日本とドイツの中国に対する感覚の温度差
ここ数年の中国とドイツの関係は、はたから見ていても不自然なほど濃密なものだった。
「中国はドイツにとってアジアで一番重要なパートナー」とメルケル首相。毎年、両首脳が大型の経済使節団を従えて、互いの国を訪問し合っていた。今年3月、メルケル氏が、洞爺湖サミット以来7年ぶりに東京を訪れたことと比較すれば、その親しさは半端ではない。
最近の中国がらみの報道で印象に残っているのは、5月の、「ドイツ鉄道は近い将来、高速鉄道の車輌を中国から輸入するつもりだ」というもの。記事の横に、中国の工場で製作中の「和諧号」の大きな写真が出ていた。
中国製品の品質管理の問題をしょっちゅう聞かされている日本国民にすれば、かなりのビックリニュースだ。高速鉄道はハイテクの塊なのに、大丈夫なのか?
ところが、ドイツ鉄道はそんな心配などどこ吹く風で、"made in China"と"粗悪品"が同意語だった時代は過ぎ去ったと豪語。その後、この話がどうなったのかは知らないが、ドイツでニュースを見ていると、日本とドイツの中国に対する感覚の温度差に驚くことは多い。
そういえば、2011年の夏の、死者43人を出した脱線事故も、ドイツではたいして取り上げられることもなかった。
6月にドイツで先進国サミットが開かれた時には、ニュースのアナウンサーが、「アジアの代表は日本ではなく中国であるべきではないか?」と言ってのけたので、私はショックを受けた。
日本は中国に、未だに年間300億円のODA(政府開発援助)を支払っている。ODAをもらっている国が、出している国を差し置いて、先進国会議の代表となるのはおかしいだろう。ドイツのテレビ局は何を考えているのか?
AIIB(アジアインフラ投資銀行)に関する報道も、かなり食い違った。日本では、AIIBの不透明性や中国の覇権拡張に対する懸念から、参加しないほうが賢明だという慎重論が勝ったが、ドイツではそんな懸念は報道されなかった。
それどころか、アメリカが参加しないことについて、「中国は西側社会の分断に成功した」とか、「アメリカと、アメリカに忠実な日本が、将来、世界で孤立するだろう」と書いた。EU議会の議長(ドイツ人)も、「もっと多くの国がAIIBに参加することを望む」と言っていたが、今、AIIBは暗礁に乗り上げたのか、続報はない。
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