最後これね。
(二宮)
二宮です
そして…
その背後には狡猾な人間が潜んでいる
それは誰かが汗をかかなければ未解決のまま放置されていたに違いない
しかしそれがあなたの思い込みだとしたら?
立場を変えてこそ見える事件の真相とは?
放っておいては解決しない
男は全てを犠牲にする覚悟で巨大な権力に闘いを挑んだ
(たけし)今夜の『アンビリバボー』はともすれば埋もれてしまっていたかもしれない3つの事件の顛末をお送りします。
(たけし)事件を起こすのも人ならばそれを解決するのもまた人でしかあり得ないのです。
その始まりは地方紙の片隅に載った小さな記事だった
45歳の主婦を襲った突然の悲劇
警察はひき逃げ事故として捜査を進めていたのだが…
それは事故を装った完全犯罪
多くの人の目を欺き2年以上も捜査されずにいた事件は闇の中に葬り去られるはずだった
しかし…
それを許さなかったのが一人のベテラン刑事だった
昔かたぎの捜査と…
被害者の無念を晴らすという執念によってやがて完全犯罪と思われた事件はほころびを見せ始めるのである
(男性)いやぁ。
わざわざすまんね。
(白石)そんな。
気を使わんでもいいですよ。
(男性)いやいや。
こんな小さな事件のために…。
(白石)ホントにお気遣いなく。
ところで…。
(男性)はい。
(男性)それがのう。
(白石)2,000円。
はい。
この日町の外れで発生した窃盗事件の捜査に当たっていたのは栃木警察署刑事課の巡査部長白石為雄だった
盗まれたのは現金で2,000円ほど
事件としては実に小さいものだったが白石は自宅にまで出向いてその詳細を確認していた
交番や派出所の警察官ではなく刑事がわざわざ被害者の家まで訪れて事情を聴くことは珍しかった
(男性)そうじゃのう。
昨日の…。
しかしそれが白石のやり方だった
通報があればどこにでも足を運ぶ
大小関係なく…
だからこそ地元民からの信頼も厚く…
時には住民から思いもかけない情報を耳にすることもあったという
(白石)事故?
(男性)ほれ。
(男性)しかも…。
(男性)そんなことは知らねえよ。
2,000円の窃盗事件。
その捜査のはずだった
しかしそれは思いも寄らぬ方向へと発展していくのである
ただの噂話だと一笑に付すことは簡単だった
しかし白石の性格がそうさせなかった
署に戻ると早速交通課に保管されている記録を引っ張り出した
2年前の夜に起きた交通事故
その詳細をあらためて見直すことにしたのだ
栃木市の路上で横浜に住む主婦竹田香苗さんが倒れているのが発見された
所用で栃木市を訪れ事故に遭った彼女は右肋骨が全て折れる重傷で間もなく死亡した
目撃者によれば…
黒色のセダンが現場から猛スピードで走り去っていったという
車のドライバーがスピードの出し過ぎで前方の注意を怠り香苗さんをはねてしまった
そう推察された
警察は目撃者が見たという黒色のセダンを特定すべく栃木県下で該当車両300台以上を調べたが不審な点は見つからなかった
その後もしばらく捜査が行われるもひき逃げ犯につながる証拠は何一つ出てこなかった
さらに1カ月後には別の殺人事件に人員が割かれたためひき逃げ事故捜査は縮小
これ以上深い捜査は行われぬまま2年の歳月が過ぎていた
当時の捜査資料を見るかぎりひき逃げ犯の行方は分からないものの殺人事件と結び付くような不審な点はないように思えた
しかし…
香苗さんの遺体写真を見た白石は…
奇妙な違和感を覚えた
捜査資料によると香苗さんは走ってきた車に後ろからひかれたとなっていたのだが香苗さんの…
また肋骨の骨折以外にも右側の頭部
そこにも深い傷ができていた
そして目立った傷が肋骨の骨折と右側頭部の2カ所のみというのも奇妙だった
通常歩行中にひかれた場合足は曲がりひどい骨折を負うことが多い
しかし…
香苗さんの…
(白石)ちょっと…。
このようなとき刑事には取りあえず疑念を上司にぶつけるタイプとそうでないタイプがいる
白石は後者だった
ならば自分なりに調べて土台を固めてから報告すると決めていた
(刑事)ところでタメさん。
このとき白石は栃木署管内で連続して起きている放火事件の捜査を命じられていた
ひき逃げ事件の捜査は住民の情報提供によるもの
指示されたわけではない
身勝手な行動は組織の統率を乱す恐れもあった
だが…
闇に葬り去られようとしている…
白石は放火事件の捜査の合間を縫ってひとまず秘密裏に捜査を進めることにした
白石が最初に行ったのは…
疑惑の男である香苗さんの夫竹田貞夫の身辺調査だった
といっても取りあえず貞夫の戸籍謄本を取り寄せただけだったのだが
それを見た瞬間白石はすぐに事件のにおいを嗅ぎ取ったという
このとき彼が何に気付いたのか?
あなたには分かるだろうか?
そして白石は以後非番の日を利用しては横浜を訪れた
疑惑の男竹田貞夫が住むこの町で彼の素性を徹底的に調べることにしたのだ
栃木県の農家の長男として生まれた貞夫
学校卒業後は家業の手伝いなどをしていたが高い身長と甘い顔立ちを生かし旅役者を始めるようになった。
だが…
やがて…
そんな貞夫を支えたのは同じ旅役者だった最初の妻だった
だがろくに働かず妻ばかりに頼る生活はすぐにうまくいかなくなり…
その後は愛人の家を転々としていたという
そんな中飲み屋で働いていた女性と知り合う
それが香苗さんだった
やがて2人は…
香苗さんは貞夫を支えるためにそれまでの蓄えから小さな飲み屋を始めた
一方貞夫も飲み屋の売り上げを使って鉄工所を開くことにした
仕事は順調で大型乗用車を乗り回すほど羽振りもよくなったが…
女性に食べさせてもらってばかりいた男が思い付きで始めた商売がそうそううまくいくはずもなく鉄工所は…
香苗さんがひき逃げ事故で亡くなったのはそんな矢先のことだった
四十九日が明けた8月下旬
貞夫は事故の調書作成に協力すべく栃木警察署を訪れてこう語っている
(貞夫)香苗はあの日…。
事故当日。
病気で療養中だった貞夫の父を見舞うため香苗さんは一人栃木にある夫の実家を訪れようとしていたという
(刑事)なるほど。
そして調書作成が終わると…
終始協力的だった貞夫
彼に疑惑の目を向ける者は誰一人としていなかった
しかし2年がたち住民からの情報提供をきっかけに貞夫の素性調査を始めた白石は…
(男性)ああ。
竹田さんね。
何か…。
・
(女性)そうそう。
(女性)うらやましいわよね。
(男性)そうだよな。
ただ一人事故の背景にただならぬ事件のにおいを感じていた
この捜査は自分で勝手に動いているため…
栃木から横浜へ聞き込みに行く電車代もバカにならなかった。
それでも…
卑劣な犯人を野放しにするのだけは許せなかったのだ
独自捜査を始めて数カ月が経過したときのこと
(白石)すいません。
この日白石はある重要な人物の元を訪ねた
・あっ。
どうぞ。
(白石)すいません。
(弟)香苗さんが一人で来たことは一度もないですよ。
当時父親と一緒に住んでいた貞夫の弟によると死んだ香苗さんが一人で夫の実家を訪れたことは一度もなかったという
さらに…
2年前の捜査資料によれば事故に遭った香苗さんの所持品は…
白石にとってこれらの事実も夫貞夫を疑うのに十分なものだった
そこで白石はついに疑惑の本丸貞夫の自宅へと向かった
すると…
たった一人地道な捜査によって小さな事実を集めてきた白石は…
ついに確信したのである
噂話から始まった疑惑の事件が…
白石刑事の執念の捜査によってたどりついた…
戸籍謄本。
住民への聞き込み
亡くなった妻の所持品。
そして赤い車
なぜ彼はこれらの事実から…
この後事件の全貌。
驚くべき真実が明らかとなる
(剛力)今夜の『アンビリバボー』は3時間にわたって日本で実際に起きた実録事件をお送りしたいと思います。
まず最初の事件ですが皆さん。
ここまでご覧いただいていかがですか?
(木村)すごいですね。
どんな細かいことでもそれを流すんでなく気になるところをどんどん広げてってというのがいかに大事かっていうのを。
(木村)ここだけでもすごい教えられてる気持ちです。
(千里子)すぐ上司にぺらぺら言わないってすごい。
ああいうの我慢できないもんね普通は。
(設楽・あき)言っちゃうでしょ?
(千里子)言っちゃう。
すぐ…。
(日村)言いたいよね?
(千里子)言いたいよね?
(日村)言いたい言いたい…。
「分かった分かった」とか。
(設楽)いるんだよ。
すぐ分かったって言うやつ。
分かってねえんだよだいたい。
(剛力)最も気になるところがなぜ白石刑事は殺人事件だと確信したのか?こちらをご覧ください。
先ほどの。
(設楽)戸籍謄本取り寄せたからって。
何か事件のにおいを嗅ぎ取ったって言ってたけど。
戸籍謄本で何があれなんだろうね。
(千里子)籍が入ってなかったとか?奥さん。
(あき)私赤い車って分からないのよ。
(設楽)赤い車が分からない?
(あき)分からない。
(設楽)でも目撃情報では黒い車が猛スピードで走り去った。
(木村)でも赤い車を見て確信した。
ちょっと分かんないです。
(設楽)早いよ。
(千里子)結論が早い。
ひき逃げ事故で非業の死を遂げた竹田香苗さん
しかしベテラン刑事の白石為雄は独自に捜査を断行
ついに殺人事件との確信に至る
早速白石は上司に全てを報告した
(白石)ちょっとよろしいですか?
この後埋もれた事件に隠された衝撃の真相が明らかに
独自捜査の結果事故への疑惑を確信した白石は全てを上司に報告した
白石が見せたのは貞夫の…
彼はこれを見た瞬間にすぐさま事件のにおいを感じ取っていた
(白石)香苗さんが亡くなったのは1970年の6月26日です。
しかし夫である貞夫はそれからわずか5カ月後の11月30日に再婚してるんですよ。
しかも新しい妻の年齢は25歳。
だとしても…。
(男性)ああ。
竹田さんね。
何か…。
・
(女性)そうそう。
鉄工所の仕事に失敗したはずの貞夫だったが香苗さんの死後再び羽振りのよい生活を送っていた
そこで白石は…
すると…
(白石)香苗さんには計1,200万円余りの生命保険が掛けられていたんです。
もちろん受取人は夫である貞夫です。
それに…。
それは香苗さんが亡くなったときに持っていた…
(白石)貞夫によれば…。
(白石)なのに…。
(刑事)それがどうかしたか?
(白石)いや。
よく考えると…。
(刑事)えっ?確かにな。
おそらく…。
事故当時香苗さんがひき逃げされた現場から黒のセダンが猛スピードで走り去っていくのが目撃されていた
(白石)実は…。
そこで白石はすぐに貞夫の車を押さえ何か殺人につながる証拠を見つけだそうとしたのだが
(刑事)確かに…。
(刑事)でもこのままじゃ…。
分かってます。
(刑事)ああ。
一つの事件に専念する…
完全犯罪を突き崩すための戦いが始まろうとしていた
専従捜査を始めた白石が早速足を運んだのは…
香苗さんが栃木で事故に遭ったのは…
一方貞夫は同じころ地元横浜で映画を観賞
その後屋台のおでん屋に立ち寄り午前2時ごろに帰宅したと供述
栃木と横浜。
アリバイは成立している
しかしこの貞夫の供述がもし嘘だとしたら偽りのアリバイを作った可能性が高い
(白石)失礼します。
(白石)すいません。
(男性)誰?
白石は刑事であることを告げ事故があった2年前に…
(男性)何?
(白石)いや。
そういうわけでは。
(男性)えーっと。
(白石)すいません。
(白石)うん?
(男性)何?
(白石)いや。
(白石)ただご主人。
(男性)いいけど。
(白石)これで…。
(男性)はあ!?
映画のリスト表を手に入れた白石はさらなる証拠集めのために…
(白石)突然すいません。
彼女は貞夫の元愛人だった
かねてより何人もの愛人を抱えていた貞夫
しかし香苗さんとの結婚を機に愛人たちは切り捨てられていた
彼女もまたその一人だった
(女性)貞夫。
けんもほろろに追い返された
それでも白石は…
諦めなかった
彼女が自宅に戻ってくるのを見計らって…
(白石)お願いします。
(白石)お願いします。
話を聞かせてもらえるよう頭を下げ続けた
かつての愛人の家に張り込んだのには貞夫に関する情報を聞き出したいという以外にも再び貞夫が訪ねてくるかもしれないという魂胆もあった
宿泊費を節約するため野宿は当たり前
(警察官)もしもし?
パトロール中の巡査に…
(白石)ご苦労さん。
(警察官)あっ。
し…失礼しました。
(警察官)ご苦労さまです。
それでも白石は…
(白石)お願いです。
何とか…。
(白石)お願いします。
刑事として白石には一つの信念があった
(白石)お願いします。
何度も何度も頭を下げ続けた
(白石)お願いします!
そんな白石の真摯な姿を目の当たりにしようやく元愛人は話に応じてくれた
映画館で見つけたリスト表に加え元愛人から受け取った…
2つの重要な手掛かりを上司に報告すると…
はい。
ついに貞夫を…
事件から3年がたったこの日
ついに貞夫の取り調べが行われた
当初彼は事件について捜査の進展を報告されるものだと思っていた
このとき貞夫の取り調べを担当したのは白石ではない別の刑事
白石は貞夫の…
取り調べしだいではすぐに家宅捜索ができるようじっと指示を待っていたのだ
常に現場優先
足を使ってこそ刑事を信条とする男は最後まで自分のスタイルを貫き通していた
(貞夫)あれは…。
(刑事)当初はそう思っていましたが…。
おい。
(刑事)その前に…。
(貞夫)ああ。
(刑事)確かに…。
(刑事)けどね…。
(刑事)これは…。
(刑事)確かに…。
(刑事)けどね…。
事故から2カ月後の8月下旬
貞夫は警察の捜査に協力するため栃木署へと向かっていた
そのとき映画館の前を通った貞夫は偶然『網走番外地』シリーズの看板を目撃
事故のあった日はこの映画を見ていたことにしよう
そう決めたのだ
しかし貞夫は知らなかった
映画は8月からの公開だったことを
これで…
だが…
この後思いも寄らぬ展開が
貞夫の…
そう思われたのだが…
(刑事)確かに。
じゃあ…。
貞夫の元愛人によると香苗さんが事故に遭ったあの日の夜…
見れば貞夫のセーターやズボンは真っ赤な血に染まっていた
マージャン屋でケンカになり相手を殴ったせいで返り血を浴びたという
元愛人は貞夫の言葉を信じ…
(刑事)先ほど…。
元愛人の証言で当日のアリバイは決定的に崩れ血液が付着した衣服も押収された
追い詰められた貞夫は…
(貞夫)やめろ!
(貞夫)俺が…。
それは貞夫が栃木署に出頭してわずか20分足らずのことだった
白石の入手した2つの手掛かりによって貞夫は犯行を自供
動機は保険金目当てだった
自らの犯罪を暴いたのは白石だということを結局彼は知らぬまま逮捕された
そしてついに事件の全貌が明らかとなる
竹田貞夫が語った事件の全貌とは?
あの日貞夫は香苗さんを言葉巧みに誘い出し土地勘のある故郷の栃木に向かうと…
途中無理やり車から引きずりだし用意していたバールで頭を殴りつけた
頭部の傷はこのときのものだった
(香苗)痛い。
助けて…。
(香苗)助けて…。
ああ。
そしてまだ息がある香苗さんに乗ってきた車で背後から乗り上げ…
(香苗)あーっ!
さらに二度三度とひいた上で現場を猛スピードで走り去っていった
(白石)おお。
(白石)おう。
白石はそう一言だけつぶやくとすぐに現場を後にしまた違う事件の捜査に向かったという
結局竹田貞夫に一度も会うことなく事件を解決に導いた白石
そんな彼に奇妙な偶然が起きたのはそれからおよそ10カ月後のことだった
この日白石は自分が追った事件の結末を見るべく竹田貞夫の裁判を傍聴していた
竹田の死刑判決を聞き重苦しい法廷を出てトイレに入ったときだった
図らずも2人は裁判所のトイレで初対面を果たす
刑事と彼が刑事だとは知らぬ犯人
(キクノ)仕事に熱心でとにかく時間はもうきちんと守ってましたからね。
今食事になるっていうときでも電話がかかればもう食べないで行っちゃうんです。
真面目で私よりいい人だと思ってました。
(スタッフ)真面目でした?
(キクノ)はい。
白石刑事はその後も2件の殺人事件を解決に導き…
(キクノ)これがあれかな?
引退までに警視総監賞を三度
さらに天皇陛下から瑞宝章を授与された
昭和の名刑事は2000年永眠
83年の生涯だった
(剛力)こうして完全犯罪は暴かれ事件は解決に至ったわけですが。
(新川)タメさん。
(設楽)ねえ。
何か…。
いや。
タメさん。
タメさんって呼んじゃうよね。
(新川)タメさんって呼ばれてましたよね?
(剛力)呼ばれてましたもんね。
(千里子)白石為雄さん。
(日村)専従って決まってぱって振り返ったときこうスローになるんだよね。
(設楽)あれ超カッコイイ。
「よっしゃ。
いくぞ」みたいなね。
カッコイイ。
(日村)最後も一言「おう」って言ってぱっとスローになる。
(設楽)そうね。
(千里子)タメさんがいなかったらこのまんまだってね普通にねもう葬られてた事件じゃないですか。
(設楽)もうひき逃げ事件でそのまんま時効だったでしょうね。
当時。
(剛力)そしてですね一度は死刑判決が下されましたがその後控訴して最終的に東京高裁で無期懲役の刑が確定されました。
(設楽)控訴したんだ。
(剛力)さて続いての事件ですがVTRを見る前にまずは皆さんにこちらをご覧いただきたいと思います。
(設楽)何だ?
(剛力)この次の事件ですが主な登場人物は6人います。
真一さんと美乃里さんは新婚夫婦です。
(日村)新婚なのね?
(剛力)はい。
この2人に何かが起こるわけなんですがVTRをご覧いただくに当たってちょっと変わった試みをしたいと思いますが。
今回の事件を4つの視点から振り返ってみたいと思います。
一つの出来事を加害者側から見るのと被害者側から見るのではまったく違って感じられる。
(日村)ああー。
なるほど。
(剛力)というのは何となく想像できますよね?
(設楽)そうですね。
その人の立場によったらね捉え方違うし。
(剛力)幾つもの視点から事件を眺めたときどのような真相が浮かび上がってくるのでしょうか?
(剛力)まずは真一さんの妻美乃里さんの視点から見てみたいと思います。
今から…
(美乃里)あなた。
コーヒー入ったわよ。
(真一)おお。
サンキュー。
今行く。
本庄美乃里は幸福の絶頂にいた
夫の真一は有名私立大学卒業後一般企業に勤務
海外赴任も経験しエリートとして活躍していたが人命救助の仕事をしたいという夢を果たすため消防署員に転職
救急隊員として活躍していた
(女性)こんにちは。
(美乃里・真一)こんにちは。
頼もしく優しい…
結婚を機に建てた新築の一戸建ては総額5,000万円以上
さらには高級外車
(真一)カッコイイでしょ?
美乃里は幸せは永遠に続くものだと信じていた
だが異変は音もなく忍び寄っていた
(女性)ああ。
(美乃里)こんにちは。
(女性たち)こんにちは。
(女性)ねえ。
奥さん。
(美乃里)えっ?知らない?
(女性)30歳ぐらいよね?
(女性)そうね。
看護師として働く美乃里は…
(真一)さあ?
(美乃里)うん…。
だが気になる出来事はそれで終わりではなかった
美乃里が仕事から戻ると…
何となく家の中の雰囲気が違う気がするのだ
(美乃里)ねえ。
(真一)ああ。
(真一)うん。
俺にも水ちょうだい。
(美乃里)うん。
OK。
そんな中迎えた結婚3年目の秋
美乃里は…
(真一)ジャーン。
(美乃里)早いよ。
育児って。
(真一)早くないよ。
夫の真一も家族が増えることを心待ちにしていた
(美乃里)あっ。
(真一)うん?
(美乃里)うん…。
あっ。
あった。
(真一)えっ?あった?
(美乃里)ごめん。
(真一)じゃあ行こうか。
(美乃里)行きますか。
徐々におなかが大きくなる美乃里を夫の真一はそれまで以上に気遣いより多くの時間を一緒に過ごすようになった
美乃里は無事…
だが出産から3カ月ほどがたったときのことである
・
(チャイム)
(美乃里)うん。
胸騒ぎがした
(真一)はい。
(美乃里)うん。
訴えは真一の勤務先の同僚女性から出されたものだった
(刑事)まったく災難なことでしたな。
(真一)ご苦労さまでした。
(美乃里)ありがとうございます。
平穏な生活が戻ってきたと美乃里は安堵した
だがこの後突然の悪夢に…
美しかった新築の家も無残に荒れ果てることになる
その悪夢の背後には驚くべき出来事が渦巻いていた
(千里子)何が?
(剛力)VTRを見るかぎりでは誰もがうらやむ理想的な夫婦ですよね?
(一同)うん。
(設楽)まだ怪しい女性の影と…。
(日村)はい。
(設楽)あとまあまあ…。
暴行容疑の訴えが出て取り下げられたのと…。
謎の光。
(日村)これ同じ人物かどうかもよく分かんないですね。
(設楽)家のものが動くってストーカーっぽいっすよね。
よく聞くけど。
その相手の女性が好き過ぎておうちまで訪ねて。
で光ってるのは…。
(設楽)あれ何?
(新川)ナイフとかそういう感じかなと思ったんですけど。
(千里子・あき)いや…。
(あき)いや。
鏡よ。
(千里子)鏡。
ミラーですよね?
(新川)鏡っぽいのかなとも…。
(千里子)「私ここだよ」の鏡。
(木村)うわっ。
鳥肌立った。
(設楽)鏡で場所を知らせるって?
(日村)自分の存在を分からせる?
(日村)うわぁ。
怖い。
(設楽)でもそういう存在がもうじゃあいるわけですね?女性陣から見たら。
(千里子)そうそう。
絶対いるでしょう?だって家の前うろつく女の人危なくないっすか?
(日村)そうだよね。
(千里子)ねえ?続いてもある人物の視点から事件を振り返ってみたいと思います。
ヒントは女性です。
(一同)あら。
女性?うん?
その仕事に憧れ転職し消防署に勤務することを望む者も多い
(隊員)期待してるよ。
頑張ってね。
(裕美枝)はい。
永沢裕美枝もそんな転職組の一人で大学卒業後銀行勤務の後27歳のときに中途採用され救急隊員になっていた
(裕美枝)銀行に勤めてたときにね体調崩して救急車で運ばれたことがあったんですけど…。
そう。
(裕美枝)うん。
・乾杯。
(裕美枝)乾杯。
永沢裕美枝と本庄真一は同い年
救急隊員を夢見て転職してきたという共通点もあり職場の飲み会で初めて顔を合わせたときから意気投合するのに時間はかからなかった
(裕美枝)大丈夫ですか?
(真一)大丈夫ですか?
裕美枝にとって職場での真一は…
(裕美枝)聞こえます?イシダさん?
(真一)脈拍異常なし。
大丈夫ですか?
(隊員)オーライ。
オーライ。
そして真一は何かにつけ裕美枝に優しく接した
(隊員)お疲れさまです。
(真一)お疲れさま。
(裕美枝)お疲れさまです。
(真一)大変だったな。
(裕美枝)そうですね。
大変でしたね。
真面目で世間知らずの裕美枝は真一に妻がいることを知ってはいたが…
(真一)どうした?行くぞ。
あっ。
はい。
そのころ真一の自宅周辺をうろつく不審な女が目撃されるようになっていた
(女性)奥さんなら…。
それは…
当時の報道によれば真一は自宅の合鍵を裕美枝に渡し看護師の妻の夜勤や留守を狙っては自宅で密会していたという
2人は不倫の関係になっていたのだ
(真一)おい。
(裕美枝)うん。
ねえ。
(真一)ああ。
たまにはね。
(裕美枝)フフフ。
外でデートすることももちろんあったが自宅での密会はうぶだった裕美枝にとっては刺激的でますます…
そんな中…
・
(一同)おめでとう。
おめでとう。
・
(真一)ありがとう。
ありがとう。
(真一)いやぁ。
参ったな。
(笑い声)
真一は妻と離婚するつもりなど毛頭なかった
(真一)なっ?
真一は妊娠した妻との時間を大切にするようになったが…
やがて真一の妻は男の子を出産
それから間もなく…
裕美枝が暴行を受けたと訴えた相手
それは…
本庄真一だった
だが…
真一は暴行の容疑を完全に否定
そして裕美枝は被害届を取り下げさらに真一を逆恨みしてしまったという…
裕美枝は深く反省しているように見えた
ところがおよそ…
何と彼女は警察に逮捕されていた
裕美枝は…
そしてこの粉は何なのか?
実は真一の妻の妊娠を知って間もなく彼女は…
復讐を代行するというインターネットの闇サイトにアクセスしていた
闇の復讐サイトに…
間もなく裕美枝は闇サイトの男に呼び出された
(長谷川)どうぞ。
そして…
(裕美枝)分かりました。
裕美枝は…
しばらくして再び闇サイトの男に呼び出された
殺害計画はすでに実行されたという
(長谷川)なかなかチャンスがないんですよ。
なかなか計画が成功しない中真一の妻は無事出産した
それから間もなく…
秘密裏に行われていた…
裕美枝は突然逮捕されたのである
さらに…
計画はなぜ発覚したのか?
そして事件はこの後さらに驚くべき展開を迎える
(剛力)ということでご覧いただいたのは…。
よいしょ。
(剛力)永沢裕美枝さんからの視点でしたが。
真一と裕美枝の2人の関係は不倫関係にありましたね。
そして彼女はこの闇サイトの男に接触。
不倫相手の妻の殺害を依頼しました。
(設楽)旦那じゃなくて妻なんだね?
(剛力)そうですね。
(設楽)殺害を依頼する相手。
(あき)もうね好きで好きでしょうがないのよ。
(あき)あの人をね。
真一のこと。
(木村)もともと救命士になりたかったのも自分が助けられた思いでなったんですよね。
思い強いですよね。
きっと。
(設楽)思ったらもう止まらないんだ。
だから真っすぐだからこそこういうふうに考えちゃうんでしょうね。
(新川)奥さんを殺したいって思っちゃうんでしょうね。
(設楽)まあそこもそうか。
(新川)奥さんが亡くなった旦那さんを私が支えて。
(あき)そうそうそう。
(千里子)でも奥さんがいるって分かってて。
(千里子)絶対遊ばれてるのって感づかないもんなんですかね?
(設楽)でも好きでいつか別れてお前と一緒になるっていうふうに言われてたんじゃないですか?だから赤ちゃんできちゃって「あれ?ちょっと話違うんじゃないの?」っていってどんどんこう…崩れ始めたっていうか。
(剛力)では続いて3つ目の視点から事件を振り返ります。
事件の真相が徐々に明らかになります。
ご覧ください。
それは本庄真一の妻が子供を身ごもって間もなくのころ
(真一)ホント?
(美乃里)あっ。
あった。
(真一)えっ?あった?
(美乃里)ごめん。
(真一)じゃあ行こっか。
(美乃里)うん。
この男金子は…
復讐屋を自称し闇サイトを管理していた人物
(金子)やるのはこの女で間違いありませんか?
(裕美枝)間違いありません。
復讐サイトの管理者である金子は依頼主からの入金を確かめると…
・
(ノック)
当時の報道によれば金子は依頼を受けると申込料などの利益を確保
その後実行部隊と呼ばれる下請けの探偵業者などに仕事を回していたという
(金子)ああ。
実行部隊の長谷川はそれまでも浮気問題など様々な仕事を月数十万円で請け負ったことがあった
実行部隊の長谷川の前に現れた依頼主は…
永沢裕美枝だった
長谷川は殺人バクテリアによる殺害計画を提案
裕美枝も了承し…
(長谷川)殺人バクテリアです。
(裕美枝)《この際…》
実は裕美枝は申込金の10万円を皮切りに殺害依頼の費用として闇サイトの男たちに合計でおよそ…
裕美枝は殺害依頼の費用として闇サイトの男たちにおよそ1,200万円を支払っていた
だがやがて…
(長谷川)えっ?
(刑事)そしたら…。
(長谷川)フフフ…。
ハハハ…!
永沢裕美枝の不倫の恋はその背後で闇サイトを通じた殺害依頼ばかりでなく詐欺事件まで引き起こしていたのである
これで事件は解決したように思われた
しかし…
その真相が明らかとなったとき事件は本当のクライマックスを迎える
(剛力)はい。
ということでご覧いただいたのは闇サイトの男の視点。
実際に依頼を受けていたのはこの金子という人物で彼が長谷川に仕事を。
(設楽)実行部隊。
(剛力)実行部隊に回して。
ただ結局全てお金目的の詐欺だったんです。
(日村)あるもんですよね。
こういうのはね。
(設楽)何か裕美枝がかわいそうに思えてきちゃった。
(剛力)そうですね。
殺害を依頼したことは決して許されることではありませんが。
ちょっと彼女の見方も。
(設楽)思うつぼだったんだろうね。
(設楽)初め入会金で10万だったけどそこから1,200万までどんどん引っ張られてる。
(あき)それもこれもね真一のことが好きで好きでたまらないのよ。
(日村)何でも知ってるわ。
(剛力)そしてですねこの後事件の全容がついに明らかとなるんですが真相。
皆さんどう思いますか?
(木村)夫がギャンブル依存とか。
(設楽)あっ。
裏の顔というか色々あって。
(木村)実はマイホームとか高級外車とかも実はそうやって買ってた。
だからふたを開けたら借金だらけだった。
(剛力)それでは最後の視点をご覧いただきます。
見終わったときあなたはどう感じるでしょうか?ご覧ください。
永沢裕美枝が逮捕された直後…
(刑事)岡。
ちょっといいか?
一人の新米女性刑事が呼ばれた
(刑事)お前永沢裕美枝の取り調べをやってみるか?
(岡)いいですか?
(刑事)ああ。
(刑事)難しい取り調べじゃないし新人のお前にとってもいい勉強になるだろう。
(岡)はい。
(刑事)まっそれに…。
(岡)はい。
刑事になってまだ半年
やる気と不安でいっぱいだった
逮捕された直後永沢裕美枝は不倫相手の妻に子供ができ裏切られた気持ちになったので…
事件の第一報が報道されると裕美枝の軽はずみで愚かな行動に世間はあきれ返った
(裕美枝)はい。
裕美枝は真一に妻があることを知っていたが自分の気持ちを抑えられず不倫の関係になったこと
そして愛が憎しみに変わるまでの経緯を淡々と語った
新米刑事の岡は裕美枝の体験に熱心に耳を傾けた。
だがそんなとき…
(裕美枝)それで…。
それから…。
あのう…。
それから。
最初は…。
(裕美枝)あのう…。
(岡)《違う》えっ?いえ。
それでちょっと。
(裕美枝)いえ。
そんな。
続けてください。
岡刑事は雑談で永沢裕美枝の気持ちを解きほぐした
裕美枝の診断をした医者からの報告を受けていた岡は裕美枝が落ち着きを取り戻したタイミングを見計らって言った
えっ?
(岡)だから…。
(岡)ねっ?
(岡)もう…。
刑事さん。
彼女の口から真実が語られたときこれまで闇に埋もれていた事件の全貌がついに明らかとなる
(裕美枝)私…。
(裕美枝)けど…。
(裕美枝)でも…。
(刑事)まったくバカげた事件だな。
(刑事)まあ確かに彼女は真面目でうぶだったようだからな。
(岡)違う。
(刑事)恋は盲目っていうからしょうがねえよな。
新米女性刑事が裕美枝から聞き出した事件の真相
それは…
裕美枝と真一が不倫関係になってから2年ほどが過ぎたころ…
(隊員)デフィブリレータは使ったことある?
(裕美枝)はい。
大丈夫です。
(隊員)ここに心電図が見えるからね。
裕美枝は先輩たちの指導を仰ぎながら…
(隊員)じゃこれの説明は省くね。
(裕美枝)すいません。
あと…。
ごめんなさい。
この子供のときは…。
(隊員)でもよく勉強してるよ。
(裕美枝)ありがとうございます。
(真一)おい。
(裕美枝)えっ?
(裕美枝)えっ。
ひどい。
裕美枝は真一は自分にゾッコンなのだと喜んだ
ところが…
(隊員)結局頸椎の捻挫だけだったということで今病院から連絡がありました。
非常に処置もよかったということでこれからも頑張りましょう。
であしたからの訓練ですが…。
(隊員)結局頸椎の捻挫だけだったということで今病院から連絡がありました。
非常に処置もよかったということでこれからも頑張りましょう。
であしたからの訓練ですが…。
(裕美枝)分かった…。
(真一)おい!
(裕美枝)ごめんなさい。
分かったから。
ごめんなさい。
真一は気に入らないことがあるたびにデート代と称した金額をエスカレートさせ手も上げるようになった
やがて裕美枝が払う1回のデート料は10万円を超えるようになったと当時の報道は伝えている
(裕美枝)それに…。
(裕美枝)でも…。
・
(一同)おめでとう。
おめでとう。
・
(真一)ありがとう。
ありがとう。
(真一)いやぁ。
参ったな。
(笑い声)
(真一)なあ?
(裕美枝)それで…。
(真一)嫌だ。
(真一)嫌だ嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
(裕美枝)痛い!やめて。
(裕美枝)放して!放して!
裕美枝にとって救急隊員の仕事は転職してまで手に入れた…
仕事を失うことを恐れた彼女は真一に従った
一方真一は別れ話を持ち出した彼女に対して…
脅しと暴力。
そして…
妻と共働きとはいえまだ若い真一がプライベートで高級外車を乗り回し一戸建てを建てるのは経済的に楽なことではなかった
真一は金づるの裕美枝を手放したくなかったのではないかと当時の報道は推測している
そんなときです。
真一の身勝手な金銭要求と暴力が裕美枝を追い詰めゆがんだ復讐に駆り立てた
それでも真一をターゲットにしなかったのは愛した男への思いが断ち切れなかったからだと思われる
だが裕美枝は復讐サイトにだまされおよそ1,200万円を巻き上げられることになった
そしてさらに…
彼女にとって悪夢のような出来事が起こってしまう
闇サイトに殺害依頼をした数カ月後
(真一)何だよこれ?えっ?
実はこの直前
救急車で緊急出動したとき裕美枝は…
控室の片隅に私物の入ったバッグを置きっ放しにしてしまった
このとき真一は通信受付係として消防署に残っていた
そして裕美枝のバッグの中を調べ彼女が闇の…
(真一)おい!
(裕美枝)分かりました。
分かりました。
(裕美枝)でももう…。
真一の暴力から何とか逃れたいと思った
すると真一は…
ホテルの一室に裕美枝を連れ込んで脅し被害届を出したのは間違いだったと…
警察に対して何とかごまかしたもののそれでも怒りの収まらなかった真一は裕美枝を温泉旅行に連れ出すと…
(裕美枝)ごめんなさい。
ごめんなさい。
(真一)ごめんなさいで許されるわけねえだろ。
(真一)許されるわけねえだろ!
当時の報道によれば裕美枝に殴る蹴るの暴行を5時間にわたって加えその上…
(真一)いいか?
さらに多額の金を要求したという
裕美枝は真一の暴力に完全に屈服した
しかし警察に訴えたとしてももう耳を傾けてくれないだろう
被害届を出したのは自分の間違いだったと認める念書を出したばかりなのだ
でも…。
だから…。
はい。
はい。
だが裕美枝が相談したサイトが復讐を請け負う闇サイトだったことやだましとられたという料金が高額過ぎたことから…
問い詰められた裕美枝はとうとう不倫相手の妻の殺害を依頼したことを自白
そして彼女の証言がきっかけとなりあっけなく…
(岡)永沢裕美枝は…。
(岡)それは…。
新米刑事の熱意が上司を動かした
そして裕美枝の不倫相手本庄真一は傷害の容疑で逮捕された
真一は容疑を認めついに事件の全貌が白日の下にさらされたのである
本庄真一は傷害罪で略式起訴され50万円の罰金刑を受けた
また事件を担当した地方裁判所は復讐サイトの管理者金子に対し詐欺罪で懲役1年6カ月執行猶予4年
実行部隊の長谷川に対しても詐欺罪で懲役2年6カ月の実刑判決を下した
一方永沢裕美枝について検察は起訴を見送った
彼女は処罰されなかったのだ
理由は2つあった
一つは彼女が職場を懲戒免職にされ…
そしてもう一つ
実は真一の妻が処罰を求めなかったのだ
彼女は命を狙われたのにもかかわらず裕美枝が裁かれることを望まなかったのである
事件の真相を暴いた新米女性刑事
彼女は新聞の取材に対して殺害依頼はもちろん不倫関係も社会人としてあってはならないとした上で次のように振り返った
複雑に絡み合う事件の真相を明らかにしたのは新米女性刑事の繊細な気付きと…
(刑事)分かった。
(刑事)やってみよう。
(岡)ありがとうございます。
(千里子)いやぁ。
ちょっと裕美枝ちゃんの見る目が私がらっと。
ベテラン刑事と同じ目線で見ちゃってたんで。
(剛力)最後の人物こそが。
(設楽)ここにこの人か。
(剛力)はい。
この事件を解決に導いた女性捜査官。
(設楽)でもこれはちょっと真一のこれ全部裏で動いてたこと知らずに見てたらホントに裕美枝一人が。
(剛力)そうですね。
(設楽)ホントね愛に狂って色々突っ走った感じがね。
(新川)でもDVの人って蹴ったりとかした後にごめんねごめんねじゃないけどちょっと優しくなって。
救急隊員だからちょっと処置もしてあげて。
(設楽)手当てして?そっか。
でもめちゃめちゃ優しかったって言ってたもんね。
(新川)普段は優しかったって。
(日村)最後事件が分かれば分かるほどすっきりしてこないっていうか。
(設楽)でさこの間事件の間中もさこの人は他の人の命救ったりさ他の人のケガとか病気を治すわけでしょ。
自分がどんどんぼろぼろになってくのに。
すごいね。
安定した仕事と愛する妻。
男は自分の…
だが…
ただその思いで一公務員が下した決断はやがて日本を揺るがすある奇跡を起こすことになった
今から47年前。
高度経済成長期の真っただ中
日本が発展のためにひたすらまい進していた時代
田尻宗昭は四日市海上保安部に警備救難課長として赴任してきた
(田尻)1隻残らず拿捕しろ。
(一同)はい。
海保こと海上保安庁の仕事は…
さらに密輸密航など海上で起こるあらゆる犯罪を取り締まるいわば海の警察だ
田尻の主な任務は四日市の漁師たちによる…
(職員)静かにしろ。
(男性)何がだよ?
当時四日市港周辺では漁師たちが割り当てられた海域の外で漁をする密漁が急増
田尻は密漁者たちを次々に逮捕し送検していた
だがそんなある日のことだった
(田尻)なぜあなたたちは自分たちの漁区を守らないんですか?
(男性)あんた知ってるんか?わしらがなぜ密漁なんかせんといかんのか?
(職員)こら。
落ち着け。
(男性)放せ。
ほら。
いったいどういうことなのか?
実はもともと四日市港近くの漁場はカニやエビタコイカなどが取れる豊穣の海として知られていたのだが戦後間もなく建設された石油化学コンビナートの影響で水産物は減少
取れるわずかな魚も油臭いとして市場で取引停止に
当時四日市の海は死の海と化していた
田尻は法にのっとり密漁する漁師を犯罪者として逮捕してきた
しかし公害の原因をまき散らすのもまた犯罪である
にもかかわらずなぜ死の海を生みだす企業はとがめられずにいるのか?
(田尻)なのに…。
部下が驚くのも無理はなかった
実は当時も公害を生みだす企業はあったがいずれも健康被害を受けた患者やその家族が民事訴訟を起こし賠償金を払うか否かの問題として片付けられてきた
取り締まるといってもこうした企業が刑事告発されたケースは一度もなかったのだ
しかし田尻は知る由もなかった
この決断が想像を絶するいばらの道であることを
彼らがまず取り掛かったのはある工場周辺の海の調査だった
すると…
(田尻)痛っ。
(職員)どうしました?
(職員)課長。
(田尻)ああ。
おい。
海水は強い酸性を示していた
付近に聞き込みをした結果その工場は生産工程で使用する塩酸水を毎日大量に海に垂れ流しているということが判明
近隣の海ではエビウナギなど魚介類が死滅
それだけではない
塩酸水は近くを通る船のエンジン部品をすさまじい早さで腐食させ…
だが田尻らが抜き打ちで工場に事情聴取に訪れると…
(男性)あっ。
どうもどうも。
(男性)さあこちらへ。
どうぞ。
幹部らは田尻たちをなぜか悪びれることもなく協力的に迎え入れた
(女性)失礼いたします。
(男性)それで…。
(男性)うん。
そうですね。
(男性)あなた…。
もちろん…。
摘発だと?何を考えてるんですか!?あなたは。
時は…
コンビナートの工場群は増産に次ぐ増産を重ね日本の発展を支えていた
政府も企業も国民も日本全体がそんな空気に支配されていた
必然的に費用が掛かり発展の妨げになるような公害対策は二の次
しかも海の汚染に関して注目している者は誰もいなかった
田尻らはその企業を水産資源に有害な投棄を行ったとして摘発に踏み切った
それは企業を刑事事件として告発した日本で初めてのケースだった
だが…
下された判決は…
問題企業はその後汚水処理の施設を建設するなど改善に努力したことが認められ…
そんなある日のことだった
・
(田尻)おお。
(二美子)お願いします。
・
(田尻)田尻でございます。
この1本の電話が田尻のその後の人生を大きく変えることになる
男性は田尻らが塩酸の垂れ流しを摘発したという報道を知って連絡してきたという
・
(男性)けど…。
(男性)そう思ったんです。
それは四日市コンビナートにある灰山工業で働く従業員からの内部告発だった
だが1日20万tといえば25mプール370杯分に相当する量
にわかには信じ難い
数日後田尻は確認のため工場の裏手にある排水口へ出向いた
すると…
流れる酸の強さに…
その工場で生産されている製品は…
塗料印刷インキ化学繊維など様々な製品に欠かせないものだった
酸化チタンの製造には大量の硫酸が使われる
その使用済みの硫酸を海に垂れ流している可能性が高かった
だが工場への立ち入り捜査の令状を取るため津地方検察庁に向かうと…
(田尻)しかし…。
(検事)それに。
実は摘発しようとしている灰山工業は…
地元で絶大な影響力を持っていた
さらに創業社長は政界にも影響力を持つ大物として噂されていたのだ
一公務員が相手をするには荷が重過ぎた
田尻はここにきてさすがに恐怖を感じた
自分には無理だ。
聞かなかったことにしておこう
だが…
そのとき田尻の脳裏にある記憶が蘇った
それは四日市に来る以前海上保安庁の…
ひどい暴風に見舞われ船が沈没状態となったことがあった
壁に頭を打ち意識が遠のく中で田尻は…
そのとき感じたことを後にこう言い残している
(田尻)すまん。
(田尻)だが…。
だが…。
(職員)俺もやります。
(職員)俺もやります。
(職員)やってみましょう。
(職員)俺もやります。
バカ。
(田尻)こう言ってくれた。
私はそのときにね…。
(二美子)あのとき。
だから相当…。
そもそも公害を犯罪として立件するためには3つの条件が必要
この3つを全て田尻らが自らの手で立証しなければ刑事事件として起訴できないのだ
まず1日に20万t流出しているという硫酸
その排出量の裏付けを取る必要がある
しかしそれが問題だった
工場から流れ出る廃水には様々なものが混ざっている
そこから濃度を正確に割り出しても科学的に算出した数値でなければ裁判では証拠として認められない
最終的にどれだけの硫酸が海に排出されるのか?
それを明らかにするには製造工程全てを把握する必要があったのだが理解しようにも海保の…
田尻らは中学生の教科書からひもとき一から化学について必死に勉強
さらに…
毎週のように名古屋にある研究所まで通い…
当然のように工場長をはじめ従業員たちの中に誰一人協力してくれる者などいない
だが問題はそれだけではなかった
・
(通話の切れる音)・
(不通音)・
(不通音)
海保と田尻への圧力は強まるばかり
自宅には嫌がらせの電話までかかってくるようになった
巨大企業を敵に回した田尻の家には嫌がらせの電話がかかってくるようになっていた
さらに…
その後の調査である事実が明らかとなる
灰山工業には酸化チタンの製造工場が2つあったのだが工場の記録から酸化チタンの1日の生産量
さらに生産に伴い発生する使用済みの硫酸の量が特定できたのだ
しかしここからが問題だった
2つの工場から排出される使用済みの硫酸の量は1日およそ100万t
つまり一部は処理され処理しきれなかった硫酸が海に廃棄されているということになる
しかし硫酸の経路を特定しようにも灰山工業の…
中には幾つもの工場が立ち並び何千ものパイプが網の目のように張り巡らされている
硫酸がどのパイプを通っているのかまったく分からない
3カ月が過ぎ…
そんなある日のことだった
(職員)これじゃ…。
実は…
灰山工業の構内には肥料を作る工場があったのだが使用済みの硫酸は全てこの工場で処理を兼ねて肥料の原料として使用される仕組みとなっていたのだ
商品である肥料の製造量は正確に割り出せる
そこから原料として消費される硫酸の量も特定できる
つまり酸化チタンの生産で生みだされる硫酸の総量から肥料製造で消費される量を引けば海に流れ出る量を特定できるのだ
名も知れぬ工員のアドバイスのおかげで海に廃棄されている硫酸が1日20万tであるという裏付けがついに取れたのである
だがまだ大きな問題は残されていた
起訴するための2つ目の条件
工場から垂れ流された硫酸による具体的な被害を示す証拠が必要だった
硫酸が流れ込んだ港では実際魚が姿を消していた
だがそれだけでは不十分
魚は自由に海を移動するため姿を消した原因が硫酸であるとはっきり証明するのは難しかったのだ
魚では難しい
そう感じた田尻らが次に当たったのは四日市の小型タンカーだった
彼らは灰山工業の目の前にある桟橋に船を停泊
そこを拠点として商売をしていた
もし被害を証言してくれれば硫酸との因果関係を証明できるのだ
しかし船主は企業の依頼を受けて製品を運ぶ弱い立場
協力したことがバレたら仕事がなくなるかもしれない
だがそれでも田尻たちは諦めなかった
(船主)またあんたたちか。
(職員)お願いします。
なあ?
仕事を失うリスクを冒して硫酸で船に被害を受けた3名の船主たちが証拠品として破損したエンジンの部品を提供してくれた
田尻たちの熱意に灰山工業と関わりのある人たちまでもが徐々に変わり始めていた
これで送検に必要な2つの条件をクリアした
だが最後の難関が待ち受けていた
故意に硫酸を流し続けたことを証明する証拠を手に入れなければならなかったのだ
そこで田尻は大きな賭けに出る
(職員)ありますかね。
(田尻)見つけるんだ。
必ず。
(一同)はい。
ついに灰山工業の大阪本社や東京支社の家宅捜索に踏み切ったのだ
(職員)まずは机の上からだ。
(職員)はい。
触らないで。
(職員)下がって。
押収した文書は1,000点にも及んだ
だがもはや証拠となる書類は全て処分されている可能性も高かった
それでも田尻らは1,000点もの書類を徹底的に洗った。
いちるの望みを託して
それは2年前灰山工業の総務課長が会社の上層部に報告するために書いたあるメモだった
そこには通産省の官僚との驚くべき会談の内容が記されていた
それは2年前。
通産省の官僚と灰山工業の総務課長の間で行われた会談の内容を記したメモだった
中にはこう記されていた
「硫酸の処理予定を添付しておく必要がある」
「ただし予定はあくまで予定であり将来これの実行を約束されるものではない」と
実は2年前増産のため灰山工業に2つ目の酸化チタン工場が建設された
それまではその過程でできる使用済みの硫酸の全てを肥料工場で回収処理していたのだが第二工場が建設されると回収が追い付かなくなった
本来であれば肥料工場を増設し処理しなければならなかったのだがそれをせず余った硫酸をそのまま海に垂れ流していたのだ
にもかかわらず第二工場の操業開始後に行われた会談で通産省の役人は…
「処理の予定はあくまで予定であり将来これの実行を約束されるものではない」と語ったという
つまり処理の予定さえ書いておけば必ずしも肥料工場の増設は必要ないということ
通産省の役人そして灰山工業共に…
(職員)やっとここまできましたね。
3つの条件が揃いようやくこれで起訴に持ち込める
田尻はそう思った
だが…
田尻は親しい記者から驚くべき情報を聞いたという
田尻が相手にしているのは灰山工業だけではなかった
(職員)そんな。
(田尻)おそらく…。
通産省そして検察庁までもが企業の組織犯罪を隠蔽しようとしていると思われた
もはや一介の海上保安官にすぎない田尻にはどうすることもできない状況だった
(設楽)うーん。
すごいね。
(剛力)ホントですね。
巨大な権力によってようやく見え始めたかすかな希望も握りつぶされてしまいました。
(設楽)ねえ?もう何か国ぐるみで隠蔽みたいなね。
(剛力)そうですよね。
(木村)もう何も言えないですよね。
希望が次々消されていくから今度何を心の支えにやっていけばいいのかって。
苦しくなってきちゃいますね。
(設楽)ねえ?私はあの奥さますごいなと。
ただただ感動してましたけど。
普通あんな脅迫電話かかってきたら「もうパパやめて。
もうホントにもうやめよう」「もういいよ。
やめよう」ってなってもおかしくないですよね?
(あき)「もう出ていくわ」ってね。
(剛力)でももし田尻さんのような方がご主人だったり恋人だったら皆さん最後までついていきますか?
(設楽)ホントですか?
(あき)はい。
(剛力)あきさんも。
新川さんいかがですか?
(新川)支えたいとは思いますけど本当にその状況になってしまったら100%寄り添えるかって言われたらちょっと何とも…。
(千里子)正直者か。
(設楽)正直者だね。
正直者にはね。
(千里子)ちょっと!私たちはすぐ「はい」って言った。
(あき)そうよ。
(剛力)田尻さんのような生き方って同じ男性として…。
(設楽)いやカッコイイよね。
(剛力)お二人はいかがですか?
(日村)憧れますよ。
もちろん。
ああでありたいですよ。
(設楽)この人の方が実は時代の先を見る目を持ってるわけじゃない?要は20年後30年後この海を次の世代に渡したくないって。
今の発想ってそれだもんね?
(剛力)そうですね。
(設楽)未来の子供たちに自然を見せたいとかって。
結果さやっぱ対策することによって日本自体の公害に対する対策だったり色々なことがもっと進化するから実際はそっちだったんだよね?その目先のお金じゃなくて。
だからカッコイイしそういうふうに生きたいけど結構…。
逃げると思う。
俺は。
(一同)結局?
(設楽)尻尾巻いて逃げる。
(日村)あまりにも敵がでかくなり過ぎちゃって。
(設楽)ヤバいよ。
(日村)これはもう俺がどうこうじゃないやって思うと思うよ。
田尻は最後の望みを胸にある場所を訪れた
その翌日。
あるニュースが日本中に衝撃を与えた
田尻が手に入れたメモの内容が衆議院予算委員会の場で暴露されたのだ
突然の出来事に国会は紛糾。
審議はストップした
いったいどういうことなのか?
田尻が訪問したのは当時最大野党だった…
例のメモを託し国会の場で追及するように依頼したのだ
だが予算委員会の場で取り上げてもらえるとは限らない
田尻のイチかバチかの賭けだった
実は前年の国会で公害に関する法律が成立
公害に対して厳しい目が注がれていた時期だったため田尻らが手に入れた事実を石橋委員長が与党攻撃の武器として採用してくれたのだ
これで起訴に持ち込める
その夜田尻は検事の元を訪れた
だが…
・
(妻)はい。
(田尻)夜分すいません。
(検事)君か。
例のメモを石橋議員に渡したのは検事なのではないか?
あらぬ嫌疑を掛けられた彼はその責任を取り…
公務員が職務上知り得た秘密を他に漏らすことは違法である
明るみに出れば逮捕は免れない
田尻は記者から自分の逮捕が間近だという情報を入手
すると驚くべき行動に出る
・
(ノック)
(検察官)はい。
何と…
(田尻)けど…。
・
国会質問が決め手となり政府も世論を無視できなくなった
重大な情報を提供した田尻もおとがめなしとなったのだ
なあ?
(田尻)そして…。
(一同)俺もやります。
俺もやります。
やってやりましょう。
俺もやります。
日本で初めて公害企業の刑事責任を問う灰山工業の裁判は9年の長期にわたって行われることになった
皮肉なことに田尻の捜査中世論の高まりを受けて灰山工業は処理施設を建設
硫酸の垂れ流しはすでに止まっていた
その費用は第二工場の建設費とほぼ同額の30億円に上った
一方田尻宗昭は裁判に関わることは許されずあのメモを渡してから間もなく和歌山県田辺海上保安部に異動することになった
四日市での在任期間はわずか3年だった
田尻が四日市を去る前日のこと…
(男性)ああ。
おう。
田尻さん。
よくいらっしゃいました。
さあどうぞ。
実は漁師たちが送別会を開いてくれたのだ
それはかつて田尻が密漁で捕まえた漁師ばかりだった
公務員である田尻は贈り物は決して受け取らない
そんな彼のために漁師たちはこの日あるものを用意していた
(一同)・「無事を祈って」
3日かけて練習した海の男たちの歌だった
(男性)田尻さん。
ホントに。
ホントに…。
わしらのために…。
(一同)ありがとうございました。
ありがとうございました。
コンドウさんも元気で。
(男性)ありがとうございます。
(田尻)皆さんもくれぐれもお元気で。
(田尻)ありがとうございました。
(男性)ありがとうございます。
ありがとうございました。
それから9年後の1980年3月
ついに判決が出た
1980年3月。
ついに判決が出た
灰山工業は有罪。
罰金8万円
犯した罪に比べれば額は微々たるものだった
だがそれは…
これを機に日本全国の工場排水の規制法が強化され徐々に公害は減っていった
その後海上保安庁を退職した田尻は東京都の公害局他公害対策を行う団体の重要ポストを歴任
そして今から25年前
田尻宗昭はがんでこの世を去った
死の瞬間に後悔したくない
彼の思いは果たされたのだろうか?
(二美子)やりきったと思います。
だが田尻は亡くなる前長年にわたり支え続けた妻に唯一の後悔を口にしたという
普通の…。
彼が命懸けで取り戻そうとした四日市の海
今やかつて死の海と呼ばれた面影はどこにもない
魚たちも戻り様々な水産物が水揚げされるまでに回復している
田尻が海上保安庁を退職してから数年後漁師たちから自宅にあるものが送られてきた
それがこの置き時計
公務員を退いたために受け取ることができたのだ
彼が生涯で唯一市民から受け取った贈り物となった
生前田尻は日本全国で多くの講演活動を行い一つのことを訴え続けた
(剛力)一人の男性が始めた闘いが死の海をついに蘇らせましたね。
(設楽)すごいね。
(日村)すごい。
(木村)ああいう生き方をしたいですよね。
同じにはなれなくても何かちっちゃいことでもいいから。
それこそ悪いと思ったこと言うとか。
そういう人がいると田尻さんがおっしゃってたように「ああそうか。
これいけないんだ」って気付いて直す人がいたりってことにつながるんだろうなと思ったので。
(設楽)その先があんだね。
一人だと怖いとか思ってたけどやっぱ一人が声を上げると賛同する人が出てきて。
それが大きくつながって未来にまたつながってくっていうのがまさに。
(あき)やっぱりね自分の信念を男の人がずっと貫いてやったっつうの立派ですね。
ホントにね。
私もそういうふうにしようかなと思ってます。
(日村)ここにきて…。
(剛力)さあそしてご出演されるドラマが10月から始まるんですよね。
(木村)はい。
『サイレーン』というドラマが10月から始まるんですけど。
松坂桃李さんが主演で私はその相棒なんですけど。
実は恋人同士でもあるという。
(設楽)あれ?
(千里子)周りではバレてんだよそういう秘密の関係。
(木村)いやいや。
それはいかにバレないようにというところで。
(千里子)ホント?
(木村)頑張ってます。
目下。
一人の女性の死が交通事故の名の下に埋もれてしまっていたかもしれない
お願いします。
別れないぞ。
一人の男の身勝手な暴走がさらなる狂気を招いていたかもしれない
全ての人々にとっての恵みの海が積み重なる汚染により死の海へと化していたかもしれない
しかし…
今回の実話に登場した3人の主人公たち。
彼らに共通したもの。
それは他者の痛みを感じる想像力だったのかもしれません。
私たち誰もが胸に秘めるひた向きな情熱。
その火を絶やさなければたとえ一人でも未来を変えることは決して不可能ではないのです。
常識では考えられない出来事アンビリバボー。
あなたの身に起こるのはあしたかもしれません。
2015/10/01(木) 19:57〜23:18
関西テレビ1
奇跡体験!アンビリバボー 実録日本の事件簿3時間超SP[字]
【日本が震えあがった国内衝撃事件の真実】
▽ドロドロ愛の果て…裏切られた女の決断は禁断の復讐闇サイト▽ひき逃げか殺人か!?完全犯罪を切り崩した執念の捜査
詳細情報
番組内容
1972年のある日、栃木警察の白石巡査部長は小さな窃盗事件の捜査にあたっていた。事件の規模から刑事が被害者の家にまで出向くのは珍しい、しかしそれが白石の“やり方”だった。白石は地元民からの信頼も厚かった。その“やり方”が功を奏したのか、白石は思いがけない情報を聞くことになる!2年前に起きていた交通事故が実は殺人事件であるという!ただの噂話だと聞かなかったことにするのは簡単だった。しかし、
番組内容2
白石の性格がそうさせなかった。果たして彼の執念の捜査は真実に辿り着くことが出来るのか!?
アンビリ至上最も複雑といっても過言ではないこの事件。いくつもの視点から事件を眺めた時、どのような真相が浮かび上がってくるのか。
救急隊員・本庄真一さん(仮名)の妻・美乃里さん(仮名)は、結婚を機に新築の家も建て、幸せの絶頂にいた。だが、突然の悪夢に幸せな家庭は崩壊する。新婚家庭が崩壊した理由とは!?
番組内容3
そして、この事件に隠された真実とは!?
今から45年前、田尻宗昭は、海上保安庁四日市支部に警備救難係長として赴任してきた。田尻は当時漁師たちによる密漁の取り締まりを行っていた。そんなある日、排水を海へ放出する企業もまた、漁師と同じく罪を犯していると知った田尻はすぐさま、海を汚す企業の摘発に乗りだそうとした。果たして巨大企業さらにはその背後にある大きな力に立ち向かう術はあるのだろうか!?
出演者
【ストーリーテラー】
ビートたけし
【スタジオメンバー】
剛力彩芽
設楽統(バナナマン)
日村勇紀(バナナマン)
【スタジオゲスト】
あき竹城
木村文乃
坂下千里子
新川優愛
スタッフ
【プロデューサー】
角井英之(イースト・エンタテインメント)
【演出】
藤村和憲(イースト・エンタテインメント)
【編成企画】
矢野哲慈
【制作】
フジテレビ
【制作著作】
イースト・エンタテインメント
ジャンル :
バラエティ – その他
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 1/0モード(シングルモノ)
サンプリングレート : 48kHz
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