2015年10月9日11時36分
広島市中心部の2階建て雑居ビルで8日夜に起きた火災。重体だった男性1人が亡くなり、9日に入って新たに男女2人の遺体が見つかった。発生から一夜明けた同日朝も、現場付近は騒然とした雰囲気に包まれていた。
「従業員の女の子が2階から下りてきて、火事だと大声で叫んだ。そのあと、階段から2人が転げ落ちてきた」。雑居ビルの1、2階にあるメイドカフェ「黒猫メイド魔法カフェ」の1階部分にいた30代後半の男性客は取材にこう話した。
男性が外に出ると、雑居ビル内は煙がもうもうと立ちこめていた。「大丈夫だよ、大丈夫だよ」。出火直後、外で泣きじゃくる女の子に声をかける従業員の女性もいたという。
一夜明けた9日午前7時ごろには、メイドカフェに来店したことがあるという派遣社員の男性(22)=広島県東広島市=が現場近くを訪れた。昨年11月から店に通い始め、SNSで火災を知り、駆け付けた。「仲良くしてくれたメイドさんたちにこんなことが起こるなんて……」
黒猫メイド魔法カフェでは女性従業員がメイドの格好をして接客をしていたとみられ、ホームページによると広島市や大阪市、東京都内に店がある。火災が起きた雑居ビルの店の「基本営業時間」は平日午後6時~午前1時。から揚げ、たこ焼き、ピザといった食べ物や酒のメニューが並び、「広島初の東京アキバ風キッチンスタイルの急接近な萌(も)えカフェです」「喫茶店として! ショットバーとして! いつでも気軽に可愛いメイドさんに逢(あ)いに来てくださいね」などとうたっている。
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朝日新聞社会部
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