水と裸足が印象的な、二人の少女の物語です。
鈴木敏夫「マロ(米林監督)は女の子を描くのがとても得意なんですよね。マーニーの特徴は2人のヒロインがいること。ということでハッときて原作を薦めたんですよ。女の子が2人も出るんだぞー! この2人の女の子がすごくかわいいんだぞー! と説得した記憶があります」
ジブリ初のダブルヒロインに会いたい 「思い出のマーニー」の世界をセットで再現する種田陽平展 - ねとらぼ
米林監督はこのチャンスに対し、「”高畑、宮崎のいないジブリはこんなものしか作れないのか”とは言わせない」と意気込み、脚本・絵コンテに18ヵ月を費やして、映画制作を開始しました(パンフレットより)。
ダブルヒロインというジブリとしては珍しい作品。
注目すると、より楽しめるポイント5つをご紹介。
1・杏奈をいじめている人っているの?
序盤、杏奈は表情一つ変えない少女として描かれます。
起伏がない、という意味の「普通」の表情。
前半ひねくれているので、いじめられていたのかと思いきや。
クラスメイトは家を訪れてくれるし、杏奈を引き取った「おばちゃん」こと頼子は、大切にかわいがってくれている。
彼女が療養にいった大岩家は、まったく彼女を叱らない。彼女がやりすぎちゃっても、怒らない。
目立つのは、委員長のぽっちゃりした信子。
確かにズケズケと杏奈の心に踏み入る彼女は、ちょっと鬱陶しい。
しかし彼女の行動は、来たばっかりで友達のいない杏奈を思いやっての行動。
原作で信子にあたるのは「サンドラ」という少女。こちらは、煽るように彼女を挑発するなど、露骨にいじめている。映画では大きく性格が変えられたキャラです。
杏奈、めちゃくちゃ周りに愛されています。
彼女がそこに気付くまでの映画です。
「この映画を観てくれた人が、自分は誰かから愛されていたということを思い出してもらえたら、作り手として、とてもうれしく思います」(パンフレットより)
2・手とハグの演技へのこだわり
マーニーと杏奈、ハグと手つなぎのシーンが、本当に多い。
上から覆いかぶさるように抱きしめる。手を上からかぶせて握りしめる。
それぞれ丁寧に、アップで描かれます。
まず最初のマーニーとの出会い。「私たちのことは秘密よ、永久に」とマーニーが手を差し伸べてきたとき、手を上に乗せて握りしめるのは杏奈。
杏奈がぎこちなくボートの練習をするシーン。杏奈の上に覆いかぶさるのはマーニー。…