トップキャスター #08 2015.10.02


≫石澤さん、今日けんか売ってますよ。
(春香)ああー。
あんたホント料理上手よねー。
これでさもうちょっと仕事ができるとねー。
うん?新聞は?おっ。
あっ会議の資料は?
(望美)そこにありませんか?おっ。
うん?特集の企画書は?ありませんか?あった。
まあまあまあまあ。
このくらいはねできるもんなのよ。
でもさ自分で企画書を出すとなるとさ。
うん?これ誰が書いたの?わたしです。
読んでみてください。
ええー!?何で?はい?あんた何でこんなしっかりさんになったの?これじゃあなた完ぺきなアシスタントじゃない。
椿木さんのお役に立とうとしてるだけです。
処世術まで。
嫌。
こんな飛鳥望美なんて嫌。
クソ。
何か弱点を見つけなければ。
どうしたんですか?ちょっとキャスターの代打を務めたくらいであんたの思いどおりにはさせないわよ。
はぁー。
わたし来週誕生日なんですよ。
ふーん。
もう28にもなりますし恋も仕事もどんどん伸ばしてしっかりしなきゃなーなんて。
ふーん。
だからキャスターの座を乗っ取ろうと。
乗っ取りません。
あれ?何で椿木さんの「LOVE」があんな上昇してるんですか?まさか取締役と?そんなわけないじゃないよ。
28か。
28ね。
ふん。
同年代ね。
いや違います。
全然違います。
別年代ですから。
(健介)おおーっ!バースデーケーキですか!?
(石場)お祝いしようと思ってさ。
(芽衣)誰の誕生日なんですか?みんながよーく知ってる人だよ。
(令子)えっ?誰?誰?誰?あんたの誕生日を祝おうとしてくれてるわよ。
わたしにそんな気を遣ってくれるなんて。
持つべきものは仲間っていうことですか?気が付かないふりするのよ。
ねっ。
分かりました。
(せきばらい)
(角高)ああおはようございます。
(一同)おはようございます!はいみんな集合!ええーもうすぐある人の誕生日です。
ええー!?誰?誰が誕生日!?ええっ?ええーっ!?
(一同)ハハハハ!
(石場)じゃあみんなでお祝いしましょう。
ねっ。
いきますよ。
さんはい。
(一同)・「ハッピーバースデートゥーユーハッピーバースデートゥーユー」・「ハッピーバースデーディア…」・「真由たーん」えっ?
(石場)・「ハッピーバースデー真由ちゃーん」
(俊平)お前の娘かよ?
(石場)いやありがとう。
真由ちゃんも喜んでくれてるよ。
ねっ。
最近さ全然家帰れないでしょ。
だからせめてここでお祝いしようと思ってさ。
ハハハハ…。
どうしたの?プレゼント。
代理で僕がいただきます。
(令子)何であんたの娘の誕生日をみんなで祝わなきゃいけないのよ!?祝うだろう普通!
(一同)祝わねえよ普通!
(俊平)お前ら絶対出すなよ。
(スタッフたち)はい!カニちゃんの母校?
(健介)はい。
後輩たちの部活の様子をドキュメントで半年間追いかけたんです。
友成学園っていうんですけどね。
(令子)あらぁ。
天然学園じゃないの?
(角高)友成学園知ってるよ。
あのサッカーの全国大会で何回も優勝したことある強豪校だろ。
(令子)へぇー。
(芽衣)いいじゃないですか。
サッカー盛り上がってるし僕たちのワールドカップ!みたいな感じで。
独占取材ならスクープ性もあるしね。
はい採用!
(健介)やった!よかったね健介。
(健介)ああ。
たまにはいい仕事するじゃん。
でもサッカーではなく野球なんです。
(一同)野球!?
(健介)ほらほら。
俺は高校までずっと野球やってたんですよ。
(角高)友成学園で野球なんて聞いたことないぞ。
(健介)そうなんですよ。
うちの学校は野球には全然力入れてなくて廃部寸前だったんですけどこいつらはたった九人で県大会の決勝まで来てるんですよ。
すごくないすか!?
(一同)なーんだ。
(俊平)カニちゃん。
こんな時期に野球の特集したって誰も見ねえだろ。
(令子)サッカー部だったらよかったのに。
いやたった九人で決勝まで来てるんですよ!今度勝ったら甲子園なんですよ!スクープじゃないならいらないや。
はいボツ!はい!?ねっ。
何かさスクープとか入れてみたら?例えば部員全員がイチローの弟だったとか。
・ジローサブローシローとかどう?もしもし。
蟹原ですけど。
ごめんね。
実はさ取材に協力してもらったんだけど…。
えっ!?出場辞退!?何で?部員が喫煙!?
(健介)まさかあいつらがそんな。
分かった。
また何か決まったら教えて。
すいません。
野球部が喫煙騒動起こしたとかで学校側が出場辞退の方向で検討してるそうです。
だからもうこのVTRは…。
ふーん。
スクープね。
あっ。
獲物を狙うハゲタカの目だ。
はい採用。

(健介)ちょっと待ってください椿木さん。
うちの後輩はそんなに悪いヤツらじゃないんですよ。
別に喫煙問題バッシングしようなんて思ってないわよ。
(健介)えっ?部員の一人が喫煙したからって連帯責任で出場辞退ってこれどうなのよ?
(俊平)しょうがないんじゃないですか?じゃあ何?角高さんが結婚詐欺したらわたしも辞めなきゃいけないの?飛鳥さんが銀行強盗したらわたしも辞めなきゃいけないんですか?わたしは銀行強盗なんてしません。
事実関係を確認して出場辞退する必要があるかどうか問題提起するのよ。
そしたらカニちゃんが撮ったVも使えるでしょ。
あっお願いします。
うちの後輩を助けてください。
どっち?
(健介)まっすぐこちらです。
よし。
(女子高生の歓声)うわっ。
サッカー部一色ですね。
(健介)そうなんだよ。
うちの高校はねサッカー部が中心で野球部なんて元から相手にされないんだよ。
ふーん。

(久美)こんにちは!
(健介)おお久美!
(久美)健ちゃん。
久美?健ちゃん?同級生なんです。
ふーん。
(久美)つきあってたんだよね。
(健介)うん。
元カノかよ!?へぇー。
えっ!?
(健介)今は野球部の部長をしてます。
(久美)この度は申し訳ありませんでした。
わたしたちに謝る必要ないですよ。
はい申し訳ありません。
早速ですが喫煙が発覚したときの状況を教えていただけますか?教育委員会の視察の皆さんがいらしたときです。
(教頭)この部屋はですねパソコンルームということで…
(一同)うわっ!すごい煙!
(久美)生徒が喫煙してるところが目撃されたんです。
その日は日曜で運動部の部員しか学校にいなかったものですから各部室の検査を行ったんです。
そしたらうちの野球部の部室からタバコと吸い殻を入れた空き缶が出てきました。
(春香)部室から発見されただけで誰が吸っていたかは特定されていないんですよね?ええ。
あの県大会の決勝は辞退する方向で今は野球部の活動は停止している状態です。
あいつらがそんなことするはずないんだけどなぁ。
(健介)おいーっす!
(祥司たち)あっカニ先輩!おお!
(祥司たち)大変っす!おお。
大変だったらしいな。
(祥司)ゴミ箱に座ってたらケツ抜けなくなったっす!
(健介)えっ?
(剛史)鼻でうどん食おうとしたら血止まんなくなったっす。
えっ!?
(克巳)落ちてた饅頭食ったら腹痛くなったっす。
痛ててて。
(健介)何やってんだよ!?お前ら!それな全部俺やったことあるぞ。
カニ先輩すげえ!
(祥司たち)経験豊富!健介がいっぱいいる。
ここの野球部って…。
天然部!?
(健介)あのな。
こちら椿木春香さんだ。
(祥司たち)ああーっ!誰ですか?
(健介)ニュース見たことないのか?
(祥司たち)ハハハ…。
お前らの無実を晴らすためにわざわざ来てくださったんだ。
いや無実を晴らすっていうかねお話を聞かせてほしいの。
お話?
(健介)うん。
(剛史)腹減ってティッシュ100枚食ったときの話がいいかな?
(祥司)いやいや水たまりでおぼれた話は?
(克巳)ああそれ…。
ちょっと…。
本題に入るまでにすごい時間かかりそうですよ。
カニちゃん。
あっ。
えっ?あのさ普通に話せる子はいないの?あの…。
普通?カニちゃんに普通の話聞いても無理です。
ほかの連中は?後の六人。
みんな来なくなったっす。
(祥司)決勝にも出られなくなったしもうこれ以上ここでやってもしょうがないって。
(健介)そうか。
(祥司)でもカニ先輩!信じてください!うちら九人誰もタバコなんか吸ってないっす!ああ。
えっ?初めて意味のあること言いましたよ。
それで?これを見てください。
(健介)何だ?
(祥司)やっとシールが99枚集まったんです!この子何言ってんの?ごく自然な話の流れですが。
(祥司たち)うん!あと1枚でシールが100枚になってヤンキースタジアムに抽選で招待されるんです。
ハハハハ!あと1枚!
(祥司たち)あと1枚!あと1枚!あと1枚!あと1枚!たまたまだったみたいですね。

(ドアが開く音)
(教頭)何やってんですか?内藤先生。
(久美)あっ申し訳ありません。
また蟹原さんたちが取材にいらして。
あのう教頭と理事長の沼田です。
(教頭)困りますね。
勝手に生徒の取材されちゃ。
(健介)いやでも野球部の取材許可は取ってありますんで。
(教頭)それはまだ野球部があったころの話でしょう。
(健介)えっ?
(教頭)間もなく出場辞退も決まりますし野球部は廃部になります。
(祥司たち)えっ!?そんな!あの失礼ですがなぜ出場辞退なさったんですか?
(教頭)今回の不祥事は誠に遺憾に思っております。
いえそういうことをお聞きしたかったわけじゃなく。
喫煙者が誰かまだ特定もできていないのに…。
お引き取りください。
(沼田)落ち込むことはないんだよ君たちは。
はい。
(沼田)決勝に出られたとしてもどの道負けたんだ。
恥をかかずに済んでよかった。
行きましょう。

(健介)まっとにかくもう1回取材をお願いします!わたしはもういいわ。
あんたに任せた。
ええーっ!?嫌ですよ。
(健介)嫌だ!?ちょっと。
サブ来て。
何?スクープ!?早く。
早く!待って。
(角高)早く早く。
こっちこっち。
(石場)「別れるって…。
何もこんなところで言いだすことないだろ」
(令子)部屋だとまたごまかすからあなた。
(石場)だけどさ…。
(令子)もう決心したの。
あなた奥さんと別れられる?子供と別れられる?
(望美)石場さんと令子さんってつきあってたんだ…。
スクープでしょ?こいつら見られてんの気づいてないし。
何か見ちゃいけないもの見てる感じ。
そっとしといてあげなさいよ。
(石場)「おい。
ちょっと待てよ!」
(角高)3カメ!
(俊平)ちょっちょっ…。
よしなさいって。
めちゃめちゃ見てるじゃないですか。
(石場)「確かに俺は家族が大切だ」「だったら!」「だけどお前のことも同じように大切なんだ」
(なぐる音)あっ。
はい石場さんポン!
(令子)「そんなの男の勝手な言いぐさじゃない!」
(角高)令子さんポン!見えないからポン!
(芽衣)令子さんいい顔してる。
(俊平)石場ちゃん素だし。
素。
よしなさいって。
よしなさいって。
照明暗いわね。
(健介)こんなもんでどうすか?いいんじゃない?何やってるんですか!?V回ってる?
(俊平)VTR回りました!
(雅人)何をしてるんだ?趣味の悪いことを。
「だけど愛は選べないんだよ!」
(角高)もう一つポン!ここでBGM!ミュージックイン!スタート!「しょうがない人ね。
もう少しだけ一緒にいてあげるわ」「令子…」「好きになっちゃった気持ちには勝てないものね」「ああ。
それが男と…」「女ね」
(俊平・芽衣)泣けるねぇー。
泣けるか?泣けるよ!泣いてんだ。

(泣き声)
(春香)局長もいろいろあったのかもね。
いろいろね。
ああ。
ちょっと飲みにでも行こうか?あっ?何で?何でってことはないだろ。
君が帰ってからまだ一度もゆっくり話したことがないんだから。
何ゆっくり話すの?あれ?またわたしを辞めさせる話?何でそんなケンカ腰なんだよ?俺はただ昔みたいにニューヨークどうだった?とか。
別に。
昔一緒に食事したレストランまだあるかな?とか。
どうでもいいわね。
僕と君のこととか。
わたしとあなたのこと?何わけの分かんないこと言ってんの?何だ!?それ!俺は今一生懸命人生で一番と言ってもいいくらい素直に話してるんだぞ。
何だ?それ。
あなたの素直って随分押しつけがましいね。
もういい。
あれ?あれ?
(望美)あれ?椿木さんもう帰っちゃったのかな?
(健介)望美はさ誕生日プレゼント何か欲しいものある?何で?いや健介にそんなプレゼントもらう筋合いないし。
いやめちゃめちゃ筋合いあんじゃん!何でよ?だって…。
俺は望美のことが…。
ねえ!あの先生さ健介の元カノでしょ?母校の取材とか言ってさホントはあの元カノに会うために取材続けてたんじゃないの?違うよ。
健ちゃんとか言われちゃってさ。
うまく行くといいね。
だからそんなんじゃないって。
うらやましい。
お似合いだもんね。
いいなぁー。
もういい!えっ?ちょっと。
何怒ってんの?お前は最悪だ!何?何?逆ギレ?ちょっと!何よ!?待って!あなたは自分勝手すぎるのよ!元カノにデレデレしてたの自分じゃん。
(雅人)もう少し素直になれよ!
(健介)いつだってごまかすんだ!
(四人のせきばらい)あっ…。
あの…。
石場さんたち面白かったね。
あっそうですよね!アハハハ…。
(雅人)アッハハハハ。
(健介)ハハハハハハ。
(雅人)じゃ。
(健介)じゃ。
あっ…。
いや…。
今回の一件で何か気になってることはありませんか?理事長が関係してるのかもしれません。
えっ?どういうことですか?鍵です。
鍵?生徒の喫煙が目撃された後教育委員会より部室の検査を行うように指示されたんです。
そのときわたしは運動部すべての鍵を取りに行ったんですがうちの野球部ともう一つ別のクラブの部室の鍵だけがなくなってたんです。
わたしたち教師はまず鍵のある部室から検査しましょうって言ってたんですけど急に沼田さんがいらして…。
(沼田)待ちなさい。
教頭を待ったほうがいいでしょう
(久美)わたしたち職員は職員室で待機することになったんです。
で鍵は?
(久美)そのときは疑問に思わなかったんですけど教頭先生が持ってらしたんです。
あっ先生方。
どうもお待たせしました喫煙が発覚して鍵を集めて部室の検査をするまでどのくらいの時間がかかったんですか?15分から20分ほどです。
例えば別の部室から野球部の部室にタバコを移動させたとして十分な時間ですよね。
先生。
鍵がなくなっていたのは野球部ともう一つどこの部室だったんですか?
(久美)サッカー部です。
(健介)サッカー部!?行きましょう。
(健介)へい!どうせ決勝に出たって勝てるわけないし。
(健介)そんなのやってみなきゃ分かんないだろ?
(克巳)これ以上話がでかくなってうちらのせいでみんなに迷惑かけちゃ悪いっすから。
何言ってんだよ。
お前らは何にも悪いことしてないんだから!カニ先輩に信じてもらえただけで十分です。
これあげます。
(健介)えっ?いや。
だってお前これ。
俺たちの代わりにヤンキースの試合見てきてください。
えっ?あっ。
(祥司たち)失礼します!
(久美)ねえ?覚えてない?喫煙のことがあったとき野球部のみんなが練習してるのを見たって人いない?誰か何か…。
ちょっと。
(久美)ねえねえ?何も知らないのか?誰か一人でもいいから!ねえ?ちょっと待ってよ!
(健介)ごめんね。
あのー。
野球部の喫煙騒動があった日の行動知ってる人いる?誰もいないの?見てないはずなんてないのに。
(久美)喫煙騒動があった日に野球部のみんなが練習してるのって見てない?あなたサッカー部よね?あの。
今回の野球部の件で何か知ってることとか気が付いたこととか何かないかな?・
(沼田)何をしてる?わたしの息子に何かご用かな?早く行きなさい。
お前は余計なことを考えずに練習すればいいんだ。

(教頭)あれは野球部の仕業なんですよ。
証拠だってこのとおり野球部の部室から出てきたんだ!それはホントに野球部の部室から?
(沼田)卑しい連中だな。
マスコミというのはやれ報道の自由だときれい事を振りかざすがやってることは下品極まりない。
無関係な生徒にも疑いをかけるなど人権を踏みにじる行為だ。
申し訳ありません。
わたしが無理言って来ていただいたんです。
僕たちはただ彼らの…。
行きましょうか。
えっ?どうも失礼をいたしました。
(沼田)わたしたちには子供たちを守る義務があるんだ。
君たちのようなドブネズミ以下の人種から。
今度このようなことがあったら訴えますよ。
(健介)椿木さん?椿木さん!いいんですか?椿木さん?困ったなぁ!
(俊平)カニちゃんだけだよ困ってんのはさ。
カニちゃん。
そんな心配だったらさ今から教員免許取って先生になるなんてどう?はあ!?健介あきらめな。
学校のことは学校に任せたほうがいいよ。
いや。
これを見てください!
(石場)うん?ちょっちょっと!
(石場)「愛は選べな…!」あっ!何?これ。
ちょっと紺野さん!えっ?えっ?今の。
今何?今の俳優さん俺に似てない?いや。
全然似てない。
これを見てください!こいつらはこんなに頑張ってたんですよ?こんなに練習してたんですよ?夜なんてナイター設備がないからボールを取り損なってガンガン顔面に当たるんです。
突き指して指がタラコみたいになっても九人しかいないから試合に出続けたんです。
グラウンドが使えるからって台風の日も雪の日もクリスマスも正月も休みなしに練習してたんです!なのに何でここまで来て辞退しなきゃいけないんですか!?椿木さん!あの理事長にあんなこと言われて取材やめるんですか!?びびってるんですか!?そうかもね。
じゃあ認めるんですか!?俺たちの仕事はドブネズミ以下なんですか!?そうかもね。
(角高)認めちゃったよ。
何が伝説のニュースキャスターだよ!腰抜けだ!健介。
(俊平)カニちゃん。
(石場)カニちゃん。
さっきの俺だよね?
(珠子)はーい。
いや。
ちょっちょっちょっ。
健介もうやめなって。
飲みすぎだから!ほら。
椿木春香のコバンザメは黙ってろ!何!?
(珠子)望美ちゃんごめんね。
もう。
そんなこと言ってたら望美ちゃんに嫌われちゃうよ?
(三郎)こいつは俺と違ってこういうところがもてないんだよ。
見損なったよ!あんなことでびびって逃げる人だとは思わなかった。
あーあ。
(柴田)びびっていいんじゃないですか?
(健介)えっ?例えばその喫煙騒動の真犯人を見つけて野球部が出場できるようになったとしましょう。
ええ。
すると今度はその真犯人のいる運動部が出場辞退になるかもしれない。
彼らもまた懸命に練習してきたのに。
しかたありません。
自業自得ですから。
ハハハ。
蟹原君らしくないなぁ。
えっ?わたしたちの仕事は犯人を見つけたり人を罰することではありません。
わたしたちの仕事は…。
人の心を扱う仕事。
ご名答。
真実を追求すれば時に人の心を傷つけることもあるでしょう。
がしかしわたしたちは報道マンです。
刑事でも検事でもないただの報道マンです。
取材の名を借りて人を罰しようなどと考えたらそのとき報道マンは終わりです。
人の心を傷つけることを恐れなくなったらそのとき報道マンは辞めるべきです。
(柴田)椿木春香という人は常にその覚悟をしています。
取材は慎重に行うべきです。
大いにびびっていいんじゃないですか?
(珠子)はい。
ありがとう。
(珠子)酔いをさまして椿木さんに謝ってきたら?熱っ!
(健介)熱い!
(柴田)ハハハハ。
そんなに熱くないでしょう?
(珠子)ねえ?全然熱くないよそんな。
(健介)もう帰っちゃったかなぁ。
あー!何度見ても笑えるね石場さんたちのビデオ。
フフッ。
椿木さん。
すいませんでした!今回は椿木さんの言うとおりあきらめて…。
あきらめ…。
あきらめる?わたし一度もあきらめるなんて言ってないよ。
へっ?あんたどう思ってんの?えっ?いや。
わたしの意見は別に。
あるでしょ?取材続けるべきだと思います。
ふーん。
何で?だってそんなんでサッカー部が残ったってそんなんでこの先どれだけ勝ったってうれしくないと思います。
勝負で勝ったって心は負けだと思います。
偉そうなこと言うようになったわねえ。
あ…。
でも同感。
フッ。
またあの天然たちを相手にするのかと思うと面倒だけど。
大人ぶった連中より天然のほうが好きよ。
じゃあ。
取材続行。
ああっ!ねえ?あれ持ってきて。
あれ?あれ。
待ってください!待ってください!
(教頭)邪魔すんな!何だ?その目は。
俺たち…俺たちやってません!俺たち誰もタバコなんか吸ってません!
(教頭)まだ言い逃れすんのか!?お前らのお陰でみんながどれぐらい迷惑してるかまだ分からんのか!?恥を知れ!恥を!あーああ。
君たち。
こんなとこ突っ立ってないで練習しなさい。
練習。
早く行きなさい!練習!はい練習練習!練習!はい行って!それでいいの?あなたたちはそれでいいの!?見て見ぬふりをしたほうが勝つなんてルールどんなスポーツにもないんじゃないの!?
(教頭)あんたらまた来たのか!?今度こそ訴えますよ。
(部員)俺見ました。
あっ?
(部員)あいつらタバコのことがあったときずっと外でランニングしてました。
(教頭)うん?うん?何言ってんだよ?
(部員)俺も見ました。
つーかこいつらただの野球バカだしタバコなんて吸わねえよな。
(教頭)な…何言ってんだよ!わけの分かんないこと言って!わけ分からなくなんかないじゃないですか。
彼らが今言ったことは直球ど真ん中でしたよ!
(プレートを捨てる音)
(沼田のため息)
(教頭)どういうつもりですか!?生徒けしかけてあんなでたらめを言わせるなんて!でたらめではありません!仮に喫煙を目撃されたのが野球部員じゃないとしてもこれは野球部の部室から出てきたんです!これね。
ちょっとおかしいんですよね。
はあ?これ本当に野球部から出てきたんですか?はっ?
(教頭)わたしが嘘ついてるって言うんですか!?いえ。
やっぱりおかしいんですよ。
だから何が!?これ見てください。
ここ。
応募シールが付いたままになってるんです。
はあ?ご存じでした?野球部の子たちはこのチョコレートの缶に付いている応募シールを一生懸命集めてたんですよ。
なんでもね100枚集めると抽選でヤンキースタジアムに招待されるんですって。
ほら。
99枚集めてあと1枚で100枚なんですよ。
なのに何で彼らはこの目の前にある空き缶から応募シールをはがさなかったんでしょう?普通ね何より先にはがしませんか?灰皿にするより先にはがすと思うんですよ。
そ…それは。
でもはがされていない。
なぜか?それは彼らが食べたチョコではないからではないでしょうか?野球にもヤンキースタジアムにも興味のないほかの誰かが食べた後の缶だからではないでしょうか?では誰がこれを野球部に置いたんでしょう?ご存じありません?教頭先生。
知りません。
わたしは…。
くだらない。
そんなくだらない探偵ごっこをするために君たちはわざわざここまでやってきたのか?わたしが言うように野球部は廃部!サッカー部は存続!決定に変更はありません!えっ?サッカー部?サッカー部どうかしました?わたし今サッカー部の話なんかしていませんが?ああ…。
あっ。
沼田さん。
わたしたちは真犯人を捜そうとしてるわけではありません。
ただ…。

(ドアが開く音)
(久美)あっ理事長!息子さんが幸彦君が!
(沼田)どうした?どうしたんだ?幸彦!
(教師)恐らく骨折してます。
こ…骨折!?誰だ!?誰がやったんだ!お前か!?お前か!?それともお前たちか!?お前たちか!
(幸彦)父さんやめてよ!
(幸彦)自分でやったんだよ。
えっ?
(教頭)さあみんな練習練習!はい練習続けて!はい練習やって!
(沼田)何でそんなことをやったんだ?わたしはお前のためにどれだけのことをやってきたか。
分かりませんか?まだ彼の心の傷に気づいていませんか?あなたは彼のしたことを知っていたんですよね?だったら彼が苦しんでいたことも自分のしたことに押しつぶされそうになっていたことにも気づいていたはずです!だから…だからわたしは。
守ることと隠すことは違うと思うんですけど!?子供たちは時に誤った道を歩いてしまうことだってある。
彼らが罪を犯したときいちばん大事なのは目を背けることじゃなく嘘でごまかすことじゃなくともに向き合ってあげる事なんじゃないですか?ともに苦しんであげる事なんじゃないですか?彼を本当に守りたいんなら何よりまず先に彼の目を見てあげることだと思います!今の彼はとっても正直な目をしてますよ。
幸彦。
ごめん。
(幸彦)あ…。
(沼田)痛むか?我慢しろ。
お願いします。
あの。
このことニュースで。
興味ない。
後はあなたたちの問題。
(久美)あ…。
はい!わたし精一杯彼らを守ります。
(祥司たち)あざーっした!お前ら決勝頑張れよ!
(祥司たち)はい!
(健介)声が小さい!
(祥司たち)はい!
(健介)今から練習だ!
(祥司たち)はい!やったー!
(芽衣)「そして本日神奈川代表を決める決勝戦が行われました。
優勝したのはこちらの学校です」
(実況)「三塁ランナーを見た。
第4球ランナースタート。
スクイズ!三塁ランナーが今ホームイン!さよなら!友成学園がさよならスクイズ!見事に初優勝!」
(芽衣)「18日間の熱戦の末見事195校の頂点に立ったのは部員九人の友成学園でした」「ホントにうれしそうな笑顔ですね。
『THENEWS』ではたった九人で優勝を成し遂げた彼らをこの半年間独占密着で取材してまいりました。
その彼らの青春を記録したスクープ映像をご覧ください」
(角高)N1スタート。
(芽衣)「大会前の大方の予想に反した大健闘の末全国大会への切符を手に入れた友成学園。
部員9人というギリギリの状態で…」よくやったよ!暑苦しい学校だなおい!どう思います?
(雅人)椿木春香が何と言うかですか。
(柴田)ええ。
(雅人)キャスター飛鳥望美か。
(芽衣)「彼らの野球に対する愛情が今回の優勝の最大の要因かもしれません」
(雅人)ちょっと飲みにでも行かないか?
(望美)それって取締役は椿木さんに告白しようとしたんですよ!来た!来た?いや。
ううん別に。
話したいことがあってさ。
大事な話ですか?二人にとっての大事な話だと思う。
あ…。
や…やっぱりあの話ですかね?えっ?気づいてたのか?そろそろそういう時期だと思ってね。
そうだったのか。
君も同じ思いだったのか?
(健介)望美!うん?
(健介)今暇?えっ?3分40秒ほどでいいんだけど。
何3分40秒って?あと3分35秒で望美誕生日だろ?あっ。
忘れてた。
誕生日の瞬間は俺と一緒にいよう。
はあ?何でせっかくの誕生日の瞬間に健介と二人で一緒にいなきゃいけないわけ?あのこれ。
受け取ってくれ。
なっな…何?これ。
カニ。
カニカニ!はあ!?何怒ってんだよ?当たり前でしょ!何!?このカニって!わたしこんなケースに入った指輪もらうの初めてなの!なのに何?このカニって。
はあー。
何かドキドキして損しちゃった。
ドキドキした?してない!いや。
今したって。
ねえ?こんなのいらない!いやちょっ。
あっ!
(落ちる音)あ…。
何?け…。
け…。
結婚してください!俺と結婚しよう。
望美。
聞こえなかった?き…聞こえた。
だったらオッケーしてくれるよな?オッケーしてくれるよな?飛鳥望美をキャスターにしたい。
俺は飛鳥望美と結婚したい!はい!嫌。
うん?あー。
えっ?今何て?飛鳥望美をキャスターにしたい。
今何て?飛鳥望美と結婚したい。
えっ?あ…。
えー!じゃあそういうことで。
じゃあそういうことで。
(時計の秒針の音)あっ!カニ?・『Dearfriend』2015/10/02(金) 14:55〜15:50
関西テレビ1
トップキャスター #08[再][字]

「恋するふたり」

詳細情報
番組内容
椿木春香(天海祐希)は、いつのまにかアシスタントとしても優秀になりつつある飛鳥望美(矢田亜希子)の様子に、ちょっぴり複雑な心境。望美は、間近に迫った誕生日を前に、しっかりしようと思っただけというのだが…。
一方蟹原健介(玉木宏)は、母校友成学園で、部員たった9人の野球部の半年間を追ったドキュメンタリーを『ザ・ニュース』スタッフに見せる。サッカーならともかく、野球にスクープ性はないと春香はバッサリ。
番組内容2
しかし、地区優勝を目前に、その野球部が、喫煙という不祥事を巡って出場辞退を検討しているとなると話は別。たった数人の問題を連帯責任とすることに疑問を持つ春香は、早速、友成学園を訪ねる。
春香たちを迎えたのは、健介の元同級生で教諭の内藤久美(中越典子)。久美に部室へと案内されるが、紹介された部員たちは健介似の天然系で、なかなか要領を得ない。タバコを吸ってはいないとの主張は引き出せたものの、
番組内容3
その後はまったく関係ない話題に終始してしまう。
それでも取材を続けようとしていると、教頭(不破万作)と沼田理事長(長谷川初範)が現れ、取材を拒否。仕方なく部室を出る春香たちを、サッカー部のエースが見ていた。春香の何者かとの問いに久美は、沼田の息子だと答える。
翌日、報道センターに久美がやって来た。久美は今回の喫煙問題に、理事長が関与しているのではないかと疑っていて…。
出演者
天海祐希 
矢田亜希子 
玉木宏 
谷原章介 
松下奈緒 
松田翔太 
田丸麻紀
 ・ 
須藤理彩 
矢島健一
 ・ 
生瀬勝久 
児玉清 ほか
原作・脚本
【脚本】
坂元裕二
監督・演出
【演出】
葉山浩樹
【プロデュース】
現王園佳正

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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