5先どり きょうの健康「新たな国民病 慢性腎臓病」 2015.10.02


「きょうの健康」今週のテーマは「新たな国民病慢性腎臓病」です。
ゲストは歌手の堀内孝雄さんにお越し頂きました。
ようこそお越し下さいました。
ありがとうございます。
お世話になります。
ありがとうございます。
いつも本当にしみるような歌声でいらっしゃいますけども。
腎臓の病気については何かご存じでいらっしゃいますか?直接的には僕は腎臓結石っていうやつをね確か4回ぐらいなりましたけど。
本当に激痛ですね。
ああ〜。
今日はちょっとちらっとお聞きできればうれしいなと思います。
いろいろお聞きになって下さい。
よろしくお願い致します。
教えて下さいますのは…内科医で慢性腎臓病の治療がご専門です。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今腎臓結石とおっしゃいましたけども…。
4回ほどなってるんです。
激痛が走って…。
あれってやっぱり体質的なものなんですかね?度重なるんで…。
そうですね。
一つはやはり食生活などが要因になっている事がありますね。
食べ過ぎたのが原因とかあるいはお酒などが原因になってる場合もありますし。
もう一つはやはり水分を十分とって頂くという事が予防には非常に大事だと思いますね。
そこの部分一番つらいとこつかれましたね今。
考えて考えていけばやっぱり水分とってないですねあんまり。
最近気を付けてるんです。
是非そうして下さい。
非常に痛いですからね。
痛いです。
今週のテーマの慢性腎臓病ですね。
実は非常にたくさんの患者さんがおられまして今注目が高まっています。
この慢性腎臓病ですがこの患者数というのはどれくらいおられると思いますか?いや〜…950万人ぐらいかな?4,300は言い過ぎだと思うんですよね。
真ん中ぐらいいらっしゃるのかな?いやでも950にします。
惜しかったですね。
実は1,330万人が正解なんですね。
そんなにいらっしゃるんですか?はい。
4,300万人というのは高血圧症。
950万人は糖尿病という事になってます。
糖尿病よりは多い。
はるかに…。
1,330万人といいますと…そのため慢性腎臓病は新たな国民病というふうに呼ばれています。
という事で今週4日間お話し頂く訳なんですけどもラインナップご紹介致します。
ご覧のような4日間でして今日1日目ですね「慢性腎臓病とは?」という事でお話を頂きます。
先ほど慢性腎臓病が注目されているというお話をさせて頂きました。
その理由ですが一つは慢性腎臓病は放っておくと腎臓が働かなくなって腎不全へと進行し透析が必要になるという事です。
更に怖いのは腎臓が悪くなるだけではなく脳卒中や心筋梗塞といった命に関わるような非常に重要な病気を引き起こすという事が最近分かってきたという事です。
こちらのグラフは脳卒中心筋梗塞などの発症率を見たものです。
2,600人以上の成人の方を12年間にわたって経過観察したものですが慢性腎臓病の方はといいますと男性では35.6%女性では22%と男女とも約3倍高い確率で脳卒中や心筋梗塞など発症したという事が報告されました。
増えてるんですね。
3倍の…。
3倍ですものね。
慢性といいますかもう少し緩やかなね病気なのかなと思ったら非常に危険な病気という事になってくるんですね。
怖いですね。
ええ。
慢性の腎臓病は反面ゆっくりと進んでいくんですが実は悪くなってしまうと元に戻らないんですね。
戻らないんですか?その点がやっかいなんです。
それではその慢性腎臓病について伺う前に腎臓そのものについてあまりよく分からないと思うんですけど教えて頂けますか?腎臓は腰より少し上の所実は背中側に2つあります。
背中側なんですね。
大体握り拳大ぐらいの大きさで一つは150グラムぐらいの重さがあります。
割と小さい臓器ですが私たちが健康を維持するのに非常に大切な働きをしてるんですね。
こちらは腎臓のはたらきです。
腎臓には大きく分けて尿をつくるはたらきとホルモンをつくるはたらきがあります。
中でも重要なのが老廃物を尿として排出するはたらきです。
詳しく見てみましょう。
腎臓の中には糸球体と呼ばれる毛細血管の塊があります。
直径僅か0.1から0.2ミリほどの大きさで一つの腎臓の中に100万個もあります。
この糸球体が老廃物をろ過するフィルターの役割をしています。
糸球体には老廃物赤血球タンパク質などを含んだ血液が流れ込んできます。
糸球体を通るうちに老廃物だけがろ過され水分と一緒に尿として出されます。
そして老廃物が無くなったきれいな血液が再び体に送られます。
腎臓にはもう一つ大切な働きがあります。
それはアミノ酸やブドウ糖ナトリウムなど体に必要な成分を再吸収する事です。
この再吸収によって体内の水分やイオンのバランスを一定に保つ事ができるのです。
きれいな血液でしょ。
それでちゃんとものすごい役割してる。
いや〜すごいですね。
実は腎臓というのはきちんと働いてくれないと私たちは元気に生活する事ができないんですね。
その腎臓の働きいかに大切な仕事してるか分かったんですがじゃあその慢性腎臓病というのはその腎臓がどうなると病気になってしまうんでしょうか?慢性腎臓病といいますのは原因が何であれ…この腎臓の障害の主な原因には慢性糸球体腎炎。
この代表例がIgA腎症です。
それ以外に糖尿病性腎症高血圧が原因で起こってくる腎硬化症両方の腎臓に水がたまったような袋がたくさんできる多発性のう胞腎などさまざまな病気があります。
原因としては何が一番多いんですか?以前はこの慢性糸球体腎炎というのが一番多かったです。
最近では糖尿病によるこの糖尿病性腎症というのが一番多くなっています。
やっぱり糖尿病自体がね多くなってきているという事。
糖尿病の患者さん自体が多くなっているというのが大きな原因ですね。
実際その慢性腎臓病になった患者さんに症状などお話を伺っているのでVTRをご覧下さい。
大阪府にお住まいの…30年ほど前に慢性腎臓病を発症しました。
病気に気付いたきっかけは?当時営業マンだった松村さん。
食事療法を指導されましたがつきあいで外食が多くなかなか実践できませんでした。
全く症状がなかったため松村さんは仕事で忙しいのを理由に病院に行きませんでした。
すると数年後症状が。
再び病院を受診した時には既に慢性腎臓病はかなり進行していたのです。
これはでもやっとの事で先生ね症状が尿が泡立つとかそういう症状が出てからではもう既にという事ですよね。
先ほど腎臓は沈黙の臓器という話がありました。
実際かなり悪くなってからしか症状が出ないというのが多いんですね。
ですから松村さんの場合のように会社や健康診断などでたんぱく尿などが指摘されても放置してしまって実はひどくなってから受診されるという方が少なくないんですね。
ですよね。
やっぱり症状を僕ら別に待ってる訳じゃないですけど「あっ何か変だな」というので健診受けたりとかなるんで。
ちょっと気付いて…。
だからその水際というか手前で…なるならないは別にしてやっぱり定期的に受けないと駄目ですね。
慢性腎臓病の早期発見には尿検査でたんぱく尿またはアルブミン尿血液検査で血清クレアチニンの値を定期的に調べる事が有効です。
たんぱく尿はマイナスやプラスで結果が示されます。
マイナスとプラスマイナスは正常1プラス2プラスなどは尿の中にたんぱくが出ている事を表し精密検査が必要になります。
あそこが境目ですね。
そうなんですよね。
ちょうどプラマイのプラスになってくとやばいという事ですねこれは。
先ほどこの糸球体というのが血液をろ過するフィルターだというお話ししました。
この糸球体をザルに例えて説明してみたいと思います。
正常な腎臓の場合はこの血液の中にある赤血球やタンパクなど大きいものはこのザルから漏れてきません。
ザルというのはちょっと網の目が小さいものですからこのような小さい老廃物だけが尿となって出ていくんですね。
ところがこの腎臓がダメージを受けるとこの網の目が大きくなっていきます。
そうしますと血液やタンパクは尿と一緒になって外へ出ていくという事になってまいります。
これがたんぱく尿や血尿の原因となる訳です。
少しずつ破損しているという状態ですね。
それと下の血液検査のクレアチニンですか。
このクレアチニンというのは体の筋肉から出るゴミで通常は糸球体でろ過されて血液にはほとんど残ってまいりません。
その一方でこの網の目が目詰まりを起こしてくるんですね。
そうしますとこの老廃物が十分尿として出る事がありませんでこの血液中に残ってまいります。
このろ過されずに残った血清クレアチニンの値を特殊な計算式で計算しますと腎臓の糸球体がどれくらい1分間にろ過できる…血液の量というのを表す事ができます。
これをeGFR糸球体ろ過量というふうに呼びます。
それがどうでしょう期間として…。
この慢性腎臓病の診断ですけれども……というのが3か月以上続くこのどちらかあるいは両方が3か月以上続くというのが慢性腎臓病の診断基準となってまいります。
その慢性腎臓病遠くにあるように思っていましたけど結構身近で怖い病気なんだなというのを思ったんですが。
初期には症状が出ない事がほとんどなんですけれども生活習慣病などを改善する事によってこの慢性腎臓病にならないという事が大事になってくるかと思います。
そのためには健康診断やドックなどできちんと検査して頂いてそのあともし尿たんぱくがあるGFRが低下してしているというような事が指摘された場合にはきちんと医療機関を受診して頂いて精密検査をして頂くという事が大事ではないかなというふうに思います。
常にやっぱり心がけ一つといいますか…。
当たり前の事なんですけどついつい見逃してしまいますよね。
きちんと検査が必要ですしね。
皆さんにお勧めしたいですね。
検査をされる事をね。
はい。
今日は慢性腎臓病とはどういう病気なのかお伝え致しました。
どうもありがとうございました。
次回またよろしくお願い致します。
2015/10/02(金) 10:40〜10:55
NHK総合1・神戸
先どり きょうの健康「新たな国民病 慢性腎臓病」[解][字]

慢性腎臓病は症状がないままゆっくりと進行しやがて腎不全や脳卒中など重大な病気を引き起こす。しかも一度悪くなった腎臓は元に戻らない。患者の体験談とともに解説する。

詳細情報
番組内容
患者数1300万人。成人の8人に1人がかかっていて新たな国民病として注目されている慢性腎臓病。症状がないままゆっくりと進行し、やがて腎不全や脳卒中など重大な病気を引き起こす。しかも、一度悪くなった腎臓は元に戻らない。それが慢性腎臓病の特徴だ。番組では、腎臓の知られざる重要な働きや、慢性腎臓病を早期発見するための検査などについて、実際の患者の体験談も交えながら詳しく解説する。
出演者
【ゲスト】堀内孝雄,【講師】大阪大学大学院准教授…猪阪善隆,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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