしまうのだ。
醜い。人間が嫌いになった。
キサマよくそんな中で労働してきたなひょっとすると超人なんじゃ・・・・